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第3章 刑事手続への関与拡充への取組

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1 刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等(基本法第18条関係)

(1) 迅速・確実な被害の届出の受理

【施策番号114】

警察においては、犯罪被害者等からの被害の届出に対しては、その内容が明白な虚偽又は著しく合理性を欠くものである場合を除き、迅速・確実な受理に努めている。

(2) 告訴に対する適切な対応

【施策番号115】

警察においては、都道府県警察本部及び各警察署に「告訴・告発センター」等を設置し、告訴・告発に係る対応責任者及び対応担当者を指定することで、担当課の決定、受理・不受理の判断が迅速になされる体制を構築している。

また、検察庁においても、告訴について適切な対応に努めている。

(3) 医療機関における性犯罪被害者からの証拠採取等の促進

【施策番号116】

ア 警察庁においては、性犯罪被害者が警察へ届け出ずに医療機関を受診した場合、後に警察に届出をするときには身体等に付着した証拠資料が滅失している可能性があることから、医師等が受診時にこれを採取するための資機材を14都道県の医療機関に試行整備した。

【施策番号117】

イ 警察においては、産婦人科医会等とのネットワークを活用するなどして、性犯罪被害者からの証拠採取の方法を医師等に教示している。

(4) 冒頭陳述等の内容を記載した書面交付の周知徹底及び適正な運用

【施策番号118】

検察庁においては、犯罪被害者等の希望に応じ、公訴事実の要旨や冒頭陳述の内容等を説明するとともに、冒頭陳述の内容を記載した書面等の交付を全国で実施している。

また、法務省・検察庁においては、これらについて、会議や研修等の様々な機会を通じて検察官等への周知徹底を図り、一層適正に運用されるように努めている。

(5) 公判記録の閲覧・謄写制度の周知及び閲覧請求への適切な対応

【施策番号119】

検察庁においては、犯罪被害者等向けパンフレット「犯罪被害者の方々へ」(【施策番号128】参照)等により、犯罪被害者等から刑事事件の訴訟記録の閲覧・謄写の申出があり、相当と認められるときは、刑事事件が係属中であっても、閲覧・謄写が可能である旨の周知を図っている。また、検察庁において保管する訴訟終結後の刑事事件の裁判書や記録(いわゆる確定記録)の閲覧に際して、犯罪被害者等に対し、被告人や証人等の住所を開示するかどうかについては、裁判の公正担保の必要性と一般公開によって生じるおそれのある弊害等を比較考慮して、その許否を判断すべきものであるところ、被害者保護の要請に配慮しつつ、適切な対応に努めている。

犯罪被害者等に公判記録の閲覧・謄写をさせた事例の延べ数は、平成28年中、1,530件であった。

公判記録の閲覧・謄写状況
年次 記録の閲覧・謄写
平成24年 1,426
平成25年 1,481
平成26年 1,647
平成27年 1,499
平成28年 1,530
(注)
1 最高裁判所事務総局の資料(概数)による。
2 高等裁判所、地方裁判所及び簡易裁判所における被害者等に公判記録の閲覧謄写をさせた事例数及び同種余罪の被害者等に公判記録の閲覧謄写をさせた事例数の合計である。
提供:法務省

(6) 犯罪被害者等と検察官の意思疎通の充実

【施策番号120】

ア 法務省・検察庁においては、会議や研修等の様々な機会を通じて、犯罪被害者等の意見が適切に刑事裁判に反映されるよう、検察官が犯罪被害者等と適切な形で十分な意思疎通を図ることについて、検察官等への周知に努めている。

【施策番号121】

イ 検察庁においては、公判前整理手続等の経過及び結果に関し、犯罪被害者等の希望に応じ、適宜の時期に、検察官が必要な説明をし、また、被害者参加人等が公判前整理手続等の傍聴を特に希望する場合において、検察官が相当と認めるときは、当該希望の事実を裁判所に伝えるなどの必要な配慮を行うように努めている。また、法務省・検察庁においては、犯罪被害者等が公判傍聴を希望する場合は、その機会ができる限り得られるよう、公判期日の設定に当たり、必要に応じて、犯罪被害者等の希望を裁判所に伝えるよう努めている。さらに、検察官等を対象とする研修において、犯罪被害者等の保護・支援についての講義を実施するなどして、犯罪被害者等との意思疎通の重要性について、検察官等への周知に努めている。

