-
犯罪被害者等施策
-

警察庁ホーム > 犯罪被害者等施策 > もっと詳しく知りたい:犯罪被害者等施策推進会議等 > 各検討会の開催状況 > 支援のための連携に関する検討会の開催状況 > 第2回議事録

-




支援のための連携に関する検討会(第2回)議事録


(開催要領)
日時: 平成18年6月2日(金) 15時~16時46分
場所: 中央合同庁舎第4号館4階共用第2特別会議室
出席者:
座長長井 進常磐大学大学院被害者学研究科教授
座長代理小西 聖子武蔵野大学人間関係学部教授

高井 康行弁護士
本村 洋全国犯罪被害者の会幹事
山上 皓東京医科歯科大学難治疾患研究所教授
荒木 二郎内閣府犯罪被害者等施策推進室長
廣田 耕一警察庁犯罪被害者対策室長
井上 宏法務省大臣官房司法法制部司法法制課長
坪田 眞明文部科学省初等中等教育局児童生徒課長
依田 晶男国土交通省住宅局住宅政策課長
代理萩野 剛総務省自治行政局自治政策課理事官
代理矢田 真司厚生労働省政策統括官付参事官付政策企画官

(議事次第)

1.開会

2.論点整理等

  • 事務局による論点及び検討順序の提示
  • 論点整理及び検討順序に関する意見交換

3.今後のスケジュールについて

  • 検討会において実施すべきヒアリングについて
  • 検討会において実施する海外調査及び連携調査の構想について

4.自由討議

5.閉会


(配布資料)

  資料1  支援のための連携に関する検討事項について(事務局案) [PDF形式:61KB]
  資料2  本検討会において検討すべき論点の整理表 [PDF形式:84KB]
  資料3  本検討会の当面の検討予定(案) [PDF形式:13KB]
  資料4  検討会において実施する調査について(案) [PDF形式:12KB]
  資料5  内閣府資料 [PDF形式:60KB]
  資料6  山上構成員意見 [PDF形式:12KB]
  資料7  本村構成員資料 [PDF形式:44KB]



(議事内容)

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 皆さん、こんにちは。大変お忙しい中お集まりをいただきましてありがとうございます。ただいまから第2回支援のための連携に関する検討会を開催いたしたいと存じます。
 クールビズの期間中でございまして、軽装でのご審議にご理解とご協力をよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
 以後の司会進行を長井座長にお願いいたします。よろしくお願いします。

○長井座長 それでは、本日の議事について、事務局からご説明願います。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 第2回の本検討会におきましては、ちょっと議事次第をご覧いただきたいのですが、資料の一番上に載っておりますけれども。議事次第にございますように、まずこの検討会で検討いたします論点の整理、それから検討の順番みたいなことをご検討いただき、更に検討会において予定しておりますヒアリングあるいは海外調査あるいは国内の連携の調査などを含めました、今年の夏ごろまでのスケジュールについてご議論をいただきたいと考えております。その後、自由討議ということでご議論を賜ればというふうに考えております。

○長井座長 それでは、議事に入る前に、4月に開催されました合同会議にご欠席であった高井構成員より一言ごあいさついただければと存じます。よろしくお願い申し上げます。

