第1章 生活安全の確保と犯罪捜査活動 |
事例
無登録貸金業者(31)らは、20年4月ころから21年1月ころにかけて、いわゆる名簿屋から購入した多重債務者名簿を基に、全国にダイレクトメールを発送するなどして融資を勧誘し、約300人に対し、法定金利の約110倍から約750倍の利息で金銭を貸し付け、約3億5,000万円の利息等を他人名義の預金口座に振り込ませ、受領するなどした。21年3月までに、9人を出資法違反(超高金利)等で逮捕した(岩手)。 |
事例1
健康機器販売会社役員(75)らは、12年7月ころから19年10月ころにかけて、「当社にお金を1年間預ければ、3か月ごとに9%の利息を支払い、満期には元金を返還します」などと告げて、約4万人から約1,285億円をだまし取った。21年2月、同役員ら22人を組織的犯罪処罰法違反(組織的な詐欺)で逮捕した(警視庁、宮城、福島)。 |
事例2
投資会社役員(55)らは、16年10月ころから20年11月ころにかけて、「経済成長率の高い海外の未公開株に投資すれば、3年後には出資額の3倍から4倍の金が現金で戻ってくる」などと告げて、約1万人から約218億2,000万円をだまし取った。21年9月までに、同役員ら6人を詐欺罪、組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益の隠匿)等で検挙した(千葉、静岡)。 |
コラム2 悪質商法(特定商取引等事犯・資産形成事犯)被害に関するアンケート結果
検挙された特定商取引等事犯・資産形成事犯の被害者各100人にアンケート調査を実施した結果、判明した被害状況等は、次のとおりである。 ○特定商取引等事犯 ・被害者は、一戸建ての居住者が約90%、旧来住宅地(注2)の居住者が約80%を占めた。 ・契約事実を家族等に相談しなかった被害者が約70%を占めた。 ・「最初の段階で断っていれば被害に遭わなかった」との回答が約60%を占めた。 ○資産形成事犯 ・被害の発端については、「知人から誘いを受けた」との回答が約60%を占めた。 ・投資に当たっては、家族に相談しなかったケースが約60%を占めた。 ・投資した理由については、「勧誘員の話を信じ込んだ」との回答が約70%を占めた。 ・「事前に業者の手口を知っていれば被害に遭わなかった」との回答が約60%を占めた。
注2:アンケート上の選択肢は、繁華街・旧来住宅地・新興住宅地・農村地帯の4つ
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第1節 犯罪情勢とその対策 |
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