(7) 国民に分かりやすい訴訟活動

【施策番号122】

検察庁においては、犯罪被害者等を含む傍聴者等にも手続の内容が理解できるように、難解な法律用語の使用はなるべく避けたり、プレゼンテーションソフト等を活用して視覚的な工夫を取り入れたりするなど、国民に分かりやすい訴訟活動を行うように努めている。

(8) 保釈に関しての犯罪被害者等に対する安全への配慮の充実

【施策番号123】

【施策番号77】参照

(9) 上訴に関する犯罪被害者等からの意見聴取等

【施策番号124】

法務省・検察庁においては、検察官が上訴の可否を検討するに当たり、犯罪被害者等の意見を適切に聴取するよう、会議や研修等の様々な機会を通じて検察官等への周知に努めている。

(10) 少年保護事件に関する意見の聴取等各種制度の周知徹底

【施策番号125】

法務省・検察庁においては、検察官等に対し、会議や研修等の様々な機会を通じて、少年保護事件に関する意見の聴取の制度、犯罪被害者等による記録の閲覧・謄写の制度、家庭裁判所が犯罪被害者等に対し少年審判の結果等を通知する制度の周知を図っており、検察官等が犯罪被害者等に対して適切に情報提供できるように努めている。また、これらの制度等について解説した犯罪被害者等向けパンフレット「犯罪被害者の方々へ」により、周知を図っている(【施策番号128】参照)。

少年保護事件に関する意見の聴取等の実施状況
年次 意見聴取 記録の閲覧・謄写 審判結果等の通知
申出のあった人数 認められた
人数
申出のあった人数 認められた
人数
申出のあった人数 認められた
人数
平成24年 401 380 1,264 1,236 1,435 1,424
平成25年 343 327 1,261 1,234 1,440 1,438
平成26年 270 264 1,055 1,042 1,269 1,266
平成27年 315 301 1,137 1,111 1,100 1,090
平成28年 244 226 1,080 1,051 991 982
(注) 最高裁判所事務総局の資料(概数)による。
提供:法務省

(11) 少年審判の傍聴制度の周知徹底

【施策番号126】

法務省・検察庁においては、一定の重大事件の犯罪被害者等が少年審判を傍聴することができる制度や、家庭裁判所が犯罪被害者等に対し審判の状況を説明する制度の周知を図っている(【施策番号128】参照)。

少年審判の傍聴等の実施状況
年次 少年審判の傍聴の実施状況 少年審判の状況説明の実施状況
傍聴の対象となった事件数 傍聴を許可した事件数(人数) 申出のあった人数 認められた人数
平成24年 132 59(78) 613 592
平成25年 97 64(82) 655 633
平成26年 91 59(79) 553 545
平成27年 74 45(65) 514 505
平成28年 74 34(67) 362 340
(注) 最高裁判所事務総局の資料(概数)による。
提供:法務省

(12) 日本司法支援センターで行っている支援に関する情報提供の充実

【施策番号127】

日本司法支援センターにおいては、国民への制度周知・広報の取組として、国民にとって見やすく、かつ、分かりやすい表現を心掛けた犯罪被害者支援リーフレット、Q&Aリーフレット(「犯罪被害者支援Q&A」、「ドメスティックバイオレンス(DV)」)等の各種広報物(同センターウェブサイト「刊行物」:http://www.houterasu.or.jp/houterasu_gaiyou/kankoubutsu/)を発行するとともに、地方公共団体等に依頼して広報物を窓口に備え置いてもらったり、各団体の機関紙に同センターの紹介記事を掲載してもらったりするなど、関係機関・団体を通じた地道な広報活動を進めている。また、SNSを利用した広報を展開している。

