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犯罪被害者等施策
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犯罪被害者等基本計画検討会(第10回)議事要旨


日時:平成17年11月7日(月)
10時00分~12時30分
場所:合同庁舎4号館4階共用第2特別会議室

議事要旨


       出席者:

座長代理山上 皓東京医科歯科大学難治疾患研究所教授
構成員大久保 恵美子社団法人被害者支援都民センター事務局長
岡村 勲全国犯罪被害者の会代表幹事
久保 潔元読売新聞本社論説副委員長
小西 聖子武蔵野大学人間関係学部教授
中島 聡美国立精神・神経センター精神保健研究所成人精神保健部成人精神保健研究室長
山田 勝利弁護士
加地 隆治内閣府犯罪被害者等施策推進室長
片桐 裕警察庁長官官房総括審議官
荒木 慶司総務省大臣官房総括審議官
三浦 守法務省大臣官房審議官
塩田 幸雄厚生労働省政策統括官(社会保障担当)
平山 芳昭国土交通省総合政策局次長
協力者板東 久美子文部科学省大臣官房審議官

※ 猪口邦子犯罪被害者等施策担当大臣は、犯罪被害者等基本計画検討会の招集者として出席。

※ なお、構成員、協力者、猪口大臣及び説明者として発言を求められた者のいずれの発言についても、便宜上、「構成員」と表記した。



1. 開会

2. 猪口大臣あいさつ

3. 基本計画案(2:精神的・身体的被害の回復・防止への取組及び刑事手続への関与拡充への取組)について

4. 基本計画案の検討について(3)

5. その他

6. 閉会


<附属資料>

 資料犯罪被害者等基本計画案(2)関係資料
 資料1内閣府資料[pdf形式]
 資料1ー2 内閣府資料[pdf形式]
 資料1ー3 内閣府資料[pdf形式]
 資料2警察庁資料[pdf形式]
 資料3法務省資料[pdf形式]
 資料4外務省資料[pdf形式]
 資料5文部科学省資料[pdf形式]
 資料6厚生労働省資料[pdf形式]
 資料7最高裁判所資料[pdf形式]
 資料8岡村構成員資料[pdf形式]
 資料9小西構成員資料[pdf形式]
 資料10中島構成員資料[pdf形式]
 資料大久保構成員資料[pdf形式]

 資料        犯罪被害者等基本計画案試案 その2


 (以上)


(議事内容)

○ 議事に先立ち、前犯罪被害者等施策担当大臣から、概要以下のとおり、離任の挨拶があった。
「皆様方には大変長いことお世話になった。この度この担当を離れることになり、新大臣にすべてをお願いすることになったので、よろしく引き続いてお願いしたいと思う。
 今日でこの検討会は10回目であるが、年末のまとめ上げまで残すところわずかになったけれども、引き続き熱心な討議をお願いしたいと思う。 皆様方の協力により、だんだんまとめられてきたわけだが、1つは司法制度にかかる問題で、法務大臣も大変リベラルな大臣だから、基本計画ができた後で実際の施策にもっていくときに、法務省を中心にこの司法制度に関わる問題について、この検討会でまとめられた方向に沿って、できるだけ早く施策を講じてもらいたいと思う。
 それから、経済的被害、精神的被害の救済のための制度については、犯罪被害者のためを考えたときに、できたらワンストップサービス的なものができて、それに対して被害者の便宜に沿うようなものができればいいなと。そこに何とかNPOの組織などの支援も盛り込まれていくようなことをみんなで考えていければいいなというのが私のこれまでの考え方であり、なお精神的被害の救済のためには、専門的な知識を備えたカウンセラー制度というものがこの国では大変不足しているので、そうしたことも政府一丸となって充実していかなければいけないのではないかなと思っている。
 それから、構成員に大変努力してもらった報道発表の在り方の問題については、これは今後もいろいろ議論があるところだと思うが、やはりマスコミ関係も、これはマスコミも文字メディアだけではなくて、あるいはテレビとかあるいは大変速報性のあるウェブの問題も含め、マスコミ界がこうした問題、被害者の人権の保護についていま一歩大幅な踏み出しをして、幅広い見地からの検討を私はお願いして、犯罪被害者の人権の救済になお努力をしてもらいたいということを私の意見として残していきたいと思う。
 犯罪被害者の方々には大変長い間施策がなくて、犯罪被害者等である構成員も大変な努力をされてきたと思うけれども、政府もこれでやっと本腰を入れてきたと私は思うので、座長及び座長代理を中心に基本計画を年末までにまとめ、それで初めてこれから政府全体、この国の犯罪被害者等に対する施策の充実のスタートラインにつくということであるから、そういう気持ちで、なおこれから長い道のりを皆様方に支援してほしいと思っている。
 一切は後任の大臣に、なお引き続き頑張ってもらいたいと思っているので、私としては、基本計画案の骨子までつくり上げたということでもって任を離れたいと思っている。長い間の皆様方の協力に感謝したい。」

○ 続けて、新大臣より、犯罪被害者等基本計画検討会第10回会合の開催に当たり、概要以下のとおり、挨拶があった。
「前大臣が非常に熱心に先駆的な役割を、この大変に大事な難しい分野について果たされ、私がそれを引き継ぐということにおいて身の引き締まる思いである。総理より内閣府の犯罪被害者等施策を担当するよう仰せつかった。よろしくお願いしたい。
 私は担当大臣として活動し始めてからまだ日が浅いわけだが、しかし、犯罪の被害に遭われた方々の苦労や気持ちというのは、私は一人の国会議員としても、そして、それ以前の段階において常に一人の国民として非常に大事なこととして、そして、本当に胸痛む思いでこのテーマを考えていた。今回必ず政府を挙げて犯罪被害者等のための施策を推進するよう、そして、この重要性を広く国民社会に認識してもらえるよう全力を尽くす所存であるので、よろしくお願いしたい。
 私は同時に男女共同参画担当の大臣でもある。いろいろな事例があると思うけれども、例えば声を出すこともできないDVの被害者等のこともあるかと思う。女性の被害者等という観点もまた両方の大臣を兼務しているということで重視していくことも可能かとも思っている。全力を挙げて、被害に遭われた方、犯罪被害者等のためのことをやってまいりたいと思うので、どうぞよろしく、いろいろと教えてほしいとも思う。
 本日議論する中身は、犯罪被害者等の方々が被害に遭われた後に被害の回復が図りやすい体制や社会づくりにつながる、そういうテーマであり、構成員の皆々様の熱心な議論、指導をお願いしたい。どうぞ、全力を尽くすので、よろしくお願いしたい。」

○ 第10回犯罪被害者等基本計画検討会の進め方について
 事務局より、第10回検討会では、第9回検討会の検討結果を取りまとめた基本計画案(2)について確認した後、基本計画案の各論部分(すなわち重点課題)に係る具体的施策のうち、「支援等のための体制整備への取組」及び「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」に関する部分についての基本計画案(3)の検討、また、総論部分でこれらの重点課題に対応する部分についての議論を行う旨説明するとともに、これまでと同様、円滑な議事進行のために、事前に書面として提出されたものについては、口頭での説明を省略することを提案し、構成員了承。

○ 基本計画案(2)について
 事務局より、基本計画案(2)について、前回検討会の検討結果を基にこれを取りまとめ、第9回検討会において「再度検討すべき」とされた部分については、事務局案を赤字で記載していること、構成員から提出された資料については、「基本計画案(2)関係資料」に綴じてある旨を説明。座長代理より、これに対する補足説明を求め、その後、議論。

(構成員)資料3のところで、構成員から意見が出された点について、若干の修正案を出している。1つは、第2の1.(18)のア、イ、ウとあるうち、アとイで、関係のところが意見の中で重複している部分があったので、それを省かせてもらった。構成員の資料が資料4で付けられているけれども、イで相談体制の充実についても重ねて指摘を受けているがアの方に既に書かれている部分があるので、その部分は省いてはどうかということが1点である。 それから、イについて、この間も少し説明したけれども、やはり学校全体で取り組むということをより進めていきたいということで、ここで「スクールカウンセラーをはじめ学校の教職員が一体となって」ということで、スクールカウンセラーだけではなく、学校の教職員との大きな連携体制のところを強調している。それから、スクールカウンセラーに対する研修の充実とともに、各学校における取組についていろいろな各学校の状況、地域の状況に応じて、いろいろな取組も現実に始まりつつあるので、その取組を促進するという形で直してはどうかということである。

(構成員)私の意見は、前回ここで実際に構成員と少しやりとりしたけれども、資料4のところにあるような形で具体的に出した。目的としては、最初に文部科学省が出した案があまりにも現状のままで書いてあって、特にスクールカウンセラーに関しては一般的なことしかないということで、もう少し犯罪被害者等への支援について現状で非常に不十分だという実情を踏まえて、学校全体も含めてもう少し書いてほしいということだ。
実は、この次の第10回検討会の分の文部科学省の回答を見ると、その辺かなり努力してもらったのかなというところもあり、それであればむしろそちらにあるものを一緒に使いながら、スクールカウンセリングについてもやってほしいということで、ア、イ、ウと3つに分けてみた。それを少し修正しているが、基本的にはこれで結構と思っている。ただ、できれば、最後のところ、(18)ウがまた「促す」になってしまっているけれども、実際に現状では臨床心理士ないしスクールカウンセラーの教育というのは修士の2年間のところまでしか保障されていない。医師の場合であれば、卒後教育がかなり最近は充実してきているけれども、臨床心理士の場合、必ずしもそうでないところもあって、ここはできたら「含める」と書いてもらわないと、教育の保障ができないのではないかなという気はする。その1点のみだ。

