1.はじめに
1-1:調査実施の概要
本報告は、「諸外国におけるテロ事件被害者等への経済的支援に関する調査」の結果をまとめたものである。
犯罪被害者等基本計画(平成17年12月27日閣議決定)に盛り込まれた具体的施策の一つとして、経済的支援を手厚くするための制度のあるべき姿及び財源について検討することとされている。政府においては、内閣府をはじめとした関係省庁及び有識者からなる「経済的支援に関する検討会」を設置し、経済的支援の対象や内容の拡充について検討を重ね、平成19年9月、最終取りまとめに至った。同最終取りまとめにおいては、現行の犯罪被害給付制度を海外での犯罪被害者についてまで拡大し、政府が経済的支援を行うことは原則として困難とされた。
しかし、平成20年に入り、アフガニスタンで日本人が殺害された事件が大きく報道されるとともに、9.11事件の遺族から救済を求める声が挙がるほか、国会においてそれに関する質問がなされるなど、海外での犯罪被害者の救済を求める声が高まっていることから、内閣府を中心として、関係省庁において、海外における犯罪の被害者に対する経済的支援について検討を進めているところである。
この検討を行う上で、海外の関連制度を早急に把握する必要があることから、平成20年度、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツを対象とし、「諸外国におけるテロ事件被害者等への経済的支援に関する調査」(以下、「平成20年度調査」という。)を実施したところであるが、制度の趣旨、補償範囲、制度の法的位置づけ等は様々であることが判明した。
そこで平成21年度においては、対象国を広げて更なる調査を行い、我が国におけるテロ事件等被害者の補償制度を検討するに当たっての参考にすることとする。
以上の目的を踏まえ、本報告にあたり、諸外国(イタリア、スペイン、カナダ、オーストラリア、韓国)におけるテロ事案を含む犯罪被害者等に対する経済的支援について、既存の文献(和文及び外国語文)やインターネット等による調査を実施した。実施した調査項目は以下のとおりである。
- 各国における犯罪被害者に対する経済的支援の概要(根拠法令、理念・趣旨、給付対象、給付内容、併給調整、給付実績、財源、申請方法、査定方法等)
- 各国におけるテロ事件被害者に特化した経済的支援の概要(制度の有無、あれば根拠法令、理念・趣旨、給付対象、給付内容、併給調整、給付実績、財源、申請方法、査定方法等)
なお、本調査では、犯罪被害者支援およびテロ被害者支援について、それぞれ、被害が当該国の国内で発生した場合と国外で発生した場合とに分けて上記項目に関する調査を実施している。
最後に、本報告書の構成を示す。本報告書は全7章からなっており、本章では、調査対象や調査項目等、調査の実施概要を明らかにすると共に、本調査によって確認された各国の制度概要を一覧表として整理した。以降、「2.イタリア」、「3.スペイン」、「4.カナダ」、「5.オーストラリア」、「6.韓国」の順に平成21年10月時点の各国における犯罪被害者への経済的支援に関する制度等についての調査結果を詳述している。最後に、「7.終わりに」として、本調査の内容を改めて整理している。また、本報告書では、本報告にて用いた法令等の一部の仮訳文とその原文を資料として巻末に収録している。
なお、本報告書において取り扱っている各国における経済的支援に関する制度等と当該制度等が対象とする犯罪・テロの範囲について、表1-1として整理した。
国 | 制度名 | 一般犯罪 | テロ | マフィア型犯罪(注1) | |||
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国内 | 国外 | 国内 | 国外 | 国内 | 国外 | ||
イタリア | 犯罪被害者補償制度 | × | × | ○ | ○ | ○ | × |
被害者基金 | × | × | × | × | ○ | × | |
スペイン | スペイン暴力犯罪と性的自由に対する国内犯罪の被害者支援法 | ○ | ○^ | ○ | ○ | - | - |
テロ事件被害者との団結法 | × | × | ○ | △ | - | - | |
カナダ | 各州における犯罪被害者補償制度 | ○* | × | ○* | × | - | - |
被害者基金 | × | ○ | × | ○ | - | - | |
オーストラリア | 各州における犯罪被害者補償制度 | ○ | × | ○ | × | - | - |
AGDRPによる支援制度 | × | × | △#,+ | △+ | - | - | |
韓国 | 犯罪被害者救助制度 | × | × | ○ | ○ | - | - |
- #
- 2006年の適用から現在に至るまで国内におけるテロ事件は発生していない。
- +
- 家族・住宅・地域サービス・先住民問題担当大臣より指定されたテロ事件のみ対象。
- *
- 補償制度がない州・準州も存在する
- ^
- EU諸国内のみ適用
1-2:諸外国におけるテロ事件被害者等への経済支援一覧
本調査では、「国内における犯罪」、「国内におけるテロ」、「国外における犯罪」、「国外におけるテロ」の4つのケースについて、各国ごとの制度の内容等を一覧表で整理した。
以下、次ページより一覧表を見開きで示す
1-3:その他
本報告書では各国の支援施策による支給金額等を現地の通貨に基づいて掲載している。日本円相当額を確認されたい場合は以下のレートを参考にされたい。
国名 | 通貨 | レート |
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イタリア | 1ユーロ | 132.55円 |
スペイン | 1ユーロ | 132.55円 |
カナダ | 1カナダドル | 83.06円 |
オーストラリア | 1オーストラリアドル | 80.99円 |
韓国 | 1ウォン | 13.17円 |
1-4:国内における犯罪
国名 | イタリア | |
---|---|---|
マフィア型犯罪による経済的被害への支援 | マフィア型犯罪による身体的被害への補償 | |
根拠法令 | Legge 22 dicembre 1999, n.512 Istituzione del Fondo di rotazione per la solidarietà alle vittime dei reati di tipo mafioso(マフィア型犯罪被害者への連帯支援循環基金設立) |
テロ及び組織犯罪被害者のための規定 テロ及び組織犯罪被害者のための新規定 |
制度名称 | Il Fondo di rotazione per la solidarietà alle vittime dei reati di tipo mafioso(マフィア型犯罪被害者への連帯のための循環基金) | マフィア型犯罪被害者への国家による経済的支援 |
担当機関 | Il Comitato di solidarietà per le vittime dei reati di tipo mafioso(マフィア型犯罪被害者のための連帯委員会)(内務省内に設置) Il Commissario per il coordinamento delle iniziative di solidarietà per le vittime dei reati di tipo mafioso(マフィア型犯罪被害者のための連帯イニシアチブ調整のための代表委員:上記委員会の議長を務める) La CONSAP(concessionaria di servizi assicurativi pubblici 公的保険サービス代理機関:内務省に代わり上記基金を運用する) |
内務省 市民的自由及び移民局 市民権、市民およびマイノリティ管理部 |
理念・趣旨 | マフィア型犯罪被害者への連帯のため | 組織犯罪の暴力的行為を被った市民に向けた連帯の具体的行動 |
給付対象 |
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|
給付内容 | 当該損害賠償請求訴訟の判決内容に従う。 当該年度において給付が完了しない場合は、後続年に引き継がれる。 |
●被害者死亡の場合 ・特別給付金 200,000ユーロ(全額一括支給。請求権を有する限定相続人の間で分割) ・終身手当 月額500ユーロ(請求権を有する限定相続人の各々に対して支給。一身専属。個人所得税は免除。) ・特別終身手当 1,033ユーロ(請求権を有する限定相続人の各々に対して支給。一身専属。個人所得税は免除。) ●就業能力に関し25パーセント以上の終身的障害を負った場合 ・特別給付金 最大200,000ユーロ(軍病院内診断委員会により認定された障害のパーセンテージ毎に2,000ユーロずつ支給。) ・終身手当 月額500ユーロ(一身専属。個人所得税は免除。) ・特別終身手当 1,033ユーロ(一身専属。個人所得税は免除。) ●就業能力に関し25パーセント未満の終身的障害を負った場合 ・特別給付金 最大200,000ユーロ(軍病院内診断委員会により認定された障害のパーセンテージ毎に2,000ユーロずつ支給。) ・直接の被害者は、医療負担金を免除 ・被害者および被害者の子が修学者である場合には、奨学金が支給される ・80%以上の障害を負い、休職に追い込まれた者には直近の給与に等しい年金が給付される(被害者死亡の場合配偶者子両親同居か被扶養の兄弟姉妹の順に相続可ただし給付は2カ |
併給調整 | 申請者が、損害賠償を宣告された被告からすでに賠償を受けている場合には、本基金に申請できない。 | 終身手当および特別給付金は、同じ事由に関して給付される公的支援と合算できない。合算できない公的支援と競合する場合、他のあらゆる公的支援の受給を放棄をするか否かの選択する必要がある。 申請者が、加害者等の当該犯罪の責を負う者から損害賠償をすでに受けていた場合、その額は特別給付金の総額から控除される。 特別終身手当については、給付金の年額に、申請者の年齢と75の差に対応する年数を掛け算することで給付金額を決定し、控除とみなす。 |
給付実績 | 2008年には298件の請求があった。内訳は以下の通り。 ・65件の委員会による支給決定。総額34,558,697.57ユーロ ・48件の予備審理完了案件。2009年に委員会による審理に付される。総額25,629,891.78ユーロ ・185件の予備審理中の案件。総額27,189,394.52ユーロ |
(不明) |
財源 | 循環基金への拠出は以下による。 ・政府による年次拠出金 ・恐喝的要求および高利貸し被害者のための連帯基金(Il Fondo di solidarietà per le vittime delle richieste estorsive e dell'usura)への割り当て拠出金のうち、内務大臣令により毎年規定される分担額 ・マフィア組織から押収した資産の売却金 |
・政府による年次拠出 |
申請方法 | 申請期限について ・当該法律が効力を発生(2000年1月25日)した以降に下された判決に対する請求には申請期限はない ・2000年1月25日より前に下された判決に対する申請期限は、2001年1月25日まで 申請書類について ・所定の申請書類 ・判決文抄本の公正謄本 提出先について 申請者の居住地の県知事、あるいは判決を下した司法機関の存する地の県知事 |
居住県あるいは事件発生地の県知事を通し、内務省市民的自由及び移民局宛てに申請書を提出 |
査定方法 | 申請書を受理した県知事は、申請書類に基づき、警察等他の機関とも連絡を取り、申請のための前提条件と要件を申請者が満たしているか確認する予備審査を行なう。申請書受理後20日以内に連帯委員会へ、申請書類及び予備審査書類を送付する。その後委員会において、申請書類に基づき審査を行なう。補足書類の提出を要求する場合もある。 請求者の申請書提出後60日以内に可否の決定を行なう。 |
・申請書を受理した県知事は、請求と関連書類を内務省に送付し、事件の性質と、被った被害との因果関係、及び給付に対する前提要件に関して、根拠を明示した判断を表明する。 ・内務省において、司法による判決に基づいた給付決定を行う。判決がない場合には入手した情報と実施した調査に基づき給付決定を下す。 ・給付決定時に司法の判決がない場合、終身手当は規定された額、特別給付金は総額の90%と同額の暫定的給付を行なう。 ・一審の判決後、その結果を踏まえ、内務省は給付の前提条件を再審査し、最終的な給付を決定するか、給付の否決を行う。既に否決した給付についても認可あるいは修正する場合がある。 |
備考 | (1) 本基金に申請する際の犯罪の要件(Art.3, comma 5 della Legge 22 dicembre 1999, n.512) ・Art.416-bis del codice penale(刑法416条bis)に規定する犯罪*1 ・Art.416-bis del codice penale(刑法416条bis)に規定する条件を利用して犯された犯罪 ・マフィア型組織の活動を支援する目的で犯された犯罪 |
国名 | スペイン | カナダ |
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根拠法令 | 刑法・基本法100、178~194条/1995年11月23日 男女の暴力に対する全面的保護措置基本法1/2004年12月28日 暴力犯罪と性的自由に対する犯罪の被害者支援法35/1995年12月11日 法38/1998年11月27日(暴力犯罪と性的自由に対する犯罪の被害者支援国家委員会の構成を修正) 勅令738/1997年5月23日(暴力犯罪と性的自由に対する犯罪の被害者支援条例を承認) 勅令429/2003年4月11日(勅令738/1997年を修正) 勅令199/2006年2月17日(暴力犯罪と性的自由に対する犯罪の被害者支援条例を修正) |
※州法に拠る 6~7ページ参照 |
制度名称 | 被害者支援制度 | |
担当機関 | 申請を受ける機関:経済大蔵省 上訴先:暴力犯罪と性的自由に対する犯罪の被害者支援国家委員会 |
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理念・趣旨 | [1]スペインで犯された身体的、精神的な被害や死を伴う暴力犯罪の直接的または間接的な被害者を支援する交付金制度を制定する。 [2]被害者は、暴力のない場合であっても同様に援助を受けることができる。 |
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給付対象 | 犯罪の起こった時点で: [1]スペイン人である または [2]EU加盟国の国民である または [3]スペインに常居している または [4]域内のスペイン人に対し同様の支援を認めている国の国民である 支援対象となることのできるグループ: [1]直接的被害者:身体的、または精神的に重傷を負った者 [2]間接的被害者:故人となった直接的被害者に経済的に依存していた者。故人が未成年であった場合はその保護者。 |
