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コラム11 預保納付金を用いた犯罪被害者等の支援事業について

振り込め詐欺救済法に基づく預保納付金(※1)を用いた犯罪被害者等の支援事業では,<1>犯罪被害者等の子供に対する奨学金貸与,<2>犯罪被害者等支援団体に対する助成を実施しており,「公益財団法人 日本財団」を当該事業の担い手として,平成24年12月18日から,両事業が開始されました。

ここでは,犯罪被害者等支援団体に対する団体助成事業の制度概要及び支援実績の一部を紹介します。

※1 振り込め詐欺救済法の被害者救済手続を経ても,被害者からの返金申請がなされなかった等の理由により,被害者にお返しすることができなかった残金で,預金保険機構に納付されている金銭を指します。


1.犯罪被害者等支援団体に対する団体助成制度の概要

犯罪被害者等の支援ニーズは多岐にわたるため,実際の支援においては,国のみならず,被害者支援のノウハウが蓄積されている民間の犯罪被害者等支援団体による迅速かつ柔軟で,継続的な支援活動が必要です。

犯罪被害者等支援団体が行う支援の内容は,行政主導の公的な支援ばかりではなく,病院等への付添いや自宅訪問など多岐にわたりますが,犯罪被害者等支援団体は非営利団体であるため,財政基盤が脆弱になりがちです。当該団体助成制度は,そのような財政基盤が脆弱なために犯罪被害者等支援を十分に行うことができない団体を中心に助成を行うものです。


2.支援実績の紹介

ここでは,当該事業に係る支援実績の一部を紹介します。


<事例1>

事業名:<1>犯罪被害者支援チャリティ音楽祭の開催 <2>犯罪被害者支援なでしこチャリティマッチの開催

団体名:公益社団法人みえ犯罪被害者総合支援センター

事業費総額:<1>6,710,000円 <2>6,770,000円

助成金額:<1>3,750,000円 <2>5,840,000円

目的:当該事業は,悲惨な事件事故に遭われた犯罪被害者や遺族,家族等に対しての支援活動や心の癒しを与え,社会全体の被害者支援意識の高揚を図り,ひいては安全で安心な街づくりを目指すものである。
また,これからの時代を担う高校生やスポーツ関係者を中心とした若い世代に,広く犯罪被害者支援の重要性を理解してもらうとともに,地域の企業,団体,マスコミ等賛同する団体との連携を深め,寄与文化を醸成することを目的とする。


(1) 犯罪被害者支援チャリティ音楽祭

事業内容:

ア.日時

平成26年1月4日(土)

午後6時00分から午後9時00分までの間

イ.場所

東京芸術劇場 コンサートホール(収容人数約2,000人)

ウ.主催等

主催:公益社団法人みえ犯罪被害者総合支援センター(犯罪被害者支援チャリティ音楽祭実行委員会)

共催:公益社団法人千葉犯罪被害者支援センター

後援:三重県,千葉県,三重県警察,千葉県警察,三重テレビ放送,千葉テレビ放送,認定特定非営利活動法人全国被害者支援ネットワーク

エ.内容

同音楽祭では,高校生による吹奏楽ジョイント・コンサート

  • 千葉県柏市立柏高等学校吹奏楽部 240人
  • 東海大学附属高輪台高等学校吹奏楽部 140人
  • 三重県立白子高等学校吹奏楽部 100人

を中心として,会場ロビーにおいて公益社団法人みえ犯罪被害者総合支援センターの広報啓発等を行った。

事業成果:

ア.事業を実施して生じた社会的変化

  • メディアによる広報啓発(実施前)
    各種テレビ・ラジオ放送,新聞記事等を通じて犯罪被害者等の現状,支援の必要性及び音楽祭の開催趣旨等を訴えたことにより,告知日以降(10月~)は「公益社団法人みえ犯罪被害者総合支援センター」への問合わせや相談,メール等が増加するなど社会的な被害者支援への認知度が徐々に高まってきた。
  • 社会的な反響等(実施後)
    音楽祭当日は,熱心にセンターのパンフレットに見入る人や,終了後には「もっともっと被害者支援を知らしめるべき」,「こういうイベントは,もっとアピールすべき,入場料をもっと高くすべき」など多くの来場者から貴重な意見を頂くとともに,現場取材を受けたメディア(三重テレビ,新聞等)からは,「このような素晴らしいイベントは是非とも継続開催すべきだ」等と高く評価された。
  • 出演者からの意見・反響等(実施後)
    音楽祭に参加した高校生からは,「犯罪被害支援について,これからも勉強していきたい,大人になったら必ず犯罪被害者支援に関わりたい」,「他高校とコラボ演奏ができて感動した」など多くの貴重な意見が寄せられたほか,「来年も被害者支援のために公演したい」等の積極的な意見が多く,理解促進に寄与できたと思料する。
チャリティ音楽祭
(2) 犯罪被害者支援なでしこチャリティマッチの開催

事業内容:

ア.日時

平成25年11月16日(土)

午後1時30分から午後4時00分までの間

イ.場所

三重県内上野運動公園競技場

ウ.主催等

主催:公益社団法人みえ犯罪被害者総合支援センター

共催:特定非営利活動法人伊賀FCくノー・伊賀市サッカー協会

後援:三重県,三重県警察,伊賀市,伊賀市教育委員会,公益社団法人サポートセンターあいち,一般社団法人三重県サッカー協会,三重テレビ放送

エ.内容

同チャリティマッチは,なでしこ女子サッカーリーグに参画する「伊賀フットボールクラブくノー」と「日テレ・ベレーザ」による

  1. 少年少女サッカー教室 180人
  2. 伊賀FCくノーエキシビジョン
  3. シンガーソングライター「三浦祐太朗」スペシャルライブ
  4. 「伊賀FCくノー」と「日テレ・ベレーザ」による親善マッチ

を中心として,会場ロビーにおいて公益社団法人みえ犯罪被害者総合支援センターの広報啓発等を行った。

事業成果:

ア.事業を実施して生じた社会的変化

  • メディアによる広報啓発(実施前)
    各種テレビ・ラジオ放送,新聞記事等を通じて犯罪被害者等の現状,支援の必要性及びチャリティマッチの開催趣旨等を訴えたことにより,告知日以降(9月~)は「公益社団法人みえ犯罪被害者総合支援センター」への問合わせや相談,メール等が増加するなど社会的な被害者支援への認知度が徐々に高まってきた。
  • 社会的な反響等(実施後)
    チャリティマッチ当日は,熱心にセンターのチラシ等に見入る人や,終了後には「もっともっと被害者支援を知らしめるべき」,「こういうイベントは,もっとアピールすべき」など多くの来場者から貴重な意見を頂くとともに,現場取材を受けたメディア(三重テレビ,中日新聞等)からは,「このような素晴らしいイベントは是非とも継続開催すべきだ」等と高く評価された。
  • 出演者からの意見・反響等(実施後)
    チャリティマッチに参加した出演者からは,「犯罪被害支援について,これからも協力していきたい」など多くの意見が寄せられ,理解を深めることができたと思料する。
チャリティマッチ

<事例2>

事業名:東日本大震災による縮小した財政の再建

団体名:<1>いわて被害者支援センター <2>みやぎ被害者支援センター

事業費総額:<1>1,570,000円 <2>3,720,000円

助成金額 :<1>1,570,000円 <2>3,720,000円

事業内容:東日本大震災の被災地において,犯罪被害者等に対する支援事業を適切に継続するため,震災により減収した会費の補てんを行った。


3.助成金に関する相談先

公益財団法人 日本財団

公益ボランティア支援グループ 預保納付金事業チーム

電話番号:03-6229-5161

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