(構成員)構成員の言われるように、実際、教職課程におけるカウンセリングの教育内容とか、そういうところに含んでほしいというのがあるが、これ自体は教職課程に実際個々の教科自体をどういうふうに設定するかというのはある程度の枠組みがあるけれども、具体的な内容についてはなかなか当省で中身のところを一々コントロールしにくいという点があり、これは主に教育教員養成学部その他教職課程を置いているところにもこういった基本計画の内容等についてもいろいろな意味で情報提供もし、説明もし、そういった形の中でぜひカウンセリングの中身に重要な犯罪被害者等という視点で見てほしいということで申し上げていきたいと思っている。ここは教育、特に大学の教育内容ということにかかわってくるので、「含める」というふうに言い切ってしまうというあたりについては、ちょっと違う観点からの配慮というのもしなくてはいけないかなと思っている。

(構成員)わかった。文言を提言しなくてはいけないというのが、私ども行政の素人にとっては非常に難しく、どういう言葉を含めればどういうふうになるかということはわからないので、こう書いたらどういう効果が出るのかなというのをわからずに書いているところもある。今のお話でわかったので、それは結構だ。

(事務局)確認をしたい。基本計画案(2)の8ページ(18)のイ、ウについては、文部科学省の修正案どおりとし、その余のものについては基本計画案(2)の資料のとおりとしたい。

(構成員)1点、私どもの方から提案した点について若干意見を申し上げたい。2ページのところで、かなり細かい表現の問題であるが、もともとの「道路上の交通事故に係る危険運転致死傷及び業務上過失致死傷を含む」ということに対する修文として、この理由の書き方があまり議論としてかみ合っていないのかもしれないが、事務局でその下に説明している交通事犯の被害者もそういう犯罪の被害者であることを明示するという話を前回指摘されたことを前提にして、なおそれを踏まえて、それも犯罪であるし、かつ業務上過失致死傷の中にはそれ以外の事故の犯罪も含まれるということをある意味では正確に記述するとすれば、このようになるのではないかという形で書いたものである。なお、さらにつけ加えれば、危険運転致死傷というのは刑法にある構成要件上、車による非常に危険な運転による犯罪で、そういう意味でいうと、道路上に構成要件上は限定されないし、また、交通事故という表現がふさわしい犯罪なのかという疑問もあるので、表現としてはやはり「危険運転致死傷及び」とした上で、その後に、業務上過失致死傷のところに交通事故が入るということを書き、さらにその他の事故に関する犯罪も入るということを書いた方が表現としては正確ではないかという趣旨である。

(事務局)事務局の意見は記載のとおりである。交通事故の被害者の方々の懸念とか疑問が多く寄せられていることから、交通事故の関係も含まれるという趣旨で書いたということである。それと、構成員が懸念している点は、こういう表現で特に例えば道路上の交通事故以外の業務上過失致死傷が含まれないというふうに読み取れるという懸念はないのではなかろうかということで、こういう表現にして、原案どおりという意見を出している。

(構成員)非常に細かいところなのであまり時間を使いたくはないが、私どもとしては交通事故の被害者の方の意見、要望としてそういうものを明示するということは、少なくともこの道路上の交通事故というのを明示して入れることによって達成はされるはずだということが1つと、それから、先ほど申し上げたように、危険運転致死傷の修飾語として道路上の交通事故に係るというのを付け加えることも、いささかあれも交通事故という表現で、まさに故意犯であるので、交通事故というたまたま起きてしまったというようなニュアンスが強い修飾語をつけるのはどうかという感じもするので、交通事故の問題を明示するという意味でいえば、業務上過失致死傷のところに修飾としてつけた方がいいのではないかという感じがしている。

(事務局)参考にした法務総合研究所の犯罪白書によると、「道路上の交通事故に係る危険運転致死傷を除く」と、一般刑法犯の中から除くとの記述として「道路上の交通事故に係る危険運転致死傷を除く」という表現が、これは16年版の173ページに使われている。

(構成員)ちょっと今まだ迷っているところで、含んでもいいかなと思ったけれども、原案でも構成員の言われたような誤解は生じないんだろうと思うけれども、どうだろうか、それは起きないのではないか。「含む」と一義的に書いたというだけだから。

(構成員)そんなに時間を使うところではないのかもしれないが、そういう意味で、ここに書いてある理由がそういう意味で議論のかみ合わせという意味では十分尽くされた理由になっていないのかなと思う。それで誤解が生じるかどうかという問題ももちろんあることはあるが、先ほど来申し上げているように、表現を正確にするという意味で、かつ事務局で言われている交通事犯の被害者が含まれることを明示するという趣旨を併せて表現をするとすればこうなるのではないかと、そういうつもりである。

(構成員)定義の厳密さから言うと、修正案の方が通っているような感じを私は受けるけれども、内容的には同じことを意味するのか。

(構成員)まだ今は感覚なのだけれども、修正案にした場合に、「道路上の交通事故その他の事故に係る業務上過失致死傷を含むという場合には、通常の業務上でない過失致死傷はどうなるんだろうという疑問が湧かないか。それはよろしいのか。生命・身体に被害を受けた犯罪の被害者数は何人に及ぶと。その中に業務上過失致死傷を含むというふうにした場合に、そうすると、業務上でない過失致死傷はどうなるんだろうかと。

(構成員)恐らくこの「含む」という書き方をすればするほど、そういう意味では他のものも入るのか、入らないのかというのは常にあるので、「含む」と書く以上、常に生じる問題かなとは思うが、いずれにしても、業務上過失致死傷といった場合に、もちろん中心部分として道路上の交通事故が含まれるということは事実だが、さらにその他のいろんな工場等における事故の業務上過失致死傷も当然入るわけなので、「業務上過失致死傷を含む」と書く場合には、こういう表現で書く方が正確ではないかと、そういう趣旨である。

(構成員)よくわかった。

(構成員)あまりこの問題に時間を使いたくないのだが、ただ、ここに書いてある表現は法総研で出している犯罪白書の言葉をそのまま引用しているものだから、それほどの違いがなければ、原案どおりでよいということにしてもらえればよいかと思うが、どうか。

(構成員)一応正確に言うとこうではないかということで申し上げたところだが、皆さんのほうで原案の方がなおよいということであれば、それはそれ以上に申し上げるつもりはない。

(構成員)私は原案でもいいのではないかと思うけれども。

(構成員)それでは、そういうふうにさせてもらってよろしいか。

○ 基本計画案(3)(支援等のための体制整備への取組、国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組)に関する説明
 基本計画案(3)に該当する「重点課題に係る具体的施策」について、事務局より、まず、「支援等のための体制整備への取組(基本法第11、21、22条関係)」について、続いて「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組(基本法第20条関係)」について議論するとともに、総論部分でこれらの重点課題に該当する部分についても構成員の意見を伺いたい旨提案。
 また、議論に当たっては、「事務局案その2-1」が「支援等のための体制整備への取組」に関する具体的施策についてまとめたもの、「事務局案その2-2」が「国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」に関する具体的施策についてまとめたもの、「事務局案その2-3」が支援等のための体制整備への取組と国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組に関する重点課題(すなわち総論部分)である旨説明し、これらを基に議論をしてほしい旨提案。

○ 基本計画案(3)のうち「支援等のための体制整備への取組」に係る具体的施策についての議論
 事務局より、「事務局案その2-1」について、骨子から変更した部分のうち、資料1-2の「試案」として配付した際の変更部分は赤字で記載し、「試案」の配付後に出された意見を踏まえた変更部分については青字で記載している旨説明。なお、変更部分は、これまでの検討会での議論を踏まえた「現状認識」の見直しのほかに、修辞上の修正と新規施策の追加である旨説明。座長代理より、行政機関の職員である構成員に対して補足説明の有無を求めたところ、概要以下のとおり。

(構成員)資料2の7ページの補足で、早期支援団体の認定への基準に関して、第5回検討会において構成員から質問があった。それは、早期支援団体として指定されるためには、当該団体が行っている被害者支援のうち、犯給法に定める犯罪被害、これは故意の身体犯になっており、過失犯、財産犯が除かれているが、これへの支援がどれぐらいを占めていればいいのかという質問があった。これに対して私は、「6割から7割ぐらいが必要だが、個別・具体的に相談してほしい」というふうに答えたと思う。若干これは正確ではなかったので、改めて回答したいと思う。
 早期支援団体の指定に当たり、犯給法上の犯罪被害の支援が全体の何割を占めていなければいけないという基準はない。ただ、税制上の特定公益増進法人に認定されるためには、全体の70%以上が必要とされていることから、犯給法の犯罪被害の支援が6割から7割ぐらいとなるように助言をしてきたというのが実態である。したがって、早期支援団体としての指定の話であれば柔軟に対応するので、個別・具体的に相談してほしいと考えている。
 あともう一点、「その2-1」の20ページであるが、民間の団体でボランティア活動を行う方に対する「身分保証の在り方」という表現があるけれども、あまりこだわるつもりもないが、構成員の意見を伺ってみたいと思うが、「身分保証」というと若干公的色彩が強くなり過ぎてしまうのかなと。パブリック・コメントを見ると、みなし公務員とかという言葉が書かれているけれども、あまり公的色彩が強くなり過ぎることについてどのように考えるか、意見を承りたいと考えている。

