第2章 生活安全の確保と警察活動 

(2)「出会い系サイト」に係る犯罪被害防止対策

○青少年育成推進会議の申合せに基づく対策の推進
 平成14年10月に,青少年育成推進会議において,「出会い系サイト」に係る犯罪防止のために関係省庁が各種施策を推進することを内容とする申合せがなされた。警察庁では,この申合せに基づき,パンフレットの作成・配付等の広報啓発活動等を行っている。
○各種広報啓発活動の推進
 警察では以下のような児童の犯罪被害防止のための広報啓発活動を推進している。
 ・非行防止教室や少年の保護者等の会合における被害防止用のリーフレットの配布
 ・「出会い系サイト」に係る犯罪の現状や問題点に対する講演
 ・教育関係者及びプロバイダ等の業者を交えたシンポジウムの開催
 ・広報紙や機関誌,ホームページを利用した広報
○関係機関,関係業界等に対する要請
 ・警察では,教育機関,PTA,電話会社等と対策会議を実施し,「出会い系サイト」に係る児童の犯罪被害防止に関する情報交換を行うなど連携を図っている。
 ・警察では,教育関係者に「出会い系サイト」に係る児童の犯罪被害防止の指導を要請している。また,プロバイダやサイト開設者に対し,被害防止のための広報啓発等を行うように要請を行っている。

 
出会い系サイト等有害コンテンツ対策シンポジウム(愛知)

出会い系サイト等有害コンテンツ対策シンポジウム(愛知)

コラム5 「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」の制定
 「出会い系サイト」の利用に起因する児童買春その他の犯罪による児童の被害の実情にかんがみ,インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律が,15年6月に制定され,その一部が同年9月に施行された。同法の主な内容は,次のとおりである。

1)「インターネット異性紹介事業」とは
 異性交際(面識のない異性との交際をいう。以下同じ。)を希望する者(以下「異性交際希望者」という。)の求めに応じ,その異性交際に関する情報をインターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いてこれに伝達し,かつ,当該情報の伝達を受けた異性交際希望者が電子メールその他の電気通信を利用して当該情報に係る異性交際希望者と相互に連絡することができるようにする役務を提供する事業をいう。

2)インターネット異性紹介事業者,保護者等の責務
 ○インターネット異性紹介事業者及びインターネット異性紹介事業に必要な役務を提供する事業者による児童利用の防止措置
 ○保護者による児童利用の防止措置
 ○国及び地方公共団体による教育及び啓発等の措置

3)児童に対する性交等の誘引の規制
 インターネット異性紹介事業を利用して,児童を相手方とする性交等や対償を示しての交際の誘引をしてはならないこととした(罰則あり)。

4)インターネット異性紹介事業者に対する規制
 ○児童利用の防止措置を採ること
  児童の利用禁止の明示及び児童でないことの確認を義務づけ,これに違反した場合には,都道府県公安委員会が必要な措置を命ずることとした(命令違反には罰則あり)。
 ○児童の健全育成に障害を及ぼす行為の防止措置

 
被害防止用のリーフレット

被害防止用のリーフレット

 

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