1 刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等(基本法第18条関係)
コラム9 海上保安庁による犯罪被害者等支援
海上保安庁では、海上で犯罪が発生した場合において、犯罪捜査機関として適切な捜査を行うとともに、犯罪被害者等の保護・支援のための各種取組を推進しており、その概要については、次のとおりである。
○ 犯罪被害者等への情報提供
捜査の状況、被疑者の逮捕や検察庁への送致状況等を、捜査上支障のない範囲内で犯罪被害者等に連絡する「被害者連絡制度」を運用している。
○ 捜査の過程における配慮
各海上保安部署に犯罪被害者等の支援、関係機関との連絡調整を行う「犯罪被害者等支援主任者」を配置し、犯罪被害者等への付添いや支援制度の説明等、犯罪被害者等が再び平穏な生活を送ることができるようになることに主眼を置き、個々の事情に応じた支援を実施している。
また、犯罪被害者等からの事情聴取に当たっては、プライバシーの保護及び身体の安全の確保に配意するほか、女性の性犯罪被害者に対しては、女性海上保安官による事情聴取を行うなど、精神的負担の緩和に努めている。
○ 経済的負担の軽減
司法解剖後の犯罪被害者の遺体について、遺族の新たな経済的・精神的負担を軽減するため、遺体搬送や解剖後の遺体修復のための費用の一部を公費により負担している。
また、犯罪被害に係る診断書料等の費用を公費により負担するなど、刑事手続における犯罪被害者等の経済的負担の軽減に努めている。
これらのほか、海上保安庁では、犯罪被害者等の支援制度について、リーフレットを作成・配布しているほか、ウェブサイトに掲載して紹介するなど、広報啓発活動を推進している。
今後とも、犯罪被害者等が置かれた立場について理解を深めるとともに、その気持ちに寄り添いながら、犯罪被害者等に必要な支援を提供していく。