支援のための連携に関する検討会（第８回）概要

日時：	平成１９年２月２日（金）１０：３０～１２：３０
場所：	合同庁舎４号館　共用第４特別会議室
出席者：
座長	長井　進	常磐大学大学院被害者学研究科教授
	奥村　正雄	同志社大学大学院司法研究科教授
	小西　聖子	武蔵野大学人間関係学部教授
	本村　洋	全国犯罪被害者の会幹事
	山上　皓	東京医科歯科大学難治疾患研究所教授
	荒木　二郎	内閣府犯罪被害者等施策推進室長
	小田部耕治	警察庁給与厚生課犯罪被害者対策室長
	生嶋　文昭	総務省自治行政局自治政策課長
	井上　宏	法務省大臣官房司法法制部司法法制課長
代理	喜久里　要	文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導企画係長
代理	北村　彰	厚生労働省参事官（社会保障担当参事官室長併任）
代理	長田　晃一	国土交通省住宅局住宅政策課長補佐

（議事概要）

１．「更なるネットワークの構築（既存のネットワークの拡充、連携強化方策）」について
　前回会合に引き続き、どの関係機関・団体等を起点としても、必要な情報提供・支援等を途切れることなく受けることのできる体制作りのための提言案について、事務局案に基づき、具体的で実現可能な方策を議論し、引き続き内容、文言等の詰めを行うこととされた。主な意見等は、以下のとおり。

　「被害者カード」は、被害者が何を求めているかを一目でわかるようにし、スムーズに支援を開始するための「橋渡し」を可能にすると考えられる。
　「情報のガイドライン及び様式モデル案」について、全国一律に関係機関・団体間で同じ情報をやりとりすることは、各機関・団体の情報セキュリティや支援のために必要とする情報等の諸条件が異なることから難しい。紹介元機関・団体及び紹介先機関・団体間のみに適用されるものであること、全国一律のものではないこと、個別の事案や各機関・団体間において判断するものでガイドラインやモデル案のとおり行うことを義務づけるものではないことなど、前提を文面上明確にする必要がある。
　情報伝達や被害者カードについても、相手方のサービスの公益性、守秘義務、情報管理の程度など個別の判断が必要であること、被害の証明は難しいこと、申し立て内容が真実と違う場合があることなどを考えると、慎重でなければならない。各機関・団体においてそれぞれ判断すべきという趣旨と、被害の証明にはならないことが明確にされる必要がある。
　様式モデル案について、そうした雛形がいくつかあれば良い。

２．「支援者・コーディネーター等の育成等」について
　民間の団体で支援活動を行う者の養成・研修及び犯罪被害者等支援のコーディネーター等の育成等の在り方に関する提言案について、事務局案に基づき、具体的で実現可能な方策を議論し、事務局案の基本的な内容については大筋で合意された。主な意見等は、以下のとおり。

　民間の団体で支援活動を行う者に対して、その支援の質を確保するため、研修カリキュラム・モデル案を作成することは望ましい。
　全国被害者支援ネットワーク加盟団体だけでなく、それ以外の民間支援団体においても、研修の実施や認定を促すようにする必要がある。
　様々な団体に情報提供できるようなカリキュラム案が望ましい。
　各支援団体が参考とできる研修カリキュラム・モデル案ができれば、支援団体は安心するし、それがインターネット等で公表されれば、どのような支援が行われるかがわかることによって、支援される被害者も安心できる。

３．その他
　次回の検討会は３月２６日を予定しており、ワンストップサービス化や法人格の創設の必要性や導入の可否などについて御検討いただくこととしている。