第1章 損害回復・経済的支援等への取組

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3 居住の安定(基本法第16条関係)

○ 主な取組

・被害直後及び中期的な居住場所の確保

【施策番号25】

厚生労働省においては、児童相談所・婦人相談所の一時保護所や、婦人相談所が一時保護委託先として契約している母子生活支援施設、民間シェルター等において一時保護を実施しており、犯罪被害女性等の個々の状況に応じて保護期間を延長するなど柔軟に対応している。また、犯罪被害女性等を加害者等の追及から逃れさせるため、都道府県域を超えた広域的な一時保護・施設入所を行うなど、適切な制度運用に努めている。平成28年度からは、一時保護所が満床でなくても一時保護委託が可能となる対象として、ストーカー被害女性や性犯罪・性暴力被害女性を追加することにより、適正かつ効果的な一時保護を図っている。

配偶者からの暴力や人身取引の被害女性等を含めた一時保護人数は、29年度で7,965人(要保護女性本人4,172人、同伴家族3,793人)となっている。

婦人相談所等における一時保護の状況
年度 要保護女性本人の一時保護人数 同伴家族の一時保護人数 合計
平成23年度 6,059 5,187 11,246
平成24年度 6,189 5,376 11,565
平成25年度 6,125 5,498 11,623
平成26年度 5,808 5,274 11,082
平成27年度 5,117 4,577  9,694
平成28年度 4,624 4,018  8,642
平成29年度 4,172 3,793 7,965
提供:厚生労働省

また、児童福祉法に基づき、児童相談所長等が必要と認める場合には、虐待を受けた子供等の一時保護を行うことができるが、児童虐待対応においては、子供の安全確保等が必要な場合であれば、保護者や子供の同意がなくとも、一時保護をちゅうちょなく行うべき旨を「一時保護ガイドライン」等に明記し、子供の安全を迅速に確保し適切な保護が図られるよう周知している。

・被害直後及び中期的な居住場所の確保

【施策番号30】

警察庁においては、地方公共団体に対して、犯罪被害者等施策主管課室長会議や地方公共団体職員を対象とする研修会等を通じ、居住場所の確保や被害直後からの生活支援に対する取組がなされるよう要請するとともに、地方公共団体の取組事例について、「犯罪被害者等施策情報メールマガジン」等を通じて情報提供を行っている。

31年4月現在、60都道府県・政令指定都市、342市区町村において、犯罪被害者等が優先的に公営住宅等へ入居できるようにするなどの配慮が行われている。

公共住宅等の入居に際しての配慮の状況
(平成31年4月現在)
地方公共団体
(制度あり/全体数)
抽選によらず入居 入居要件の緩和 抽選倍率の優遇 その他
都道府県(43/47) 12 7 31 17
政令指定都市(17/20) 5 4 8 10
市区町村(342/1,721) 85 70 82 165
※ 地方公共団体によっては複数の制度を運用しているところがある。
※ 市区町村数には、政令指定都市を含まない。
※ 区は東京都の23区をいう。

・性犯罪被害者等に対する自立支援及び定着支援

【施策番号31】

 厚生労働省においては、性犯罪被害者を含む相談者に対する支援として、地方公共団体やDVシェルターを運営する特定非営利活動法人等が、相談者に対して、生活相談や行政機関への同行支援等の自立支援、家庭訪問や職場訪問等の定着支援を一体的に行い、その取組の効果を検証する「DV被害者等自立生活援助モデル事業」を平成26年度から実施している。

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