第5章 国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組

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1 国民の理解の増進(基本法第20条関係)

コラム20 交通事故被害者サポート事業

警察庁においては、内閣府からの事務移管を受け、平成28年度から、交通事故被害者等が、深い悲しみやつらい体験から立ち直り、回復に向けて再び歩み出すことができるよう支援し、交通事故被害者等の権利利益の保護を図ることを目的とした「交通事故被害者サポート事業」を実施している。当該事業では、自助グループ運営・連絡会議を始めとした各種会議やシンポジウムを開催している。

【自助グループ運営・連絡会議】

自助グループ運営・連絡会議は、自助グループ(同じようなつらさを抱えた者同士が、お互いに支え合い、励まし合う中から、問題の解決や克服を図り、被害に遭う前の平穏な生活を再び取り戻すことを目的に集うグループのことをいう。)を運営している方が参加する会議であり、自助グループの発展に役立つ具体的な情報やノウハウを提供するとともに、自助グループ相互の情報交換や自助グループと被害者支援センター・交通事故被害当事者団体との交流や連携を推進することを目的としている。

28年度は、東京都において、公益社団法人全国被害者支援ネットワークに所属している被害者支援センターの支援員の参加を得て開催した。

【各種相談窓口等意見交換会】

各種相談窓口等意見交換会は、交通事故被害に係る相談を受け付けている担当者が参加する会議であり、講演及び意見交換を通じ、交通事故相談所、警察等の関係機関、各地域の交通事故被害者等の支援に係る関係団体が、相互の業務範囲の確認や連携強化、効果的な広報啓発についての知見の共有を図ることを目的としている。

28年度は、京都府及び長野県において、交通事故相談所等の関係機関の参加を得て、専門家による講義及び参加者の意見交換を開催した。

【交通事故で家族を亡くした子供の支援に関する意見交換会】

交通事故で家族を亡くした子供の支援に関する意見交換会は、子供の支援に係る関係者が参加する会議であり、事例紹介(体験談)や意見交換を通じ、交通事故で家族を亡くした子供が通う学校等が当該子供を支援するに際して直面する問題点や課題を集約するとともに、支援を行っている関係者間の意思疎通を図り、連携を強化することを目的としている。また、当該意見交換会においては、内閣府が23年度に作成したパンフレット「交通事故で家族を亡くした子どもの支援のために」を紹介し、その積極的な活用を促している。

28年度は、各種相談窓口等意見交換会と同じく、京都府及び長野県において、被害者支援センター等の関係機関の参加を得て、専門家による講義、交通事故被害者遺族による講話や参加者による意見交換を実施した。

【交通事故で家族を亡くした子供の支援に関するシンポジウム】

交通事故で家族を亡くした子供の支援に関するシンポジウムは、独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)及び公益財団法人交通遺児育英会の協力を得て、一般の方も参加できるオープンな形式で開催している。当該シンポジウムは、専門家による講演や遺族の体験談の発表等を通じ、家族を亡くした子供のみならず、その周囲にいる保護者や支援に携わる方等に対して、必要な支援や課題等を発信するとともに、子供の支援に係る関係者間の意思疎通を図り、連携を強化することを目的としている。

28年度は、愛知県において、専門家や遺族の講演のほか、子供の頃に交通事故で家族を亡くした経験のある遺族をパネリストに迎え、パネルディスカッションを実施した。

シンポジウムの様子
シンポジウムの様子
シンポジウムのリーフレット
シンポジウムのリーフレット

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