全ての地方公共団体について、犯罪被害者等からの相談・問い合わせ等に対応する何らかの窓口(以下「対応窓口」という。)の設置の有無について尋ねたところ、「設置している又は設置予定である」との回答は、都道府県では約8割、政令市では約5割を占めているが、政令市を除く市区町村では約2割と少ない。
政令市を除く市区町村について人口規模別に見ると、人口20万人以上の市区では約28%とやや多く、1万人未満の町村では15%とやや少ないが、特に顕著な傾向は見られなかった。
市区町村について都道府県別に見ると、秋田県が特筆して多いほか、福井県もやや多くなっている一方、窓口を設置している市町村がない県もあり、温度差が大きい。
対応窓口を設置している(設置予定も含む。)地方公共団体について、対応窓口の設置形態について尋ねたところ、都道府県・政令市では「犯罪被害者等支援専用の窓口」が6割を占めている。一方で、政令市を除く市区町村では「他の様々な相談を受ける共用の窓口」が9割以上となっている。
対応窓口を設置している(設置予定も含む。)地方公共団体について、相談窓口の設置・運営にあたって各種現行制度の一元的な把握や、関係機関・団体との連携協力体制の確保のために行っていることについて尋ねたところ、都道府県・政令市では「ハンドブック等の作成・備付け」「関係機関等からの意見聴取・意見交換」が半数以上を占めている。政令市を除く市区町村では「特にない」が半数近くを占めている。
対応窓口を設置している(設置予定も含む。)地方公共団体について、配慮に欠けた対応など窓口担当者が犯罪被害者等に対し二次的被害を与えないようにするために行っていることについて尋ねたところ、都道府県・政令市では「研修会へ窓口担当者を派遣」が多く、政令市を除く市区町村では、約3分の1が「研修会へ窓口担当者を派遣」と回答しているものの、「特にない」が6割近くを占めている。
対応窓口を設置している(設置予定も含む。)地方公共団体について、窓口の設置・運営にあたって苦労している点(設置予定である場合は障害となりうる点)について尋ねたところ、全体で「知識や技能を有する人材の育成・確保」が6割以上と多くを占めている。また、都道府県・政令市では「住民への窓口の周知の徹底」「関係機関等との連携協力の確保」との回答も多くなっている。
対応窓口を設置している(設置予定も含む。)都道府県・政令市について、窓口の設置・運営にあたって工夫・留意している点について尋ねたところ、7団体から以下のような自由回答を得た。
対応窓口を設置している地方公共団体について、窓口に配置している担当者の形態について尋ねたところ、ほとんどの相談窓口では「施策担当窓口部局の行政職員が対応」している。また、非常勤職員が対応する場合のある相談窓口は、都道府県・政令市では4分の1程度、政令市を除く市区町村では2割程度を占めている。
対応窓口を設置している地方公共団体について、窓口において犯罪被害者等への対応を行う担当者数について尋ねたところ、都道府県・政令市では2~3人が6割を占めており、政令市を除く市区町村では1~2人が7割を占めている。
対応窓口を設置している地方公共団体について、窓口での対応状況について尋ねたところ、全体で「各種相談窓口、庁内関係部局、関係機関等の支援内容や連絡先を教示」が最も多く、次いで「相談内容・対応状況等を伝達し、支援を依頼」となっている。
対応窓口を設置している地方公共団体について、窓口を地域住民に周知するために行っていることについて尋ねたところ、都道府県・政令市では「ホームページ上で紹介」「チラシ・ポスター・リーフレット類の作成・配布」が多くなっている。一方、政令市を除く市区町村では「特にない」が半数近くを占めており、次いで「広報誌等を活用した紹介」との回答が多くを占めている。
対応窓口を「設置していない」と回答した地方公共団体について、窓口を設置する必要性について尋ねたところ、「必要性は感じている」との回答が、都道府県・政令市では約47%、政令市を除く市区町村では約44%を占めている。また、政令市を除く市区町村では、「わからない(考えたことがない)」との回答も3割以上を占めている。
対応窓口を設置する「必要性を感じていない」と回答した地方公共団体について、その理由について尋ねたところ、都道府県・政令市では「既存の各種相談窓口で十分な対応が可能」との回答が6割以上を占めている。一方、政令市を除く市区町村では、「既存の各種相談窓口で十分な対応が可能」のほかに、「被害者等が少ない」「地域からの要望が少ない」との回答も多くなっている。
その他の自由回答として、「支援センター等の民間支援団体が相談業務を行っている」「民間支援団体へ財政補助をしている」などの回答が見られた。
対応窓口を設置する「必要性は感じている」と回答した地方公共団体について、必要性は感じているが予定が立たない理由について尋ねたところ、全体で「連携協力体制が十分できていない」が6割以上を占めている。さらに、政令市を除く市区町村では「知識・技能を有する人材の不足」との回答が8割を占めている。
全ての地方公共団体について、犯罪被害者等に対する総合的な相談・情報提供にあたって国や都道府県に対して希望する支援について尋ねたところ、都道府県・政令市では「対応マニュアルのモデル案の作成」「窓口担当者向けの研修の実施」「全国の地方公共団体の取組状況等に関する情報提供」「財政的な援助」などが多くを占めている。 政令市を除く市区町村では「対応マニュアルのモデル案の作成」「支援ハンドブック・相談機関リストの作成」が多くを占めている。