第5章 国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組

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1 国民の理解の増進(基本法第20条関係)

トピックス 犯罪被害者週間

第3次基本計画においては、「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」が重点課題の一つとして掲げられ、「様々な機会を通じて、教育活動や広報啓発活動等による息の長い取組を行い、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性等についての国民の理解や共感を深め、犯罪被害者等への配慮と犯罪被害者等のための施策への協力を確保するための取組を行わなければならない」とされている。

このため、警察庁においては、関係府省庁の協力を得て、毎年11月25日から12月1日までを「犯罪被害者週間」として設定し、当該週間に合わせて、広報啓発活動を集中的に実施することとしている。

犯罪被害者週間のポスター
犯罪被害者週間のポスター

令和2年中は、11月27日に中央イベント(東京都)を、同月18日(長崎県)及び12月1日(岐阜県)に地方公共団体等との共催による地方大会を、それぞれ開催した。各イベントの開催状況については、動画配信サービスによるライブ配信を行った。

【中央イベント】

中央イベントでは、「犯罪被害者等支援に関する標語」の最優秀賞受賞者及び「「大切な命を守る」全国中学・高校生作文コンクール」の優秀作品賞受賞者の表彰式、基調講演、パネルディスカッション等を行った。

表彰式の様子
(犯罪被害者等支援に関する標語)
表彰式の様子(犯罪被害者等支援に関する標語)
表彰式の様子(「大切な命を守る」
全国中学・高校生作文コンクール)
表彰式の様子(「大切な命を守る」全国中学・高校生作文コンクール)

基調講演では、犯罪被害者遺族の高田香氏による「長男を亡くした事故から4年~朝顔に交通安全の願いを込めて~」と題した講演が行われ、長男を亡くした事故の当日から刑事裁判までの状況、現在までの回復状況や多くの支援者から元気をもらった経験、自身が継続している朝顔の花を交通安全のシンボルとする活動について語られ、優しさあふれる社会への願いが訴えられた。

高田香氏による基調講演
高田香氏による基調講演

パネルディスカッションでは、「社会全体で犯罪被害者等を支えていくために~身近な窓口や条例による支援の充実について~」をテーマに、コーディネーターとして齋藤梓氏(目白大学心理学部専任講師、都民センター臨床心理士/公認心理師)を、パネリストとして高田香氏(基調講演者)、小川大輔氏(埼玉県県民生活部防犯・交通安全課防犯・犯罪被害者支援担当主幹)及び阿久津照美氏(都民センター相談支援室長)を迎え、地方公共団体の総合的対応窓口における支援の充実や関係機関・団体との連携による支援の在り方等について議論が行われた。

【長崎大会】

長崎大会は、警察庁、長崎県、長崎県警察及び公益社団法人長崎犯罪被害者支援センターが共催した。

長崎県警察音楽隊による
オープニング
長崎県警察音楽隊によるオープニング

基調講演では、前川希帆氏(交通事故被害者、長崎県立口加高等学校講師)及び中村明夫氏(前川氏の恩師、長崎県立佐世保東翔高等学校教諭)による「夢があるから頑張れる!~共に夢見る絆の力~」と題した対話形式の講演が行われ、前川氏が交通事故後、家族や恩師、仲間の支えにより、音楽家になる夢を諦めず頑張ることができている現状等について語られた。

前川希帆氏及び中村明夫氏による
基調講演
前川希帆氏及び中村明夫氏による基調講演

パネルディスカッションでは、「身近にある被害の落とし穴~人間関係上のトラブルの社会化と相談先~」をテーマに、コーディネーターとして前田和明氏(公益社団法人長崎犯罪被害者支援センター理事長)を、パネリストとして前川希帆氏(基調講演者)、中村明夫氏(基調講演者)、飯田直樹氏(長崎県弁護士会弁護士)及び岩木浩氏(長崎県警察本部広報相談課犯罪被害者支援室長)を迎え、犯罪被害者等の思い、地方公共団体における犯罪被害者等支援の在り方等について議論が行われた。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

【岐阜大会】

岐阜大会は、警察庁、岐阜県、岐阜県警察及び公益社団法人ぎふ犯罪被害者支援センターが共催した。

岐阜県知事による挨拶
岐阜県知事による挨拶

基調講演では、安田貴彦氏(公益社団法人全国被害者支援ネットワーク顧問、京都大学大学院総合生存学館特任教授、元警察大学校長)による「県民みんなで被害者を支えるために」と題した講演が行われ、犯罪被害者等支援制度の整備の経緯や地方公共団体における犯罪被害者等支援条例の制定の重要性等について語られた。

安田貴彦氏による基調講演
安田貴彦氏による基調講演

パネルディスカッションでは、「よりよい犯罪被害者支援のために~犯罪被害にあわれた方にあなたができること~」をテーマに、コーディネーターとして大野正博氏(朝日大学法学部長・大学院法学研究科長)を、パネリストとして安田貴彦氏(基調講演者)、鈴木雅雄氏(公益社団法人ぎふ犯罪被害者支援センター理事長、弁護士)及び松井克幸氏(公益社団法人ぎふ犯罪被害者支援センター理事、犯罪被害者遺族)を迎え、地方公共団体における犯罪被害者等支援条例の制定の必要性等について議論が行われた。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

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