第3章 組織犯罪対策

3 銃器情勢とその対策

(1)銃器情勢

平成24年中の銃器情勢は、一般国民や民間企業を対象とする暴力団等によるとみられる銃器発砲事件が相次いで発生し、銃器を使用した事件(注)も153件発生するなど、依然として厳しい状況にある。

注:銃砲及び銃砲様の物を使用した事件。「銃砲」とは、「けん銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃」(銃刀法第2条第1項)をいう。「銃砲様の物」とは、銃砲らしい物を突き付け、見せるなどして犯行に及んだ事件において、被害者、参考人等の供述等により、銃砲と推定されるものをいう。
 
図3-8 銃器発砲事件の発生状況と死傷者数の推移(平成15~24年)
図3-8 銃器発砲事件の発生状況と死傷者数の推移(平成15~24年)
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(2)銃器対策

① 銃器の摘発

警察では、犯罪組織の武器庫の摘発や密輸・密売事件等の摘発に重点を置いた取締りを行うなど、総合的な銃器対策を推進している。

拳銃押収丁数の推移は、図3-9のとおりである。平成24年中の暴力団からの押収丁数(注)は全押収丁数の25.5%を占め、このうち61.1%が山口組からの押収であった。

注:暴力団の管理と認められる拳銃の押収丁数をいう。
 
図3-9 拳銃押収丁数の推移(平成15~24年)
図3-9 拳銃押収丁数の推移(平成15~24年)
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② 国民の理解と協力の確保

警察では、20年5月、広く国民から拳銃の情報提供を促すことを目的として「拳銃110番報奨制度」を導入した。また、「銃器犯罪根絶の集い」等の催しを開催したり、民間ボランティア団体と連携した活動を行ったりすることで、銃器犯罪の根絶と違法銃器の排除を広く国民に呼び掛けている。

 
拳銃110番報奨制度


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