地方公共団体において様々な独自の工夫を行う例が見られるところであり、総合的な犯罪被害者支援条例を制定し、先進的な取組を行っている例を紹介する。
平成21年6月に、神奈川県犯罪被害者等支援条例に基づいて「かながわ犯罪被害者サポートステーション」を開設し、県、警察、民間支援団体(特定非営利活動法人神奈川被害者支援センター)の三者が一体となった窓口を設置した。犯罪被害者等からの相談を受けた後、県、警察、民間支援団体の三者で今後どういう支援をしていくかを決める支援調整会議を行い、犯罪被害者等の支援ニーズに速やかに対応している。
窓口で相談に対応するだけでなく、事案によっては、職員が、警察署、裁判所、病院等への付き添いを行う。また、区が高齢者用として借り上げている民間アパートを活用し、緊急に転居が必要な犯罪被害者等に一時的(原則として6か月以内であるが、特別の理由がある場合は延長可)に提供している。また、ホームヘルパーの派遣、無利子貸付(30万円以内)なども行っている。
見舞金(遺族見舞金30万円、傷害見舞金10万円)の支給のほか、転居費用の補助、刑事裁判へ被害者が参加する際に要する旅費の補助を行っている。転居費用の補助は、家賃について、生活保護制度における住宅扶助基準以内の額を6か月以内、敷金について、20万円を限度として補助するものである。また、これらの経済的支援以外にも、ホームヘルパーの派遣なども行っている。