(構成員)提出ペーパーについてはそのとおりであるが、外国人等に対しても適切に対処していきたいと思うが、1点、構成員からも指摘のあった点である。裁判所内の傍聴開始までの被害者側の控室を設けるようにという要望であるが、これは過去からずっとこちら側に要望が来たものであり、このような要望が被害者側からあった場合には、人目に触れない待機させる待合場所を確保したりして、こちらとしてもできるだけの配慮をしてきたところであるが、それでもなお、気軽に利用できるような専用待合室の設置をすべきであると、こういう要望であるというふうに理解している。
 これに関しては、やはりそれもかなり切なる願いであり、また、十分こちらとしても配慮しなければいけないことであろうということを考え、事件数や庁舎の使用状況等各庁の事情も考慮して、特に需要が高いと思われる大規模庁からこれについて設置する方向で検討している。具体的には、まず東京、大阪というところを考えている。何分にも施設使用状況やその他の制度設計の観点から裁判所もなかなか施設上厳しいところがあるが、この点に関してはできるだけ今後の庁舎計画の中で配慮していきたいと思っている。

(事務局)事務局から補足をしたい。「その2-1」の20ページ(3)の施策で、別置きの資料で構成員から意見が提出されているけれども、要は、ボランティアと専従職員との関係、あるいは両者の研修の必要性等についての意見というふうに理解をした。もし異論がなければ、ここの修正として、ボランティアを行う方のみではなく、専従職員の方も含めるような修文として、まず表題の「民間の団体でボランティア活動を行う者」のところを「民間の団体で活動するボランティア等」という形に改めてはどうか。それから、本文の中の冒頭の「民間の団体でボランティア活動を行う者」のところを「犯罪被害者等の援助を行う民間の団体で活動するボランティア等」というふうにすれば、ボランティアのみではなくて専従職員の方の研修、それから両者の関係についても、「検討のための会」で検討されるということが明確になるのではないかというふうに考えている。
 それから2点目で、20ページの(2)の民間の団体への支援の充実の項目があるけれども、これについは、第7回の検討会において、構成員から「人的支援を加えるべき」という修正の意見が提出されており、そのときには秋以降の検討会で再度議論を、ということでペンディングになっているところであるので、ここについての議論もお願いできればと思う。

(構成員)20ページの(3)民間の団体でボランティア活動を行う者の養成・研修及び身分保証の在り方についての検討という点で、先ほど構成員から「身分保証」と言うことによって縛りが来るのではないかという疑念等があったと思うが、この点について、別の構成員からも意見を伺いたいところであるが、この身分保証が必要になるもともとの経緯というのは、民間被害者支援団体において非常に財政基盤が弱く、ボランティアに依存しなければならない、本来は専従の職員が必要であるにもかかわらず、それを十分養成したり置くことができないということにおける身分保証という意味合いが強いのではないかというふうに私は理解している。もし違ったら他の方から意見を出してほしい。そうすると今、事務局から「民間の団体で活動するボランティア等」と修正意見があったが、本来はもっとボランティアではなく専従スタッフを増やすべきだという趣旨であれば、あえてボランティアという言葉を使う必要はなく、「民間の団体で支援活動を行う者」とすればすべて含まれるし、この身分保証といった場合に、その専従職員としての立場というものが明確化されるといったようなニュアンスも含まれるのではないかと思う。私はボランティアをあえて抜いてしまって「支援活動を行う者」としたらよいと思ったのだが、それについて検討してもらえればと思う。

(事務局)ここに「ボランティア」と入れているのは、この施策を立てるそもそもの犯罪被害者等の方々からの意見の中で、民間団体で活躍するボランティアの養成・研修の充実を求める意見があり、それを踏まえた施策ということで、ここにボランティアという文字が入っている。それらを含めて議論してもらえればと思う。

(構成員)ヒアリングやパブリック・コメントでそう言われたのは、実際上、ほとんど専従職員がいないので民間団体の方はただボランティアと書いただけではないかと思う。「支援活動を行う者」とすればボランティアと専従職員の両方が含まれるので、パブリック・コメントの意思を反映しているというふうに思う。

(構成員)そのことに関して、今、構成員からお話があったように、私の考えも構成員の意見に沿ったもので、そのために間に合わずに追加資料となってしまったが、意見を出した。
 被害者支援と言うと、なぜかイコールボランティア活動というように日本の社会の中では捉えられがちだけれども、例えば学校教育の中でもカウンセリングは大変重要なことなので、これからは教育を行っていかなければいけない、あるいは医療の現場においてもPTSDの方へ特化された今の医療体制もないので、それも医学教育の中に入れていかなければいけないというように大変重たい課題であると思う。それなのに被害者支援はボランティアでいいという発想そのものが私はやはり間違っていると思うし、実際に被害者支援を行っていると、そこにもソーシャルワークにも精通した、あるいは医学的にも多少の知識がある、法的な知識も持っている、そういう専従職員がいなければ被害者支援はできない。だけれども、今何もないので、致し方がなくボランティアで間に合わせているという現状があるので、それはぜひ改善をしていってほしい点だと思う。そのためにこの身分保証ということもボランティアで、本当に持ち出しでやってくれている方も多いわけだ。本当の被害者支援を日本の社会の中に広めるときには、それではだめだということだ。
 それと同時に、先ほどの「人的」という面に関しても、民間支援団体は大変脆弱な立場にあるので、いろいろな専門職の方に例えば講師をお願いしたときには無料で来てもらえるような制度もぜひつくっておいてほしいということで、この「人的」を入れてほしいと願ったのだが、前回消されてしまったという経緯もあるので、またぜひ入れてほしいと願っている。

(事務局)前回(第7回検討会)の議論で「人的」をここに入れるか入れないかということの関連で言えば、ここの民間の団体への支援の充実というのは、現在各関係省庁で取り組んでいることをさらに強力に進めていくという観点での施策ということであった。一方、今ご指摘のあったような、今後人的支援をどんどん取り入れ、進めていくべきだという意見を踏まえた検討は、19ページの(1)の財政的支援の在り方の検討及び施策の実施に関する「検討のための会」で検討されるということではないだろうかというような意見が一方にあって、結局そういう両方の意見を踏まえつつ、ペンディングとして秋以降に議論を、という経緯であった。

(構成員)今のボランティアの問題というのは、被害者支援の先進国と言われているところは大抵ボランティアを主体としているのだが、その中心となる有給のスタッフがしっかりと指導したり、あるいはコーディネートする役割をきちっと果たすという形をとっている。例えばボランティア10人に対して常勤のスタッフが1人とか、20人に対して1人とかそういう形で全国的に展開している国が多いわけだ。そういう中で日本は、有給のスタッフを置けるところが少なくて、ボランティアを主体とせざるを得ないという状況から、こういう表現が割と多く上がったと思う。やはりボランティアについては、かなりの数これからも重要な役割を果たすことが当然期待されるわけだけれども、そのときにこの支援の研修とかそういう問題を含めて、ボランティアの名称のみが前面に出るというのはむしろ問題があるという皆さんの認識なのではないかと感じる。そういう意味で、ボランティアも当然含むけれども、有給スタッフをも含むという意味で、「支援活動を行う者」という表現に変えた方がいいという意見でないかと思うが、どうだろうか。私はそういうふうに、この機会にもし可能であれば変える方がいいのではないかと思う。

(構成員)ボランティアと言うと、大変誤解を受けやすいと思うので、やはり「支援を行う者」という方が適当ではないかと思う。
それと1つ確認をさせてほしい。この「民間団体」というのは、例えば全国被害者支援ネットワークに属していて、そして、早期援助団体となっているところ、なっていないところ、あるいは様々な被害者支援団体があるけれども、どこまでの範疇を指しているのか。

(事務局)この施策の取りまとめの際の意見の一致をみた内容としては、22条関係の(1)が今後どういった民間の団体に支援を行っていくかという「検討のための会」の検討の施策である。今指摘のあったような、どの範囲に財政的な援助をするべきなのかということも、この「検討のための会」の中で検討してもらうということで意見の一致をみたというふうに考えている。したがって、現時点でそういう援助の対象となる団体の範囲が決まっているという認識ではなかったと思う。