日本司法支援センターによる犯罪被害者支援
日本司法支援センターによる犯罪被害者支援

(13) 刑事の手続等に関する情報提供の充実

【施策番号128】

ア 法務省においては、被害者参加制度や少年審判の傍聴制度等、犯罪被害者保護・支援のための諸制度について分かりやすく解説した犯罪被害者等向けパンフレット「犯罪被害者の方々へ」を作成し、検察庁において犯罪被害者等から事情聴取をする際に手渡すなどしているほか、各種イベントで配布するなどしている。また、同パンフレットは、法務省及び検察庁ウェブサイトにも掲載している。

その他、犯罪被害者等向けDVD「もしも…あなたが犯罪被害に遭遇したら」を作成し、これを全国の検察庁に配布して、犯罪被害者等に対する説明に利用しているほか、YouTube法務省チャンネルで配信している。

  • 法務省ウェブサイト「犯罪被害者の方々へ」:(http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11.html)
  • 法務省チャンネル「もしも…あなたが犯罪被害に遭遇したら」:(http://www.youtube.com/watch?v=lXmgyAoEM9E)
犯罪被害者等向けパンフレット
犯罪被害者等向けパンフレット

警察においては、「被害者の手引」の内容を充実させている(【施策番号196】参照)。

被害者の手引
被害者の手引
被害者の手引(交通事故・事件用)
被害者の手引(交通事故・事件用)

【施策番号129】

イ 警察庁においては、都道府県警察に対し、外国語版の「被害者の手引」についても、積極的に作成・配布するよう指示しており、都道府県警察では、それぞれの実情に応じて、英語版、中国語版等の「被害者の手引」を作成・配布するなどの適切な対応を行っている。

被害者の手引(外国語版)
被害者の手引(外国語版)

【施策番号130】

ウ 法務省においては、外国人や視覚障害者である犯罪被害者等に対しても情報提供を可能とするため、犯罪被害者等向けパンフレット「犯罪被害者の方々へ」を、英語版や点字版のほか、内容を音声で録音したCD版でも作成し、全国の検察庁及び点字図書館等へ配布している。また、犯罪被害者等向けDVD「もしも…あなたが犯罪被害に遭遇したら」は全編に字幕を付しており、聴覚障害者に対しての情報提供も可能としている。

(14) 刑事の手続等に関する情報提供の充実及び司法解剖に関する遺族への適切な説明等

【施策番号131】

都道府県警察においては、検視・司法解剖に関する手続等を盛り込んだパンフレットを配布し、遺族に対する適切な説明や配慮に努めている。

また、検察庁においても、検察官が、捜査や公判に及ぼす支障等にも配慮しつつ、必要に応じ、適切な形で、犯罪被害者等に対し検視・司法解剖に関する情報を提供している。

(15) 犯罪被害者等の意向を踏まえた証拠物件の適正な返却又は処分の推進

【施策番号132】

警察においては、検察庁と連携し、捜査上留置の必要のなくなった証拠物件については、証拠物件の還付の方法について犯罪被害者等と協議し、その意向を踏まえた上で速やかな返却又は処分をするように努めている。

(16) 証拠品の適正な処分等

【施策番号133】

検察庁においては、証拠品が犯罪被害者等の所有に係る物である場合、犯罪被害者等に還付の希望の有無を確認し、還付を希望するときは、被差押人又は差出人を説得して当該証拠品が犯罪被害者等に還付されるよう努めている。被差押人等が犯罪被害者等への還付に応じないときには、当該証拠品の処分に先立って犯罪被害者等と連絡を取るなどして、犯罪被害者等が所有権を行使する機会を確保する措置を講じている。検察庁においては、捜査・公判に及ぼす支障等にも配慮しつつ、早期還付等も含めた証拠品の処分について検察官が慎重に検討を行い、必要に応じて、還付の時期及び方法等について、犯罪被害者等に対して説明を行うなど、個別事案に即した適切な運用に努めている。

(17) 捜査に関する適切な情報提供等

【施策番号134】

ア 警察庁においては、「被害者連絡実施要領」(平成26年5月20日付け警察庁刑事局長等通達)や「被害者の手引」モデル案(【施策番号196】参照)に基づき、被害者連絡が確実に実施され、犯罪被害者等に対する適切な情報提供が行われるよう、都道府県警察に対する指導を行っている。

