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第2章 精神的・身体的被害の回復・防止への取組

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1 保健医療サービス及び福祉サービスの提供(基本法第14条関係)

トピックス 学校における教育相談体制の充実について

こどもたちの問題行動の背景には、多くの場合、こどもたちの心の問題とともに、家庭や友人関係、地域、学校等のこどもたちが置かれている環境の問題があり、それらこどもの問題は複雑に絡み合っていることから、単にこどもたちの問題行動のみに着目して対応するだけでは問題を解決することは難しい。
学校現場においてより効果的に対応していくためには、教員に加えて、心理の専門家であるカウンセラーや福祉の専門家であるソーシャルワーカーを活用し、こどもたちの様々な情報を整理・統合し、アセスメントやプランニングをした上で、教職員がチームとなって問題を抱えたこどもたちの支援を行う必要がある。
具体的には、関係者が情報を共有し、チームとして取り組むため、既存の校内組織を活用するなどして、早期から懸念事例を洗い出し、検討するためのスクリーニング会議を定期的に開催し、解決すべき問題又は課題のある事案については、必ず支援・対応策を検討するためのケース会議を実施することが必要である。なお、これらの会議には、校内の生徒指導・教育相談担当教員、養護教諭、特別支援教育コーディネーター、スクールカウンセラー(以下本トピックスにおいて「SC」という。)、スクールソーシャルワーカー(以下本トピックスにおいて「SSW」という。)等の関係教職員だけでなく、事案によっては、校外の関係機関職員が参加することが有効である。こうした体制により、関係者それぞれの立場からの視点を共有し、不登校、いじめ等の未然防止、早期発見及び早期支援の体制も含め児童生徒への支援策の検討・実施・検証をチームとして一体的に行うことが可能となる。また、こうした組織的な連携・支援体制を維持するためには、校内に、児童生徒の状況や校外の関係機関との役割分担、SCやSSWの役割を十分に理解し、初動段階のアセスメントや関係者への情報伝達等を行うコーディネーター役の教職員の存在が必要である。
学校における教育相談の流れ(イメージ)
文部科学省においては、全てのこどもたちが集う場である学校をプラットフォームとした「チーム学校」の観点から、こどもやその家庭が抱える課題に対応すべく、SSWの活用により、学校と警察や福祉部局等が連携して、こどもが置かれた様々な環境に働き掛け、問題を解決していく体制の整備を行うとともに、SCについても児童生徒の感情や情緒面の支援を行えるようにするため、教育委員会に対してその配置に係る経費を支援することにより、その充実に努めているところである。
スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーによる教育相談体制の充実
実際に域内の学校にSCやSSWを配置する教育委員会においては、学校等においてそれぞれが適切に活動でき、児童生徒の安心・安全な学校生活及び適切な地域環境が構築されるよう支援体制を構築する必要がある。また、支援体制を構築するだけではなく、体制が機能しているか適切に把握し、学校において課題が生じている場合は、担当指導主事やスーパーバイザーを中心にその解決に向けて主体的に対応することが重要である。

各教育委員会における支援体制の在り方について

(都道府県教育委員会)

・SC及びSSW活動指針の策定、SC及びSSWの職務の理解促進 等

域内のSC及びSSWの日常の職務遂行方法、関係機関との連携協力体制を含む活動指針を策定し、公表することが必要

また、SCおよびSSWの理解を図り、その専門性を活かすため、校長研修、生徒指導主事研修等の職種ごとの研修において、両者の職務内容、活動事例、模擬ケース会議等を取り入れることが重要

(市町村教育委員会)

・SC及びSSW活動計画の作成、実施 等

SCおよびSSWの活動方針を明確にするため、都道府県教育委員会が策定する事業計画及び域内の児童生徒の状況等を踏まえ、具体的なSC及びSSWの活動計画を策定、実施することが必要

(学校設置者としての教育委員会)

・学校との日頃からの連携や地域・学校ごとの教育相談に関する情報の収集 等

所管の学校が報告を行うべき事案、その報告方法等について明確にし、所管の学校に対し周知・徹底させたり、教育相談に関する各学校・地域の情報を収集し、SC及びSSWに対して提供したりすることが必要

つらく苦しい思いをしている児童生徒が将来の希望を持ち、安心かつ安全な学校生活・学習環境を享受できるよう、教育委員会・学校・地域の関係者がそれぞれの段階に応じて担うべき役割を理解し、一体となって取り組んでいく必要がある。

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電話番号 03-3581-0141(代表)

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