(構成員)重点課題のところで意見があるが、実際には、「その2-1」の2ページに私の意見があるが、どういう趣旨で申し上げたかということは、資料9を見てもらえるといいと思う。今のことにも関わるが、ここではもう一つ、実際の支援について、犯罪被害者ネットワークあるいは現在国の方で公的にある程度把握している活動そのものだけではないかもしれないという今の議論に沿って考えてみたときに少し問題があるのではないかと思って意見を述べた。それも含めて申し上げると、実際に今回、支援のための施策の中には警察庁が実際に行われることを非常に具体的にたくさん書かれていて、それについては大変いいことだと、もっとたくさんやってもらいたいと思うことがある。
 例えば日弁連からの意見などを見ると、警察がこういうことをすべて関わるのかどうかという形での懸念というのが示されているが、むしろそうではなくて、警察もこういうことをやり、かつ他のところも同じようなくらい具体的に述べなくてはいけないところを、他の省庁、また日弁連、弁護士の活動に期待するべきところが多いと思うが、そういうところがあまりにもまだ貧弱なために警察だけが非常に突出しているように見えるのではないかというふうに思うわけである。例えば、実際に早期支援のシステムというのは、これは警察の情報と一緒に活動できるような団体がない限り、被害者の直後の早期支援はできないので、例えばそういう連携を取りながら密接にできる団体があってもいいし、それはなくてはいけない。それは多分、様々な条件をつけながらも警察庁と連携をとってやっていかなくてはいけないと思うわけである。
 でも一方で、実際に被害者支援に携わっていると、警察にはもう一度も行けないと、例えば性犯罪の被害者とか、それから、行ってみたけれども、非常にやっぱり嫌な思いをした、それから、司法の中で被害を受けたと。極端なケースを言えば、冤罪事件であるというような被害者、この人たちもやはり非常に傷ついて支援が必要なわけだ。こういう人たちが警察とある程度関わらないところでも支援を受けられるということも実際に必要なわけで、支援としては、やっぱり常に複数立てていないといけないわけで、犯罪被害者ネットワークから警察へというその連携とはまた違うシステムもやはり置いておく必要がある。そのことは考えなくてはいけないのだが、むしろ警察の施策の方が少し先進的にここに書かれているために、そちらが非常に見劣りしてしまう。だからこそ危なっかしい印象を与えるという現状があるのだと思う。
 それで、それをどうやってここで扱うかというところだが、1つはやはり他の省庁あるいは他の民間団体に対する支援ということをもう少し書くと、これはまた後で出てくることだが、それが1つある。それからもう一つは、この重点課題に係る具体的施策のところで、例えば2ページに書いたが、1ページから2ページに事務局で出された案が書いてあるが、ここの中には、基本的に司法にかかわっていく被害者の問題、それからこれまでの調査も司法にかかわった被害者の実情しか、細かく読むと他もあるけれども、主にそれが対象として書いてあるので、ここに例えば性犯罪被害者の問題なども入れる。それが2ページの青で書いている私の意見である。それから、そういう観点からいって、今の民間支援の問題についても、同じように、今後の議論の中で一方に偏ることがないように、両方が扱えるということはここで確認してほしいと思う。

(構成員)私も同意見だが、ただ、恐らくそれは先ほど挙げられた今後の「検討のための会」の中で、そういう警察に届け出る、届け出ないというようなこととは関係なしに、目こぼれのないようにきちんと支援する団体をサポートすると、そういう方向での検討がされるとよいのではないだろうかというように感じている。

(構成員)だから、こうしてここの現状認識のところにそのことを書いてほしいと思っている。

(事務局)いま説明のあった構成員の意見を踏まえて、2ページの下の方、「上記意見に対する内閣府意見」で、指摘を踏まえて下記のとおり修正することとしたいということで、3ページになるが、性犯罪の関係等についての問題の記述をしたのと、それから、二次的被害のほうは、犯罪そのものによる被害とはまた分けて書いたほうがわかりやすいということで分けている。この両者の文章の内容については、構成員から出された意見を忠実に反映しているつもりである。

(構成員)では、この20ページの(3)の先ほどの民間団体でのボランティアの云々というあたりを「支援にかかわる者」とする下に、関係する省庁はたくさんの省庁が書いてあるので、今後の「検討のための会」ではそれぞれの省庁がどういう形でこの被害者支援の活動をする人たちの養成とか研修に関わっていくかということを討論するというふうに考えればよろしいわけか。

(事務局)事務局としては、そういうふうに考えている。今言われたような観点を、4ページの(3)での「どの関係機関・団体等を起点としても必要な情報提供・支援等を途切れることなく受けることができる体制作りのための検討及び施策の実施」の中であわせて検討していくということになる。
 先ほどの議論の確認をしたいが、そうすると、20ページの(3)については、「ボランティア活動を行う者」は「支援活動を行う者」にするということで意見の一致をみたということで、あと、「身分保証」の文言をどうするかという点が残っている。その議論をしてもらえればと思う。

(構成員)先ほど「みなし公務員」という言葉が出てきたけれども、むしろここではそうではなくて、財政的な保障ということなので、そういう誤解を受けないような文言のほうがよろしいかと思う。基本的に人を公務員として保証するというよりはその活動を保障するということだから、今ちょっとそういう言葉を聞いて私は驚いたのだけれども、具体的に今どう直せばいいというのはちょっと思いつかないが、財政的支援というふうに書いてもらえればそれでいいかと思う。

(構成員)身分保証というのは、これが本来どういう意味合いから出されたのかにもよるけれども、例えばボランティア保険などの問題もあり、そういうことの関連で出てきた言葉かもしれないと思う。関わる人が何か事故があったときの補償をどこがするかとか、そういうようなことに関連しているのかと思う。民間団体の財政基盤の問題というこの課題からするとちょっと違いがあるかと思うのだが、どうだろうか。

(構成員)多分、ボランティア活動なので、場合によっては交通費も自分で払いながら支援活動をしているという方もいるので、せめて多分今、構成員が言われたように、ボランティア活動に関わるときのボランティア保険、何かあったときの最低限の補償、多分そういうことを言っているのではないかと思うが、ちょっと私もはっきりとは。

(事務局)この基になった意見については、資料1の9ページの一番下の「・」で、支援団体の方から出ている「民間団体でボランティア活動をする方に対する身分の保証をしてほしい」と。だから、きちっとしたそういう支援をする団体の方であるということがわかるようにしてほしいとか、そういった意味合いかなというふうに理解した。

(構成員)身分証明のようなものか、今言われたところでは。

(事務局)身分証明というと、そのことだけになってしまうかなと。もう少し広がりのある意味合いかなと思う。

(構成員)経済的な補償という意味ではないように聞こえたが。

(構成員)身分証明であれば、それぞれ所属する団体で出されて、それで済むことなので、恐らく身分保証というのはそういう保険的なものとか、本当に被害に遭ったとき、何かが起きたときの補償をと、そういう意味でないかと思うが、ボランティアについては。

(事務局)この意見を出した者からの意見について、より詳細に紹介すると、「ボランティアの方は善意で携わってくれているけれども、今の単純に寄せ集まっているボランティアというのではなくて、ボランティア活動をする方に対する身分の保証というものがもう少しなされてもいいのではないかということを考える。不測の事態が起こったときに何らかの補償があることと、安心して活動できる状態を作るために、できればみなし公務員のような感じで、例えば警察などは交通指導員などにそういう適用をしているらしいと聞いたりすることもあるので、そのあたりも何かもう少し、無償で活動するだけ、ほとんどの方は無償で交通費なども要らないと言ってくれるけれども、何かもう少し確立したものがあってもいいのではないかと考える。」という意見であった。

(構成員)そうすると、交通費などの経済的な保障と、それから事故などがあったときの補償と、この2つを言っているのか、今聞いたところでは。交通費などは、活動するための費用であって、そして、事故があったときの補償とはちょっと違う。

(構成員)私の問題意識の出発点は、まさに身分保証という言葉の意味がよくわからないということがあって、公務員のような身分を付与するとかという話になると、非常に狭くなってしまうということになるのではないかと思う。だから、もっと広く、今、構成員の皆さんが言われるような財政的な面からの活動の支援とかというふうなことであれば、ちょっと表現振りを変えた方が、もっと広くとらえた方がよろしいのではないのかなというふうに考える。

(事務局)それでは、今の議論を踏まえて、この関係についての取りまとめ案を構成員に配付する際に、事務局案を検討して提示したいと思うが、どうか。

(構成員)そこに関連、その隣に関連するところかと思うけれども、資料1-3の15ページ、やはり犯罪被害者団体等の方からの要望だが、これを見ると、支援組織に対する財政的援助・広報に際し、警察と密接に結びついた早期援助指定団体に対する援助や広報と、警察とは一定の距離を取りつつ連携するその他の民間支援組織への援助・広報と格差を設けないでほしいというのがある。これがちょっと私にはよくわからないのだけれども、「密接に結びついた」というのは、この犯罪被害者等団体の方々はどういうふうな趣旨で言っておられるのか。あるいは「一定の距離をとりつつ連携する」というのは、どういうふうになっているのか。これが現実にここにあるように、格差があるからこういうふうな要望があるのだろうか。それはいろいろな組織があり、組織としてしっかりしているところと、そうでないところとあろうかと思う。それなりのそういった差が出てくるものもやむを得ない場合もあろうかと思うし、それが不合理に行われているということでこう言われているのかちょっとわからないので、その辺はどうなっているのか。

