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犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号。以下「基本法」という。)により、政府は、犯罪被害者等のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、犯罪被害者等のための施策に関する基本的な計画を定めなければならないこととされている(第8条)。

▼犯罪被害者等基本法の概要
犯罪被害者等基本法の概要

基本法第8条に基づき、犯罪被害者等基本計画(平成17年12月27日閣議決定。以下「第1次基本計画」という。)が策定され、同計画の実施により、犯罪被害給付制度が大幅に拡充されたり、被害者参加制度が導入されるなど、犯罪被害者等施策は大きな進展を遂げた(第1次基本計画の推進状況については、第2章参照。)。

第1次基本計画は、その計画期間が平成22年度末となっており、今般、平成23年4月から平成27年度末までの5年間を計画期間とする第2次犯罪被害者等基本計画(平成23年3月25日閣議決定。以下「第2次基本計画」という。)が策定された。本特集では、第2次基本計画の策定経緯やその概要などを紹介する。


第1節 第2次犯罪被害者等基本計画の策定経緯


1 要望聴取会の開催

第2次基本計画の策定に当たっては、第1次基本計画と同様、犯罪被害者等及びその支援に携わる者からの要望を基に、これらをいかに満たしていくかという視点で検討することとした。このため、事務局において、犯罪被害者団体・犯罪被害者支援団体の要望を直接聴取する機会を設けることとし、参加団体については公募することとした。また、個々の被害に基づいた要望の申出や他の参加団体に遠慮せず発言ができるよう、希望により、個別の要望聴取も行うこととした。さらに、首都圏以外で活動をしている団体の参加が容易になるよう、地方でも開催することとし、日程等の都合により来場が困難な場合には、文書による要望提出も受け付けることとした。

その結果、平成21年9月から11月までの間に全国7か所で行われた要望聴取会には、合計32団体が参加し、3団体から要望書の提出を受けた。参加した団体は、犯罪の種別を問わず広く犯罪被害者等への支援を行っている団体をはじめ、殺人事件や交通事故の被害当事者団体、性犯罪や配偶者等からの暴力(DV)の被害を受けた女性の支援を行っている団体など、様々であり、犯罪被害者等に対する経済的給付の拡充、性犯罪被害者に対する支援の充実、民間団体への財政支援の拡充等多数の要望が寄せられた。

▼犯罪被害者団体・犯罪被害者支援団体からの要望聴取会
犯罪被害者団体・犯罪被害者支援団体からの要望聴取会

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