第1節 損害回復・経済的支援等への取組


(9) 暴力団犯罪による被害の回復の支援

警察において、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」(平成3年法律第77号。以下「暴力団対策法」という。)などにより、暴力団員による暴力的要求行為の相手方や暴力団員による犯罪の被害者等に対して、本人からの申出に基づき、被害の回復などのための助言や交渉場所の提供などの援助を積極的に行っている(警察庁ホームページ「組織犯罪対策」:http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/index.htm→「平成19年の暴力団情勢」)。

平成20年5月、暴力団対策法が改正され、指定暴力団員が当該暴力団の名称を示すなどにより資金獲得行為を行う際に他人の生命、身体又は財産を侵害した場合には、その指定暴力団の代表者などが損害賠償責任を負うこととされたほか、指定暴力団員は、当該暴力団に対する損害賠償請求、事務所使用差止め請求について、請求者に対して、威迫、つきまといその他の不安を覚えさせる方法で請求を妨害してはならないことが規定された。

都道府県暴力追放運動推進センター(以下「都道府県センター」という。)においては、暴力団対策法に基づき、民事訴訟費用の無利子貸付を行っている(全国暴力追放運動推進センターホームページ:http://www1a.biglobe.ne.jp/boutsui/index2.htm)。

各都道府県では、警察、都道府県センター、弁護士会の三者が、民事介入暴力事案の民事訴訟などにおいて共同して対処するために設立した「民暴研究会」において、訴訟関係者に対する暴力団情報の提供や訴訟関係者の保護対策などの支援を行っている。

平成19年中に警察などが支援した暴力団関係事案に係る民事訴訟件数は96件、援助の措置件数は171件である。


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