(構成員)私の印象を述べたいが、被害者支援の早期援助団体というのは、被害の直後から援助することが非常に重要なので、民間援助団体は警察と協力しながら情報交換をして、早期に協力体制を持ちながら援助活動を充実させていくという構築をここでやっているけれども、そういう場合に警察の連携が非常に緊密になっていって、場合によっては被害者の方が警察には知られたくないとか、届けたくないとか警察に不満があるとかそういう人たちが行けないようなことになるのではないかと、そういうところにだけ財政的な支援がされるというのは問題ではないだろうかという意味を含んでいるのだろうと思う。
 もう一方で、そういう早期支援とは必ずしも関係はないけれども、性暴力に対する援助あるいはDVの被害者への援助などは、直接警察とこういう密な連携を保たなくてもかなり実質的な内容のある援助をしているので、そういうところにも分け隔てることなく支援をしてほしいと、そういう要望なのではないかと思う。民間援助団体に属していると、できるだけ警察と連携を密にする必要がしばしばあるけれども、やはりそれとは独立して被害者のニーズに応じた個別の対応をきちんとできるような組織にしたいとは思っている。

(構成員)そうすると、最前来議論されていたところ、こういったところも踏まえての取りまとめというところで配慮したほうがよろしいのかもしれない。

(構成員)そうなることだと思う。
人的な支援についてはどうか。事務局から意見も出されていたが。

(構成員)先ほど事務局から説明があったので、それで結構だ。

(構成員)「その2-1」の13ページで、特に開いてもらうほどのところではないけれども、(34)に保護司との協働による云々というのがあり、そこに関連して前回もちょっと質問したところだけれども、前回の後知ったのだが、本年の7月、法務省に更生保護のあり方を考える有識者会議というのが設けられたそうで、そこにおいてもこの保護司と犯罪被害者との関連というのが議論されつつあるやに聞いている。この検討会と、その有識者会議とが並行して走っていくと、こちらでもいろいろとやろうというところに、保護司との関連においては先に有識者会議の方が先行してしまって固まってしまったりすると不都合が生ずることもあり得るかなと思うので、その点、両者の連携というものは十分に行われているのだろうか。あるいはこれから行われるというところだろうかということを質問したいと思う。

(構成員)指摘のあった有識者会議は、経緯から申せば、この間、保護観察対象者による重大な再犯という事件が相次いで起こったということなどを踏まえて、それを契機として立ち上げられたものであり、国民の期待に応える更生保護ということを実現するために主として保護観察中の者の再犯防止という問題を中心に幅広い観点から検討しようというものである。そういうことであるので、犯罪被害者支援の施策を特に取り出して議論をするということは必ずしも予定はされていないが、更生保護制度を全般的に見直すという議論の中で、そういう被害者の視点も取り入れた保護の在り方ということも議論になるというふうに思われるので、その一環としてこの犯罪被害者支援の施策についても触れられるということがあるだろうというふうに思っている。
 両者の連関という問題になるけれども、今年の10月に第5回の有識者会議が行われ、そこでも、ここで取り上げられている犯罪被害者等基本計画の骨子の内容について説明をしているところである。そういうことで、必要に応じてこちらの議論もそちらの有識者会議の方に説明するということは今後もしたいというふうに思っている。ただ、もともと更生保護官署と保護司の協働態勢による被害者支援の施策というのは、さらに大きなテーマであるので、保護局を中心として、被害者の方の要望に沿うべく、保護司の組織とも協議しながら、当然、今後十分検討したいというふうに考えているところである。

(構成員)「その2-1」の14ページ(36)、(37)で、「被害を受けた児童生徒が不登校になった場合の継続的な支援」というのがあるが、私はいつか言ったことがあるかと思うが、被害を受けた児童生徒だけでなく、そのきょうだいが不登校になってしまうことがある。だから、それを入れてほしいということを以前お願いしたことがあると思うが、そうしようという話になったかと思う。それをぜひ入れてほしい。きょうだいが非常なショックを受けて、弟とか妹、兄、それもやはり不登校になってしまう例がある。それに対してもやはりケアをしていただきたいなと思う。

(構成員)ここはやりとりで私が入れてもらった部分だと思うが、それは考えて、例えばここに「その犯罪被害を受けた児童生徒の周囲の者」という文言を入れたらどうかとかとちょっと考えた。ただ、犯罪被害者の例えば遺族がもちろんここでは被害者等の中では対象になっているし、実際に犯罪等による被害を受けた児童生徒といった場合には、多くの場合はその周辺の子どもたちも対象に行われているから、一応ちょっと確認してほしいけれども、きょうだいも入っているというふうに考えて、それでいいのではないかなと私は思っていたが、どうか。

(構成員)前、確かに同じような話があったときに被害者の中に広くそこは入れて考えられるのではないかということで説明したのではないかと思う。

(構成員)前に「入れよう」という話だったと思うが、この中に入るか。

(構成員)当然入って考えられるということで申し上げていたと思うけれども。

(構成員)「児童生徒等が」として、「等」をここに入れてもらえればはっきりするかなと思うけれども。

(事務局)学校における対応というようなことも考え、「犯罪等による被害を受けた児童生徒」を「犯罪被害者等である児童生徒」に変えるということでどうか。

(構成員)そうすれば、家族が入るから。

(構成員)きょうだいという意味での家族だね。

(構成員)最初に申したように、「犯罪等による被害を受けた児童生徒」という中に、当然犯罪で直接被害を受けた者だけではなくて、犯罪被害者の家族というものも含めて考えられるのではないかと、構成員に指摘された形の解釈ができるのではないかということであったけれども、今指摘のあったような表現でも特に構わない。

(構成員)ここで「犯罪等による」だけではちょっと苦しい部分だと思うので、「犯罪被害者等である児童生徒」と。

(構成員)「その2-1」の12ページのところでもう一つ意見を出しているが、NPOポータルサイトについて、援助を行う団体だったか、そういう表現で自助グループも入れてほしいということを私の方で意見を申し上げた。実際に入っているという答えが出されているわけだけれども、前思わなかったのになぜこう思ったかというと、その次の(30)のところに警察庁の仕事として自助グループの紹介ということで、「自助グループ」という言葉が特に取り上げられているために、そうだとすると、ここで自助グループという言葉を挙げながら、前に出ていないというところで支援団体というのがかなり限られてしまうのではないか。実際に当事者の団体というのは支援活動の中でこれからも非常に大きな位置を占めていくわけだ。恐らく精神的支援の中でも実際には自助グループによるものというのが非常に大きいのが実態だ。そういうことから考えると、(30)に入っていてこちらに入っていないのがバランスを欠くというのが私の意見だ。

(事務局)それでは、ただいまの意見を踏まえて、12ページの(29)であるが、この施策本文の2行目、「各団体」というのを「自助グループを含む各犯罪被害者団体等」というふうに改めるということでどうか。

(構成員)私は結構だ。

(構成員)調査研究の推進等に関連して、構成員に対する内閣府意見というのが「その2-1」の最後のページに添付されているが、これについて構成員から、調査研究の推進等に関連して、犯罪被害者の精神健康の状況とその回復に関する研究について追加してほしいという意見であり、それに対して内閣府の追加案がある。基本的には盛り込むことについては賛成で大変結構であると思っているが、ただ、文章上、(2)の下の方で、「平成17年度の『こころの健康科学研究事業』で新規採択した犯罪被害者の精神健康の状況とその回復に関する研究の中で」という部分があるけれども、この部分は非常に実務的な作業の流れの話であるのと、18年度以降の話もあり、基本計画の表現としては「平成17年度・・・研究の中で」というのを削除した方がより適切な表現になると思うので、配慮してもらえればと思う。

(構成員)文部科学省の施策が書かれているので厚生労働省の施策も書いておいてもらいたいなと思った。メインとして研究事業としてやっているのであれば、それなりに書いてほしいということだけである。

(構成員)先ほど構成員のご指摘で直させていただく部分以外に同じような表現を使っているところがあるので、そのあたりの表現の整合をとるのかどうかというところをちょっと相談したいと思うが、例えば「その2-1」の8ページ(17)でも、「犯罪等の被害を受けた児童生徒及びその保護者の相談等に対し」と、ここの「犯罪等の被害を受けた児童生徒」というのを改めるかどうかという点もあろうかと思うし、それから次のページ(18)のところで「学校の教職員が犯罪等の被害を受けた児童生徒の相談等に云々」という同じようなところ、これも先ほどの表現と統一するのかどうか。それから(19)も同じで、「犯罪等の被害を受けた児童生徒を含む児童生徒」、こちらはそれ以外のものも含むという言い方を明確にしていて、このあたりの表現を先ほどの「犯罪被害者等である児童生徒」という表現に統一するかどうかというあたりについて議論してもらえればありがたいと思う。