交通事故に関しては、被害者連絡を総括する者として、都道府県警察本部に被害者連絡調整官等を設置している。被害者連絡調整官等は、交通事故被害者等の心情に配意した適切な対応が行われるよう、各警察署の交通捜査員に対する指導・教育を実施している。

また、被害者連絡等の支援活動を通じて得た犯罪被害者等の状況やニーズのうち、民間被害者支援団体や他の行政機関と共有すべきものについては、犯罪被害者等の同意を得て情報提供するなど関係機関・団体との連携を図っている。

被害者連絡制度の概要
被害者連絡制度の概要

【施策番号135】

イ 法務省・検察庁においては、捜査段階から、捜査に及ぼす支障等も総合考慮しつつ、必要に応じ、適切な形で、犯罪被害者等に捜査に関する情報を提供するよう、会議や研修等の様々な機会を通じて検察官等への周知に努めている。

○ 海上保安庁においては、捜査や公判に支障を及ぼしたり、関係者の名誉等の権利を不当に侵害するおそれのある場合を除き、犯罪被害者等に対して当該事件の捜査の経過等を通知している。

(18) 適正かつ緻密な交通事故事件捜査の一層の推進等

【施策番号136】

警察においては、都道府県警察本部の交通事故事件捜査担当課に設置した交通事故事件捜査統括官及び交通事故鑑識官が、飲酒運転、信号無視、著しい速度超過等が疑われる交通事故、事故原因の究明が困難な交通事故等について、組織的かつ重点的な捜査並びに正確かつ綿密な実況見分及び鑑識活動を行うとともに、交通事故捜査の基本である実況見分等についての教育を強化している。

警察庁においては、交通事故被害者等の真実を知りたいという強い要望に応えるべく、交通事故鑑識官養成研修を始めとする各種捜査研修を実施し、捜査員の能力向上を図るとともに、客観的証拠に基づいた事故原因の究明を図るため、常時録画式交差点カメラ、3Dレーザースキャナ等各種機器の活用を推進している。

交通鑑識
交通鑑識

(19) 交通事件に関する講義の充実

【施策番号137】

【施策番号104】参照

(20) 検察官に対する児童又は女性の犯罪被害者等への配慮に関する研修の充実

【施策番号138】

【施策番号103】参照

(21) 不起訴事案等に関する適切な情報提供

【施策番号139】

ア 法務省・検察庁においては、被害者保護の要請に配慮し、犯罪被害者等に対する不起訴事件記録の開示の弾力的運用を実施するように努めている。

不起訴記録は、非公開が原則であるが、交通事故に関する実況見分調書等の証拠については、裁判所からの送付嘱託や弁護士会からの照会に対し、開示することが相当と認められるときは、これに応じている。また、被害者参加制度の対象となる事件の被害者等については、事件の内容を知ること等を目的とする場合でも、捜査や公判に支障を生じたり、関係者のプライバシーを侵害しない範囲で、実況見分調書等を開示し、弾力的な運用に努めている。さらに、それ以外の事件の被害者等についても、民事訴訟等において被害回復のため損害賠償請求権その他の権利を行使するために必要と認められる場合には、捜査や公判に支障を生じたり、関係者のプライバシーを侵害しない範囲で、実況見分調書等を開示している。

不起訴記録の弾力的開示等については、検察官等を対象とする研修等を通じ、検察官等への周知に努めている(【施策番号119】参照)。

【施策番号140】

イ 法務省・検察庁においては、不起訴処分について、検察官が犯罪被害者等の希望に応じ、関係者の名誉等の保護の要請や捜査に及ぼす支障等にも配慮しつつ、不起訴処分の裁定前後の適切な時期に、処分の内容及び理由について十分な説明を行うように努めている。また、会議や研修等の機会を通じ、犯罪被害者等の保護・支援等についての講義を実施するなどして、犯罪被害者等に対する不起訴処分の説明について、検察官等への周知に努めている。

