第1部 犯罪被害者等のための施策と進捗状況

第2章 犯罪被害者等のための具体的施策



第3節  刑事手続への関与拡充への取組

1 刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等(基本法第18条関係)

《基本計画策定以前からの施策で、基本計画策定後も引き続き実施する施策》

(1) 公判記録の閲覧・謄写の機会の付与

 犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律(平成12年5月19日法律第75号)に基づき、被害者等から損害賠償請求等の正当な理由に基づき刑事事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があり、相当と認めるときは、刑事事件の係属中であっても、裁判所は、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせることができるとする制度が導入され、平成12年11月1日より実施されている。

 また、法務省において、会議や研修等の様々な機会を通じて検察の現場への周知を図るとともに、施策の実施状況の把握に努め、対外的にも刑事手続及び犯罪被害者保護・支援のための制度等を分かりやすく説明した被害者向けパンフレットを全国の検察庁や警察署等において被害者に配布するほか、法務省ホームページに掲載して、周知徹底に努めた結果、本制度は全国的に広く活用されるに至っている。

 被害者等が公判記録を閲覧・謄写した事例の延べ数は、施行後、平成16年までの間が2,677件であり、平成17年から平成18年5月までの間が1,263件であった(いずれも最高裁判所事務総局の資料による)。

 なお、パンフレット(「犯罪被害者の方々へ」)のほか、法務省ホームページ、検察庁ホームページ及び裁判所ホームページ上で確認することができる(法務省ホームページ:http://www.moj.go.jp/、検察庁ホームページ:http://www.kensatsu.go.jp/、裁判所ホームページ:http://www.courts.go.jp/)。

(2) 被害者等調査及び犯罪被害者等への対応の充実

 法務省において、仮釈放審査における準備調査や恩赦上申に際して被害者感情の調査を行い、適切な仮釈放決定や恩赦上申に努めている。

 犯罪被害者等基本計画に盛り込まれている、仮釈放審理における被害者等の意見陳述に係る制度の検討と併せ、引き続き仮釈放審査における準備調査や恩赦上申に際し、被害者感情の調査を適切に行っていく。



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