2 暴力団犯罪の取締り
(1)検挙状況
過去10年間の暴力団構成員等の主要罪種別検挙人員の推移は、図2-3のとおりである。
平成11年以降、検挙人員の多い罪種は、覚せい剤取締法違反、傷害、窃盗、恐喝及び詐欺の5つの罪種であり、これに変化はないが、賭博やノミ行為等の検挙人員が激減し、主要罪種別検挙人員に占める割合も大きく減少しており、暴力団が資金獲得の手段を変化させている状況がうかがわれる。
図2-2 最近の特徴
図2-3 暴力団構成員等の主要罪種別検挙人員の推移(平成9~18年)
(2)対立抗争事件及び暴力団等によるとみられる銃器発砲事件
過去10年間の対立抗争事件及び暴力団等によるとみられる銃器発砲事件の発生事件数等の推移は表2-2のとおりである。平成18年中、対立抗争事件の発生はなかったが、19年に入り、暴力団によるけん銃使用の対立抗争事件により3人が死傷したほか、長崎市長が射殺された事件、銃器を使用した立てこもり事件等が発生している。
表2-2 対立抗争事件及び暴力団等によるとみられる銃器発砲事件の発生事件数等の推移(平成9~18年)
事 例
山口組傘下組織幹部(50)は、かねて自らの要求に対する長崎市の対応に不満を募らせるとともに資金面で行き詰まり自暴自棄となっていたところ、現職の長崎市長が19年4月に投開票となる長崎市長選挙に立候補の意思を明らかにするや、これを機に同人を殺害しようと企て、同月、長崎市内の歩道上においてけん銃2発を発射して同人に命中させ、同人を殺害した。同月、殺人未遂罪で逮捕(殺人罪に罪名変更)(長崎)。
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(3)けん銃の押収
過去10年間の暴力団構成員等からのけん銃押収丁数の推移は表2-3のとおりであり、減少傾向にある。その要因として、隠匿手段の巧妙化等が挙げられる。
表2-3 暴力団構成員等からのけん銃押収丁数の推移(平成9~18年)