第3章 安全かつ快適な交通の確保 

第14節 高速道路における交通警察活動

(1)高速道路ネットワークと交通事故の現状
 高速道路(高速自動車国道及び指定自動車専用道路をいう。以下同じ。)は、年々、路線数が増加し、その総延長距離は1万キロメートルを超えたところである。
 今後は、中央帯により往復の方向別に分離されていない非分離二車線の区間やスマートインターチェンジ(注1)における安全対策等、多様な状況に対応した的確な交通管理が求められる。
 平成20年中の高速道路における死者数は193人と、16年以降5年連続の減少となった。また、交通事故の発生件数及び負傷者数も、前年に引き続き減少した。

注1:高速道路に付設されたサービスエリア、パーキングエリア、バス停留所等に、ETC専用ゲートを新設し、最寄りの一般道に出入りできるようにしたインターチェンジ

 
表3-11 高速道路の路線数及び総延長距離の推移(平成16~20年)
表3-11 高速道路の路線数及び総延長距離の推移(平成16~20年)
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表3-12 高速道路における交通事故発生件数・死者数・負傷者数の推移(平成11~20年)
表3-12 高速道路における交通事故発生件数・死者数・負傷者数の推移(平成11~20年)
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(2)高速道路における交通の安全と円滑の確保
〔1〕 大型貨物自動車等の交通事故防止対策
 警察では、最も左側の車両通行帯を大型貨物自動車、特定中型貨物自動車及び大型特殊自動車が通行しなければならないものとして指定する交通規制(第一通行帯通行区分規制)を東名高速道路等9路線の区間(平成20年度末現在)において実施している。
 
逆走防止装置
写真 逆走防止装置

〔2〕 適正な交通規制の実施と逆走対策の推進
 警察では、高速道路の規制に当たっては、道路構造、気象条件、交通実態、交通事故発生状況等を勘案してその適正を期するとともに、適時、適切な見直しを行っている。
 また、近年、高齢者等による逆走事故が多発していることから、道路の管理者と協力して規制標識の大型化・進行方向を指し示す矢印の路面への標示、逆走防止装置(注2)の設置等を行っている。

注2:高速道路のサービスエリア等で出入口を間違えて逆走した車両をセンサーで検知し、サイレン、電光表示等により、運転者に逆走していることを認識させる装置

 
図3-25 高速道路における道路交通法違反の取締り状況(平成20年)

〔3〕 交通指導取締り
 警察では、著しい速度超過、飲酒運転を始め、車間距離不保持、通行帯違反等の悪質性・危険性の高い違反に重点を置いた取締りを実施するほか、後部座席同乗者のシートベルト着用について、適切な指導取締りを実施している。

 第14節 高速道路における交通警察活動

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図3-25 高速道路における道路交通法違反の取締り状況(平成20年)
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