(22) 検察審査会の起訴議決に拘束力を認める制度の運用への協力

【施策番号141】

一定の場合に検察審査会の議決に拘束力を認める制度が平成21年5月に施行されたことに伴い、検察庁においては、起訴議決に至った事件について、裁判所により指定された弁護士に対する協力を行うなど、その適切な運用が図られるように努めている。

(23) 受刑者と犯罪被害者等との面会・信書の発受の適切な運用

【施策番号142】

法務省においては、平成18年に、これまで原則として親族に限定されていた受刑者の面会や信書の発受の相手方について、犯罪被害者等も認めることとした指針を示し、その後、犯罪被害者等と受刑者との面会が実施されるなど、施設において、適切に対応している。

(24) 犯罪被害者等の意見等を踏まえた適切な加害者処遇の推進等

【施策番号143】

ア 【施策番号92】参照

【施策番号144】

イ 法務省においては、保護処分の執行に活用するため、少年に係る情報について、少年院において得られるものだけでなく、家庭裁判所や保護観察所等の関係機関や保護者から得られたものを、その都度少年簿に記載している。平成19年12月からは、犯罪被害者等についてより一層必要な情報の収集及び記載ができるよう、少年鑑別所や少年院において犯罪被害者等に関する事項を把握した際に、少年簿に具体的に記載することとし、少年の処遇に携わる職員により確実に情報の共有が図られるようにしている。

【施策番号145】

ウ 法務省においては、性犯罪者等の特定の犯罪的傾向を有する保護観察対象者に対する専門的処遇プログラムの内容等の充実を図るとともに、当該プログラムの受講を保護観察における特別遵守事項として設定するなどして、適切に実施している。また、保護観察対象者に対し、再び罪を犯さない決意を固めさせ、犯罪被害者等の意向に配慮しながら誠実に対応することを促すため、しょく罪指導を適切に実施している。

【施策番号146】

エ 保護観察所においては、犯罪被害者等の申出に応じ、犯罪被害者等から被害に関する心情、犯罪被害者等の置かれている状況等を聴取し、保護観察対象者に伝達する制度(心情等伝達制度)において、当該対象者に対して、被害の実情を直視させ、反省や悔悟の情を深めさせるような指導監督を徹底している。28年中に、心情等を伝達した件数は155件であった。

更生保護における各種制度
更生保護における各種制度
心情等伝達件数
  心情等伝達件数
平成24年 106
平成25年 99
平成26年 151
平成27年 166
平成28年 155
提供:法務省

(25) 犯罪被害者等の意見を踏まえた仮釈放等審理の実施

【施策番号147】

地方更生保護委員会においては、更生保護法に基づき、仮釈放や少年院からの仮退院の審理に際し、犯罪被害者等からの希望に応じて、犯罪被害者等から意見等を聴き、仮釈放等を許すか否かの判断に当たって考慮するほか、許す場合には、特別遵守事項を設定する際の参考としている。

平成28年中に、意見等を聴いた件数は325件であった。

意見等聴取件数
  意見等聴取件数
平成24年 271
平成25年 304
平成26年 328
平成27年 292
平成28年 325
提供:法務省

(26) 更生保護官署職員に対する研修等の充実

【施策番号148】

法務省においては、仮釈放等を許すか否かを判断する地方更生保護委員会委員を対象とした研修に、犯罪被害者等の意見を仮釈放等の審理に適切に反映させるための講義を設けている。犯罪被害者等施策に関する内容のほか、犯罪被害者等の置かれている現状や心情等についても理解を深められるよう、講義内容の充実を図っている。

(27) 矯正施設職員に対する研修等の充実

【施策番号149】

矯正施設職員については、矯正研修所が新規採用職員や初級幹部要員に対して実施する研修の中に、科目として「犯罪被害者等の視点」を設けるとともに、上級幹部要員を対象とする研修では、犯罪被害者等の置かれている現状や心情等の理解を深めるため、犯罪被害者団体等の関係者を講師に招くなど、その充実を図っている。

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