第1章 組織犯罪との闘い 

イ マネー・ローンダリング罪

 マネー・ローンダリングを規制するものとして,1988年刑事裁判法(1993年刑事裁判法によって改正されている)は,「犯罪の訴追又は没収命令の発布若しくは執行を免れる目的で,(1)自己の犯罪行為の収益であり若しくはその全部若しくは一部が直接若しくは間接に自己の犯罪行為の収益に当たる財産を隠匿し若しくは仮装し,又は,(2)この財産を転換し,移転し,若しくは管轄外に移転した者は,有罪とする」と規定している。また,同法において,他人が犯罪の訴追又は没収命令の発布若しくは執行を免れることを援助する目的で行われる他人の犯罪収益に対する隠匿等の行為も罰することとされている。これらの罪で正式起訴された場合の刑罰は,14年以下の拘禁若しくは罰金又はこれらの併科とされている。
 なお,マネー・ローンダリング罪の前提犯罪には,薬物犯罪のみならず重大な犯罪や多額の収益を生む犯罪も含まれている。

 

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