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給付内容 | [1]6ヶ月を超える期間の一時的な就業不能:勅令3/2004年6月25日で制定された、「多目的収入の公的指針」(IPREM)の二倍に相当する金額を支給。 [2]障害:給付内容は障害の程度によって異なる。 ・部分的永久就労不能(33~44%の障害):最高で多目的収入の公的指針の40ヶ月分を支給。 ・全体的永久就労不能(45~65%の障害):最高で多目的収入の公的指針の60ヶ月分を支給。 ・完全永久就労不能(65%以上の障害):最高で多目的収入の公的指針の90ヶ月分を支給。 ・総合的不能(75%を超える障害で、第三者の介護が必要):最高で多目的収入公的指針の130ヶ月分を支給。 [3]死亡時:最高で多目的収入の公的指針の120ヶ月分が支給。 [4]未成年者または身体障害者が死亡した場合:葬儀料のみの補償。 ※性的自由に対する犯罪の場合は、精神療法の治療費も支給される。 |
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併給調整 | 保険など他の財源からの供給とこの制度による給付金を、同時に受け取ることはできない。 | |
給付実績 | 1997~1999年(280件の申請を受理) 2000年(1468件の申請を受理、うち支給277件) |
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財源 | 費用と公的年金局(経済大蔵省内)の特別予算より拠出 | |
申請方法 | 事件の当事者が、事件発生後一年以内に経済財務省に申し込む。 | |
査定方法 | 書類による、被害の事実確認、受給資格の確認 医師による確認 |
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備考 | 法務省が補償に関する情報公開を行っている。 http://www.mjusticia.es/ |
国名 | オーストラリア | 韓国 |
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根拠法令 | ※州法に拠る 8~9ページ参照 |
犯罪被害者救助法 |
制度名称 | 犯罪被害者救助金制度 | |
担当機関 | 住所地または犯罪発生地を管轄する地方検察庁 | |
理念・趣旨 | 加害者から被害報償をもらえない場合、犯罪被害者救助法によって、国家が代わりに支給する制度 | |
給付対象 | ●遺族給付金 被害者の扶養家族(被害者が死亡した場合) ●障害給付金 直接被害を受けた者(1次被害者)で、犯罪により重大な身体障害を受けたもので、身体障害等級の基準における1級から6級の障害に該当するもの 以下の場合は不支給あるいは減額となる場合がある。 ・被害者と加害者が親族関係の場合 ・被害者が犯罪行為を誘発した場合もしくはその犯罪被害の発生に関して被害者側に自責事由がある場合 ・社会通念上救助金の一部や全部を支給しない方が相応しいと認められる場合 |
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給付内容 | ●遺族救助金 1 次の各目の一に該当する者が3名以上いる場合:3,000万ウォン イ 被害者の配偶者(事実上の婚姻関係を含む。以下、同じ。) ロ 犯罪行為の発生当時、被害者とその配偶者の収入によって生計を維持していた子、孫、兄弟姉妹 ハ 犯罪行為の発生当時、被害者とその配偶者の収入によって生計を維持していた父母又は祖父母 2 第1項に該当しないが、次の各目の一に該当する者がいる場合:2,000万ウォン イ 被害者の配偶者 ロ 被害者の子、孫、兄弟姉妹 ハ 被害者の父母又は祖父母 3 第1号及び第2号以外の場合:1,500万ウォン ●障害救助金 1級-3,000万ウォン、2級-2,500万ウォン、3級-2,000万ウォン、4級-1,500万ウォン、5級-1,000万ウォン、6級-600万ウォン |
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併給調整 | 犯罪被害者救助法施行令 第9条により、被害者又はその遺族が次の各号のいずれかに該当する補償又は給与等を受けられる時は、その支給を受ける額の範囲内で、法第7条の規定により、救助金を支給しないこととされている。 1.「国家賠償法」第2条第1項の規定による損害賠償給付 2.「産業災害補償保険法」による障害給付・遺族給付・傷病補償年金) 3.「自動車損害賠償保障法」第26条の規定による損害補償 4.「義死傷者礼遇に関する法律」第7条の規定による補償金 5.「船員法」第10章の規定による災害補償 6.「船員保険法」第3章第2節の規定による療養措置及び傷病手当金、同法第36条の規定による養老年金残額、同法第37条の規定による養老年金一時金、同法第3章第4節による廃疾年金と廃疾手当金、同法第3章第6節による死亡手当金 7.「勤労基準法」第8章による災害補償 8.「消防基本法」第39条第2項の規定による傷痍・死亡に対する補償 9.「国家公務員法」第77条、「地方公務員法」第68条及び「公務員年金法」第42条第2号・第3号ガ目(退職年金受給権者の死亡による遺族年金は除外する)及びサ目の規定による給付 10.「私立学校法」第60条の2及び「私立学校教員年金法」第33条の規定による給付 |
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給付実績 | 2005年(申込169件、支給118件) 2006年(申込243件、支給117件) 2007年(申込260件、支給169件) |
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財源 | 2009年予算:22億4600万(KRW) | |
申請方法 | 住所地または犯罪発生地を管轄する地方検察庁に設置されている犯罪被害救助審議会に、以下の書類を添えて申し込む。 1.遺族の場合:救助金支給申請書 ・死亡診断書、死体検案書など、死亡日付と死亡した事実を証明できる書類 ・戸籍謄本など、被害死亡者と申請人の関係を証明できる書類又は被害者と申請人が事実婚の関係にあったことを証明できる書類 2.被害者本人の場合:救助金支給申請書 ・障害診断書、障害等級が明示された障害診断書 ※犯罪発生を認知した日から2年、または犯罪発生日から5年を過ぎたら申込不可 |
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査定方法 | 犯罪被害救助審議会で審議後、支給の可否を決定 | |
備考 | ・「犯罪被害者保護法」という法律が制定されている。これは犯罪被害者に対する民間団体のための根拠法律であり、民間団体に国家が一定部分の補助金を支給している。 |
国名 | カナダ | |
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ブリティッシュ・コロンビア | ケベック | |
根拠法令 | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles of Justice for Victims of Crime, 2003(カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) | |
Crime Victim Assistance Act, 2001 (犯罪被害者支援法2001) |
Crime Victims Compensation Act 1971, amended in 2006 (犯罪被害者補償法1971、2006改正) Act Respecting Assistance for Victims of Crime, 1988 (犯罪被害者への支援に関する法律1988) |
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制度名称 | The Crime Victim Assistance Program(CVAP、犯罪被害者支援制度) | Crime Victims Compensation Plan(犯罪被害者補償計画) |
担当機関 | Victim Service and Crime Prevention Division, Ministry of Public Safety and Solicitor General(BC州公安・法務省内被害者支援サービスおよび犯罪抑止局) | The Ministère de la Justice du Québec(ケベック州法務省) Direction de l'indemnisation des victimes d'actes criminels(犯罪被害者補償局、IVAC) Commission de la santé et de la sécurité du travail du Québec (ケベック労働健康・安全委員会、CSST) |
理念・趣旨 | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) |
給付対象 | BC州に属する犯罪者によって被害を受けた以下の者が対象となる。 1.直接被害者 2.直接被害者の扶養家族 3.被害の目撃者 4.以上1~3の法定代理人 BC州の住民以外(外国人含む)も対象となる。 |
ケベック州内で起きた犯罪において以下の者が対象となる。 1.直接被害者 2.救護者(逮捕や犯罪抑止の補助において被害を受けた者) ケベック州の住民以外(外国人含む)も対象となる。直接被害者が死亡した場合はその扶養家族が補償を受ける。 |
給付内容 | 上限CAN$50,000。 収入補償、医療費(カウンセリングなども含む)、修繕費、葬儀費、その他犯罪被害により生じた経費を含む。 被害の目撃者に対してはカウンセリング、それに伴う薬等の費用が対象となる。 |
下記の1~3(IVAC管轄)の補償は一部を除いて上限なし。 1.医療費 2.不可逆の障害に対する費用 3.リハビリ費用 4.死亡補償(労働者の場合は所得による。労働者でない両親または未成年への補償はCAN$2,000。葬儀費はCAN$600、遺体の輸送費はCAN$500。) 5.所有物の損壊(上限CAN$1,000) なお、賃金損失の補償(CSST管轄)は上限CAN$53,500。 |
併給調整 | 保険など他の財源からの併給がある場合は給付金額が調整される。 | 他の補償プログラムに適用される犯罪被害者である場合は、このプログラムの対象外となる。 |
給付実績 | 2007/08年度における給付割り当ての総額はCAN$1,400万(約4,000件に対し)であった。 | 2007/08年度における給付割り当ての総額はCAN$7,300万であった(07/08年度における承認件数は4,810件)。 |
財源 | 州における連結収入、犯罪・違反者からの課徴金収入、州税収入など | 犯罪・違反者からの課徴金収入、州税収入など |
申請方法 | 犯罪の被害発生から1年以内に警察へ通報の上、申込書を被害者支援サービスおよび犯罪抑止局へ届け出る(性的被害や20歳未満の被害者などは例外)。直接被害者、直接被害者の扶養家族、被害の目撃者の区分に応じて、申込が異なる。 | 犯罪の被害発生から1年以内に警察へ通報の上、申込書をIVACへ届け出る必要がある。また被害によって已む無く2週間以上休職した場合の補償を受けるためには事件発生から6か月以内にCSSTへ届け出なければならない。 |
査定方法 | 書類などによる受給資格の確認・被害の事実確認(警察記録等)、医療記録などから補償の妥当性を確認し、査定される。 | 申込書類の確認 警察記録・医療記録の確認等・これらの確認をした上で査定金額が決定される。 |
備考 | BC州被害者サービス局-URL: http://www.pssg.gov.bc.ca/victim_services/ |
犯罪被害者支援に関する情報提供は主にケベック州犯罪被害者支援センター(Crime Victim Assistance Centre, CAVAC)が行っている。 ケベック州法務省-URL: http://www.justice.gouv.qc.ca/ IVAC-URL:http://www.ivac.qc.ca/ CSST-URL:http://www.csst.qc.ca/ CAVAC-URL:http://www.cavac.qc.ca/ |
国名 | カナダ | |
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オンタリオ | アルバータ | |
根拠法令 | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles of Justice for Victims of Crime, 2003(カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) | |
Compensation for Victims of Crime Act1990、犯罪被害者補償法1990) | Victims of Crime Act2000 (犯罪被害者法2000) |
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制度名称 | Compensation for Victims of Crime Program(犯罪被害者のための補償制度) | Financial Benefits Program(財政支援制度) |
担当機関 | Criminal Injuries Compensation Board(CICB、犯罪被害補償委員会) | Public Security Division within Alberta Solicitor General and Public Security(アルバータ州法務・公安省公安部) |
理念・趣旨 | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) |
給付対象 | オンタリオ州内で起きた犯罪において以下の者が対象となる。 1.直接被害者 2.保護者または後見人 3.死亡した被害者の扶養家族 4.被害者死亡により出費した家族以外の者 5.救護者(逮捕などの際に傷を負った者) 州外(国外含む)の市民も対象となる。 |
