第6章 警察活動の支え

警察活動の最前線


夢を追い続けて!


北海道警察本部地域部地域企画課(鉄道警察隊)

黒川 康子(くろかわ やすこ) 警部補

 
ほくとくん
ほくとくん
 
北海道警察本部地域部地域企画課(鉄道警察隊) 黒川 康子 警部補 顔写真

私は北海道警察の婦人警察官第1期生として、2人の子供を育てながら38年間勤務してきました。拝命当時、女性は結婚とともに家庭に入るものという考え方が一般的であり、結婚・出産してもなお働き続けようとする私は奇異の目で見られました。親しくしていた同僚にも「母親が子供を育てないで誰が子供を育てるのか」と子育てをしながら仕事を続けることに否定的な言葉をかけられ、悔し涙を流すこともありました。

しかしながら、「少年に関わる仕事がしたい」という拝命当初からの夢を追い続け、拝命から10年以上経って初めて希望した仕事に携わることができました。その後も北海道警察で初の女性交番の責任者、性犯罪の捜査を担当する刑事等を経験し、現在は、鉄道警察隊の小隊長として、少年補導や痴漢、盗撮事案等の取締りに従事しています。新たな仕事を経験する度に、また次の新たな仕事への夢がどんどん広がり、その夢が原動力となって今日までやってきました。

現在は、多くの女性警察官が採用され、職域の拡大と共に活躍のステージは確実に大きく広がっています。女性自身が恵まれた環境に甘えることなく、職責を自覚し、女性としての特性を生かしつつ、男性警察官と同じ目線で職務に取り組んでいくことが求められていると思います。後輩達が、更なる夢を追い続け、新たな道に挑戦し、飛躍することを切に願っています。

 
北海道警察本部地域部地域企画課(鉄道警察隊) 黒川 康子 警部補

震災への思いを胸に


島根県情報通信部機動通信課

宮本 健(みやもと けん) 技官

 
警視庁ロゴマーク
 
島根県情報通信部機動通信課 宮本 健 技官 顔写真

私が情報通信職員を志したきっかけは、平成23年に発生した東日本大震災です。発災当時、私は大きな被害を前にして自身の無力さにもどかしさを感じることしかできませんでした。その後、震災によって電気通信事業者の回線が不通となる中で、発災当初から情報通信部が通信対策を行い、救出活動に大きく寄与したことを知り、自身も情報通信職員として働くことを決意しました。

そして、採用されて2年目の夏、県内で豪雨による土砂災害が発生しました。私は、災害派遣要員として現場へ向かい、被災状況を把握するための映像の撮影や、無線通信を確保するためのアンテナの設置等に従事しました。現場での作業は、土砂のぬかるみや猛暑等で、想像以上に困難なものとなりましたが、実際に自身が撮影した映像を利用して救出救助活動が行われ、改めて情報通信職員としての誇りを感じることができました。

情報通信職員は警察官と異なり、直接被災した方の救出救助活動をすることはありませんが、警察活動を行う上で情報通信を確保することは必要不可欠であり、警察活動の神経ともいえます。私は、情報通信職員として、その神経を守り続けることで、国民が安全・安心に暮らせる社会づくりに尽力していきたいと思います。

 
島根県情報通信部機動通信課 宮本 健 技官

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。



前の項目に戻る     次の項目に進む