第2節 精神的・身体的被害の回復・防止への取組


(14) 児童虐待の防止、早期発見・早期対応のための体制整備等
  警察において、児童虐待防止対策に従事する職員、検視の専門官、少年補導職員などに対し、早期に児童虐待を発見するための観点や「児童虐待防止法」の内容、関係機関との連携の在り方やカウンセリング技術などについて指導・教育を行うなど、児童虐待問題に関する専門的な知識・技能の向上のための教育を実施している。
  平成18年9月、警察庁から都道府県警察に「児童の安全の確認及び安全の確保を最優先とした児童虐待への対応について」(通達)を発出し、児童の安全の確認と安全の確保を最優先とした対応の徹底、児童の保護に向けた関係機関との連携の強化、厳正な捜査と被害児童の支援、情報の集約と組織としての的確な対応について指示している。
  文部科学省において、学校などにおける児童虐待防止に関する現状調査と国内外の取組事例を調査研究し、平成18年5月に「学校における児童虐待防止に向けた取組について」(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06060513.htm)を取りまとめた。本報告書を教育委員会などに周知する際に、通告義務など、「児童虐待防止法」などの趣旨を周知徹底し、学校などにおける児童虐待防止のための取組が一層適切に推進されるよう指導している。また、調査研究の成果として、虐待防止のための研修教材の作成について検討中である。19年度は、「問題を抱える子ども等の支援事業」において、児童虐待などの問題を抱える児童生徒への支援に効果的な取組について調査研究を実施している。
  厚生労働省において、児童虐待の早期発見に資するため、児童相談所を中心とした多種多様な関係機関の連携による取組について、随時、各種関係会議に係る行政説明などにおいて、収集した好事例の内容を報告している。
  平成19年5月には、「児童虐待防止法及び児童福祉法の一部を改正する法律」が成立し、児童の安全確認などのための立入調査などの強化、保護者に対する面会・通信などの制限の強化、保護者に対する指導に従わない場合の措置の明確化などが行われることとなった(20年4月施行)。


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