第2節 精神的・身体的被害の回復・防止への取組


《基本計画において、「速やかに実施する」とされたもの》

(11) 職員等に対する研修の充実等

警察において、各級警察学校・職場における研修の充実を図っている(「警察における被害者支援に携わる職員等への研修の充実」参照)。

法務省において、矯正施設・更生保護官署における研修の充実を図っている(「矯正施設職員及び更生保護官署職員に対する研修等の充実」参照)。

検察庁においては、各種研修や会同を通じるなどして、検察幹部が犯罪被害者等の心情などに理解を深めるとともに、市民感覚を失ったり独善に陥ることのないよう努めている。また、検察官に市民感覚を学ばせるため、犯罪被害者支援団体などの公益的活動を行う民間団体や民間企業に一定期間派遣する研修や、被害者支援員を対象とする研修において、犯罪被害者等に関する諸問題についての講義・講演・討議などを実施するなどし、職員の対応の改善に努めている。

また、検察官などの研修において、児童や女性の犯罪被害者等と接する上での留意点などを熟知した専門家を講師とする講義を実施し、児童や女性の犯罪被害者等への配慮に関する研修の充実に努めている。副検事を含む検察官などに対する研修では、交通事件の留意点などを熟知した専門家などによる講義を行うとともに、交通事件の被害者・被害者遺族の立場などへの理解を深めるための機会を設けるなど、交通事件をテーマとした講義科目を設け、交通事件に関する講義の充実を図っている。

厚生労働省において、看護教育の充実、民生委員に対する指導、公的シェルターにおける対応に関する研修などを行っている。

平成18年3月から、「看護基礎教育の充実に関する検討会」を開催し、看護基礎教育の更なる充実を図ることを目的に国民の看護ニーズに的確に応えられる看護職員の養成の在り方について検討し、19年4月に報告書が取りまとめられた(「看護基礎教育の充実に関する検討会」報告書:http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/04/s0420-13.html)。今後、報告書を踏まえたカリキュラム改正などを行い、国民の看護ニーズに的確に応えられる看護職員を養成していく。

平成20年3月に開催した「厚生労働省社会・援護局関係主管課長会議」では、都道府県などに対し、民生委員に対して守秘義務の徹底を行うとともに研修などを通じてより一層の資質向上が図られるよう助言を行った。また、民生委員の全国組織である「全国民生委員児童委員連合会」では、犯罪被害者等への適切な対応を図るため、機関誌で関係文献を紹介したり、各種研修会で資料を配布したりするなど、民生委員に対し、広報と理解促進を行った。厚生労働省では、引き続き、都道府県などが行う研修への支援を通じて、民生委員の資質向上に努めることとしている。

配偶者からの暴力被害者や人身取引の被害者等を保護する公的シェルターである、各都道府県に設置された婦人相談所において適切な対応を確実にするための職員に関する研修を、毎年、厚生労働省の主催において行うとともに、各都道府県において実施する専門研修や啓発にかかる費用を補助している。


<< 前頁   [目次]   次頁 >>