(構成員)これについてはどうか。基本的には同じ趣旨で、すべて。

(構成員)同じ表現にしたほうが適切だと思う。

(構成員)最後の(19)のところが「等」をつけた上での児童生徒をさらに含む児童生徒と、これはいいか、こういう表現で。

(構成員)これはきょうだいもこの(19)の場合は含まれるね。

(構成員)だけれども、文章を変えたらもうその後の部分は要らなくなるか。

(構成員)これはきょうだい以外の児童生徒が入っている。被害者それから、学級へ刃物を持ってきた者がある場合。

(構成員)では、このままで。原則として同じように変えて、このままでということ。

(構成員)これは質問だが、「その2-1」の15ページで、重症PTSD症例に関するデータ蓄積及び治療法等の研究について平成17年度の調整費のプログラムが出されている。これ自身は非常に結構なことだと思うが、今後文部科学省がこういった重要課題を継続して科学研究助成の方で出されるつもりがあるのかという質問が1点と、基本計画として載せるのであれば、今後もこういったことを計画するというようなニュアンスがないといけないのではないかことがあり、その点について伺いたい。

(構成員)この研究成果を得て、そしてそれを活用していくという話なので、この研究の部分を具体的に書いていると、むしろその活用のところが事務的にここでプラスアルファで書かれている部分ということになるかと思うけれども、その研究自体についてもさらにという質問だろうか。

(構成員)被害者団体等の要望で調査研究及び専門家の養成ということについて、それは専門家からもそうだと思うが、調査研究が継続的に推進されるということに対して強い要望があるというふうに私は理解している。もちろんこれはこれで成果が活用されるということはすばらしいことであるし、それが書かれることは全く問題ないのだが、もし今後も調査継続するに当たって、文科省の考えがあるのであれば、書いてもらったほうがもっとよいのではないかという意味で質問した。

(構成員)いろんな意味で研究自体を実施をしていく上でも助成とか支援というのは振興調整費に限らずいろんなツールがあろうかと思うので、全体としていろんなこういった研究について科学研究費補助金とかその他を含めて支援が行われていくということはあろうかと思うが、ちょっとここの段階で具体的に、ある意味では振興調整費というのは比較的トップダウンというか、そういう形で行われる支援のツールであろうかと思うけれども、このあたりで全体の研究の継続しての在り方ということについて、ちょっと突っ込んで書くのは難しいかなという感じがしている。

(構成員)今回の件についてはそうだということで私は理解したので、結構だ。

(事務局)全体の確認の前に、先ほどの14ページの(36)で「犯罪等による被害を受けた児童生徒」を「犯罪被害者等である児童生徒」ということで改めると。その関連についてどうするかという意見が出たけれども、教育現場で犯罪被害を受けた生徒やそのきょうだいを対象とする教育現場での施策の部分については、「犯罪被害者等である児童生徒」という表現に改めて、構成員に提示しようと思うが、それでよろしいかどうか確認したいと思う。

(構成員)よろしいか。特に異論ないようだ。

(事務局)それでは、「その2-1」の関係の確認をしたいと思う。
 まず、12ページで、(29)の下から3行目の「各団体」を「自助グループを含む各犯罪被害者団体等」と改める。
 それから次に、14ページで、(36)の施策の1行目、「犯罪等による被害を受けた児童生徒」を「犯罪被害者等である児童生徒」に改め、そして、この関連の各施策の中で、犯罪被害を受けた生徒やそのきょうだいに対する教育現場での施策部分については、同様の表現に改めることにする。
 それから次に、20ページの(3)の関係で、まず1つは、(3)の表題及び文中にある「ボランティア活動を行う者」という表現を「支援活動を行う者」に改める。したがって、表題は、「民間団体で支援活動を行う者の養成・研修云々」という形になる。それから、施策部分については、「犯罪被害者等の援助を行う民間の団体で支援活動を行う者」と修正したいと思う。それから2点目、「身分保証」については、先ほど来の議論を踏まえて、事務局で検討し、後日、構成員の皆様に提示したいと思う。
 それから次に、「その2-1」の一番最後になるが、第4の2.の(2)の施策の関係であるが、これは新規に追加するという施策だけれども、その施策部分の1行目の「平成17年度の・・・研究の中で」までを削除する。
 その余のものについては、「その2-1」の事務局案どおりとしたいと思う。

○ 基本計画案(3)のうち「国民の理解の増進と配慮・協力への取組」に係る具体的施策についての議論
 事務局より、「事務局案その2-2」について、先ほどと同様、骨子から変更した部分のうち資料1-2の「試案」として配付した際の変更部分については赤字で記載しており、配付後に出された意見を踏まえた変更部分については青字で記載しており、変更部分は、これまでの検討会での議論を踏まえた現状認識の見直しのほか、修辞上の修正と新規施策を追加したものである旨説明。座長代理より、行政機関の職員である構成員に対して補足説明の有無を求めたところ、特段の発言はなかった。その後の議論は、概要以下のとおり。

(事務局)事務局から大きく2点について補足したい。 まず、資料6の後ろから2枚目、これは「サリン知識のない国民がサリン被害者を差別視し、サリン被害者はそれに耐えて生きていることを国は認識してほしい」という国民からの意見に関して、厚生労働省の意見がそこにあるとおり、「犯罪被害者に対する差別の防止など国民の理解の増進等の取組については骨子(基本法第20条関係(14))に基づき、内閣府において対応していくものと承知している」という回答である。
 この点についての内閣府としての考え方をまず答えたいと思うが、指摘のあった第20条関係(14)の調査は、「その2-2」の6ページの(14)の調査であるけれども、犯罪被害者等の置かれた状況について、その基礎的な事項を継続的に調査するものである。内閣府としては、その中で犯罪被害類型の一つとしてサリン被害者等をはじめとする「大規模テロによる被害者等」を被害類型として立てて当該調査を行って、国民レベルの基礎的な理解を促進したいというふうに考えているところである。
 そういうふうに考えているが、ただ、先ほどのパブリック・コメントでの要望というのは、サリン被害者等がその症状を理由とする偏見を国から、また一般市民から受けないように必要な施策を求めるものだというふうに考える。こういった観点から2点伺いたいと思うけれども、資料6の中で、犯罪被害者等に対する差別の防止など国民の理解の増進等への取組については内閣府において対応していくものと承知しているとあるが、国民の理解の増進に当たっては、特定の府省庁のみではなくて、所掌事務の範囲ですべての関係する府省庁がそれぞれ行っていくべきであるというふうに考えているが、構成員もそういう認識であるということでいいのかどうか確認したいと思う。
 それからもう一点、これは質問であるが、先ほど述べた内閣府の基礎的な調査研究を用いた啓発、これはするとして、それとは別に、サリン被害者の症状を国民が正しく理解をし、当該症状によって差別とか偏見を受けないことを目的とする広報あるいは啓発を、医療分野という専門的な領域の観点から前向きに行っていくという施策が可能なのかどうか、これについて答えてもらえればと思う。それでまた、それに基づいて構成員に議論してほしいと思う。
 それから、大きな2点目であるが、「事務局案その2-2」の4ページの(8)の施策の関係であるが、これについては、別途1枚紙で「啓発事業を集中的に実施する犯罪被害者等施策に関する特定の期間に係る提案一覧」を配布している。この資料であるが、これは(8)の犯罪被害者等施策に関する特定の日ないし期間にあわせた集中的な啓発事業の実施に関して、犯罪被害者等の要望あるいは国民からの意見をまとめたものである。ここで議論をして、それを踏まえて、「その2-2」の4ページの(8)の内容を確定してほしいと考えている。これについて、文章中、現在、○○○○というふうになっている箇所も含めて議論をお願いしたい。

(構成員)サリンの関係のパブリック・コメントについてのコメントだが、国民の方々に正しい理解をしてもらうということは当然のことであり、内閣府が犯罪被害者等という観点からいろんな啓発活動をされるが、厚生労働省においても当然、厚生労働省は犯罪被害者等という観点から所管をしていないが、いろんなハンディキャップを負った人とか疾病、病気のある方、精神障害者、ありとあらゆるいろんな世の中の偏見や差別にさらされている方々をバックアップする仕事をしているので、当然のことながら、内閣府と一緒になって広報活動に努めていきたいと考えている。
 それから、ちょっと今日、担当部局が来ていないので、サリンの多くの被害者が出勤途中の方々ということであって、労災の観点からのアフターケアとかいろんなことをしている。それから、精神保健福祉センターとか保健所とかいろんなところでも対応できるようなことについてはそれなりに努力をしているつもりであるが、足らない部分もあると思われるので、その点は今後とも留意していきたいと思っている。

(構成員)先ほどの○○週間について、私も意見書を出しているが、私は実は「週間」と言ったのは失敗だったなと思って、本当は「月間」にすべきであったなと後悔しているが、児童虐待の場合は月間というのがあった。1週間では何にもできないのではないかと思って、特に法務省が東京とか主要な都市なんかでいろいろな行事とか啓発活動、それから主役を広げるような運動をいろいろやられたというのと連動して、これを「犯罪被害者月間」というふうにして、いろんなものがここで集中してあっちこっちで行われると、こういうふうにすればよかったなと思っているが、ここまで来て「月間」と言ってもこれは遅過ぎたかもしれないが、各省庁で、いろんなところがいろんなことをやられるようになっている。それをやはり月の間にあちこちでやればすごく盛り上がりになるのではないかなと、こういうふうに思うわけである。
 そして、例えば週間にするなら「被害者週間」と言うほうが、いろんな意味が入ってくるので、単なる啓発だけではなくて、そこで被害者をどう処遇するかと、被害者の処遇を受ける権利、これをどうやって確立するかとかというふうな施策をさらに進めるような議論もそこですると、啓発だけではないということで、本当は「月間」に直したいなと思っている。今さら何を言うかと言われれば「週間」でも仕方がないが、「週間」ということで、将来的には「月間」に、基本計画は後また直してもらいたい。名称は被害者週間のほうがいろんなものが入ってくると思う。