アルバータ州に属する犯罪者によって被害を受けた以下の者が対象となる。 1.直接被害者 2.被害者が死亡した場合、その扶養家族 州外(国外含む)の市民も対象となる。 |
給付内容 | 一括支給の場合、一件につき一人CAN$25,000。 一つの事件につき被害者が複数いる場合一人上限CAN$150,000。 継続支給の場合、一月の上限がCAN$1,000、総額で$365,000。 医療費(カウンセリング、理学療法、歯や眼鏡の治療なども含む)、賃金の損失(上限1日CAN$50、1か月CAN$1,000)、被害者死亡による扶養家族の財政損失、苦痛に対する補償、性的暴力に伴う妊娠への対処などが含まれる。 |
最大三つの被害に対し、総額の上限はCAN$110,000(一括支給)。 四肢麻痺や重度の脳障害を伴う場合は、上記とは別に月CAN$1,000の支援金が降りる。 |
併給調整 | 保険など他の財源からの併給がある場合は給付金額が調整される。 | なし |
給付実績 | 2005/06年度における給付割り当ての総額はCAN$1,830万(2,321件に対し)であった。 | 2007/08年度における給付割り当ての総額はCAN$970万であった(2,122件に対し)。 |
財源 | 州における連結収入(Consolidated Revenue Fund) | 犯罪・違反者からの課徴金収入(州および連邦) |
申請方法 | 犯罪の被害発生から2年以内にCICBに申し込まなければならない。 | 犯罪の被害発生から2年以内に州内の警察、公認の被害者支援サービス団体に届け出る必要がある。 |
査定方法 | 申込書類の確認 警察記録・医療記録の確認等補償アナリスト(Compensation Analyst)による査定が行われ、支給金額が決定する。 |
申込書類の確認 警察記録・医療記録の確認・被害内容に応じて金額が詳細に決められている。 |
備考 | 補償の対象として、他の州ではほとんど扱われることがない「苦痛(pain and suffering)」が含まれており、補償の配分においても最も多いものとなっている(全体の82.6%)。 | この財政支援プログラムは被害者の受けた被害に応じて算出されるものである(例:歯の損失:CAN$1,500、重度のPTSD:CAN$16,000)。被害者が実際に損失・消費した費用(財産被害や医療費、葬儀費、賃金の損失など)および苦痛に対する「補償」という形での財政的支援ではない。 |
国名 | カナダ | |
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サスカチェワン | マニトバ | |
根拠法令 | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles of Justice for Victims of Crime, 2003(カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) | |
Victims of Crime Act 1995 (犯罪被害者法1995) |
Victims' Bill of Rights 1998 (被害者権利法1998) |
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制度名称 | Victims Compensation Program(被害者補償制度) | Compensation for Victims of Crime Program (犯罪被害者のための補償制度) |
担当機関 | Victim Services Branch, Justice and Attorney General(サスカチェワン州法務省被害者サービス支部) | Compensation for Victims of Crime Program Office, Department of Justice(マニトバ州法務省・補償プログラム事務局) |
理念・趣旨 | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) |
給付対象 | サスカチェワン州で起きた犯罪において以下の者が対象となる。 1.直接被害者 2.救護者(逮捕や犯罪抑止の補助において被害を受けた者) 2.殺害された被害者の扶養家族(Secondary Victims) 州外(国外含む)の市民も対象となる。 |
マニトバ州内で起きた犯罪において以下の者が対象となる。 1.直接被害者 2.死亡した被害者の肉親(親、兄弟、配偶者、子など) 州外(国外含む)の市民も対象となる。 |
給付内容 | 上限CAN$25,000。 医療費(救急車なども含む)、カウンセリング、葬儀費用、収入の損失(雇用保険などで賄えないものが対象)などが対象である。なお、葬儀費用の上限はCAN$3,500。 |
上限CAN$100,000。 医療費(カウンセリング含む)、リハビリ費用、賃金の損失、扶養家族への補助、葬儀費などが対象となる。 |
併給調整 | 保険など他の財源からの併給がある場合は給付金額が調整される。 | 保険など他の財源からの併給がある場合は給付金額が調整される。 |
給付実績 | 2007/08年度における給付割り当ての総額はCAN$36万であった(373件に対し)。 | 2007/08年度における給付割り当ての総額はCAN$3,170万であった(801件に対し)。 |
財源 | 犯罪・違反者からの課徴金収入(州内における罰金収入の内訳) | 犯罪・違反者からの課徴金収入(州内における罰金収入の内訳) |
申請方法 | 犯罪の被害発生から2年以内に警察へ通報の上、州法務省内の被害者サービス支部に届け出る必要がある。直接被害者(救護者含む)か被害者の扶養家族かで申請の区分が異なる。 | 犯罪の被害発生から1年以内に補償プログラム窓口(マニトバ州法務省内)に届け出る必要がある。 |
査定方法 | 申込書類の確認 警察記録・医療記録の確認・被害状況により査定金額が決定される。 |
申込書類の確認 警察記録・医療記録・賃金損失の確認・これらの確認をした上で査定金額が決定される。 |
備考 | サスカチェワン州法務省内被害者サービス支部URL: http://www.justice.gov.sk.ca/victimsservices |
被害者は補償プログラムを受けると同時に、加害者に対する賠償請求訴訟を起こすことができる(被害者が訴訟をしない場合は補償プログラムが代理として告訴できる)。裁判の結果として賠償金を得た場合は、補償プログラムで受給した金額の一部または全部を返還しなければならない。 |
国名 | カナダ | |
---|---|---|
ニューブランズウィック | ニューファンドランド・ラブラドール | |
根拠法令 | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles of Justice for Victims of Crime, 2003(カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) | |
Victim Services Act 1987 (被害者サービス法1987) |
(Victims of Crime Services Act 1990(犯罪被害者サービス法)) | |
制度名称 | Compensation for Victims of Crime Program (犯罪被害者のための補償制度) |
- |
担当機関 | Victim Service, Department of Public Safety(ニューブランズウィック州法務省内被害者サービス担当) | - |
理念・趣旨 | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) | - |
給付対象 | ニューブランズウィック州内で起きた犯罪において以下の者が対象となる。 1.直接被害者 2.被害者(子供である場合)の親もしくは保護者 3.死亡した被害者の近親者 4.被害者死亡により出費した家族以外の者 州外(国外含む)の市民も対象となる。 |
(州内で起きた犯罪における被害者が対象) |
給付内容 | 上限CAN$5,000。 支援のタイプにより上限が異なる。医療費、カウンセリング、理学療法費、葬儀費、転居費、交通費、育児費、苦痛に対する補償などが対象となる。 |
(出廷のための短期カウンセリング費用と交通費は支給される) |
併給調整 | 保険など他の財源からの併給がある場合は給付金額が調整される。 | - |
給付実績 | 2007/08年度における給付割り当ての総額はCAN$30万であった(411件に対し)。 | - |
財源 | 犯罪・違反者からの課徴金収入(州内における罰金収入の内訳) | - |
申請方法 | 犯罪の被害発生から1年以内に、申込書を被害者支援サービス局へ届け出る必要がある。 | - |
査定方法 | 申込書類の確認 警察記録・医療記録の確認・被害状況により査定金額が決定される。 |
- |
備考 | 補償の対象として、他の州ではほとんど扱われることがない「苦痛(pain and suffering)」が含まれている(上限CAN$1,000)ことが特徴的である。 | 1993年にCriminal Injuries Compensation Programが終了して以来、犯罪被害者への財政支援プログラムは現在に至るまで存在していない。ただし短期における現行のカウンセリングプログラム(Professional Services Program)や、事件に関する法廷などへの参加のための旅費には補助が適用される。 |
国名 | カナダ | |
---|---|---|
プリンス・エドワード・アイランド | ノバ・スコシア | |
根拠法令 | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles of Justice for Victims of Crime, 2003(カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) | |
Victims of Crime Act1989 (犯罪被害者法1989) |
Victims' Rights and Services Act 1988(被害者の権利とサービス法1988) | |
制度名称 | Criminal Injuries Compensation(犯罪被害者補償) | Criminal Injuries Counselling Program(犯罪被害者カウンセリングプログラム) |
担当機関 | Victim Services, Office of the Attorney General(PEI州法務長官管轄被害者サービス局) | Victim Services o fthe Department of Justice(ノバ・スコシア州法務省内被害者サービス局) |
理念・趣旨 | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) |
給付対象 | PEI州内で起きた犯罪において以下の者が対象となる。 1.直接被害者 2.親または扶養家族を殺害された者 州外(国外含む)の市民も対象となる。 |
ノバスコシア州内で起きた犯罪において以下の者が対象となる。 1.直接被害者 2.死亡した被害者の肉親(親、兄弟、配偶者、子など) 州外(国外含む)の市民も対象となる。 |
給付内容 | 一人に付き上限CAN$15,000。また一つの犯罪についての上限はCAN$30,000であり、被害者が複数いる場合は分配となる。 | カウンセリング料として1時間最大CAN$85、最大2年間のカウンセリングを通じてCAN$2,000が上限となる。 |
併給調整 | 保険など他の財源からの併給がある場合は給付金額が調整される。 | なし |
給付実績 | 2007/08年度における給付割り当ての総額はCAN$10万であった(34件に対し)。 | (2007/08年度における給付の詳細データはなし。なお、被害者サービスを含む法務省内裁判事業の決算額はCAN$3,300万である。) |
財源 | 犯罪・違反者からの課徴金収入(州内における罰金収入の内訳) | 犯罪・違反者からの課徴金収入(州内における罰金収入の内訳) |
申請方法 | 犯罪の被害発生から1年以内に被害者サービス局へ届け出る必要がある。 | 犯罪の被害発生から1年以内に警察へ通報の上、被害者サービス局へ届け出る必要がある(性犯罪の被害者は期限なし)。 |
査定方法 | 申込書類の確認 医療記録・領収証・雇用主またはカウンセラーからの証明書の確認・被害状況により査定金額が決定される。 |
申込書類の確認 警察記録の確認・事件の捜査が終了し、プログラムの認可が降りた後、支給金額が決定される。 |
備考 | 犯罪被害者補償(法務長官管轄) URL: http://www.gov.pe.ca/attorneygeneral/index.php3?number=1000941 |
ノバ・スコシアにおける補償プログラムは被害者へのカウンセリングに対する資金のみ提供するものであり、賃金の補償や医療費や葬儀費などは対象外である。 こういった費用に関しては、加害者から直接的ないしは間接的な「賠償(restitution)」を請求することができる。 |
国名 | カナダ | ||
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ノースウェスト準州 | ユーコン準州 | ヌナブト準州 | |
根拠法令 | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles of Justice for Victims of Crime, 2003(カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) |
||
(Victims of Crime Act1989(犯罪被害者法)) ・この法令は財政支援以外の犯罪被害者プログラムの根拠法令になっているが、下記の基金に関しては根拠となっていない。 |
- | - | |
制度名称 | Victims of Crime Emergency Fund(犯罪被害者緊急支援基金) | - | - |
担当機関 | NWT Victim Services(ノースウェスト準州被害者サービス局) | - | - |
理念・趣旨 | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) | - | - |
給付対象 | 準州内で起きた重大な犯罪(性的暴力、殺人など)において以下の者が対象となる。 1.直接被害者 2.被害者の親または保護者 3.被害者の扶養家族州の市民 のみ対象となる。 |
- | - |