○高井構成員 高井でございます。前回欠席させていただいて誠に申し訳ございませんでした。私は今現在は弁護士をしておりますが、昭和47年に検事に任官にして26年間検事をしておりまして、平成9年に退官をして、その後現在に至るまで弁護士をしております。被害者問題については検事のときから関心があって、被害者通知制度などを九州にいるときに始めたいきさつがございます。そのときに比べると被害者支援の状態もはるかに改善されていて、月日の経つのは早いものだというふうに思っております。日弁連においても被害者支援というのは非常に重要な課題として取り組んでいる案件でありますので、力一杯協力させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○長井座長 どうもありがとうございました。
 それでは、これより議事に入ります。
 議事次第2、論点の整理及び検討の順序について、事務局からご説明願います。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 私の方から論点の整理の概要についてご説明を申し上げます。
 本検討会は、ご案内のように、基本計画によりまして関係機関・団体のネットワークづくり、それからコーディネーター等の育成の在り方、あるいは民間団体等で活動する支援者の養成や研修等の在り方について検討を行うこととなっております。この検討会に係る事項につきましては、昨年基本計画の検討会におきまして被害者の方からの多くの要望が検討されまして、既に多くの施策が基本計画に盛り込まれているところであります。そこでの議論を参考にいたしまして、本検討会でもその議論の結果を活用しながら、検討に関する時間がとりまとめまでに2年間しかございませんので、連携について焦点を絞って検討を行う必要があるというふうに考えております。
 そこで、本検討会におきましては、まず昨年の基本計画検討会の議論を用いまして、その中からまだ検討済みでない、あるいは施策が立っていないそういう事項についての抽出をまずいたしまして、その上で検討事項の大まかな順序について構成員の方に確認を行っていただく必要があるのではないかというふうに考えます。
 詳細につきまして、事務局案を提示してございますので、担当補佐より説明を申し上げます。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官補佐 それでは、資料の中身につきまして、犯罪被害者等施策推進室担当補佐の江川より説明させていただきます。お手元の資料ですが、資料1と2、1はA4の大きさのもの、資料2はA3の大きさのものですが、この2つをご参照いただければというふうに思います。
 この資料1の方ですけれども、1枚おめくりいだたきますと、「第2回支援のための連携に関する検討会~支援のための連携に関する検討事項について~」という見出しが出ておりますけれども、これは本検討会におきまして中心的に検討すべき事項を整理するに当たっての考え方を示したものであります。資料2のこの大きい方につきましては、これは先ほど室長から申し上げましたとおりで、昨年基本計画検討会というのを犯罪被害者等基本計画を策定するに当たって開催してきたわけですけれども、そこにおいて基本計画の策定を進めるに当たって検討した要望のうち、本検討会、支援のための連携に関するものについて関連する用語を抜き出しまして、それに対応して盛り込まれた施策あるいは基本計画検討会における議論について整理したものであります。上に「整理表」というふうに書かれておりますけれども、そうしたものであります。
 昨年開催された基本計画検討会におきましては、犯罪被害者等の方々から、あるいは犯罪被害者団体等の方々から意見・要望というのを頂戴いたしまして、それら一つひとつについてどのような施策が可能なのかということを検討してきたわけです。逆に言えば、この整理表にあらわれているわけですけれども、それぞれの意見・要望に対して昨年開催しました基本計画検討会で議論した結果というのが必ず記載できるという対応があるわけですね。その関係をこの整理表のそれぞれの、上側にありますけれども、「基本計画検討会における議論の結果」というところと「関連する要望」というところに対応させておいたというふうなものであります。
 その基本計画検討会における議論の結果というのは、個別にはこの資料2に記載されているとおりなんですけれども、大きく分けてみれば、資料1の1ページの下にありますア、イ、ウ、エ、オというものの5つに分類されるのではないかということで、去年の議論をなるべく客観的に整理してみたというものでありますが。
 1つ目のアは、検討のための会、まさにこの会を立ち上げて検討するという旨がその基本計画に盛り込まれているもの。イというのは、その検討のための会において併せて検討するもの、そういった旨が基本計画に盛り込まれたものであります。ウとエについては基本計画の個別の施策というのは盛り込まれていないものなんですけれども、そのうちウにつきましては、検討のための会において併せて検討するという議論が基本計画検討会の中であって、今後基本計画に盛り込まれてはいませんけれども、本検討会において検討すべきだとされたもの。一方で、エについては、意見・要望を満たすような既存の施策が存在するということから、検討のための会において併せて検討するというふうにもされておりませんし、また基本計画に別の施策も盛り込まれていないというものがあります。更に最後、オですけれども、基本計画検討会において意見・要望を検討した結果、別個の施策が既に盛り込まれたもの、というこの5つに分類できるのではないかというふうなものであります。
 当然ながらこの検討会におきましてはアとイについては必ず検討するということになりますし、ウについてもそれぞれ必要に応じて検討していくというふうな形になるかと思います。ア、イにつきましては、基本計画に盛り込まれているものといたしまして、先ほど室長から申し上げました、1つ目は既存の取り組みなどを活用、促進した形での更なるネットワーキングづくりというものでありますし、あるいはイというものに該当するものとしては被害者支援のコーディネーター等の育成の在り方について、あるいは、民間団体で支援活動を行うものが支援をより行いやすくするための研修等の在り方について検討するというものが盛り込まれています。
 一方、ウの方ですけれども、本検討会の中で併せて検討することとされたものとして、この「整理表」でいきますと、すべて「基本計画に盛り込まれていない事項」というところに出てくるわけですけれども、特にゴシックで書かれているものですね、例えば2ページで言えば(2)のものとか、(2)と(4)ぐらいもですかね、民間団体中心とした連携の枠組みづくりとか、あるいは自助グループの役割を前提とした連携枠組みの検討。更にはいのちの電話等との連携というものであったりとか。あるいは4ページにいきまして、この上の方に基本計画に盛り込まれていない事項というのがありまして、その(2)ですね、公営住宅への入居に関する犯罪被害者等への情報提供における連携についてというものであったりとか。あるいは、少し飛びますが、7ページですね。7ページにやはり基本計画に盛り込まれていない事項ということで、これは「支援等を」となっているところなんですけれども、その3番目のいわゆる「被害者カード」についてというものであったり。あるいは8ページ、これは「体制づくり」について検討しようという中でありますけれども、その(1)の全国標準の支援を提供する新たな団体や制度の必要性についてということ、これらについてが、ウという項目に該当するのかなというところであります。
 一方でエ、オに分類された項目につきましては、当然エの方は既存の取り組みがあるというふうなものでありますし、オの方は新たに取り組みを行ったりとか、あるいは既存の取り組みを充実させていくというものであります。これらについてやはり去年の基本計画検討会の検討の結果として立てられている施策である、あるいはその議論の中で既存の取り組みはしっかりありますよというようなことで意見が一致しているものでありますので、まずはこれらの取り組みについては、その取り組みの状況を見きわめていくことが大事であろうというふうに考えております。
 そういったことを検討いたしますと、本検討会において議論すべきものというのはア、イ、ウに掲げられたもの、つまり去年の検討の事項、去年の基本計画検討会の中で議論された事項のうち、本検討会において引き続き議論しようというふうに結論を得られたものについて検討するということ。そこに絞って、更に時期を見きわめてエ、オの項目についての状況をレビューしていくというような形で進めていくことにしてはどうかというのが論点整理としての事務局としての提案であります。
 それから、ア、イ、ウについて検討するというふうにしましても、依然として多くの検討事項がまだあるわけですね。そういったそれぞれの検討事項についてもまた相互に関係するものなどもあると思われますことから、これをある程度体系立てて順序よく議論していくということが重要であると考えております。
 では、どのような体系でどのような順序で検討を進めていくのかというところの検討に当たりましては、まさにこの本検討会が設置されました趣旨であります既存の取り組みを更に活用しながら、どの機関、団体等を起点としても途切れることなく情報提供や支援が受けられる、そういう体制づくりを行っていこうというこのがこの検討会の目的でありますので、それを少しブレークダウンしていくということが有益ではないのかなというふうに考えた次第であります。それが資料1のA4の紙の2枚目、検討の全体像というところに書いたとおりでありまして。この1から4の順に検討していったらいいのではないかということであります。
 1ですけれども、「各地域における犯罪被害者等支援に係る諸機関・団体等の連携・協力を更に促進」するというところについて検討していこう。2番目ですけれども、「犯罪被害者等がどの機関・団体等を起点としても」いろいろなものを「途切れなく受け」られるというようなところを検討していくべきだろうと。3番目はどういったものを途切れなく受けることができるようにするのかというところで、その「必要な情報の提供、支援等」というところについて考えていきましょうということ。更に4番目として、上の1から3までが確保されるような「体制作りが行われるようにする」というようなことについて検討していこうということであります。
 それぞれ先ほどのア、イ、ウ、エ、オとこの検討全体像としている1、2、3、4というのを少しマトリクスのような形で示したのが、この資料1の3枚目になります。この3ページのところで書かれておりますところのア、イとウですね、ここに載せられているものについてが検討の全体像ということになります。特にこの検討会において議論していくようなもの。エとオにつきましては、ア、イ、ウの検討がなされた中で適時取り組み状況というのをレビューしていくようなものというふうな形になるかと思います。
 こういった「整理表」に基づきまして、本検討会における検討のコアというところを特定するというのとともに、それらの検討の順序を提案しているのが更にこの1枚おめくりいただいて、資料1の4ページになっています。当然ながらいろいろな検討事項が関連してくるわけですから、それはある程度束にしていくというのが必要なんだろうというふうなことを考えました。
 1つ目の束というのは、(1)、(2)というようなものでありまして、まず各種「協議会」等既存の枠組みを活用したネットワークの構築というところと、更に起点となることが想定される機関・団体や連携の範囲に着目した、更なるネットワークの構築というのもをまずやってみようということであります。そういったネットワークの構築を検討した後に、1つは、民間団体で支援を行う者の育成、カリキュラムに盛り込む内容や全国統一基準を確保する方策について。更には、民間団体で支援を行う者の支援活動に係る費用の弁償、災害補償、信頼性の確保等支援活動を助長する仕組みについて検討していこうということ。更に、ネットワークにおけるコーディネーター等の育成についてということについて検討していけばいいのではないかというようなこと。更には、今度はウの部分に入るわけですけれども、コーディネーターの各機関・団体への配置及びコーディネーターの制度化。あるいはワンストップサービス化、あるいは既存の団体とは別の新たな法人格・認定制度の創設といったことについて、これ自体は3ページの「整理表」の上から順に並べていくとこういった順序になるのかなというところでありますけれども。こういった順序のもとで検討していけば本検討会としての密度の濃い論点を絞った議論というのができるのではないかというふうに考えている次第であります。
 では、それぞれの(1)から(8)というのを提案させていただいていますけれども、どういった順序でどういったことを検討していくのかというのが、同じ資料1の一番最後のページになるんですけれども。「今後の検討の順序等について」というふうに見出しがつけられているページがあるかと思います。よろしいでしょうか。
 そこに書かれておりますとおりですが、まず、(1)、(2)、「『協議会』等既存団体の枠組みを活用したネットワークの構築」、あるいは「起点となることが想定される機関・団体や連携の範囲に着目した、更なるネットワークの構築」の関係では、本日またご紹介させていただきますけれども、まずヒアリングを実施してみようというふうなこと。そのヒアリングの結果等を踏まえて、海外の実情について調査してみようということ。あるいは、いろいろな機関の連携が必要であるというようなことは恐らく理念的に明らかになるでしょうけれども、それを実際にどういった連携の状況になっているのかということを調べてみようというようなこと。そういった材料集めをまずして、その上でネットワークの在り方について検討する会合を一、二回というようなことがあるのかなというようなことであります。
 そのネットワークの在り方についての検討の中では、この下に黒ポツが2つありますけれども、現状の把握をして、それを踏まえて連携が十分でない部分について補完をしていくというような方策を考えていくという方向性。もう1つは、情報提供や支援の「起点」となる機関・団体を核として更なる連携の在り方について考えてみようというようなものが1つあるのかなというようなところであります。
 2つ目のものとしては、民間団体で支援を行う者についての検討でありまして、1つは支援者の育成、カリキュラムに盛り込む内容とか、あるいは全国統一基準を確保する方策について、それはネットワークの実効性を高める観点から各支援者に求められる役割というのを想定しながら考えていくというようなこと。更には、そういった支援者に対して支援活動に係る費用の弁償、災害補償、信頼性の確保など、支援活動を助長する仕組みについて検討していくというのが1つ大きな束になるのかなというようなことで、これらについて一、二回程度検討していけばいいのかなというところです。
 3つ目は、コーディネーターというのが1つの束になるかと思いますけれども。そのコーディネーターの専門的チームの育成の配置の在り方の検討とか、更には制度化というものがありますけれども、そういったものについて検討していこうというのが3つ目の大きな束になるかと思います。
 最後、4つ目ですけれども、上3つ以外のものでもいろいろ本検討会において検討していこうという、特に体制づくりという観点から、去年の基本計画検討会においてこの検討会で検討しましょうというふうな結論を得たものとして(7)のワンストップサービス化とか、あるいは(8)の既存団体とは別の新たな法人格・認定制度の創設といったもの。あるいは「整理表」のエとオに記載された施策について進捗を踏まえながら必要な検討を行うというようなことが必要になるのかなというふうに考えています。
 一応これが全体の論点の整理と論点の検討の順番というようなことになるかと思いますけれども。最後ちょっとずっと文章で追ってしまっていたので、少し皆さんの理解に資するかなと思いまして、資料5というものがお手元にあるかと思うんですけれども。これの一番最後のページですね、こちらに本検討会において検討すべき「ネットワーキング」についてというのを少しポンチ絵風にまとめておきました。これは先ほどの資料1のところでこの「検討の順序について」というのを一番最後にくっつけましたけれども、主に(1)、(2)にかかわるところについて少しどういったことを考えているのかというのを絵にしたものということなんですけれども。
 1つ目は、支援の当事者となる機関・団体の範囲の把握ということで、いろいろな施策目的ごとに協議会と言われるもの、あるいはネットワークと言われるもの、要するにいろいろな機関・団体が一緒になって被害者のために取り組んでいきましょうという枠組みは複数存在すると。そのいろいろなネットワークですね、既存のネットワークの連携の範囲がどこまでなのかと、当然ながら目的ごとに違うと思いますし、いろいろな施策目的の中に重複して入っている機関なんていうのもあるでしょうから、そういったものがどこまでの範囲あるのかというのをまず把握してみると。更には、例えばさっきのいのちの電話みたいなものがありましたけれども、既存の協議会とかネットワークに入っていないけれども、窓口といいましょうか、犯罪被害者がアクセスするところと非常に重要な機関・団体というのがあるでしょうと。そういったものがどういったものがあるのかというのを把握した上で、まずどこまでが連携の範囲として想定されるのかなと、そこをまず把握してみるということですね。
 それらを把握した上で、今度はそれぞれの機関・団体がどういった関係、引き継いだり引き継がれたりするという関係を持っているのか、持つべきかというようなことですね、その両方を考えてみると。恐らくその検討会におきましては、まず幾つかの犯罪被害類型みたいなのを特定した上で、それぞれの被害に遭ったときにどういった機関が関わってきてどういったタイミングでどういった支援を行っていくのかというようなことを少し設計図的にこの検討会で議論していただいて、その設計図をもとに、後に紹介いたします連携調査、実際にどういった連携の体制になっているのか、あるいは連携をしているのかというようなことを把握した上で、実際の設計図と実際の連携の状況との比較を行って、更なるネットワーキングというのを考えていくというようなことが必要になってくるのかなというところであります。
 更に、検討順の2つ目、3つ目以降の束にありますとおり、そういった、矢印ですね、フローチャートを書いていく上で、更に矢印の関係を強化するような仕組みとして、1つは機関の内側から支援活動を行う方々が支援を行いやすくするための仕組みを考えていこうとか、あるいはある意味機関、こういったそれぞれの機関の外側からコーディネーティングですね、コーディネーションをするような仕組みの検討を行っていくというようなことが全体像なのかなというふうに考えています。
 少し早口になって恐縮だったんですけれども、論点整理につきましては以上でございます。

