第1章 組織犯罪との闘い 

(1)犯罪組織の壊滅に向けた戦略的な取組み

 組織犯罪対策を推進するに当たっては,暴力団対策,薬物・銃器対策,来日外国人犯罪対策に係る業務を総合的に俯瞰(ふかん)し,犯罪の実態につき横断的に分析を加えた上,犯罪組織の壊滅に向けた戦略的取組みを実施しなければならない。
 特に,組織の末端構成員ではなく中枢で組織を動かしている者を検挙するための方策,組織の資金源に関する事件を検挙するための方策等,犯罪組織の壊滅に向けた方策を検討し,これら事件化に当たっては,現在,部門間や都道府県間において捜査が競合することにより効果的に組織犯罪対策が推進できていない場合もあることから,警察庁が適切な役割を果たしつつ,捜査調整を可能とする仕組みを導入することが必要である。
 このような取組みを具体的に検討するに当たっては,警察にはない権限,情報,装備資機材等を有する入国管理局,税関,海上保安庁等の関係機関との合同取締りが有効であることから,これらの関係機関との連携・協力を一層強化することが必要となる。また,国際犯罪組織によるヒト,モノ,カネの密輸事犯に対しては,関係各国との情報交換や取締り協力の強化が不可欠である。

 

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