第3章 犯罪情勢と捜査活動 

(3)街頭犯罪・侵入犯罪の認知・検挙状況

 国民が身近に不安を感じている路上強盗,ひったくり等の街頭犯罪,侵入盗,侵入強盗等の侵入犯罪が,近年急激に増加している(図3-4,図3-5,図3-6)。

 
図3-4 路上強盗の認知・検挙状況の推移(平成5~14年)

図3-4 路上強盗の認知・検挙状況の推移(平成5~14年)
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図3-5 ひったくりの認知・検挙状況の推移(平成5~14年)

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図3-6 侵入盗の認知・検挙状況の推移(平成5~14年)

図3-6 侵入盗の認知・検挙状況の推移(平成5~14年)
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 街頭犯罪は,少年による犯行が多く,平成14年は,路上強盗の検挙人員の63.0%,ひったくりの検挙人員の68.6%が,それぞれ少年である。
 侵入犯罪は,一般住宅や風俗店等に押し入り在室している者をガムテープ等で縛り現金や貴金属を強取する緊縛強盗事件や,深夜に会社事務室等に侵入し大型金庫ごと盗み出す窃盗事件等,来日外国人による凶悪で大胆な組織的犯行が目立っている。また,地理に不案内な来日外国人に対して暴力団等が案内役等を担当するといった,背後に暴力団等が介在する事例もみられる。
 これらの犯罪の発生を抑止するため,14年11月に警察庁は「街頭犯罪等抑止総合対策室」を設置するとともに,都道府県警察は,地域の実情に応じた対策を実施している。

事例1
 13年12月から14年3月までの間,少年ら9人は,埼玉県等4県下において,帰宅途中の男性を金属バットで殴打して金品を強取する強盗事件等を連続的に敢行していた。3月,少年ら9人を強盗罪等で検挙した(埼玉,茨城,栃木,群馬)。

事例2
 13年11月から14年6月までの間,少年ら16人は,オートバイを利用し,通行人のバッグ等を窃取するひったくり事件を敢行していた。なかには,強盗致傷事件に発展する事件もあった。6月までに,少年ら16人を強盗致傷罪等で検挙した(石川)。

事例3
 12年1月から13年7月までの間,中国人の男(40)らは,窃盗グループを組織し,暴力団員を通じて日本人の運転・通帳引出し役を調達した上,17県下の広域にわたり,金庫破り,空き巣ねらい等を繰り返していた。14年1月までに,中国人12人,日本人16人を窃盗罪等で検挙し,窃盗163件,通帳詐欺62件(被害総額2億820万円相当)を解決した(愛知,広島,長崎)。

 

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