給付内容 | 医療費、短期カウンセリング、その他犯罪によって緊急に必要となった経費が対象となる(上限の記載はなし)。 | - | - |
併給調整 | なし | - | - |
給付実績 | (2008年9月より新規の実施のためデータなし) | - | - |
財源 | カナダ法務省(連邦)からの支給 | - | - |
申請方法 | 犯罪の被害発生から2カ月以内に被害者サービス局のマネージャーに申請しなければならない。 | - | - |
査定方法 | 申込書類の確認 | - | - |
備考 | 2008年9月1日から2011年3月31日にかけて犯罪被害に遭ったNWT住民に対して、緊急時における費用を負担する。州外の市民は対象外であることや、賃金の損失などは補償しないなど、内容がやや限定的である。 | - | - |
国名 | オーストラリア | |
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ニューサウスウェールズ | ヴィクトリア | |
根拠法令 | (被害者支援および社会復帰法1996) | Victims of Crime Assistance Act1996(犯罪被害者支援法1996) |
制度名称 | Victims Compensation Scheme(被害者補償制度) | Victims of Crime Assistance(犯罪被害者支援) |
担当機関 | Victim Services, Attorney General's Department(ニューサウスウェールズ司法長官事務局内被害者サービス局) | Victims of Crime Assistance Tribunal(VOCAT、犯罪被害者支援裁定機関) |
理念・趣旨 | 補償を通じて犯罪被害者の社会復帰を促進するため | 財政支援により犯罪被害者のサポートを行い、被害者の犯罪被害からの回復を促進するため |
給付対象 | 1.一次被害者 2.二次被害者(目撃者など) 3.(被害者が死亡した場合)近親者 4.救護者(犯罪抑止や逮捕の過程で警察に協力し、その結果被害に遭った者) |
1.一次被害者 2.二次被害者(目撃者など) 3.(被害者が死亡した場合は)扶養家族 4.救護者(犯罪抑止や逮捕の過程で警察に協力し、その結果被害に遭った者) |
給付内容 | 上限AUS$50,000。 1.身体的な被害 2.精神的・神経的な被害 3.賃金の損失 4.医療費(実費) 5.財産・持ち物の欠損 6.葬儀費 3~5は合計して上限AUS$10,000。複合して被害を受けた場合は最大3つの被害まで認められ、2つめは上限の10%まで、3つめは上限の5%が支払われる。 |
一次被害者の場合、上限AUS$60,000に加え、特別支援金としてAUS$7,500(全ての申請者に適用される訳ではない)。二次被害者の場合、上限AUS$50,000近親者の場合、上限AUS$100,000(複数いる場合は分配)。 1.身体的な被害 2.精神的・神経的な被害 3.賃金の損失(上限AUS$20,000) 4.葬儀費 5.事件の際に被害を受けた衣類 |
併給調整 | 他の財源(労働者保険など)による支給がある場合は調整の対象となる。 | 他の財源や制度による支給がある場合は調整の対象となる。 |
給付実績 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$6,100万であった(応募件数は7,031)。 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$3,580万であった(3,343件に対し)。 |
財源 | 犯罪被害者補償基金(Victims Compensation Fund、犯罪からの課徴金が主な財源)より支払われる。 | 州の連結収入による基金(Consolidated Fund) |
申請方法 | 担当機関へ2年以内に申請する必要がある。 | 担当機関のVOCATへ2年以内に申請する必要がある。被害者の区分(一次、二次、家族)によって申請内容が異なる。 |
査定方法 | 申込書類の確認 警察証明、医療証明の確認・被害の状況(病状など)に応じての金額には基準があり、それに加えて犯罪による被害者の出費状況などに応じて金額が算定される。 |
申込書類の確認 警察証明、医療証明の確認・被害の状況や、犯罪による被害者の出費状況などに応じて金額が算定される。 |
備考 | AUS$7,200以下の被害に関しては補償の対象外となるが、代替の精度としてVictim Assistance Scheme(被害者支援制度)があり、AUS$200以上$1,500以下の少額の被害に対して支払われる。 | VOCATはビクトリア州内において州政府の財政で被害者への財政支援を行う唯一の機関である。オーストラリアにおいてこのように犯罪被害者への財政支援を目的とした独立の機関が存在するのはビクトリア州のみである。 |
国名 | オーストラリア | |
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クイーンズランド | 南オーストラリア | |
根拠法令 | Criminal Offence Victims Act 1995(刑事犯罪被害者法1995) | Victims of Crime Act 2001(犯罪被害者法2001) |
制度名称 | CriminalInjury Compensation(犯罪被害補償) | Criminal Injury Compensation(犯罪被害補償) |
担当機関 | Department of Justice and Attorney-General, Queensland(クイーンズランド法務省) | Commissioner of Victims' Rights, South Australia(南オーストラリア被害者人権検査官) |
理念・趣旨 | 犯罪被害者の基本的人権に対する尊重をより高めるため | 犯罪被害者への経済支援による救済を州政府が行うため |
給付対象 | 1995年12月18日より犯罪被害に遭った以下の者を対象としている。 1.一次被害者 2.救護者(犯罪抑止や逮捕の過程で警察に協力し、その結果被害に遭った者) 3.(被害者が死亡した場合)扶養家族 |
1.一次被害者 2.(被害者が死亡した場合)扶養家族 |
給付内容 | 上限AUS$75,000。 1.身体的な被害 2.精神・神経的な被害(上限AUS$22,500) 3.葬儀費 財産の損失や賃金の損失、治療費などの実費、裁判費用などは対象外である。 |
上限AUS$50,000。 1.身体的な被害 2.精神・神経的な被害 3.(性犯罪による)妊娠 4.賃金の損失 5.(後遺症などによる)苦痛 財産の損失などは対象外である。また1990年9月1日以前の犯罪による被害の場合は上限AUS$20,000。 |
併給調整 | 他の財源(労働者保険など)や民事訴訟による弁償からの支給がある場合は調整の対象となる。 | 他の財源(労働者保険など)や民事訴訟による弁償からの支給がある場合は調整の対象となる。 |
給付実績 | 07/08年度における州からの財政支援の総額はAUS$1,750万であった(900件に対し)。 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$1,190万であった(件数不明)。 |
財源 | (加害者が支払い可能である場合) ・加害者による支払いが裁判所より命令される。 (加害者が支払い不能である場合) ・州の連結収入を財源として被害者に支払われる。 |
(加害者が支払い可能である場合) ・加害者による支払いが裁判所より命令される。 (加害者が支払い不能である場合) ・州の公的基金を財源として被害者に支払われる。 |
申請方法 | 裁判所への申請(事件発生より3年以内)。 加害者からの補償が認められなかったり、金額に不服があったりする時は州政府へ直接申請。 |
裁判所への申請(事件発生より3年以内、被害者死亡の場合は扶養家族より1年以内に申請する必要がある)。 加害者が支払い不能である場合は州政府へ直接申請。 |
査定方法 | 被害の状況(病状など)に応じて金額が決められている。 | 申込書類の確認 警察の捜査への協力 警察証明、医療証明の確認 ・被害状況や医療費などの出費を証明する領収書を確認し、それらを考慮して金額が算定される。 |
備考 | 基本的には裁判所命令による加害者からの弁償という形で財政支援を行っているが、加害者に支払い能力がない(例:加害者が不明、10歳未満、精神異常など)場合のみ、政府からの財政支援がある(ただし政府に支払いの義務はなく、あくまでも任意による財政支援である)。 | 加害者に支払い能力がない(例:加害者が不明、精神異常など)場合のみ、政府からの財政支援がある。 |
国名 | オーストラリア | |
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西オーストラリア | タスマニア | |
根拠法令 | Criminal Injuries Compensation Act 2003(犯罪被害者補償法2003) | amended in 2005(犯罪被害者支援法1976,2005改正) |
制度名称 | Criminal Injuries Compensation Scheme(犯罪被害者補償制度) | Victims of Crime Assistance(犯罪被害者支援) |
担当機関 | Criminal Injuries Compensation, Department of the Attorney General, Western Australia(西オーストラリア司法長官事務局内犯罪被害者補償担当) | Victims Support Services Unit, Department of Justice, Tasmania(タスマニア司法省内犯罪被害者支援サービス局) |
理念・趣旨 | 特殊な状況・事態に置かれている犯罪被害者に対して経済支援を行うため | 加害者が被害者に対して補償の支払いができない際の措置 |
給付対象 | 1. 一次被害者 2. (被害者が死亡した場合)扶養家族 犯罪目撃によって被害を受けた者(いわゆる二次被害者)は対象でないと明記されている。 |
1. 一次被害者 2. 二次被害者(目撃者など) 3. 近親者(配偶者、パートナー、家族など) |
給付内容 | 上限AUS$75,000。 1. 身体的な被害 2. 精神・神経的な被害 3. (性犯罪による)妊娠 4. (後遺症などによる)苦痛 5. 幸福な生活の喪失 6. 所得の損失 7. 医療費(実費) 8. 持ち物の損害 9. 葬儀費 10. (被害者死亡による)扶養家族への財政支援 2004年1月1日以前の犯罪による被害の場合は上限AUS$50,000。 |
一次被害者の場合、上限AUS$30,000。二次被害者の場合は上限AUS$20,000。近親者の場合は上限AUS$10,000(同一の事件に対し複数の近親者がいる場合は最大でAUS$50,000)。 タスマニア州で起きた事件のうち以下の被害にかかった実費が対象となる。 1. 身体的な被害 2. 精神的な被害 3. 賃金の損失 財産・持ち物の欠損などは対象外である。 |
併給調整 | 他の財源(労働者保険など)による支給がある場合は調整の対象となる。 | 健康保険など他の財源による支給がある部分に対しては適用されない。 |
給付実績 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$120万であった(1,147件に対し)。 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$276万であった(1,405件に対し)。 |
財源 | 州の連結収入(Consolidated Account) | 犯罪被害者支援基金(Criminal Injuries Compensation Fund、州の連結収入が元)より支払われる。 |
申請方法 | 担当機関へ3年以内に申請する必要がある。 | 3年以内に担当機関へ申込用紙を記入の上、申請する必要がある。 |
査定方法 | 申込書類の確認 警察への報告・捜査への協力 |
犯罪による被害状況および被害者の区分(一次、二次、近親者)に応じて金額が算定される。 |
備考 | 被害の後遺症に伴う苦痛に対する補償が明記されている。 | 加害者に支払い能力がない(例:加害者が不明、精神異常など)場合のみ、政府からの財政支援がある。 |
国名 | オーストラリア | |
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北部準州 | オーストラリア首都特別地域 | |
根拠法令 | Victims of Crime Assistance Act 2006(犯罪被害者支援法2006) | Victims of Crime Financial Assistance Act 1983(犯罪被害者財政支援法1983) |
制度名称 | Victims of Crime Assistance (犯罪被害者支援) | Victims of Crime Financial Assistance Scheme(犯罪被害者財政支援制度) |
担当機関 | Crime Victims Service Unit, Department of Justice(北部準州司法省内犯罪被害者サービス局) | ACT Victim Services(キャンベラ特別区被害者サービス局) |
理念・趣旨 | 犯罪により被害を受けた者への救済を可能にするため | 財政支援によって被害者が犯罪を乗り越えるようにするため |
給付対象 | 1. 一次被害者 2. 二次被害者(目撃者など) 3. (被害者が死亡した場合)近親者 4. 救護者(犯罪抑止や逮捕の過程で警察に協力し、その結果被害に遭った者) |
1. 一次被害者(救護者含む) 2. 被害者の保護者・後見人 3. (被害者が死亡した場合は)近親者 |
給付内容 | 上限AUS$40,000。 1. 身体的な被害 2. 精神的な被害 3. 賃金の損失 4. 医療費(実費) 5. 財産・持ち物の欠損、旅費など 賃金の損失に対する上限はAUS$10,000。 |
上限AUS$50,000。 1. 身体的な被害 2. 精神的・神経的な被害 3. (性犯罪による)妊娠 4. (後遺障害による)苦痛 5. 医療費などの出費(実費) 6. 持ち物の損害 7. 所得の損失 8. 葬儀費 重度の苦痛(永久的な障害など)に対しては別途特別支援(Special Assistance)として$30,000(性犯罪の場合は$50,000)が支払われる。 |
