第1章 組織犯罪との闘い 

ア 通信傍受,秘聴捜査

 従来,1985年通信傍受法(Interception of Communication Act 1985)によって,対象を郵便又は公共通信システムの手段により伝送中の通信とする通信傍受が法制化されていたが,近年の情報通信分野における変化(規制緩和や民営化に伴う民間通信システムの出現,暗号を使用した通信の増加等)に対応するため,2000年調査・捜査権限法(Regulation of Investigatory Powers Act 2000)第1章において,通信傍受に関する規定を設けている。なお,同法により,1985年通信傍受法は廃止された。
 通話双方の同意がある場合はもちろん,監視活動が許される場合で通話片方の同意がある場合及び2国間の相互取り決めがある場合等特定の場合は令状なしで傍受することができる。また,国家安全,重大犯罪の防止及び探知及び英国の経済的繁栄の確保に必要と判断される場合,内務大臣が発出する令状に基づいて傍受を行うことができる。なお,傍受により収集した情報は原則として法廷で使用することはできない。

 

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