(構成員)これは質問だが、「月間」というのは、私が知る限りでは「社会を明るくする運動」月間が7月にある。それ以外に何か政府あるいは各省庁がやっているもので「月間」というのは何か事例があるか。

(事務局)事務局で調査をした範囲では、「月間」としてあるのは消費者月間、これは5月である。それから、青少年の非行問題に取り組む全国強調月間、これは7月である。それから、今指摘のあった社会を明るくする運動、これが7月である。そして、全国青少年健全育成強調月間、これが11月である。事務局で調べた範囲では、今申し上げた運動等が月間になっている。

(構成員)単純な質問だが、週間となると、これは1週間なのか。それとも、週間というのは2週間ぐらいまでとか、どうか。

(事務局)他の週間の例を調べてみると、だいたい7日間というのが多いように思う。

(構成員)事務局で調べて、そういう週間はどのぐらい数を数えたか。

(事務局)週間については、ざっと申せば、憲法週間が5月1日から7日、児童福祉週間は5月5日から11日、危険物安全週間は6月5日から11日、男女共同参画週間は6月23日から29日、「法の日」週間が10月1日から7日、教育・文化週間が11月1日から7日、文化財保護強調週間が11月1日から7日、海洋環境保全推進週間が11月1日から7日、年金週間が11月6日から12日、障害者週間が12月3日から9日、人権週間が12月4日から10日である。

(構成員)初めてつくるので、1週間か2週間でいいかなというふうに感じるが、どうか。週間が多いようだし。

(構成員)今になって月間と言い出したものだから。

(構成員)週間をつくるということで。名称は、構成員からは「犯罪被害者週間」との提案だったか。

(構成員)この○○の部分は内容を入れるのではないかと。

(構成員)名称にはこだわらないけれども、「犯罪被害者週間」とした場合に、主催者が犯罪被害者の方々だけのような印象を与えて狭くなるという心配はないか。ないなら、それでいいけれども。

(構成員)人権週間というのは法務省がやっているが、別に人権侵害を受けた者だけということでもないわけだから、被害者問題を全部考えるということでは構わないのではないか。

(構成員)私も焦点がきちんと定まった方がいいと思うので、「犯罪被害者週間」ということでいいと思う。

(構成員)犯罪被害者問題をみんなで考える週間と考えていいわけだな。よろしいか。「犯罪被害者週間」とすると。それから、事務局の案では何月何日から何月何日までというのがあるけれども。

(構成員)事務局の紹介だと、6月には週間とか月間がない。

(構成員)さっきあった、6月も。男女共同参画だったか。

(事務局)6月は危険物安全週間、それから男女共同参画週間がある。

(構成員)資料8のところに犯罪被害者週間について触れておいたが、市瀬朝一さんという方が本当に苦労してやられたわけだ。昭和41年に一人息子さんを亡くされて、私が犯罪被害者週間についてと、前にも出したけれども、今度も出しているが、ここで一軒一軒回られて、その結果、6月4日に犯罪被害者撲滅遺族の会を結成したと。そのときに私、「257名の遺族、被害者が」とあるが、これは一般の方も含めて257名であった。そして、この方はもう失明して目が見えなくなって、奥様に手を引かれてあちこち運動をなされて、国会、法務委員会にも参考人として出席された。よく三菱重工事件が発端となって犯給法が出現したと言われるが、市瀬さんの参考人はそれ以前であり、重工の遺族のところも市瀬さんは奥さんに手を引かれてずっと回っている。そして、市瀬さんが亡くなって3か月後に被害者補償に関する調査費309万円がついたということだ。まさに市瀬さんがこの犯給法まで持ち込んでいったと言えよう。この奥さんは今施設に入っているようだけれども、この方が初めて全国大会を開いた日を記念して、6月4日から1週間というふうにしてもらえれば、先輩の苦労をしのびつつ、さらに我々も頑張ろうということになるなというふうに思っている。

(構成員)構成員の意見を読んで、全く非常に意味深いことはわかるけれども、たくさんの国民を巻き込んだような運動みたいなものにしていくには、やはりシンプルに説明できるような日がいいのではないかなという気もしているが、具体的に言うと、基本法ができた12月というのは、人権週間とややダブるというふうな指摘があって、どうか。この施行の4月1日みたいなそういうものも考えられるのではないかなという感じがしているけれども。

(構成員)私も参考資料を配布したが、私たちは3年前から全国の被害者団体の方たちに呼びかけて、ネットワークの民間団体と連合で一緒に被害者支援の日を記念する大会を開いてきて、今年、被害者団体の皆さんと相談として、その記念する日として基本法制定の日がいいのではないだろうかということで、今日、皆さんに配布したような形で準備をし、11月、その基本法制定の前の日曜日ということで11月27日に集う会を準備している。 私はその日時とかそれにこだわるつもりはない。被害者週間をつくるというのが一番大事かと思うけれども、基本法の制定というのはやはり非常に大きな影響をこれからのみんなの活動に及ぼすもので、新たな活動の起点になるところでもあるので、そこにしていただければいいなという希望は持っていた。その時期については、施行のときでもいつでもいいかとは思う。参考までに。

(構成員)私も制定の日ということもまず第一に考えたが、人権週間と重なるというのと、12月というのはなかなか行事をやるといっても大変な月であるということと、それから、施行の4月というのも年度初めでなかなか忙しい。それを考えると、やはり4月は忙しい、5月は学会があったりするので、6月あたりが一番やりやすいのではないかなと、いろんな行事をやるのに。梅雨に入るかもしれないけれども、6月4日ならまだ梅雨に入っていないと思ってやったのだが、4月は、年度始めで入学式とか何とかいろんな重なるときだということで、それを避けたという意味もある。

(事務局)皆様に諮りたいと思うが、ここの資料にあるように、犯罪被害者週間(6月4日から10日)、あるいは10月3日の犯罪被害者支援の日というのは、現在でも取り組まれているわけである。それぞれの団体で活動の趣旨が一番よく表現できるようにということで名称とか趣旨目的とか期間を設定されているということだろうと思う。
 一方、政府としては今までこういう犯罪被害者等施策の関係で集中的に啓発事業等を行うというのはなかったのだが、まさに今、こういう日あるいは週間を設定しようという動きそのものは、基本法が制定されたということによって出てきたと、各省庁もさらに前進した施策に取り組み、あるいは国民の皆さんも今まで以上に犯罪被害者等の方々の置かれた状況や必要な施策についての理解もされてきているのではないかというふうに思う。
 そういった観点からすれば、今現在それぞれの団体で取り組んでいるそういう週間とか諸行事は、それはそれで大変貴重なもので今後も取り組んでいかれるものとして、それとは別に、政府としてやはり基本法にゆかりのある時期にそういう集中的な啓発事業等を行っていくと、そういったことを、政府あるいはその中でも内閣府が中心になって取り組んでいければというふうに思っている。
 今、構成員が懸念していた、12月は人権週間とかと重なるという点については、そういったことを配慮して、この資料に記載のとおり、普通は記念の日を週間の初日に設定するのだろうけれども、12月1日という法律が成立した日を最終日に置くという方法もある。それと、先ほど構成員から出た施行日(4月1日)というのは、構成員の指摘のように、国とか地方公共団体とか、その他の団体の皆様も定期異動の時期なので、なかなか具体の行事とか取組を行う際には難しい点があるのかなというようなことで、今申し上げたような意見を持っているが、また議論してほしいと思う。

(構成員)最終日というのがちょっと引っかかるね。

(事務局)最終日というのは、人権週間はそうだということだ。

(構成員)その人権週間は最終日からつくっておらず、12月4日から10日までというふうな決め方になっていると思う。

(事務局)人権週間は12月4日から10日までだけれども、この設定根拠は、国連総会において世界人権宣言が採択された12月10日までの1週間ということなので、要するに記念になる日が最終日に来ているということである。

(構成員)今いろいろ伺って、新たにやはり制定するということがよろしいと思うし、せっかく法律ができたということでやるのがいいのかなと思い、あえてと聞かれれば珍しく事務局の意見に従って、今のところでよろしいのではないかと思う。

(構成員)私も今、意見も伺ったし、やはり改めて国を挙げて、国民を挙げて取り組むということでこの基本法成立の日が適切かと思った。

(構成員)皆さんのご意見がそういうことであれば、私も同意する。

(構成員)質問だが、そうすると、12月1日を「犯罪被害者の日」というふうにするのか。それで、前段の1週間を週間にすると。

(事務局)できれば、その点についてはここで議論してもらえればありがたい。

(構成員)週間と日と両方決めると何かまずいような気がするけれども、そうでもないだろうか。

(構成員)そうすると、11月25日からか。

(構成員)7日間だね。よろしいか。

(構成員)弁護士の中にも大勢犯罪被害者問題に取り組んでいる者もいる。この時期であれば弁護士会としての行事は比較的少ないので、大勢の弁護士も参画することができるかと思う。