併給調整 | 健康保険や被害者の遺産など他の財源による支給がある部分に対しては適用されない。 | 他の財源(労働者保険など)による支給がある場合は調整の対象となる。 |
給付実績 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$300万であった(490件に対し)。 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$116万であった(84件に対し)。 |
財源 | 被害者支援基金(Victims Assistance Fund、準州内における違反や犯罪からの課徴金が元)より支払われる。 | 特別区内における課徴金より支払われる。 |
申請方法 | 担当機関へ2年以内に申請する必要がある。 | 事件の起こった日から12カ月以内に裁判所へ申請する必要がある。 |
査定方法 | 申込書類の確認 警察証明、医療証明の確認 ・被害状況や医療費などの出費を証明する領収書を確認し、それらを考慮して金額が算定される。 |
医療証明、警察証明の確認 第三者からの証言など 出費の領収書 特別支援の適格証明 ・被害状況や出費状況に応じて金額が算定される。 |
備考 | 医療費の実費や賃金の損失など、早急に財政支援が必要な場合はAUS$5,000上限の即時支援システムが存在する。 | 被害の後遺症に伴う苦痛に対する補償が明記されている。 |
1-5:国内におけるテロ
国名 | イタリア | スペイン |
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根拠法令 | 2004年8月3日制定法律206号 テロ及び同種の無差別殺戮犠牲者支援新規定 上記法律に規定されない項目については、テロ及び組織犯罪被害者のための規定及び、テロ及び組織犯罪被害者のための新規定の規定を援用する |
テロ被害者との団結法32/1999年10月8日 勅令1912/1999年12月17日(法32の施行条例を承認する) 勅令288/2003年3月7日(テロ犯罪の被害者への賠償と支援条例を承認する) 勅令199/2006年2月17日(暴力犯罪と性的自由に対する犯罪被害者への支援条例を修正する) 勅令1576/1990年12月7日(テロ行為を理由とした、特別年金制度における権利を規定) 勅令851/1992年7月10日(テロ行為に関する限定特別年金を規定) テロ被害者に関する勅令1974/1999年12月23日 2000年11月17日の命令 |
制度名称 | テロ及び同種の無差別殺戮犠牲者支援 | 被害者支援制度 |
担当機関 | 内務省市民的自由及び移民局内 市民権・市民およびマイノリティ管理部 | 申請を受ける機関:内務省 |
理念・趣旨 | 制度による連帯及び社会的責務の形成のため | テロ犯罪の被害者に対し、犯罪によってもたらされた被害を政府が補償する。正当なスペイン国民代表者たちの一致団結を表現する。 |
給付対象 | ・イタリア国領内において、1961年1月1日以後に発生した、民主主義秩序の破壊行為、テロ行為、そして同種の無差別殺戮行為のため、あらゆる被害の大きさと程度の損害の結果、終身的障害を被った者(イタリア国籍、外国籍、無国籍の者) ・上記被害者が死亡した場合、その家族(下記の優先順位に従う) 1.配偶者と事件当時に被扶養であった(成人者を含む)子供 2.配偶者が生存していないか、あるいは配偶者が年金継承権を有しない場合、事件発生時に扶養されていない場合も含む子供 3.両親 4.事件当時に同居していた被扶養の兄弟、姉妹 5.上記に該当する者がいない場合は以下の順に従う。 a)遺児 b)兄弟あるいは姉妹 c)直系親族(以上三者は同居である必要も被扶養である必要もない) d)親族でも姻族でもなく婚姻関係もないが過去三年間死亡被害者に扶養されていた同居人 e) 内縁関係の妻または夫(被扶養を問わない) ただし、上記該当者は、当該犯罪の環境あるいは関係に関与していない場合のみ、請求権を有する。 |
[1]犯罪によって障害をもたらされた者 ・重度障害、部分的永久不能、全体的永久不能、完全永久不能、永久的な傷 [2]被害者死亡の場合:故人の配偶者、同居者、故人との間に子がいる者、故人に経済的に依存していた者(親、孫、兄弟、祖父母) ※上記に当てはまる者がいない場合、故人に経済的に依存していない子や親も受給できる。 [3]誘拐の被害者 |
給付内容 | 被害者死亡の場合 ・特別給付金 200,000ユーロ(全額一括支給。請求権を有する限定相続人の間で分割) ・終身手当 月額500ユーロ(請求権を有する限定相続人の各々に対して支給。一身専属。個人所得税は免除。) ・特別終身手当 1,033ユーロ(請求権を有する限定相続人の各々に対して支給。一身専属。個人所得税は免除。) 就業能力に関し25パーセント以上の終身的障害を負った場合 ・特別給付金 最大200,000ユーロ(軍病院内診断委員会(Commissione Medica Ospedaliera)により認定された障害のパーセンテージ毎に2,000ユーロずつ支給。) ・終身手当 月額500ユーロ(一身専属。個人所得税は免除。) ・特別終身手当 1,033ユーロ(一身専属。個人所得税は免除。) 就業能力に関し25パーセント未満の終身的障害を負った場合 ・特別給付金 最大200,000ユーロ(軍病院内診断委員会(Commissione Medica Ospedaliera)により認定された障害のパーセンテージ毎に2,000ユーロずつ支給。) その他 ・テロ被害者およびその家族には国家の負担による心理的ケアが保証される。 ・テロ被害者とその家族、あるいは遺族(配偶者、子、それらがいない場合に両親)は医療・薬に関わる負担免除。 ・被害者および子が修学者である場合には、奨学金が支給される。 |
死亡 23.000.000/138.232,78(ペセタ/ユーロ 以下同じ) 重度障害 65.000.000/390.657,87 完全永久不能 16.000.000/96.161,94 全体的永久不能 8.000.000/48.080,97 部分的永久不能 6.000.000/36.060,73 その他、住居の物的損壊、住居修理中の仮住居にかかる出費、所有車の損壊も補償される。 |
併給調整 | 終身手当および特別給付金は、同じ事由に関して給付される公的支援と合算できない。合算できない公的支援と競合する場合、他のあらゆる公的支援の受給を放棄をするか否かの選択する必要がある。 申請者が、加害者等の当該犯罪の責を負う者から損害賠償をすでに受けていた場合、その額は特別給付金の総額から控除される。 特別終身手当については、給付金の年額に、申請者の年齢と75の差に対応する年数を掛け算することで給付金額を決定し、控除とみなす。 |
他に年金、他団体による援助・補償、損害賠償を既に受け取っている場合またはこれから受け取る予定である場合でも受給資格を有する。 |
給付実績 | (不明) | 他に年金、他団体による援助・補償、損害賠償を既に受け取っている場合またはこれから受け取る予定である場合でも受給資格を有する。 |
財源 | 政府予算による(関連各省の基金・積立金への政府計上予算の減額によって捻出) | |
申請方法 | 居住県あるいは事件発生地の県知事を通し、内務省市民的自由及び移民局宛てに申請書を提出 | 当事者かその代理人が、事件後一年以内に、内務省の損害賠償課または各州の当局に申し出る。 |
査定方法 | 1.申請書を受理した県知事は、予備審理を開始する。 2.予備審理終了時、県知事は請求と予備審理文書を、市民権・市民およびマイノリティ管理部に送付し、事件の性質と、主体的要件及び客観的要件に関して、根拠を明示した判断を表明する。 3.管理部は、審理書類を備えた請求を受理した後、申請書及び添付書類を評価し、申請書及び関連書類を所定の諮問委員会に提出する。 4.諮問委員会は、意見を表明するが、これは申請の承認あるいは却下などの決定を拘束するものではない。 5.諮問委員会の意見等を通した上で、金額が決定される。 |
書類による、事件の証拠と補償の妥当性の確認 |
備考 | 申請期限について ・1999年3月17日以前に発生したテロについては、随時可能 ・1999年3月18日以後に発生したテロについては、刑事訴訟手続きを終了する措置(判決、不起訴命令等)の確定から3カ月以内 |
法務省が補償に関する情報公開を行っている。 URL: http://www.mjusticia.es/ |
国名 | カナダ | オーストラリア | 韓国 |
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根拠法令 | ※州法に拠る 12~13ページ参照 |
※州法に拠る 14~15ページ参照 |
犯罪被害者救助法 |
制度名称 | 犯罪被害者救助金制度 | ||
担当機関 | 住所地または犯罪発生地を管轄する地方検察庁 | ||
理念・趣旨 | 加害者から被害報償をもらえない場合、犯罪被害者救助法によって、国家が代わりに支給する制度 | ||
給付対象 | ●遺族給付金 被害者の扶養家族(被害者が死亡した場合) ●障害給付金 直接被害を受けた者(1次被害者)で、犯罪により重大な身体障害を受けたもので、身体障害等級の基準における1級から6級の障害に該当するもの 以下の場合は不支給あるいは減額となる場合がある。 ・被害者と加害者が親族関係の場合 ・被害者が犯罪行為を誘発した場合もしくはその犯罪被害の発生に関して被害者側に自責事由がある場合 ・社会通念上救助金の一部や全部を支給しない方が相応しいと認められる場合 |
||
給付内容 | ●遺族救助金 1 次の各目の一に該当する者が3名以上いる場合:3,000万ウォン イ 被害者の配偶者(事実上の婚姻関係を含む。以下、同じ。) ロ 犯罪行為の発生当時、被害者とその配偶者の収入によって生計を維持していた子、孫、兄弟姉妹 ハ 犯罪行為の発生当時、被害者とその配偶者の収入によって生計を維持していた父母又は祖父母 2 第1項に該当しないが、次の各目の一に該当する者がいる場合:2,000万ウォン イ 被害者の配偶者 ロ 被害者の子、孫、兄弟姉妹 ハ 被害者の父母又は祖父母 3 第1号及び第2号以外の場合:1,500万ウォン ●障害救助金 1級-3,000万ウォン、2級-2,500万ウォン、3級-2,000万ウォン、4級-1,500万ウォン、5級-1,000万ウォン、6級-600万ウォン |
||
併給調整 | 犯罪被害者救助法施行令 第9条により、被害者又はその遺族が次の各号のいずれかに該当する補償又は給与等を受けられる時は、その支給を受ける額の範囲内で、法第7条の規定により、救助金を支給しないこととされている。 1.「国家賠償法」第2条第1項の規定による損害賠償給付 2.「産業災害補償保険法」による障害給付・遺族給付・傷病補償年金) 3.「自動車損害賠償保障法」第26条の規定による損害補償 4.「義死傷者礼遇に関する法律」第7条の規定による補償金 5.「船員法」第10章の規定による災害補償 6.「船員保険法」第3章第2節の規定による療養措置及び傷病手当金、同法第36条の規定による養老年金残額、同法第37条の規定による養老年金一時金、同法第3章第4節による廃疾年金と廃疾手当金、同法第3章第6節による死亡手当金 7.「勤労基準法」第8章による災害補償 8.「消防基本法」第39条第2項の規定による傷痍・死亡に対する補償 9.「国家公務員法」第77条、「地方公務員法」第68条及び「公務員年金法」第42条第2号・第3号ガ目(退職年金受給権者の死亡による遺族年金は除外する)及びサ目の規定による給付 10.「私立学校法」第60条の2及び「私立学校教員年金法」第33条の規定による給付 2005年(申込169件、支給118件) 2006年(申込243件、支給117件) 2007年(申込260件、支給169件) 【2009年予算:22億4600万(KRW)】 |
||
給付実績 | 2005年(申込169件、支給118件) 2006年(申込243件、支給117件) 2007年(申込260件、支給169件) |
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財源 | 【2009年予算:22億4600万(KRW)】 | ||
申請方法 | 住所地または犯罪発生地を管轄する地方検察庁に設置されている犯罪被害救助審議会に、以下の書類を添えて申し込む。 1.遺族の場合:救助金支給申請書 ・死亡診断書、死体検案書など、死亡日付と死亡した事実を証明できる書類 ・戸籍謄本など、被害死亡者と申請人の関係を証明できる書類又は被害者と申請人が事実婚の関係にあったことを証明できる書類 2.被害者本人の場合:救助金支給申請書 ・障害診断書、障害等級が明示された障害診断書 ※犯罪発生を認知した日から2年、または犯罪発生日から5年を過ぎたら申込不可 |
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査定方法 | 犯罪被害救助審議会で審議後、支給の可否を決定 | ||
備考 | ・「犯罪被害者保護法」という法律が制定されている。これは犯罪被害者に対する民間団体のための根拠法律であり、民間団体に国家が一定部分の補助金を支給している。 |
国名 | カナダ | |
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州名 | ブリティッシュ・コロンビア | ケベック |
根拠法令 | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles ofJustice for Victims of Crime, 2003(カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) 2001年の9・11テロ事件後、Anti-Terrorism Act(反テロリズム法)が成立し、また刑法の改正により「反テロリズム」が明文化されている。 |
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Crime Victim Assistance Act, 2001 (犯罪被害者支援法2001) |
Crime Victims Compensation Act 1971, amended in 2006 (犯罪被害者補償法1971、2006改正) Act Respecting Assistance for Victims of Crime, 1988 (犯罪被害者への支援に関する法律1988) |
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制度名称 | The Crime Victim Assistance Program(CVAP、犯罪被害者支援プログラム) | Crime Victims Compensation Plan(犯罪被害者補償計画) |