○長井座長 ありがとうございました。
 ただいま事務局からご説明があったもののうち、論点の整理につきましては事前に事務局から照会があり、既におおむね構成員のコンセンサスが得られているものと理解しております。検討の順序につきましては、論点整理をもとに改めて提示されたものと理解いたしますが、これでよろしいかどうか、ご意見のある構成員はご発言をお願い申し上げます。
(意見なし)

○長井座長 それでは、特にご意見がないようですので、ただいま事務局からご説明のあった論点整理表、検討順序に従って今後の検討を進めることといたします。
 次に、議事次第3、検討会において実施するヒアリング及び調査を含めた今後のスケジュールについて、事務局からご説明お願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 それでは、配布資料3をごらんいただきたいと思います。1枚紙で、「支援のための連携に関する検討会」の当面の検討予定の案というものを配布してございます。
 資料3は、夏ごろまでの当面のスケジュールを示しております。先ほどの説明で検討事項及び検討の順番について一定の整理ができたものと考えておりますけれども、この夏ごろまでの間は、まずは既存の機関・団体の連携の現状について幾つかの方法により把握をして、それらの情報をもとに更なる連携の在り方についてご議論いただくのがいいのではないかというふうに考えます。
 その情報集めの作業として、第3回から第5回まではヒアリングを重点に行いたいというふうに考えております。第3回は6月30日で、これはご案内のように、ほかの検討会と合同で、諸外国の仕組みについてのヒアリングを予定いたしております。ヒアリング対象になります有識者の方々に対しては、ヒアリングの対象国において、被害者支援の中で通常、被害回復等に関わってくると考えられる機関・団体というものはどういう範囲のものがあるのかとか、あるいは支援に携わるいろいろな機関の人がどういうふうにして他機関に被害者の方が何回も同じ説明を繰り返さないで済むような形で引き継ぎをできるような仕組みができているのかできていないのかといったような点を中心にご見解、情報をいただけるようにお願いをいたしているところであります。それが第3回ですけれども。
 第4回は7月24日ということでお願いしておりますが、これはそこにございます警察庁、法務省、文部科学省、厚生労働省それぞれの構成員の方から連携の枠組みに関する現行の取り組みについてヒアリングを行ってはどうかというふうに考えております。
 それから、第5回が8月7日ですけれども、これは連携を強化する仕組みということで、そこにございますように、いろいろアドヴォカシー制度でありますとか、あるいはコーディネーター、更には支援者の養成等々について有識者の方からヒアリングを行ってはいかがかということであります。
 それから、先ほど担当補佐の方からもありましたように、海外の仕組みについて、第3回でヒアリングはやるわけですけれども、9月の上旬ごろに海外調査を実施してはどうか。そのための質問の内容等について第4回の会合においてご意見賜ればと考えております。更に、我が国内の地域における連携の現状について客観的に把握して、連携の改善強化につなげるために「連携調査」というふうに呼んでおりますけれども、この国内の調査を9月から10月ごろにかけて行ってはどうか。そのためにどういう調査がいいかということについて第5回の検討会で検討をいただければというふうに考えております。
 これらの情報を集めまして、第6回の検討会、9月下旬以降になろうかと思いますけれども、先ほどお示しした順序で各論点について検討を進めていただきたいというふうに考えております。
 なお、このヒアリングの特に有識者のヒアリング等につきまして、具体的な候補者の案あるいは調査の構想の詳細について、担当補佐より説明をさせることとしたいと存じます。
 では、担当補佐、お願いします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官補佐 そうしましたら、まずヒアリングの対象事項と当該事項に詳しいと考えられる候補者について、まず事務局の案をご説明申し上げたいと思います。お手元の資料ですけれども、一応この資料3というものをご参照いただきながら、そちらの方はまず我々の方で説明させていただければと思っております。
 まず、第3回の会合のヒアリングにつきましては、先ほど室長から申し上げましたとおりで、ほかの検討会との合同の開催ということでありまして、既に具体的な国名を申し上げますと、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、この4カ国の実情につきまして、もちろん3つの検討会に関係する事項につきましてそれぞれ有識者の方々に発表を依頼しておりまして、内諾をいただいているというところであります。
 続きまして、第4回の7月24日のヒアリングでありますけれども、現行の取り組みについてのヒアリングということでありまして、当然ながら既存の枠組みというのを活用促進するというのが1つ大きなテーマになってきますので、特に現行の取り組みとして活動を行われている、あるいは連携がしっかりできていると思われるところの枠組みについて、それぞれここに掲げております警察庁さん、法務省さん、文部科学省さん、厚生労働省さんからこの括弧の中に書かれております連携枠組みに関してヒアリングをさせていただければというふうに考えているところであります。
 第5回の会合におきますヒアリングですけれども、こちら有識者からヒアリングをするということを考えておりまして、特に連携を強化する仕組みについてこの検討会においても検討するということでありますので、その中で具体的に挙がっております制度ですね、これは資料2の中にも出てくるような制度の名前なんですけれども、それらについてそれぞれ詳しい方々からご意見を賜ったらどうかというふうなことを考えております。
 もう1つ、関連調査についてということで説明申し上げたいと思います。それは、資料4というものがお手元にあるかと思いますけれども、1枚おめくりいただきますと、「検討会において実施する調査について」という見出しがついてるものであります。この検討会で実施する調査について大きく2つここで掲げておきました。1つ目は、海外調査ということで、6月30日に4カ国の実情についてそれぞれ詳しいと考えられる方々からヒアリングを行いますけれども、そのヒアリングの結果を踏まえて、あるいはここでの構成員の皆様方の間の議論を踏まえまして、9月上旬ごろに海外調査団を派遣してはどうかというようなことで考えております。具体的にどこに行くのか、どんな質問をするのかというのは第4回の7月24日の会合でご議論いただければというふうに思っております。
 この海外調査ですけれども、今、検討のための会が3つ動いております。この検討会のほか、「経済的支援に関する検討会」、もう1つは「民間団体への援助に関する検討会」というものがありますが、こちらの関心事項も併せて聞くような形で考えております。この資料の中では「(検討のための会(3))における関心事項についても」と書いておりますけれども、当然ながら「経済的支援に関する検討会」の関心事項なども聞く余地はあるというようなことであります。
 もう1つは、地域における関係機関・団体の連携の現状調査というふうに下に書いておりますけれども、これも関係機関・団体のネットワーキングを検討する上で、連携の現状について把握して、連携の改善・強化をより効果的・効率的に行うための検討材料とするという目的で、各地域に所在する公的・民間の犯罪被害者等のための支援に携わる機関・団体を対象とした調査を考えています。
 その内容ですけれども、簡単な調査になるかと思うんですが、自分の機関あるいは自分の団体に来る犯罪被害者等について、どの機関・団体からどのような形で照会があるのか、引き継がれてくるのかということ、その一方で自分の機関・団体からどういった形で引き継いでいるのが、どういったところに引き継いでいるのかというところ、そういった矢印の関係を調査するという、事務局の提案としてはそういったごく簡単なものを考えております。その矢印の関係を把握するに当たっては、幾つか典型的な犯罪被害類型というのを想定して、それぞれの方々がどういったところに支援を求めていくのか、あるいはさまざまな情報、材料をもとにそれをシミュレートしていくということ、そういった作業が必要になってくるわけですけれども、まずその議論を第5回の検討会でしていただいて、ある意味設計図ですね、ここでは机の上の議論になりますけれども、においてどういった連携、時間的な観点も含めて、がなされていくのが望ましいのかというのをまず整理した上で。その理想系に対してどういった現状になっているのかというのをその矢印の関係を現状として把握するといった調査を行っていったらどうかということですね。その現状を見ながら改善点を見つけていくというようなことに資するような調査を考えております。
 以上です。

