コラム6 「犯罪被害実態(暗数)調査について」|平成25年版犯罪被害者白書 - 警察庁
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コラム6 「犯罪被害実態(暗数)調査について」

法務省の研究機関である法務総合研究所では,平成12年から4年ごとに,「犯罪被害実態(暗数)調査」を実施しています。

ここでは,平成24年1月に実施した第4回調査(なお,「安全・安心な社会づくりのための基礎調査」と題して実施しました。)について,その目的,調査方法,調査結果の概要をお伝えします。

【なぜ暗数調査が必要か】

治安を改善し,犯罪を予防するための施策を考えるためには,どこでどのような犯罪が起きたかといった,犯罪発生状況の正確な把握が必要不可欠です。

犯罪発生状況の把握には,<1>警察等の公的な機関が取り扱った犯罪件数を集計する方法と,<2>一般国民に対してアンケート調査を行うことなどにより,警察等に届け出がなされていない犯罪の件数(暗数)を含め,どのような犯罪がどのくらい発生しているのかという実態を調べる方法(暗数調査)があります。

<2>の暗数調査は,定期的に行うことにより,<1>の方法で得たデータとの経年比較が可能となります。<1>と<2>を互いに相補う形で活用することにより,有効な治安対策を考えることができるのです。

【第4回調査の方法と回答者数】

第4回調査は,平成24年1月に,全国の16歳以上の男女4,000人を調査対象とし,「郵送調査」(質問紙を自宅に郵送し,回答を記入して返送してもらう方法)により実施しました。なお,調査対象者4,000人の選定は,居住地域,性別,年齢層等に偏りが出ないよう,層化二段無作為抽出法により実施しました。

質問紙では,<1>自動車盗,自転車盗,侵入盗など7態様の世帯犯罪被害,<2>個人に対する窃盗,暴行・脅迫など4態様の個人犯罪被害,及び<3>振り込め詐欺など5態様の各種詐欺等被害に関して,それぞれ,過去5年間と直近1年間の被害の状況を尋ねたほか,<4>治安に関する意識などについて質問しました(被害態様について,図1参照)。

得られた回答は,4,000人中,2,156人(回答率53.9%)で,その内訳は,男子1,022人(47.4%),女子1,128人(52.3%),性別回答なし6人(0.3%)でした。

【主な調査結果】

1 被害態様別被害率

調査対象とした犯罪被害について,過去5年間と平成23年中の被害率(1回以上犯罪被害に遭った比率)を,被害態様別に見ると,図1のとおりです。

全犯罪被害(7態様の世帯犯罪被害,4態様の個人犯罪被害)のいずれかに遭った人の比率は,過去5年間では全回答者の34.4%であり,平成23年1年間では11.9%でした。世帯犯罪被害では,自転車盗,自動車損壊の順に被害率が高く,過去3回の調査結果と同じ傾向が見られました。

図1 第4回調査 被害態様別過去5年間・平成23年の被害率

2 被害態様別被害申告率

では,被害に遭った人は,被害を警察に届け出たのでしょうか。

図2は,被害態様別に,過去5年間の被害申告率(被害に遭った世帯又は個人のうち,被害(同一の被害態様で複数回の被害がある場合は,直近のもの)を捜査機関に届け出た比率)を見たものです。

ほとんどの被害態様において,「届出なし」の回答が約2割から7割に及んでおり,暗数が相当数あることがうかがえます。

図2 第4回調査 被害態様別過去5年間の被害申告率

3 被害を申告する理由・申告しない理由

図2を見ると,バイク盗,自動車盗及び車上盗では,過半数が被害申告をしていますが,自動車損壊や不法侵入未遂では,申告率は3割を下回るなど,被害態様により,申告率に差があることが分かります。

被害を届け出なかった理由を調べるため,複数の選択肢を示して,あてはまるものを全て選んでもらいました。

「暴行・脅迫」の被害では,被害を届け出なかった人(21人)が回答した主な理由は,「仕返しの恐れからあえて届け出ない」,「捜査機関は何もしてくれない」(各8人),「捜査機関は何もできない(証拠がない)」(7人),「自分で解決した(犯人を知っていた)」(6人)でした。

「性的事件」の被害では,被害を届け出なかった人(20人)が回答した主な理由は,「捜査機関は何もできない(証拠がない)」,「自分で解決した(犯人を知っていた)」(各6人),「仕返しの恐れからあえて届け出ない」,「それほど重大でない(損失がない,たいしたことではない)」(各4人)でした(なお,「性的事件」には,法律上処罰の対象とならない行為も含んでいます。図1注4参照)。

4 治安に関する意識

図3は,我が国全体の治安についての認識を,過去2回の調査結果と共に見たものです。「良い」とする者の比率が一貫して上昇し,「悪い」とする者の比率が一貫して低下する傾向が見られました。

なお,居住地域における犯罪被害に対する不安と,我が国の治安に関する認識との関係を見ると,身近な犯罪に対する不安の強さと,我が国の治安に関する懸念との間には,密接な関係があることがうかがわれました。

図3 現在の我が国の治安に関する認識の経年比較

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