人身取引(性的サービスや労働の強要等)対策

「人身取引(性的サービスや労働の強要等)」とは

 「人身取引」とは、「国際的な犯罪組織の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書」(通称:人身取引議定書)第3条において定義され、「搾取」を目的とし、暴力等の「手段」を用いて、対象者を獲得するなどの「行為」をすることをいいます。(被害者が18歳未満の児童の場合は「手段」は不要です。)

→ 人身取引の定義はこちら

 「人身取引」は重大な人権侵害であり、人道的観点から迅速かつ的確な対応が求められているとの認識の下、政府が策定した「人身取引対策行動計画2022」に基づき、政府一体となって各種対策に取り組んでおり、警察においても、この悪質・卑劣な「人身取引」を撲滅するため、被害者の早期救出・保護、徹底した取締りなどを強化しています。

→ 人身取引対策行動計画2022はこちら

被害の実例

○ 恋愛感情を利用され他人との援助交際を強要される

○ 借金返済のために売春を強要される

○ 児童が性的サービスを強要される

○ パスポートを取り上げられ強制労働させられる

○ 脅しにより強制労働させられる

○ 家出をした児童が性的搾取を受ける

兆しは・・・もしいたらどうする

 次のような場面は、被害の兆しかもしれません。

 【自分自身が被害者となる可能性】

  • SNSで知り合った彼氏から、「俺が好きなら、ほかの男と援助交際してお金を稼いできて」としつこく言われる。
  • ホストクラブに何度も通い、お金がなくなったが、お店がツケにしてくれるので、料金を支払わず通い続けている。
  • 「日本で働けばすぐに大金が稼げる」と言われ、多額の手数料を借金して外国から日本へ来たら、パスポートを取り上げられた。

 【周りに被害者がいる可能性】

  • SNS上で、同じアカウントを使用し、何度も援助交際の相手を求めている投稿がある。
  • 女子高校生風の若い女性が、接待を伴う飲食店に入っていった。店には客引きが連れてきた客ばかり出入りしている。
  • 片言の日本語を話す女性が数人で同じアパートに住んでおり、いつも帰宅が深夜に及んでいる。

被害者かもしれないと思ったら

  緊急の場合は「110番」や最寄りの警察署等へ通報を、相談については「#9110」や警察署等へお願いします。

  警察庁では、人身取引事犯の被害者等がその被害に気付き、警察署等へ通報・相談いただくため、動画を作成し、広報を行っています。

人身取引事犯の被害者向け動画

   人身取引事犯の被害者向け動画(YouTube警察庁公式チャンネル)

 また、警察庁では、人身取引(性的サービスや労働の強要等)事犯をはじめ、暴力団が関与する犯罪、薬物・拳銃事犯、少年福祉犯罪、児童虐待事案等に関する情報について、皆様から広く情報をいただくため、民間の事業者に委託して匿名通報事業を実施しています。
 この事業は、電話、ウェブサイトで受け付けており、一定の基準に基づきその事案の解決等に役立ったときは情報料が支払われますので、人身取引やその疑いがあると思われたら、情報をお寄せください。

→ 匿名通報ウェブサイトはこちら

周りの方が気付いてあげてください知的障害のある方も被害にあっています

 → 警察庁からのお知らせ(提供:一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会)

リーフレットを見せる外国人がいたら

 下のリーフレットを持参している人は、「人身取引(性的サービスや労働の強要等)」の被害を訴えています。一刻も早く安全に保護しなければなりませんので、警察へ通報してください。
表

裏 

                       人身取引事犯の被害者向けリーフレット

→ 各言語はこちら Click here to other language  

人身取引事犯の検挙状況

 警察が認知した被害者数、検挙した件数・人員の推移です。令和4年は、46人の被害者を認知し、83件、37人の被疑者を検挙しました。

→ 令和4年における人身取引事犯の検挙状況はこちら(30頁以降を参照ください。)