○長井座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局からご説明がございました検討会において実施するヒアリング及び調査を含めた今後のスケジュールにつきまして議論を進めたいと思います。特に今後のスケジュールのうち、調査に関しては国内外の実態を把握した上で議論を進めることが重要と考えますので、事務局ご提案の時期にまたご提案のあったように調査を実施することが望ましいと考えますが、これらの調査の構想を具体化していくに際しましては、ぜひとも構成員の皆様のお考えを反映したものにしていきたいと考えております。
 事務局からのご説明では、それぞれの調査の具体的な設計などについては今後の検討会会合において詰めていくということでございますが、本日の時点で事務局に対してご質問等があればご発言いただきたいと思います。また、ヒアリング事項については、事務局からご説明のありました案でよろしいかどうか。また一方、役所側はそこに掲げられている省庁にお願いしてよいか、ご議論いただきたいと思います。
 どうぞ、ご発言をお願いいたします。

○警察庁犯罪被害者対策室長 警察庁でございます。何点か今の段階でお分かりになる範囲でお教えいただければと思います。1点目は、大変ちょっと現実的な問題でございます。第4回会合で私どもからもヒアリングを行うということでございますが、まだ早いですけれども、準備がございますので、おおむねどれくらいの時間を考えておられるのかということが1点。
 それから、第6回会合で「各種支援の実態について(各省庁構成員によるプレゼンテーション)」というふうに書かれているんですけれども、これと私ども行政からのヒアリングとどういうふうに違うのか。これはどういうことをお考えになっておられるのかということをご教示いただければと思います。
 それから、調査の関係でございます。海外調査でございますけれども、これはこれからどういうふうにやるかお考えになるということなんでしょうけれども、これは実際に調査に赴く方をどういうふうに考えておられるのかという点が1つございます。それから、地域における関係機関・団体の連携調査の方ですけれども、これは公的な機関というのも対象にしておられるようですけれども、これは例えば私ども都道府県警察の警察署みたいなものも対象に考えておられるのか。調査の方法としては、これはいわゆる現地に赴いての調査ということなのか、書面による調査なのか。もし現地に赴いての調査だとするとどなたが行かれるということを想定されているのか。
 ちょっと質問が多くて恐縮ですけれども、お分かりになる範囲で結構でございます。ご教示いただければと思います。

○長井座長 事務局、お願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官補佐 それでは、私の方からご質問ありました点についてご説明させていただきます。
 まず、行政からのヒアリングということで、この時間というのは所要時間ということでよろしいでしょうか。1回の会合2時間というふうに考えておりますので、恐らく質疑応答を含めても20分から25分というのがせいぜいだろうというふうに思っております。当然時間は限られてきますので、事務局の方でどのようなことを発表願いたいかということを少し絞った形で後日ご依頼させていただきたいというふうに考えております。
 次に、第6回のところの各省庁構成員によるプレゼンテーションというところは、確かに第4回の行政からのヒアリングというところとも重なってきてしまいます。どちらかというと第6回のところはこの下の2.の「連携のあるべき姿」というところを中心にやっていきたいと思いますけれども、補足的に何かあるようであればということで考えておりますので。特にここに具体的に何か今考えがあるかと問われれば、今のところ具体的に何かあるわけではないというような状況であります。ここについても必要に応じて、とりあえずこの「連携のあるべき姿について」ということだけ書いておけばいいのではないかということであればそういったご議論もいただればというふうに思います。
 次に、海外調査につきまして、どういったものがいくのかということでありますけれども。現在、体系的に詰めておりますので、第3回、6月30日の海外ヒアリングの後、なるべく早い段階で構成員の皆様方にご提示できればというふうに考えております。
 最後、地域の連携調査をどのように行うのかというふうなことでありまして、これは公的か民間かということがまずご質問の中にありましたけれども。それは実際に設計図をこの議論の中で描いてみて、そこに入ってくる機関について紹介させていただければというふうに思っています。やり方については、調査会社なんかを使うということも一応視野には入れてあります。現場に赴く形、あるいはそれが不可能なところであれば書面というようなことになるかと思っています。事務局の構想としては今そういうものであるというところであります。
 以上です。

○長井座長 ありがとうございました。
 ほかには何かございますでしょうか。
 もしなければ、残りの時間で今後論点とすべき事項につきまして自由討議を行いたいと思います。これまでのご議論によって、本検討会における検討事項等整理された事項に関するものについて、事前に資料の提出等がございましたので、まず、資料を提出された構成員から資料に基づきご発言いただければと思います。
 五十音順で進めさせていただきますが、まず、本村構成員、よろしくお願いいたします。

