（1）　保健医療サービス及び福祉サービスの提供

○主な取組

• 「犯罪被害者の精神的健康の状況とその回復に関する研究」の実施及びその成果を利用した精神保健関係者向けマニュアルの作成（厚生労働省）

○今後の課題

精神保健分野における知識の普及は図られているものの、犯罪被害者等に対する保健医療や福祉サービスの提供については、必ずしも犯罪被害者等に配慮した支援が十分であるとはいえないとの指摘があり、また、福祉等の関係者において、犯罪被害者等への支援に理解が不足している者がいるなどの声もあることなどから、保健医療及び福祉に関わる者に対する啓発や研修についても一層取り組む必要がある。

（2）　安全の確保

○主な取組

• 再被害防止のための犯罪被害者等に対する出所情報通知制度の実施（法務省、警察庁）

○今後の課題

再被害防止のための出所情報通知制度はおおむね順調に運用され、矯正施設等と警察との連携も推進されており、今後とも、適切な運用を推進する必要がある。

（3）　保護、捜査、公判等の過程における配慮等

○主な取組

• 公開の法廷において被害者の氏名等を明らかにしない制度の導入（法務省）

○今後の課題

平成２１年５月から裁判員制度が施行されているが、すでに行われた裁判員裁判でも、性犯罪事件などの被害者のプライバシー保護を図る必要性が高いと裁判所が判断した事件については、被害者の身元が明らかにならないような措置がとられており、引き続き被害者のプライバシーに配慮した制度の運用が期待される。