担当機関 | Victim Service and Crime Prevention Division, Ministry of Public Safety and Solicitor General(BC州公安・法務省内被害者支援サービスおよび犯罪抑止局) | The Ministère de la Justice du Québec(ケベック州法務省) Direction de l'indemnisation des victimes d'actes criminels(犯罪被害者補償局、IVAC) Commission de la santé et de la sécurité du travail du Québec (ケベック労働健康・安全委員会、CSST) |
理念・趣旨 | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) |
給付対象 | BC州に属する犯罪者によって被害を受けた以下の者が対象となる。 1. 直接被害者 2. 直接被害者の扶養家族 3. 被害の目撃者 4. 以上1~3の法定代理人 BC州の住民以外(外国人含む)も対象となる。 |
ケベック州内で起きた犯罪において以下の者が対象となる。 1. 直接被害者 2. 救護者(逮捕や犯罪抑止の補助において被害を受けた者) ケベック州の住民以外(外国人含む)も対象となる。直接被害者が死亡した場合はその扶養家族が補償を受ける。 |
給付内容 | 上限CAN$50,000。 収入補償、医療費(カウンセリングなども含む)、修繕費、葬儀費、その他犯罪被害により生じた経費を含む。 被害の目撃者に対してはカウンセリング、それに伴う薬等の費用が対象となる。 |
下記の1~3(IVAC管轄)の補償は一部を除いて上限なし。 1. 医療費 2. 不可逆の障害に対する費用 3. リハビリ費用 4. 死亡補償(労働者の場合は所得による。労働者でない両親または未成年への補償はCAN$2,000。葬儀費はCAN$600、遺体の輸送費はCAN$500。) 5. 所有物の損壊(上限CAN$1,000) なお、賃金損失の補償(CSST管轄)は上限CAN$53,500。 |
併給調整 | 保険など他の財源からの併給がある場合は給付金額が調整される。 | 他の補償プログラムに適用される犯罪被害者である場合は、このプログラムの対象外となる。 |
給付実績 | 2007/08年度における給付割り当ての総額はCAN$1,400万であった。 | 2007/08年度における給付割り当ての総額はCAN$7,300万であった。 |
財源 | 州における連結収入、犯罪・違反者からの課徴金収入、州税収入など | 犯罪・違反者からの課徴金収入、州税収入など |
申請方法 | 犯罪の被害発生から1年以内に警察へ通報の上、申込書を被害者支援サービスおよび犯罪抑止局へ届け出る(性的被害や20歳未満の被害者などは例外)。直接被害者、直接被害者の扶養家族、被害の目撃者の区分に応じて、申込が異なる。 | 犯罪の被害発生から1年以内に警察へ通報の上、申込書をIVACへ届け出る必要がある。また被害によって已む無く2週間以上休職した場合の補償を受けるためには事件発生から6か月以内にCSSTへ届け出なければならない。 |
査定方法 | 書類などによる受給資格の確認 ・被害の事実確認(警察記録等)、医療記録などから補償の妥当性を確認し、査定される。 |
申込書類の確認 警察記録・医療記録の確認等 ・これらの確認をした上で査定金額が決定される。 |
備考 | BC州被害者サービス局-URL: http://www.pssg.gov.bc.ca/victim_services/ |
犯罪被害者支援に関する情報提供は主にケベック州犯罪被害者支援センター(Crime Victim Assistance Centre, CAVAC)が行っている。 ケベック州法務省-URL: http://www.justice.gouv.qc.ca/ IVAC-URL: http://www.ivac.qc.ca/ CSST-URL: http://www.csst.qc.ca/ CAVAC-URL: http://www.cavac.qc.ca/ |
国名 | カナダ | |
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州名 | ニューブランズウィック | ニューファンドランド・ラブラドール |
根拠法令 | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles ofJustice for Victims of Crime, 2003(カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) 2001年の9・11テロ事件後、Anti-Terrorism Act(反テロリズム法)が成立し、また刑法の改正により「反テロリズム」が明文化されている。 |
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Victim Services Act 1987 (被害者サービス法1987) |
(Victims of Crime Services Act 1990(犯罪被害者サービス法)) | |
制度名称 | Compensation for Victims of Crime Program (犯罪被害者のための補償プログラム) |
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担当機関 | Victim Service, Department of Public Safety(ニューブランズウィック州法務省内被害者サービス担当) | - |
理念・趣旨 | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) | - |
給付対象 | ニューブランズウィック州内で起きた犯罪において以下の者が対象となる。 1. 直接被害者 2. 被害者(子供である場合)の親もしくは保護者 3. 死亡した被害者の近親者 4. 被害者死亡により出費した家族以外の者 州外(国外含む)の市民も対象となる。 |
(州内で起きた犯罪における被害者が対象) |
給付内容 | 上限CAN$5,000。 支援のタイプにより上限が異なる。医療費、カウンセリング、理学療法費、葬儀費、転居費、交通費、育児費、苦痛に対する補償などが対象となる。 |
(出廷のための短期カウンセリング費用と交通費は支給される) |
併給調整 | 保険など他の財源からの併給がある場合は給付金額が調整される。 | - |
給付実績 | 2007/08年度における給付割り当ての総額はCAN$30万であった(411件に対し)。 | - |
財源 | 犯罪・違反者からの課徴金収入(州内における罰金収入の内訳) | - |
申請方法 | 犯罪の被害発生から1年以内に、申込書を被害者支援サービス局へ届け出る必要がある。 | - |
査定方法 | 申込書類の確認 警察記録・医療記録の確認 ・被害状況により査定金額が決定される。 |
- |
備考 | 補償の対象として、他の州ではほとんど扱われることがない「苦痛(pain and suffering)」が含まれている(上限CAN$1,000)ことが特徴的である。 | 1993年にCriminal Injuries Compensation Programが終了して以来、犯罪被害者への財政支援プログラムは現在に至るまで存在していない。ただし短期における現行のカウンセリングプログラム(Professional Services Program)や、事件に関する法廷などへの参加のための旅費には補助が適用される。 |
国名 | カナダ | |
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州名 | プリンス・エドワード・アイランド | ノバ・スコシア |
根拠法令 | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles ofJustice for Victims of Crime, 2003(カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) 2001年の9・11テロ事件後、Anti-Terrorism Act(反テロリズム法)が成立し、また刑法の改正により「反テロリズム」が明文化されている。 |
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Victims of Crime Act 1989 (犯罪被害者法1989) |
Victims' Rights and Services Act 1988(被害者の権利とサービス法1988) | |
制度名称 | Criminal Injuries Compensation(犯罪被害者補償) | Criminal Injuries Counselling Program(犯罪被害者カウンセリングプログラム) |
担当機関 | Victim Services, Office of the Attorney General(PEI州法務長官管轄被害者サービス局) | Victim Services of the Department of Justice(ノバ・スコシア州法務省内被害者サービス局) |
理念・趣旨 | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) |
給付対象 | PEI州内で起きた犯罪において以下の者が対象となる。 1. 直接被害者 2. 親または扶養家族を殺害された者 州外(国外含む)の市民も対象となる。 |
ノバスコシア州内で起きた犯罪において以下の者が対象となる。 1. 直接被害者 2. 死亡した被害者の肉親(親、兄弟、配偶者、子など) 州外(国外含む)の市民も対象となる。 |
給付内容 | 一人に付き上限CAN$15,000。また一つの犯罪についての上限はCAN$30,000であり、被害者が複数いる場合は分配となる。 | カウンセリング料として1時間最大CAN$85、最大2年間のカウンセリングを通じてCAN$2,000が上限となる。 |
併給調整 | 保険など他の財源からの併給がある場合は給付金額が調整される。 | なし |
給付実績 | 2007/08年度における給付割り当ての総額はCAN$10万であった(34件に対し)。 | (2007/08年度における給付の詳細データはなし。なお、被害者サービスを含む法務省内裁判事業の決算額はCAN$3,300万である。) |
財源 | 犯罪・違反者からの課徴金収入(州内における罰金収入の内訳) | 犯罪・違反者からの課徴金収入(州内における罰金収入の内訳) |
申請方法 | 犯罪の被害発生から1年以内に被害者サービス局へ届け出る必要がある。 | 犯罪の被害発生から1年以内に警察へ通報の上、被害者サービス局へ届け出る必要がある(性犯罪の被害者は期限なし)。 |
査定方法 | 申込書類の確認 医療記録・領収証・雇用主またはカウンセラーからの証明書の確認 ・被害状況により査定金額が決定される。 |
申込書類の確認 警察記録の確認 ・事件の捜査が終了し、プログラムの認可が降りた後、支給金額が決定される。 |
備考 | 犯罪被害者補償(法務長官管轄)URL: http://www.gov.pe.ca/attorneygeneral/index.php3?number=1000941 |
ノバ・スコシアにおける補償プログラムは被害者へのカウンセリングに対する資金のみ提供するものであり、賃金の補償や医療費や葬儀費などは対象外である。こういった費用に関しては、加害者から直接的ないしは間接的な「賠償(restitution)」を請求することができる。 |
国名 | カナダ | ||
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州名 | ノースウェスト準州 | ユーコン準州 | ヌナブト準州 |
根拠法令 | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles ofJustice for Victims of Crime, 2003(カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) 2001年の9・11テロ事件後、Anti-Terrorism Act(反テロリズム法)が成立し、また刑法の改正により「反テロリズム」が明文化されている。 |
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(Victims of Crime Act 1989(犯罪被害者法)) ・この法令は財政支援以外の犯罪被害者プログラムの根拠法令になっているが、下記の基金に関しては根拠となっていない。 |
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制度名称 | Victims of Crime Emergency Fund(犯罪被害者緊急支援基金) | - | - |
担当機関 | NWT Victim Services(ノースウェスト準州被害者サービス局) | - | - |
理念・趣旨 | 犯罪被害者に対し敬意、礼儀、同情を以て支援するための手段(「国連被害者宣言に対するカナダ声明」に基づく) | - | - |
給付対象 | 準州内で起きた重大な犯罪(性的暴力、殺人など)において以下の者が対象となる。 1. 直接被害者 2. 被害者の親または保護者 3. 被害者の扶養家族州の市民のみ対象となる。 |
- | - |
給付内容 | 医療費、短期カウンセリング、その他犯罪によって緊急に必要となった経費が対象となる(上限の記載はなし)。 | - | - |
併給調整 | なし | - | - |
給付実績 | (2008年9月より新規の実施のためデータなし) | - | - |
財源 | カナダ法務省(連邦)からの支給 | - | - |
申請方法 | 犯罪の被害発生から2カ月以内に被害者サービス局のマネージャーに申請しなければならない。 | - | - |
査定方法 | 申込書類の確認 | - | - |
備考 | 2008年9月1日から2011年3月31日にかけて犯罪被害に遭ったNWT住民に対して、緊急時における費用を負担する。州外の市民は対象外であることや、賃金の損失などは補償しないなど、内容がやや限定的である。 | - | - |
国名 | オーストラリア | |