○本村構成員 私が事前にお出ししました資料は、資料7という番号がつけられているA3横の資料になってございます。今回第2回検討会に当たりまして、事務局様からかなり膨大な資料をいただきましてまとめてくださって、私なりにずっと読んでおりました。私、エンジニアの会社員をしておりまして、どうも文章に疎くてなかなか頭の中で整理ができなかったので、読ませていただいた資料をもとに、あと私が被害者として見ているかなり浅はかな知識の範囲でありますが、絵でわかりやすく自分の頭の中を皆さんにご披露しようと思いまして資料をつくらさせていただきました。ちょっと見にくいところ、字の小さいところとか、「て・に・を・は」若干誤植ございますが、そこはちょっとご勘弁いただいて、私の頭の中をのぞいていただいて、これからの議論をする上での何かたたき台になればなと思ってつくった資料でございます。
 1枚目のA3横の資料が全体像になりますが、全部で4つの絵を書いてございます。左側から従来、現在、そして将来ビジョンという3つの枠組みになりまして、将来ビジョンは(3)、(4)と2つのものを置いておりますが。まず、縷々今まで述べてこられていますけれども、従来何が問題だったかというのを私が犯罪被害に遭った当時の被害者を見たときのネットワークというものを絵にしております。
 まず、区分として、構造というところに木の枝のような図を書いておりますが、一番下に被害者というものがございます。これが私、事件当時ですけれども、当時、私、山口県に住んでおりますが、被害者支援センター等ございませんでした。ですので、すべての情報を自分で収集するというのが常でございました。そのとき何が困ったかというと、裁判所に行っても各行政機関に行こうとも、まず自分が何者かということを説明しなきゃいけない。どうやって説明したかといいますと、新聞を切り抜いて持って行って、僕はこういう者なんですけれどもと言って、大体変な顔されたりします。弁護士の方にも相談に行ったんですけれども、なかなか最初受け入れてもらえずに、私がその事件の当事者であることを聞いてもらうのにかなり苦労したということで。とにかく自分で情報を収集して、ここではこんなことがあるんだと思ってそこに行ってもなかなか被害者当人ということが認められづらいということと。各機関ともそういう被害者の方が来ても、法律ではいろいろな制度があったにもかかわらず、その中身を知らずに適切な支援やご指導いただけなかったことがありました。そういうのが、課題と書いていますが、被害者の負担が非常に大きかったということ。
 2番目に、「被害者が孤立する」と書いておりますが、当然私が例えば裁判所に行っていろいろ聞いてもそんなものだめだと言われたときに、それを相談する相手がいない、もしくはそういった対応をしている各省庁を監督する、または管理するところもないということで、結局被害者自身が自分で問題を抱え込んで個人でクレーム出さなきゃいけないということで孤立してしまう、また相談相手がいないというところが問題でした。
 また、3番目としましても縷々言われていますけれども、各機関との縦割りでございまして、例えば裁判所に行って我々こういう者だというと、じゃあ、それは検察庁に行ってくれと言われる。検察庁に行ったときにその情報が流されてないのでまた一から話してこうこうこうでということで、いわゆるたらい回しですね、そういったことがありました。
 現在におきましては、(2)に移行いたしますけれども、この被害者と各関係省庁の間に今は被害者支援センターなるものがあるというふうに私は理解しております。この間に多くのことが改善されておりまして、例えば法律関係でいいますと犯罪被害者保護法の制定や刑事訴訟法の改正等、また全国犯罪被害者ネットワークも設立されまして、大きく被害者の支援体制は変わっているというふうに考えております。
 ただ、ここでもいろいろと問題ございまして、課題と書いておりますが、ちょっと山上構成員がいらっしゃる前で申しわけないんですが、犯罪被害者支援センターの限定的な支援と書いておりますが。まず、支援センターそのものが残念ながらまだまだ社会的地位や法的地位が不明確であって、被害者もどこまでここのセンターに自分のことを話して信用していいかというのがわからないということがございました。また、支援センター自身も一生懸命活動しようとしますが、NPO法人化しましてもなかなか社会的地位、法的地位がありませんので、資金源の調達が困り、それに枯渇する。むしろお金を集めることに精いっぱいになってなかなか支援ができないという実情があったということだというふうに考えております。また、その知名度がない、法的地位がないということによりまして、各関係機関と、特に警察の方とはことに連携をとられていますが、その他のところとはなかなか連携がとりにくかったというふうに聞いております。
 結局これに関連しまして、支援センターごとに支援の内容が統一されないと。あの県ではかなり支援が進んでいるけれども、この県はまだまだ産声をあげたばかりということで、被害者は一様に同じ支援が得られなかったということがあると思います。
 そういったことがありまして、結局被害者自身がその支援センターをどこまで信頼していいかというのがわからずにいるという問題があったというふうに思っております。課題としては、支援センターというのがせっかくありますから、この支援センターと各機関との連携を強化して、民間支援団体の支援の充実化というものを図って今後信頼性を上げていく必要があるというのが今の課題というふうに考えております。
 また、2番目に書いてますが、「犯罪被害者への介入的支援体制の遅れ」というふうに書いております。ここでは介入という言葉をときどき使っておりますが、介入の定義としては、被害者からの要請を受ける応答と対立するものと区別しております。応答というものは被害者から求めがあったときに応える、介入というものは被害者の要望がなくてもこっちが介入していくという2つのものになっておりまして、それで応答と介入という言葉を使い分けておりますけれども。その介入的な支援の遅れがあるというふうに考えております。
 つまり、支援センターとしても被害者から要望があればそれに何らかの形で対応できますけれども、被害者の居場所がわからないので助けてあげたいと思っても、もしくは電話がかけれない、声をあげれないという被害者が埋もれていても、そこに積極的に介入することができなかった。これはやはり大きな問題だと思っておりまして。つまり、被害者の情報というものが全く共有化されていないというところが今のネットワークの問題だというふうに考えております。
 3番に縷々書いていますけれども、「各機関の連携・ネットワークが構築されていない」と。今でもやはり各機関とも縦割りの情報網でありまして、やはり被害者がたらい回しされる傾向がございます。被害者支援センターがあるといっても被害者支援センターの方と一緒に各省庁に行って説明に行ってるとか、頭を下げて何とか支援をお願いできないかというようなことをやっているということがありまして、まだまだ被害者等の情報の共有化や管理の体制が確立されていなというふうに今は考えております。
 また、絵の中に書いておりますが、被害者支援センターの横に警察庁と書いておりますけれども、今ここは犯罪被害者等給付金支給法の改正等ありましてかなり強く連携がありまして、警察庁の後押しもあり被害者支援センターは連携を強化していますが、私今、あすの会という自助組織におりますけれども、なかなか自助組織というところが支援センターとのネットワークであったり警察庁とのネットワークがあいまいな連携であったりしておりますので、今後の課題となっておりますが、こういった有益な団体をどうネットワークに組み込んでいくかということもこれから考えていかなきゃいけないというふうに考えております。
 将来ビジョンというところに移りますが、これから海外調査、国内調査、いろいろな有識者の方にアドバイスを受けるとしても、まず我々として、実はこういった連携を目指していますという1つのたたき台がなければ何も聞くかもできないというふうに考えておりますので、私自身が今思っているものを(3)、(4)と2つのケースを書かせてもらっております。
 事務局からいただいた資料にはネットワーキングの強化という言葉が出てきますが、具体的にネットワーキングの強化って何だろうということで自分なりに考えております。それがまず(3)でございます。今までの資料は被害者が一番下にいて上へ上へお願いするという形にしておりましたけれども、今はこういったサークルをつくって、その中に多分被害者がいるんだろうと、これが将来目指すべき姿ではないかと思っております。これがまさに事務局様の言われているどこを起点としても同じ支援が受けられるという絵ではないかというふうに思っております。
 例えばこの絵の中で医療機関というところがあります。例えば女性の方で性被害を受けた方。なかなか最初に警察には行けないと思いますけれども、例えば最初に産婦人科医のところに行って検査を受けるとか、精神的なケアを受けに行く。そうしたときにその人が被害者とわかれば、それがすべからく何らかの形でいろいろな機関に情報が伝わって、これは医療機関では無理だけれども、これは弁護士の方にお願いしてほしいとか、これは警察庁に行った方がいいとか、いろいろなことができるネットワークというものがやはり必要ではないかなというふうに思っております。それで、被害者を中心に、一番上は犯罪被害者支援センターですが、それから警察庁、法務省、検察庁等々ぐるっと絵を書いております。
 この中で課題は、まず各府省庁を結んでいますサークルの線でありますが、ネットワークの強化というのはそもそも何をもってネットワークをするのかというのがまず決めなきゃいけないということ。そして、2番目、課題(2)と左下の方に書いてますが、今後被害者支援員であったりコーディネーターというものを置くということになっておりますが、彼らをそのネットワークの中においてどういった位置づけになるのかというところをちゃんと決めなければ、今後の育成制度等もできないと。また、彼らにどういったことを託すのかということも決めなきゃいけないと。
 更に、課題(3)と書いていますが、民間の団体の役割の位置づけはということで、今、警察庁が認定する被害者支援センターというものと法人化できない自助組織とがございまして、彼らにどうやってこの枠組みに入っていただくのかというところを検討しなきゃいけないのかなというふうに考えてございます。
 ちょっと長くなるかもしれませんが、この(3)というもので私が考えているものを述べます。まず、課題(1)、各機関のネットワークの強化の具体的な施策は何かと言われたときに、私自身の被害者としての思いでございますが、基本思想としては、各機関がおのおのの機関が、全機関がどんな支援ができるかということを把握し、かつ被害者の情報が共有できるシステムを構築することでネットワークの強化を行うということだと思っています。それに伴って被害者の支援の迅速化、被害者のたらい回しの抑制、被害者自身による各機関への重複説明などの可能な限り抑制する体制づくりを目指すということがネットワークを強化する上での最大の目的だというふうに私は考えてございます。
 その中の(a)というところですが、各機関の被害者支援内容を明確にし、各機関が他機関の支援内容の情報を共有化するということがまず第一だと思っています。そのためには、今後プレゼンテーションもあるというふうに事務局様の方からスケジュールありましたけれども、まず、各機関がどんな支援ができて、それがどうなったものかということをきちんとした手引書なるものを各機関がつくるべきではないかなというふうに思っております。特に私も犯罪遭った当初、警察庁から警察庁の犯罪被害者支援という冊子をいただきまして、大変役に立ちました。それはやはり警察庁だけの枠組みでありまして、全体の枠組みではございません。ですから、次にその各機関がつくった手引書をもとに、この国全体としてどんな総括的な犯罪被害者支援ができるかという手引書をつくっていただきたいというのが私のまず第一の要望でございます。
 次の(b)といきますけれども、ここはかなり議論が分かれるところですが。犯罪被害者の情報を共有化し、及び介入的支援体制の構築をするということだと思っております。そのためには、ここはかなり難しい課題と思いますけれども、犯罪被害者登録制度等の導入が必要ではないかというふうに考えております。これは何かと言いますと、まず事件が発生した当初、例えばこれは警察の場合を想定しておりますが、まず警察の方がその被害者を認定した場合に、あなたは今後国の支援を受ける意思があるかないかということを確認する。その確認を得た上で、その支援を受諾した被害者に対しては、まず被害者としての情報を電子データ化するなど、登録をしていいかどうかというものを得て、了解が得られればデータベースを構築していく。要は、どこにどんな被害者がいるかということをわかるようなデータベースをつくっておく。
