第4節 子供の被害者の支援のための連携
コラム5 訪問型家庭教育支援の取組(大分県別府市)~別府市家庭訪問型アウトリーチ支援事業~
別府市では,「保護者の養育能力及び不規則な生活」「児童生徒の特性及び学力不振」等により不登校となり,家庭に引きこもっている児童生徒の家庭に対して,相談体制の充実や情報,学習機会の提供等,学校や関係機関と連携しながらきめ細かな家庭教育支援を行うことにより,家庭教育を支えていく基盤の形成を促進する取組を実施している。
市では実施に当たり,行政関係課,小中学校校長会会長,民生委員・児童委員協議会会長,学識経験者,家庭教育支援員等による「地域協議会」と,家庭教育支援員,民生委員・児童委員,学生ボランティア等による「支援チーム」を組織し,「支援チーム」が,「地域協議会」や家庭,学校からの依頼や情報提供に基づき,下記のような取組を実施している。
(1) 児童生徒に対して,学生ボランティアが家庭を訪問し学習支援
(2) 保護者に対して,家庭教育支援員による支援・啓発
(3) 家庭に対して,民生委員・児童委員等による見守り
平成26年度の実施では,支援を行った児童生徒や保護者に,状況改善につながる良い変化が見られたこと,また,民生委員・児童委員と学生とが情報を共有することで家庭を地域で支える意識が強くなったことなどが成果として挙げられている。今後もこの取組を継続することにより,いじめや不登校,児童虐待等の未然防止や早期発見,保護者の心の安定による望ましい親子関係の構築,地域で家庭や子供を見守る体制の構築等が期待されている。