第1章 組織犯罪との闘い 

イ 専門捜査力の強化,教育訓練の充実

 社会の複雑化・高度化に伴い,組織犯罪捜査においても,特定の分野に関する高度な専門的知識や技能が必要となっている。このため,警察大学校,管区警察学校及び都道府県警察学校において,知能暴力犯捜査,薬物事犯捜査,銃器捜査,国際捜査等の特に専門的知識や技能を必要とする捜査に従事する捜査員に対し,その捜査要領や技能について教育訓練を行うとともに,警察大学校特別捜査幹部研修所において,上級の捜査幹部として必要な捜査指揮,捜査管理等の専門技術についての研修等を行っている。
 特に,国際化の進む組織犯罪に対しては,警察大学校国際捜査研修所において,国際捜査に関する実務研修,語学研修,海外実務研修等を実施している。都道府県警察においても,国際捜査に従事する捜査員に対する教育や通訳担当者も参加する実務的な語学研修等を実施するとともに,6年度からは,特に高い語学能力を備えた者を特別に採用し,国際捜査力の確保に努めている。また,部外の通訳人を依頼することなどにより通訳体制の整備も進めている(参照)。さらに,来日外国人犯罪の捜査に従事する警察官には,外国語はもとより,出入国管理,国際捜査共助,刑事手続等に関する条約その他の内外の法制等,極めて幅広い分野に関する特別の知識が要求されることから,警察庁では,国際捜査実務に関する研修を行っている。

 

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