 更に、そういった国による支援を受諾した被害者には、被害者情報をきちんと記載した被害者手帳もしくは証明書カードなどを配布して、この手帳をもらえば、母子手帳みたいなものか知りませんけれども、どこのだれでどんな被害を受けてどんなことが困りそうかというようなことが、警察庁でもらったものを法務省に持って行こうが検察庁に持って行こうが裁判所に持って行こうが医療機関に持って行こうが、大体のことを一々説明せずにもわかるようなものを被害者がほしいと言えばつくってあげて、配布することを僕はやってもらいたいというふうに考えております。実際私が被害に遭ってそれがあれば多分それを欲しかったと思います。
 逆に、電子データの登録というのはかなり情報管理が難しくなりますので、それら承諾しない人に限っても、とにかく被害者であることをきちんと国が認めてあげるような手帳というものをつくってあげることが必要ではないかなというふうに今は考えております。
 では、この犯罪被害者手帳というものがあったとして、それはどこが発行するのかとか、どこまでの範囲の人が発行できるのかというものが今後の課題だというふうに思っております。先ほど言いましたように、最初に警察庁に来られた方はいいですけれども、例えば最初に病院に行った方とかは、それは明らかに犯罪被害とわかっていたとはいえどうすればいいのかというのはありますので、ここは今後の、もしこれが導入できるのであれば議論になるかというふうに思っております。もしくは諸外国等でこういった制度に似たものがあればぜひとも勉強したいなというふうに考えております。
 次に、(2)と書いていますが、その犯罪被害者のデータベースができた前提で犯罪被害者登録制度の活用ということで、各機関においてまずは犯罪被害者手帳等の提示により事件の概略、過去の支援、各機関がどんな支援を受けたかという履歴などを明確にするようなことをしておく。それによってたらい回しにできない。例えばこの人はもう3回も来ているとか、各機関でこれだけ回されているとかそういったことがわかるような履歴をちゃんと残してあげる。そして、各機関はこの被害者が今どれだけ苦労しているかということがわかるようなことができるようなものをつくるということが1つ。
 iiというところに限定された機関において被害者の情報、これは難しいんですが、住居、被害者の状況、想定される必要な支援などを把握しておくようにしておく。例えばあるところでこういった事件が起きました。その情報を把握しておいて、その後1年たっても2年たっても何ら被害者から支援の要請もないし何の動きもないときに、例えば、被害者支援センターが直接電話して、その後何かないですかというのか、封書を送るのか。もしくはそのときにコーディネーターや被害者支援員がいれば、彼らがちょっと連絡をとるのかというふうに、介入的にその後どうなっているかというものを垣間見るようなことができればいいのではないかなというふうに思います。これも当然国からの介入する支援を受けるという意思を表明した者しかデータベースはありませんので、そこについて疎まれることはないかなというふうに思っております。
 いずれにしろ、被害者の情報を何かしらデータであり紙であり残すということはプライバシーに係る問題なので、今後こういった情報の取扱い管理体制をどうするかということはありますが。まさにどこにどの被害者が何に困っているかということをまず各府省庁が共有することがネットワークの強化の第一歩ではないかなというふうに私は考えております。
 課題(2)というふうに移りますが、ちょっと足早で申しわけございませんけれども、時間の都合ありますので、いかせていただきます。被害者支援員もしくはコーディネーターというものにどういった役割で位置づけするのかということがあると思います。私はこれは非常によい提案だと思っていますので、ぜひともものになればと思っています。まず、被害者として被害者支援員もしくはコーディネーターに望むこと(素案)と書いていますが、とにかく各府省庁から独立した方がいいと思っています。また、犯罪被害者の状況を冷静に把握して、この人にはどんな支援をすることがいいのかということを構築、もしくは提案できる人がいいと思います。この人はまず医療機関でこういうのを受けながら法務省でこういう支援を受けるとか、まず住宅を移して新しい住居を持った方がいいとか、いろいろなことをコーディネートできる人が欲しい。更に、そういうコーディネートをした後に、被害者が十分な支援を受けているか、もしくは回復に向かっているかというのを随時確認、フォローできるような人。更に、不適切な支援を実施している機関等がないか監視できる。つまり、監視できるということはどこにも属していないというような方がいいのではないかなというふうに思っております。要はaからcを独自で判断、遂行可能な人材というものが必要で、それをまさに育成するもしくは資格化することがコーディネーター制度の重要な課題ではないかなというふうに考えております。
 そういったことができる被害者支援コーディネーターの位置づけとはどうかと言いますと、2番に移りますが、コーディネーターはやはり規定された研修プログラムを終了して、国が認定した個人とする、ここがポイントだと思っています。更にコーディネーターを独立した個人とする。コーディネーターは各機関から要請依頼を受けたときに初めて被害者支援に参画して、先ほど上の絵の中に入っていろいろな情報を得ることができることにすればどうかなというふうに思っております。
 ただ、この際、各機関から要請と書きましたので、とんでもない人はいないと思いますけれども、コーディネーターの人にもやはりいろいろな人がいますので、例えば情報をもとに悪いことをするとかそういったこともあるので、じゃあ、どこがこの個人のコーディネーターの責任を持つのかということがあいまいになるので、ここは今後の議論かと思っております。
 あと、3番に、被害者支援コーディネーター制度の課題と書いていますが、ここはコーディネーター制度をつくるといった上での今後の課題と思いますので詳細は割愛しますが。私が最大の問題は、3番の中の(d)に書いていますが、有償とするか無償とするかというところだと思っております。これだけ大きな責任を課す方に、例えば今保護司という方がいらっしゃいますが、基本的にボランティアの方でやっておられます。大変いい方もいらっしゃると思いますけれども、言葉は慎まなきゃいけないんですが、無責任な方もいらっしゃいます。それから、保護司さんが請け負った加害者が更にまた再犯する、それを保護司が助長するような場合もございますので、そこに責任感というものを植えつけるためには有償ということも考える必要があるのではないかなというふうに考えております。
 課題(3)に移ります。今私はこのネットワーキングの中で被害者の情報を共有化することが何よりも重要ではないかと述べたんですが、では、そういったときに民間の支援団体というものをどうやってこのネットワーキングの中に取り込んでいくかということを慎重にしなければならないというふうに考えております。
 基本的に1番の支援ネットワークの枠組みに組み込む民間団体の認定と書いてますが、ベースはやはり新犯給法と書いていますが、犯罪被害者給付金支給法の改定されたものに基づく犯罪被害者等早期援助団体をネットワークに組み込む。要は、警察庁が認定したものを基本的には組み込むべきだというふうに考えております。
 bと書いていますが、この新犯給法に基づく規定では法人化されていないものは早期支援団体に指定できません。ですので、法人化されていない支援団体、自助組織についてはネットワークに組み込まないということになってしまいます。ただし、認定された民間支援団体や警察庁がその活動を把握している場合は、被害者に対してこういった民間の自助組織や支援団体がありますよという民間支援団体の情報は教えてもいいのではないかというふうに思っております。ただ、その国が認定していない組織に被害者の情報を流すことはしないと。こういったところがありますよという情報を逆に被害者に提案してあげるということにすべきと思っております。
 というのが大まかな将来ビジョンの(3)というところでございます。
 実はこの(3)と(4)、もう1個右側に書いていますが、ここにちょっと差をつけておりますのは、私が勉強する限り、被害者の支援というのは基本的に1つ核となるものがございまして、基本的には特にドイツかとアメリカはそうですけれども、民間の支援団体がやはり核になっているところが多くございます。では、(4)では民間の支援団体等を中心とした場合にどうなるのかというのを少し私なりに考察をしています。
 基本構造は先ほど(3)と同じですので、この(3)というものに追加していくようなイメージになるというふうに考えております。まず、4番目に移りますけれども。その絵を見ていただくとわかりますが、今(3)では被害者が真ん中にいて同じ緑色の矢印が同じ長さで出ていろいろなところに要望を出していたんですけれども、例えば被害者支援センターというものを核とするならば、被害者とその支援センターは細やかな情報交換と書いていますが、密な連携をとり、その支援センターからいろいろなところに情報を発信するような形になるのかなというふうに思います。当然被害者個人はいろいろなところにいろいろな支援を個人で要請しても構わないと思いますけれども、縷々そういったことを被害者支援センターと情報を共有化していくということ。
 更に右側に被害者支援コーディネーターと書いていますが、これは基本的に、先ほどは各機関から要請されたものがコーディネーターとして被害者の支援に参加すると言いましたけれども、民間団体を核とするならば、基本的には民間団体が依頼したコーディネーターが支援に入ってくるというふになるというふうに考えております。
 下の方の説明にいきますが、課題(1)の各機関のネットワーク強化の具体的な施策はという中で、左側の(3)に追加として項目として、もし民間支援団体を中心とするならば、どの機関を起点としても犯罪被害者の情報は認定された民間支援団体へ情報が提供されるように整備することが必要であると。要は、この民間支援団体に、例えば最初に病院であろうが、最初に警察であろうが、最初に弁護士会であろうが、被害者が支援を受けたいという要望があれば、その情報はすべからく支援センターに情報が行くようにすべきではないかなというふうに考えております。
 課題(2)ということで、被害者支援やコーディネーターの位置づけや役割についてですけれども。ここは基本的に一緒ですけれども、変わるところは2番の被害者支援コーディネーターの位置づけというところで、この中のcになりますけれども。コーディネーターというのは警察庁もしくは新犯給法に基づき認定された民間支援団体の要請で支援に参画できるということで、コーディネーターに独立した個人に被害者支援のコーディネートを要請するところが警察庁もしくは民間支援団体に特定されますので、ここでコーディネーターの身元とか責任元が明確になるのではないかなというふうには考えております。
 それと、下の方にいきまして課題(3)の方に移りますけれども、その中でも被害者支援ネットワークの枠組みへ組み込む民間団体の認定についてというところで、当然ここは先ほどと変わらないんですけれども、この下の方を見ていただきたくて。コーディネーターの位置づけが重要なポイントと書いていますが、これは(3)、(4)に共通することかもしれませんが、ちょっとこれは正直な気持ちを書きます。
 犯罪被害者の中には、大変申しわけございませんけれども、例えば警察庁の捜査などに対し国家賠償等している人もいらっしゃいまして、警察庁に対して不信感、不満を抱く方も多くいらっしゃいます。そういった意味で、警察庁と強く結びついている被害者支援団体等には余り支援を受けたくないという方もいらっしゃいます。また、私たちの会もそうなんですが、住居を明かしたくないという団体がございます。住居など開示することができない支援団体はNPO法人化に認定されません。そのため、警察庁の早期援助支援団体の指定を受けることができませんので、こういった有力な支援団体というのもなかなかこの枠組みに入れないというところになってしまいます。そこで、警察庁や民間支援団体から独立したコーディネーターが重要となると書いております。
 要は、早期援助団体として指定を受けることができない支援団体も個人でコーディネーターの資格をとれば、そして警察庁や被害者支援センターが認められればその支援のネットワークに入っていろいろな支援に参画できるということもできると思いますので、そういった意味でこのコーディネーターとか被害者支援員というものをうまく活用するようなことが今後重要になってくるのではないかなというふうに思っております。
 ちょっと長くなりましたけれども、私は被害者の情報というのをいかに共有化してきちっと守って、またその情報をもとに素早く、おせっかいにならない程度に介入的にうまく支援をして被害者の方の負担を減らせるようなことができていけばなというふうに思っておりまして、一旦事務局にいただいたものをベースに私の頭の中をまとめたまでです。
 もうこれは本当に私の浅はかな知識の範囲ですので、これがもし皆さんのたたき台になれば幸いだと思ってつくった程度で、皆さんの忌憚ないご意見とか、またこれをベースに何か思いつくところがあればいろいろ意見交換ができればなというふうに思っております。
 以上、長くなりましたが、説明を終わります。