(構成員)今の犯罪被害者の日と週間というのはどういう結論になったか。週間だけでいいのかと思ったが、どうか。

(構成員)犯罪被害者週間でいいと思う。11月25日から12月1日までで。

(事務局)それでは、「その2-2」の関係の確認をしたい。
 4ページの(8)の関係で、先ほどの議論を踏まえて、ざっと文章を読み上げたい。「内閣府において、警察庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省及び国土交通省の協力を得て、犯罪被害者週間(11月25日から12月1日まで)を設定し、当該週間にあわせて啓発事業を集中的に実施する」。

(構成員)啓発だけでなくて、もっと突っ込んでやれないか。啓発というと、単なる啓発だけに終わる。

(構成員)理解の増進とかでしょうか。

(構成員)そう。処遇を受ける権利をどうすべきかとか、それから、被害補償はどうすべきかとか、あるいは施策は今後どうあるべきだとか、そういう議論もする。単なる啓発だけではなくて、ちょうど事務局が書かれた全国的にやられるところは入っている。単なる啓発でなくて。だから、単なる啓発では終わらない、もう少し掘り下げたものにしたいと思うけれども、文章は今ちょっと出てこないが。

(構成員)この啓発にさらに掘り下げて何かを加えるかということと、それから、もう一つ、最初のところにあった犯罪被害者等○○○を記念するとあるが、基本法制定をといふうにしていいのか、それは先ほど論議されていなかったので、それでいいかどうかを確認する必要がある、あるいは入れない方がいいのか、どうか。

(構成員)私は入れない方がいいと思っているけれども。記念日のようになってしまうから。

(構成員)特に異論がなければ、それでよろしいか。それから、啓発事業に関しても何か適切な言葉、表現があるか。

(事務局)啓発事業だけではという指摘を踏まえて、ここをどう表現できるかということを事務局で検討し、それで後日、構成員の皆様に提示して、また意見を出してもらえればというふうに思うが、どうか。
 それでは、4ページの(8)については、ただいまのとおり修正し、「啓発事業」については他の表現振りについて検討し、後日提示することとしたい。その余のものについては「その2-2」の内閣府意見のとおりとしたいと思うが、6ページの(15)のイとエについては、先ほど第2の1の(12)と(18)のところでそれぞれ修文されたので、それと同様にしたいと思う。

(構成員)6ページの先ほどの(15)のアのところで、学校の教職員が犯罪等の被害を受けた児童生徒の相談等と、児童生徒のところもやはり同じような表現に直しておいてもいいかと思うが。

(事務局)説明をしなかったが、先ほどの第2のところで議論したのと同様に、再掲部分あるいは関連部分について犯罪被害に遭った児童生徒やきょうだいに対する教育現場での施策部分については、同じ表現で修正したいと思う。

○ 総論部分のうち、重点課題(4)及び(5)に関する意見
 事務局より、総論の重点課題部分のうち「(4)支援等のための体制整備への取組」と「(5)国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」について、これまでの検討会での議論を踏まえて「事務局案その2-3」を提示し、これに対する本日の構成員の意見を踏まえて、第11回検討会において改めて事務局案を提示したい旨提案。
 この部分についての特段の議論はなく、さらに意見等がある場合は、具体的な修正案あるいは対案の形で、11月10日までに提出してほしい旨依頼。提出された意見を踏まえて改めて事務局案として整理、とりまとめをして、第11回検討会で議論できるよう準備をしたい旨提案。

○ その他
(構成員)これは確認だけれども、資料8で、事務局の意見をもらえればいいのだが、「検討のための会」というのが資料8に載っている。この3ページ、別紙(2)のように、私ども第2回検討会で「検討のための会」において検討してほしい事項を述べているわけだ。これについては、いわゆる犯給法等を検討する会で議論しようということになっていたので、その会でぜひ忘れずに検討してほしいということを確認してほしいと思う。
 そして、なお私どもの方で別紙(1)というのがつけてあるが、これは骨子案を整理したところで、どこでどういうことを検討するかということが基本計画案(1)に載っており、それから、その次の下の方には基本計画案のどこにも触れておられないものがある。これも検討のための会でひとつ検討してほしいということで、今日は確認をしたいわけである。

(事務局)実は「検討のための会」、今指摘のあった会を含めて3つ施策として立っている。それらの検討のための会でどういった議論が必要なのか、あるいはどういう構成がふさわしいのかといったことについては、実は次回、第11回検討会で議論してもらおうというふうに考えていた。だから、この今提示のあった構成員の意見も含めて、また次回いろいろ意見を出してもらえればというふうに思う。

(構成員)何を検討するかということも次回でやるということか。

(事務局)そうだ。検討のための会でどういったことを議論すべきなのか、そういったことについても意見を出してもらって反映させていきたいというふうに考えている。

(構成員)では、第2回ではそういう問題は「検討のための会」でしようということになっていたけれども、改めてもう一度、「検討のための会」で何を検討するかを議論すると、こういうことか。

(事務局)今までの施策を取りまとめてきた中で、後の議論に委ねるべき、しかも、各省庁横断的に取り組むべきというものについて3つの「検討のための会」を立ち上げようという施策になっている。その中で、当然、どういったことを議論すべきかということも含めて「検討のための会」で議論をされるわけであるけれども、今まで基本計画検討会でいろいろと議論してきた構成員より、「検討のための会」の構成なり、あるいはそこで検討すべき議論の対象なり、そういったものについての意見も伺い、議論してもらって、それを将来立ち上げる「検討のための会」に反映させていきたいというふうに事務局として考えており、そういった「検討のための会」のあるべき姿ということについてのいろいろ意見、議論を次回お願いしようというふうに考えていた。

(構成員)わかった。

○ 犯罪被害者等施策担当大臣より、締め括りの挨拶として、概要以下のとおり発言があった。
「本日、ずっと議論を伺い、改めて専門家が果たす役割が、それぞれの異なる知見からどんなにか重要かということを感じた。また同時に、この基本法があって、この基本計画がこのように検討され、策定されていくプロセスが展開しているということを実感し、立法府の役割の重大さということも改めて一議員として認識した。
 本日伺った議論の中で、広報の活動も非常に重要かなと。例えば基本法の文言としてはこういう形と、だけれども、例えば構成員がいわれたきょうだいのことというようなことは、広報の中で国民にかみ砕いて、「等」という表現の中に含まれるんだとはいえ、まさにこの犯罪被害者週間のときに特に重点的に、報道機関の協力なども得ながらやっていくべきと思った。あと、差別に苦しむという断固として許せないような状況があるということの指摘が、ヒアリングの文書の中に出てきているので、そういうことが絶対ないように、これはどんな立派な基本法をもっていても、それだけではできないかもしれない。やはりこれは広報・啓発活動が重要だろうということを思った。
 あと、私は今日の議論を伺って、このような本当に大変な立場に立たれている方々に光を当て、断固とした救済を含む施策を推進するということが、何よりも強い犯罪を防止しなければいけないというその思いに国民ワイドにつながっていくのではないかと、その意味で予防的にも非常に重要と思ったし、今、「生きる力」と子どもの分野でもいろいろ言われているけれども、本当にどんな苦難も乗り越えていく人間の力ということを多くの国民が改めて認識し、犯罪被害者、そしてその家族を取り巻く人々等のところの生きていく力の強さと勇気と、そこから多くの国民が学ぶことが多いのではないかと改めて思い、どうぞこの基本計画がそういう充実したものになり、また、このことをきっかけとして広く国民がそれを理解することができるようになるということを願っているし、私も担当大臣として、非力ではあるけれども、先生方の意見をよく伺いながらしっかりと、ぜひ構成員の先生方と力を合わせながら、その目的が達成できるよう努力してまいりたいと思う。」

○ 構成員より、所属団体において「附帯私訴制度案要綱」をつくり、10月27日に発表したものを本日の資料の中に入れたが、きっとこれは現行制度と両立するようにやったので、構成員もきっと満足してもらえる案ではないかと思っているところ、強く検討してほしい、との発言があり、これに対し、別の構成員から、謹んで拝見させてもらいたい、との応答があった。

○ 最後に、事務局より、本日議論した部分については、第8回以降の検討会で検討した各論、そして総論をあわせて全体としてとりまとめ、「基本計画案」として次回の検討会までに構成員に提示するとともに、次回の検討会では、3つの「検討のための会」のそれぞれの会の構成や検討項目などについても議論してほしいと考えている旨紹介。なお、次回の第11回検討会は、11月21日(月)午前10時から午後0時30分までを予定している旨を紹介。

(構成員)次回で終わりになる予定か。

(事務局)第11回検討会で、一応基本計画案の検討をする基本計画検討会は終わりというふうに事務局として考えている。第11回で終わらなければ、予備日(第12回)を設けているが、できれば第11回で取りまとめてほしいと考えている。

(以上)

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