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州名 | ニューサウスウェールズ | ヴィクトリア |
根拠法令 | Victims Support and Rehabilitation Act 1996(被害者支援および社会復帰法1996) | Victims of Crime Assistance Act 1996(犯罪被害者支援法1996) |
制度名称 | Victims Compensation Scheme(被害者補償制度) | Victims of Crime Assistance(犯罪被害者支援) |
担当機関 | Victim Services, Attorney General's Department(ニューサウスウェールズ司法長官事務局内被害者サービス局) | Victims of Crime Assistance Tribunal(VOCAT、犯罪被害者支援裁定機関) |
理念・趣旨 | 補償を通じて犯罪被害者の社会復帰を促進するため | 財政支援により犯罪被害者のサポートを行い、被害者の犯罪被害からの回復を促進するため |
給付対象 | 1. 一次被害者 2. 二次被害者(目撃者など) 3. (被害者が死亡した場合)近親者 4. 救護者(犯罪抑止や逮捕の過程で警察に協力し、その結果被害に遭った者) |
1. 一次被害者 2. 二次被害者(目撃者など) 3. (被害者が死亡した場合は)扶養家族 |
給付内容 | 上限AUS$50,000。 1. 身体的な被害 2. 精神的・神経的な被害 3. 賃金の損失 4. 医療費(実費) 5. 財産・持ち物の欠損 6. 葬儀費 3~5は合計して上限AUS$10,000。複合して被害を受けた場合は最大3つの被害まで認められ、2つめは上限の10%まで、3つめは上限の5%が支払われる。 |
一次被害者の場合、上限AUS$60,000に加え、特別支援金としてAUS$7,500(全ての申請者に適用される訳ではない)。二次被害者の場合、上限AUS$50,000近親者の場合、上限AUS$100,000(複数いる場合は分配)。 1. 身体的な被害 2. 精神的・神経的な被害 3. 賃金の損失(上限AUS$20,000) 4. 葬儀費 5. 事件の際に被害を受けた衣類 |
併給調整 | 他の財源(労働者保険など)による支給がある場合は調整の対象となる。 | 他の財源や制度による支給がある場合は調整の対象となる。 |
給付実績 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$6,100万であった(応募件数は7,031)。 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$3,580万であった(3,343件に対し)。 |
財源 | 犯罪被害者補償基金(、犯罪からの課徴金が主な財源)より支払われる。 | 州の連結収入による基金(Consolidated Fund) |
申請方法 | 担当機関へ2年以内に申請する必要がある。 | 担当機関のVOCATへ2年以内に申請する必要がある。被害者の区分(一次、二次、家族)によって申請内容が異なる。 |
査定方法 | 申込書類の確認 警察証明、医療証明の確認 ・被害の状況(病状など)に応じての金額には基準があり、それに加えて犯罪による被害者の出費状況などに応じて金額が算定される。 |
申込書類の確認 警察証明、医療証明の確認 ・被害の状況や、犯罪による被害者の出費状況などに応じて金額が算定される。 |
備考 | AUS$7,200以下の被害に関しては補償の対象外となるが、代替の精度としてVictim Assistance Scheme(被害者支援制度)があり、AUS$200以上$1,500以下の少額の被害に対して支払われる。 | VOCATはビクトリア州内において州政府の財政で被害者への財政支援を行う唯一の機関である。オーストラリアにおいてこのように犯罪被害者への財政支援を目的とした独立の機関が存在するのはビクトリア州のみである。 |
国名 | オーストラリア | |
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州名 | クイーンズランド | 南オーストラリア |
根拠法令 | Criminal Offence Victims Act 1995(刑事犯罪被害者法1995) | Victims of Crime Act 2001(犯罪被害者法2001) |
制度名称 | Criminal Injury Compensation(犯罪被害補償) | Criminal Injury Compensation(犯罪被害補償) |
担当機関 | Department of Justice and Attorney-General, Queensland(クイーンズランド法務省) | Commissioner of Victims' Rights, South Australia(南オーストラリア被害者人権検査官) |
理念・趣旨 | 犯罪被害者の基本的人権に対する尊重をより高めるため | 犯罪被害者への経済支援による救済を州政府が行うため |
給付対象 | 1995年12月18日より犯罪被害に遭った以下の者を対象としている。 1. 一次被害者 2. 救護者(犯罪抑止や逮捕の過程で警察に協力し、その結果被害に遭った者) 3. (被害者が死亡した場合)扶養家族 |
1. 一次被害者 2. (被害者が死亡した場合)扶養家族 |
給付内容 | 上限AUS$75,000。 1. 身体的な被害 2. 精神・神経的な被害(上限AUS$22,500) 3. 葬儀費 財産の損失や賃金の損失、治療費などの実費、裁判費用などは対象外である。 |
上限AUS$50,000。 1. 身体的な被害 2. 精神・神経的な被害 3. (性犯罪による)妊娠 4. 賃金の損失 5. (後遺症などによる)苦痛 財産の損失などは対象外である。また1990年9月1日以前の犯罪による被害の場合は上限AUS$20,000。 |
併給調整 | 他の財源(労働者保険など)や民事訴訟による弁償からの支給がある場合は調整の対象となる。 | 他の財源(労働者保険など)や民事訴訟による弁償からの支給がある場合は調整の対象となる。 |
給付実績 | 07/08年度における州からの財政支援の総額はAUS$1,750万であった(900件に対し)。 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$1,190万であった(件数不明)。 |
財源 | (加害者が支払い可能である場合) ・加害者による支払いが裁判所より命令される。 (加害者が支払い不能である場合) ・州の連結収入を財源として被害者に支払われる。 |
(加害者が支払い可能である場合) ・加害者による支払いが裁判所より命令される。 (加害者が支払い不能である場合) ・州の公的基金を財源として被害者に支払われる。 |
申請方法 | 裁判所への申請(事件発生より3年以内)。 加害者からの補償が認められなかったり、金額に不服があったりする時は州政府へ直接申請。 |
裁判所への申請(事件発生より3年以内、被害者死亡の場合は扶養家族より1年以内に申請する必要がある)。 加害者が支払い不能である場合は州政府へ直接申請。 |
査定方法 | 被害の状況(病状など)に応じて金額が決められている。 | 申込書類の確認 警察の捜査への協力 警察証明、医療証明の確認 ・被害状況や医療費などの出費を証明する領収書を確認し、それらを考慮して金額が算定される。 |
備考 | 基本的には裁判所命令による加害者からの弁償という形で財政支援を行っているが、加害者に支払い能力がない(例:加害者が不明、10歳未満、精神異常など)場合のみ、政府からの財政支援がある(ただし政府に支払いの義務はなく、あくまでも任意による財政支援である)。 | 加害者に支払い能力がない(例:加害者が不明、精神異常など)場合のみ、政府からの財政支援がある。 |
国名 | オーストラリア | |
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州名 | 西オーストラリア | タスマニア |
根拠法令 | Criminal Injuries Compensation Act 2003(犯罪被害者補償法2003) | Victims of Crime Assistance Act 1976, amended in 2005(犯罪被害者支援法1976, 2005改正) |
制度名称 | Criminal Injuries Compensation Scheme(犯罪被害者補償制度) | Victims of Crime Assistance(犯罪被害者支援) |
担当機関 | Criminal Injuries Compensation, Department of the Attorney General, Western Australia(西オーストラリア司法長官事務局内犯罪被害者補償担当) | Victims Support Services Unit, Department of Justice, Tasmania(タスマニア司法省内犯罪被害者支援サービス局) |
理念・趣旨 | 特殊な状況・事態に置かれている犯罪被害者に対して経済支援を行うため | 加害者が被害者に対して補償の支払いができない際の措置 |
給付対象 | 1. 一次被害者 2. (被害者が死亡した場合)扶養家族 犯罪目撃によって被害を受けた者(いわゆる二次被害者)は対象でないと明記されている。 |
1. 一次被害者 2. 二次被害者(目撃者など) 3. 近親者(配偶者、パートナー、家族など) |
給付内容 | 上限AUS$75,000。 1. 身体的な被害 2. 精神・神経的な被害 3. (性犯罪による)妊娠 4. (後遺症などによる)苦痛 5. 幸福な生活の喪失 6. 所得の損失 7. 医療費(実費) 8. 持ち物の損害 9. 葬儀費 10. (被害者死亡による)扶養家族への財政支援 2004年1月1日以前の犯罪による被害の場合は上限AUS$50,000。 |
一次被害者の場合、上限AUS$30,000。二次被害者の場合は上限AUS$20,000。近親者の場合は上限AUS$10,000(同一の事件に対し複数の近親者がいる場合は最大でAUS$50,000)。 タスマニア州で起きた事件のうち以下の被害にかかった実費が対象となる。 1. 身体的な被害 2. 精神的な被害 3. 賃金の損失 財産・持ち物の欠損などは対象外である。 |
併給調整 | 他の財源(労働者保険など)による支給がある場合は調整の対象となる。 | 健康保険など他の財源による支給がある部分に対しては適用されない。 |
給付実績 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$120万であった(1,147件に対し)。 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$276万であった(1,405件に対し)。 |
財源 | 州の連結収入(Consolidated Account) | 犯罪被害者支援基金(Criminal Injuries Compensation Fund、州の連結収入が元)より支払われる。 |
申請方法 | 担当機関へ3年以内に申請する必要がある。 | 3年以内に担当機関へ申込用紙を記入の上、申請する必要がある。 |
査定方法 | 申込書類の確認 警察への報告・捜査への協力 |
犯罪による被害状況および被害者の区分(一次、二次、近親者)に応じて金額が算定される。 |
備考 | 被害の後遺症に伴う苦痛に対する補償が明記されている。 | 加害者に支払い能力がない(例:加害者が不明、精神異常など)場合のみ、政府からの財政支援がある。 |
国名 | オーストラリア | |
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州名 | 北部準州 | オーストラリア首都特別地域 |
根拠法令 | Victims of Crime Assistance Act 2006(犯罪被害者支援法2006) | Victims of Crime Financial Assistance Act 1983(犯罪被害者財政支援法1983) |
制度名称 | Victims of Crime Assistance (犯罪被害者支援) | Victims of Crime Financial Assistance Scheme(犯罪被害者財政支援制度) |
担当機関 | Crime Victims Service Unit, Department of Justice(北部準州司法省内犯罪被害者サービス局) | ACT Victim Services(キャンベラ特別区被害者サービス局) |
理念・趣旨 | 犯罪により被害を受けた者への救済を可能にするため | 財政支援によって被害者が犯罪を乗り越えるようにするため |
給付対象 | 1. 一次被害者 2. 二次被害者(目撃者など) 3. (被害者が死亡した場合)近親者 4. 救護者(犯罪抑止や逮捕の過程で警察に協力し、その結果被害に遭った者) |
1. 一次被害者(救護者含む) 2. 被害者の保護者・後見人 3. (被害者が死亡した場合は)近親者 |
給付内容 | 上限AUS$40,000。 1. 身体的な被害 2. 精神的な被害 3. 賃金の損失 4. 医療費(実費) 5. 財産・持ち物の欠損、旅費など 賃金の損失に対する上限はAUS$10,000。 |
上限AUS$50,000。 1. 身体的な被害 2. 精神的・神経的な被害 3. (性犯罪による)妊娠 4. (後遺障害による)苦痛 5. 医療費などの出費(実費) 6. 持ち物の損害 7. 所得の損失 8. 葬儀費 重度の苦痛(永久的な障害など)に対しては別途特別支援(Special Assistance)として$30,000(性犯罪の場合は$50,000)が支払われる。 |
併給調整 | 健康保険や被害者の遺産など他の財源による支給がある部分に対しては適用されない。 | 他の財源(労働者保険など)による支給がある場合は調整の対象となる。 |
給付実績 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$300万であった(490件に対し)。 | 07/08年度における財政支援の総額はAUS$116万であった(84件に対し)。 |
財源 | 被害者支援基金(Victims Assistance Fund、準州内における違反や犯罪からの課徴金が元)より支払われる。 | 特別区内における課徴金より支払われる。 |
申請方法 | 担当機関へ2年以内に申請する必要がある。 | 事件の起こった日から12カ月以内に裁判所へ申請する必要がある。 |