○長井座長 どうもありがとうございました。
 それでは、続いて山上構成員にもご発言をお願い申し上げます。

○山上構成員 私は事務局案への意見というのを5月22日付で出しております。これはこれまでの検討会の進め方でそれぞれ問題を少しでも感じたことは率直に意見を表明して、それを議論のベースに資するということを積極的にしてきましたので、その流れでさせていただきました。それほど大きなこととは言えないかもしれませんが、感じたことをそのまま書いたものです。
 1つ目に書きましたのは、少年が学校で事件、事故に巻き込まれたときの学校側の対応で、学校の支援というところでは被害少年に対する配慮とかカウンセリングとかそういうふうに書かれていますけれども、これは連携のテーマに直接関わることではないのかもしれませんが、私が強く感じ、またこれまでの検討会でも指摘してきましたのは、そういう学校での事件、事故のときに被害者の側に情報が隠されてしまうことが少なくありません。例えば生徒による暴力沙汰で被害者が死亡したような場合には、被害者の家族の側に全く情報が閉ざされて、学校内で生き残っている加害者のお世話をということで学校側がその情報を隠す、あるいは教育委員会がそういうふうな対応をされるということで被害者の方は非常に傷ついている方が多いものですから。単に被害少年の支援あるいはカウンセリングとかそういうことだけでなく、学校側がそういう被害に遭った事実をきちんと把握し、それを被害者の方あるいは家族の方にもきちんと伝えられるような姿勢とかそういうことも含めて考えておいていただきたいということで、そのところが欠けていたものですから書いたものです。ただ、これは連携の課題の中心になるものでは全くありませんので、気がついたところをそのまま書いたということです。これは結構でございます。
 それから、第2点は、「整理表」の中で犯罪被害者等の支援を行う民間の団体を中心とした連携の枠組みづくりについてというところで、論点に対する検討方針という事務局の結論的な方向として、民間団体を中心とした連携の枠組みづくりの必要性については今後とも引き続き警察庁の所管する早期援助団体制度の積極的な適用により一層充実した情報提供が行われるよう支援がなされると考えられることから、その状況などを踏まえ、本検討会における全体の枠組みを検討することとしてはどうかという、そういう方向づけがされていたわけであります。
 私がこの文章で感じますのは、民間の援助団体の役割についてでありますから、民間援助団体がこれから現在どうあってこれからどうあるべきなのかが今論議されているところですから、やはり一番もとになるのは民間援助団体の在り方を検討し、それを踏まえながら、またそこは当然警察庁と、早期援助団体とが深く関わっていますので、これもつけ加えていただいていいのですが、やはり民間の援助団体の在り方がどうなるかというところがまだこれから大きく検討されて決定していくところで、こういうふうに方向づけ、枠組みを与えられるとかえって自由度が制限されるような感じがあったものですから書いたものです。
 ただ、この問題を通じて感じたことでありますけれども、この検討会とは別の部会で民間の援助団体に対する財政援助の取り組み方が今検討されているわけですけれども、それぞれの検討が独立していて、そちらでお互いに何が検討されるかわからない、そういう状況でいきますと、やはり本当は民間の援助団体の在り方がはっきりしてくれば、この連携の在り方もはっきりしてくるという部分があるものですから、本当はそれを密に連絡をとるとか、あるいはそこの進み方を見て検討するとかそういう何かがいるんじゃないだろうか。そういう意味で今検討会3つに分かれてそれぞれお互いのところの情報が余り交換がない状況があるわけですけれども、それをぜひ交流できるような、そして全体としてこういういろいろなことを共有して論議が進めるといいなというように感じました。感想でございます。

○長井座長 ありがとうございました。
 それでは、定刻まであと35分ばかり時間がございますが、ご自由にご発言いただければと存じます。

○本村構成員 すみません、1つ警察庁の方にご質問があるんですけれども、よろしいですか。今、犯罪が発生して被害者の方が生まれて被害者の方の情報というのは持たれていると思うんですけれども、そういった情報というのは例えばほかの機関からこういうものが尋ねてきたけれども、その身元を調査したいとか、この事件の被害者の情報を欲しいとかといったときに、警察庁として例えば裁判になっていないものとか起訴されていないものとかいうものについての情報を相互交換することとかそういったことはあるんでしょうか。

○警察庁犯罪被害者対策室長 例えば昨年国土交通省さんが公営住宅への犯罪被害者の方の優先入居という仕組みをつくられて運用されているわけですけれども、これに当たっては、公営住宅の管理者といいますか、運営主体の方から警察の方に問い合わせがあって、もちろんそれは被害者の方の同意を得ていただいてなんですけれども、それに対して必要な範囲で、もちろん捜査への支障等も考慮しながらなんですけれども、必要な範囲で概要をお答えするといいますか、そういった公営住宅に優先入居していただくために必要な要件を判断するに足りる情報ということになるでしょうけれども、それをお答えするということはあり得ます。
 ですから、基本的には何か被害者の方に特化したサービスを提供するところがあって、そこが警察の方に自分たちのところにそういう方が来られたので、この方は本当に犯罪被害に遭ったのかどうかとか、どういう犯罪被害なのかということを照会されるということであれば、それはその機関との間でお話し合いをさせていただいて、今回国土交通省さんとも大分そこは詰めたんですけれども、その上でどういう範囲で私どもがご協力できるか、お答えできるかということを相談させていただくということになろうかと思います。

○本村構成員 今後はそういった意味ではいろいろな各府省庁さんで独自の被害者支援やっていく上で必ず警察庁さんに問い合わせがどんどん来てしまうようなケースもあるということは、かなり大変な作業になられるということですよね。ですから、やはり独自で被害者の、各省庁さんが何かしらそういった手間をとらずに認定するようなものがなければ、早く支援もできないし、警察の方もそういった情報を提供するのに手間取ってしまうというようなことになるということが想定されるという理解でよろしいですか。そういった意味ではないですか。

○警察庁犯罪被害者対策室長 必ずしも、私どもの考えとしては、犯罪被害者の方に何か特化したサービスを提供する行政機関が今後も出てきて、そこがそのサービスを提供するに当たって必要な情報があると。それを私どもの方に照会されてくるということであれば、それは当然可能な範囲で協力しなくちゃいけないというスタンスですので、もちろんそれによって事務負担といいますか事務は増加すると思いますけれども、そこはある程度はやむを得ないのかなとは思っておりますけれども。

○本村構成員 わかりました。ありがとうございました。

○長井座長 まだ今日ここにいらしてご発言いただいない構成員の方々、いかがでしょうか。
 奥村構成員、いかがでしょうか。

○奥村構成員 まだ全体を把握するのにしてまして、個別の、例えば先ほど本村構成員からのご発言がありました点についてもいろいろ課題はたくさんあるなというふうな感じで、これから個別の検討をしていくことになるんでしょうけれども。ちょっと具体的なところはまだございません。すみません。

○長井座長 小西構成員、いかがでしょうか。

○小西構成員 すみません、おくれましたのでここまでの議論を聞いておりませんので、もしかしたら見当外れになってしまうかもしれないんですけれども。一応いただいた資料を自宅で読んできた限りの感想というふうに聞いていただければよろしいんですけれども。今、山上構成員もおっしゃっていましたけれども、なかなか3番目の検討会とのすみ分けが結構難しいなと。ネットワークについてはこちらで扱い、民間団体の財政的支援に関してはあちらで扱うというふうに整理はされているんですが、実際にかなり連動しているのでその辺の情報がうまくいかないと難しいなということが1つと。
 恐らく去年の基本計画検討会の中で被害者の方の要望として出ていたことというのは、要するにコーディネーターというか実際上のいろいろな連携とか実際上の支援ということをいろいろなところに連携とりながらとってくれるような人が必要だ。例えばそれはケースワーカーという言葉で語られたこともあったと思いますし、それから支援員という言葉で語られたこともあったように記憶しているんですが。じゃあ、そういう人をどこに所属してどういうふうに使っていくのかというところは、いろいろな可能性があり得るとちょっと思っていまして。今、本村構成員のご意見さえ私半分ぐらいしか聞いてなかったので、ちょっと個人的に提案は今のところできないんですけれども、そこが一番難しいところだろうなというふうには思っております。