査定方法 | 申込書類の確認 警察証明、医療証明の確認 ・被害状況や医療費などの出費を証明する領収書を確認し、それらを考慮して金額が算定される。 |
医療証明、警察証明の確認 第三者からの証言など 出費の領収書 特別支援の適格証明 ・被害状況や出費状況に応じて金額が算定される。 |
備考 | 医療費の実費や賃金の損失など、早急に財政支援が必要な場合はAUS$5,000上限の即時支援システムが存在する。 | 被害の後遺症に伴う苦痛に対する補償が明記されている。 |
1-6:国外における犯罪
国名 | イタリア | スペイン | カナダ | オーストラリア | 韓国 |
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根拠法令 | - | - | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles of Justice for Victims of Crime, 2003 (カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) |
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制度名称 | - | - | The Victims Fund(被害者基金 | - | - |
担当機関 | - | - | Policy Centre for Victim Issues, Department of Justice Canada(カナダ法務省内被害者問題政策センター) | - | - |
理念・趣旨 | - | - | カナダ内の州・準州においても、国外における犯罪被害に対する経済的支援制度が存在していないことを憂慮し、特にカナダへの帰国に際しての財政支援サービスを確立することを目的として、2007年4月1日より適用となった。 | - | - |
給付対象 | - | - | 対象となる犯罪:殺人、性的暴力、加重暴力、子どもを含めた個人への深刻な暴力 対象となる人物: 国外の管轄内で犯罪の被害に遭ったカナダ市民 国外の管轄内で犯罪被害により死亡、重篤、あるいは障害を患ったカナダ市民の家族員 被害者が子ども(カナダ市民)である場合は、その親もしくは保護責任者 |
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給付内容 | - | - | 国外での法廷への出席や、カナダ本国へ戻るための旅費(上限なし) 犯罪に際する被害者の自己負担費(上限CAN$5,000) |
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併給調整 | - | - | 被害者の旅行保険や医療保険で賄われる費用は対象外となる。 | - | - |
給付実績 | - | - | 実績は未発表であるが、連邦政府による被害者基金への予算のうち、海外における犯罪被害者への給付予算はCAN$195万である。 | - | - |
財源 | - | - | 連邦政府による加害者(犯罪者)からの徴収金 | - | - |
申請方法 | - | - | カナダ大使館・領事館への犯罪報告 現地警察への連絡 カナダ法務省への財政支援要請 |
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査定方法 | - | - | 書類審査、資格審査 ・被害状況、緊急性などが考慮されると考えられる。 |
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備考 | - | - | カナダの州・準州においては、国外における犯罪被害に対する財政的な支援・補償制度は存在しない(2007年現在)。 | オーストラリアでは、国外における犯罪の被害者に対する経済的支援は存在せず、オーストラリア外務貿易省内Smartraveller(海外諸国の情報や旅行者への啓発をしている部署)では海外への旅行者に対し、このような海外での犯罪に備えて旅行保険などへの加入を強く勧めている。 | - |
1-7:国外におけるテロ
国名 | イタリア | スペイン |
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根拠法令 | 2004年8月3日制定法律206号 テロ及び同種の無差別殺戮犠牲者支援新規定 | - |
制度名称 | テロ及び同種の無差別殺戮犠牲者支援 | - |
担当機関 | 内務省市民的自由及び移民局内 市民権・市民およびマイノリティ管理部 | - |
理念・趣旨 | 制度による連帯及び社会的責務の形成のため | - |
給付対象 | ・イタリア国外において、1961年1月1日以後に発生した、民主主義秩序の破壊行為、テロ行為、そして同種の無差別殺戮行為のため、あらゆる被害の大きさと程度の損害の結果、終身的障害を被った者イタリア市民 ・上記被害者が死亡した場合、その家族(下記の優先順位に従う) 1.配偶者と、事件発生時被扶養の子(成人した子を含む) 2.事件発生時に配偶者が生存していないか、同人が年金請求権を有しない場合、被扶養ではない子 3.両親 4.事件発生時に同居していた被扶養の兄弟、姉妹 5.上記に該当する者がいない場合は以下の順に従う。 (1)遺児 (2)兄弟あるいは姉妹 (3)直系の祖先(*以上三者は同居である必要も被扶養である必要もない) (4)過去三年死亡被害者の被扶養者であり、事実婚にある者で、親族でもなく、配偶者の親族でもなく、 婚姻関係にもない者 ただし、上記該当者は、当該犯罪の環境あるいは関係に関与していない場合のみ、請求権を有する。 |
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給付内容 | 被害者死亡の場合 ・特別給付金 200,000ユーロ(全額一括支給。請求権を有する限定相続人の間で分割) ・終身手当 月額500ユーロ(請求権を有する限定相続人の各々に対して支給。一身専属。個人所得税は免除。) ・特別終身手当 1,033ユーロ(請求権を有する限定相続人の各々に対して支給。一身専属。個人所得税は免除。) 就業能力に関し25パーセント以上の終身的障害を負った場合 ・特別給付金 最大200,000ユーロ(軍病院内診断委員会により認定された障害のパーセンテージ毎に2,000ユーロずつ支給。) ・終身手当 月額500ユーロ(一身専属。個人所得税は免除。) ・特別終身手当 1,033ユーロ(一身専属。個人所得税は免除。) 就業能力に関し25パーセント未満の終身的障害を負った場合 ・特別給付金 最大200,000ユーロ(軍病院内診断委員会により認定された障害のパーセンテージ毎に2,000ユーロずつ支給。) その他 ・テロ被害者およびその家族には国家の負担による心理的ケアが保証される。 ・テロ被害者とその家族、あるいは遺族(配偶者、子、それらがいない場合に両親)は医療・薬に関わる負担免除。 ・被害者および子が修学者である場合には、奨学金が支給される。 |
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併給調整 | 終身手当および特別給付金は、同じ事由に関して給付される公的支援と合算できない。合算できない公的支援と競合する場合、他のあらゆる公的支援の受給を放棄をするか否かの選択する必要がある。 申請者が、加害者等の当該犯罪の責を負う者から損害賠償をすでに受けていた場合、その額は特別給付金の総額から控除される。 特別終身手当については、給付金の年額に、申請者の年齢と75の差に対応する年数を掛け算することで給付金額を決定し、控除とみなす。 |
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給付実績 | (不明) | - |
財源 | 政府予算による(関連各省の基金・積立金への政府計上予算の減額によって捻出) | - |
申請方法 | 居住地の領事を通し、内務省市民的自由及び移民局宛てに申請書を提出 | - |
査定方法 | 1.申請書を受理した県知事は、予備審理を開始する。 2.予備審理終了時、県知事は請求と予備審理文書を、市民権・市民およびマイノリティ管理部に送付し、事件の性質と、主体的要件及び客観的要件に関して、根拠を明示した判断を表明する。 3.管理部は、審理書類を備えた請求を受理した後、申請書及び添付書類を評価し、申請書及び関連書類を所定の諮問委員会に提出する。 4.諮問委員会は、意見を表明するが、これは申請の承認あるいは却下などの決定を拘束するものではない。 5.諮問委員会の意見等を通した上で、金額が決定される。 |
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備考 | 申請期限について ・1999年3月17日以前に発生したテロについては、随時可能 ・1999年3月18日以後に発生したテロについては、刑事訴訟手続きを終了する措置(判決、不起訴命令等)の確定から3カ月以内 |
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国名 | カナダ | オーストラリア | 韓国 |
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根拠法令 | Criminal Code(刑法)、 Canadian Statement of Basic Principles of Justice for Victims of Crime, 2003 (カナダにおける犯罪被害者のための司法の基本原則宣言) 2001年の9・11テロ事件後、Anti-Terrorism Act(反テロリズム法)が成立し、また刑法の改正により「反テロリズム」が明文化されている。 |
Social Security Act 1991(社会保障法1991) | |
制度名称 | The Victims Fund(被害者基金) | Australian Government Disaster Recovery Payment(オーストラリア政府災害復興給付金) | |
担当機関 | Policy Centre for Victim Issues, Department of Justice Canada(カナダ法務省内被害者問題政策センター) | Centrelink(センターリンク:正式名称はCommonwealth Service Delivery Agency(連邦サービス提供機関), CDSA。社会保障に関する各給付金を取り扱う政府機関) | |
理念・趣旨 | カナダ内の州・準州においても、国外における犯罪被害に対する経済的支援制度が存在していないことを憂慮し、特にカナダへの帰国に際しての財政支援サービスを確立することを目的として、2007年4月1日より適用となった。 | 保険や他の補償制度で支払われない領域を社会保障の観点から支援するもの | |
給付対象 | 対象となる犯罪:殺人、性的暴力、加重暴力、子どもを含めた個人への深刻な暴力 対象となる人物: 国外の管轄内で犯罪の被害に遭ったカナダ市民 国外の管轄内で犯罪被害により死亡、重篤、あるいは障害を患ったカナダ市民の家族員 被害者が子ども(カナダ市民)である場合は、その親もしくは保護責任者 |
16歳以上で、該当する災害により被害を受けた以下の者が対象となる。 1. オーストラリア国籍を持つ者 2. オーストラリア永住権を持つ外国籍の者 3. 一定期間オーストラリアに滞在したニュージーランド国籍の者 4. その他国家が認定するビザを持つ外国籍の者 16歳未満の子どもは直接の受給はできないが、その保護者が対象となる場合は、保護者が子どもの分の給付を受ける。 |
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給付内容 | 国外での法廷への出席や、カナダ本国へ戻るための旅費(上限なし) 犯罪に際する被害者の自己負担費(上限CAN$5,000) |
原則として以下の金額が基本となる。 成人(16歳以上) AUS$1000 子ども AUS$400 この他の給付に関しては災害の大小などに応じて家族・住宅・地域サービス・先住民問題担当省で決定される(医療費などの実費、カウンセリング費用、葬儀費、旅費なども含まれる場合があり、それらの上限も災害によって様々である)。 |
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併給調整 | 被害者の旅行保険や医療保険で賄われる費用は対象外となる。 | 他の補償制度や個人での保険で賄われる範囲のものは、この制度の対象外となる。 | |
給付実績 | 実績は未発表であるが、連邦政府による被害者基金への予算のうち、海外における犯罪被害者への給付予算はCAN$195万である。 | 07/08年度におけるAGDRP全体の給付総額はAUS$3,700万である(31,514人に対し)。テロ事件のみに限定したデータは存在しない。 | |
財源 | 連邦政府による加害者(犯罪者)からの徴収金 | 連邦政府からの援助金や社会保障のための基金を財源としていると考えられる。 | |
申請方法 | カナダ大使館・領事館への犯罪報告 現地警察への連絡 カナダ法務省への財政支援要請 |
Centrelinkカスタマーサービスセンターへ連絡するか、災害(テロ)発生時の臨時ホットラインにて、発生日から6カ月以内に申請する。 | |
査定方法 | 書類審査、資格審査 被害状況、緊急性などが考慮されると考えられる。 |
被害の状況や実際にかかった費用の額に応じて金額が決定される。 | |
備考 | カナダの州・準州のいずれにおいて、国外におけるテロ被害に対する財政的な支援・補償制度は存在しない(2007年現在)。オンタリオ州のみ、国外におけるテロの被害者への経済的支援の経緯があり、9・11アメリカ同時多発テロ事件(2001年)において、オンタリオ州民の被害者に対し、CAN$300万の予算をもって経済的支援を行った実績を持つ。しかし実際にはアメリカによる被害者への経済的支援の方が充実していたことから、そのほとんどが利用されないまま、2005年6月に終了となった。 | 前身のプログラムとして、災害救済給付金(Disaster Relief Payment)が2006年まで存在した。AGDRPの対象となるのは、家族・住宅・地域サービス・先住民問題担当大臣(Minister for Department of Families, Housing, Community Services and Indigenous Affairs)によって、オーストラリア住民に甚大な影響を及ぼし、政府による対応が必要だと宣言された災害(テロ含む)のみである。 |