○長井座長 ありがとうございました。
 高井構成員、いかがでしょうか。

○高井構成員 先ほどの本村構成員の説明は非常にわかりやすくて参考になったと思います。特にやはり被害者の方でないとこういう発想はなかなか出てこないかなと思う部分も結構あって、例えばネットワークを考えるときに、最初にボタンを押すのは一体だれなんだと。でき上がったネットワークは基本的に最初に被害者の方がボタンを押さないと動いていかないネットワークではやはりだめなんですね。被害者の方がとても元気がなくて、もうボタンを押す元気もないと。例えば腹が減っても食事をつくる元気もないというような状態からそのネットワークは動いていかなくちゃいけないわけで、被害者がボタンを押さないからそのネットワークは動かないんですよと、ネットワークに動いてほしかったらまず被害者が元気になってボタンを押しなさいよと言ってるようじゃだめなんですよね。最も理想的なネットワークというのは、被害者が気がつかないうちに、気がついたら隣に援助者が立っていたという状態にならないといけないわけですね。
 そういう意味では、本村構成員が言われているように、各省庁に行って、私は被害者なんですよと、こんな目に遭ったんですよと、その都度その都度言って回らないとなかなか相手にしてもらえない。被害者が自分の被害を説明するということは追体験するということですから、同じ被害を3度も4度も5度も味わうということなんですから、そういうことを被害者の方に強いるという制度は、いくら形がネットワークとしてできていてもそれはだめだと思うんですね。被害者が何も言わない、何も言わなくても、例えばここで言われているカードを持って行けばそれで自動的に一度立ち上がったネットワークは自動的に動いていく。被害者が再度被害状況を追体験する必要は全くないというようなネットワークにしなければいけないと思うんですね。
 ですから、そういうネットワークにするためにはどうすればいいか。被害者がボタンを押さなくても動き出すネットワークというのはどういうものなのかということがやはりこの検討会の1つの中心的な課題でなければいけないというふうに思います。

○長井座長 小西構成員、どうぞ。

○小西構成員 もうお時間があればちょっと質問したいことがありまして。ワンストップサービスについての位置づけなんですけれども、検討課題では3つに分かれていて、そのうちの最後のところに書いてあったと思うんですね。これについて内閣府の方で今どういうふうに整理されてどう思っていらっしゃるのかちょっと説明していただければと思います。

○長井座長 事務局、よろしくお願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官補佐 今回論点整理という形でこの資料自体まとめさせていただいております。この論点整理の基本的な考え方は、去年行われた基本計画検討会での議論というのを全部見てみて、その中で、要するに去年基本計画検討会で議論された結果として、この検討会においてどういうふうに扱うべきかというような結論が出ているものについて場合分け、分類をしたんですね。
 その結果として、1つ、そういった一元的に支援を行うような機関の必要性についても検討しますということ、8ページの一番上になるんですけれども。資料2の8ページの(1)というところになるわけですけれども。こういった議論があったということを整理したというのがこの表の性格です。すなわち、全国標準の支援を提供する新たな団体や制度の必要性についてということであれば、そういった既存の関係機関・団体等のほかどのような機能、法人格を持つ団体が必要かということについても本検討会において検討されるものと理解しているというようなことを去年の時点でそういった結論になっていたというふうなことであります。
 それなので、事務局としてはこれをどうするべきかというふうなご質問をされれば、これについてしっかり念頭に置いた上でこの全体ネットワークづくりの議論を各構成員の間で進めていただきたいというふうなことが言えるのかと思っております。事務局として一元的に団体そのものについてどうするべきかということを今申し上げる段階にはないのかなと。むしろそれは各構成員の間のご議論を踏まえて検討していくものかというふうに認識しております。

○小西構成員 それはもちろんそうだと思うのですが、分類に関して、要するにこれまでに議論に乗っていて、かつここでは積極的に議論しなくてはいけないところ、すみません、正確な言葉が私今出てきませんが、そういうものと。それから、とりあえず既存である程度行われているからここでは書くにとどめるものとという形で幾つか分類されておりましたよね。よく読み込めていないのかもしれませんが、ワンストップについてはその3番目に乗っていて、ここで議論という形だけで、そういうこれまでの議論を踏まえてどうかという位置づけが書いてなかったように思うんですけれども。その書いてない理由は何なのかということを伺いたいということです。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官補佐 そこについて説明しますと、論点整理の段階でそこまで全部示すのか、あるいはこの議題になったときに過去の経緯、議論の経緯を紹介していくのかという差なんだというふうに思っています。この論点整理の中では結論として本検討会で扱うかどうか、あるいは基本計画に載っているか載っていないか、つまり客観的な事象だけで整理しているものになっておりまして、その結果この可否について検討するというようなことになっているかと思っています。
 当然ながら、検討の順序というのは実は構成員がいらっしゃる前に議論をしたわけですけれども、そこで検討のセッションになれば、そのときに過去の基本計画検討会における議論はどうだったかという紹介が恐らく必要になってくるんだろうというふうに考えています。

○小西構成員 はい、わかりました。とりあえずはわかりました。ありがとうございました。

○長井座長 はい、ありがとうございました。
 まだご発言でない、省関係の方、どなたかご発言ございますでしょうか。
 総務省はいかがでしょうか。

○総務省自治行政局自治政策課理事官 総務省でございます。このような形で論点を整理していただきまして今後議論をさせていただくということで大変ありがとうございます。よく頭が整理できました。順番につきましても論点につきましても、議論していく過程でもって追加されたり、あるいは前の課題と関連してくるような場合もあろうと思いますので、その点は柔軟にお願いしたいと思います。
 以上です。

○長井座長 ありがとうございます。
 法務省、いかがでしょうか。

○法務省大臣官房司法法制部司法法制課長 法務省の関係では、日本司法支援センター、法テラスと本村構成員の資料にも書いてございましたが、これが4月10日に法人ができたばかりで10月2日開業に向けて今着々と準備を進めている段階でございまして、どのようなことをいつごろからできるようになるかの点につきましてもいずれご説明をさせていただく機会がありますので、そのときに詳しく申し上げようと思っております。
 あと、法務省の関係では、検察庁の関係、それから保護官署の関係等もございますので、私、直接所管していないところにつきましては十分に情報収集した上でいろいろご説明等の対応ができるようにしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○長井座長 ありがとうございました。
 文部科学省、いかがでしょうか。

○文部科学省初等中等教育局児童生徒課長 私どもの方も学校、教育委員会を核としたネットワークということでここに書いてありますけれども。私どももできるだけこういう機会といいますか、犯罪被害者という観点だけでやっているわけではないわけですけれども、子どもの健全育成という観点からこういう学校、教育委員会いろいろな日ごろの活動をやっておりますので、そうした活動を少しでもこういう形に結びつけていくということでいろいろご参考になる点を聞かせていただければ、どういうふうに貢献できるかということを考えたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○長井座長 ありがとうございました。
 厚生労働省、いかがでしょうか。

○厚生労働省政策統括官付参事官付政策企画官 非常に貴重なご意見を聞かせていただいてありがとうございました。現時点で特別のコメントというのはございませんが、今後いろいろ検討していく中で課題も整理されていくでしょうし、その中でいろいろ議論も新たな展開をしていく部分もあるでしょうから、またそういう中で気づいた点を発言させていただければというふうに思います。

○長井座長 ありがとうございました。
 国土交通省、いかがでしょうか。

○国土交通省住宅局住宅政策課長 私ども国土交通省はここに参加している関係省庁さんと若干違う状況になるのかなと思っておりますのは、ほかの省庁さんはそれぞれ被害の支援ネットワークについて多かれ少なれいろいろとそういった相談窓口なんかも含めて対応されていると思うのですが、私どもがやっていることは公営住宅について、受け皿としての住宅の確保について犯罪被害者の方に対する優先入居の取扱いとかといったことをやっております。そして、それはまた県営住宅でありますとか、あるいは市営住宅ということでもってまさに地方自治体の現場がいろいろな住宅を提供する中でそういった方に対する配慮ということをどう実際に仕事の中に組み込んでいくのかということだと思っております。
 その上では、犯罪被害者の方がどういう被害を受けられたのか、どういう点で住居の確保が必要なのかということに関する情報を得るということが大事で、先ほど警察庁さんからもご紹介がありましたけれども、警察庁さんとの間でもって連携させていただきながらそうした情報を得られるような仕組みというのをつくらせていただいた上で、優先入居ができるような仕組みにしているところでございます。
 そういう意味で、現場がまたそれぞれの自治体でございますので、自治体においては住宅部局が犯罪被害者の方に関しては幅広い情報を得るというよりも、むしろこの方に対して配慮が必要なんだというその1点がわかれば現場は動くわけでありますけれども、それ以上に情報の共有化をどこまでする必要があるのかということについては若干なかなか難しい、そこまで要るのかどうかというところがあるのかなと思っております。
 それからまた、住宅部局に来られた方に対して、ほかの支援サービスにこういうものがありますよということを説明するだけの能力も情報もなかなか難しいと思います。恐らくパンフレットなんかがあって問い合わせ先があるような形での情報のご紹介はできるのでしょうけれども、それ以上になかなか犯罪被害者の方に対するメニューにこういうものがありますよということを現場でなかなかどこまで提供できるかというのは難しい部分があるとは思っております。
 ただ、いずれにしましても、ここでいろいろとご議論いただいたことの中でそれが現場で優先入居、住居の確保という点でうまくつながるようにまたしていきたいと思っておりますので、これからもまたいろいろとお話を伺わせていただきたいと思っております。

○長井座長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 先ほど山上構成員と小西構成員の方から「民間団体援助への検討会」との関係についてご発言がございました。事務局としてもこの2つは大変密接に関連を有するものというふうに認識をしておりまして、また議論が詰まってまいりましたら必要に応じて合同会なんかの開催についても検討させていただきたいというふうに考えております。

○長井座長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○奥村構成員 今、私先ほどちょっと申し上げたときに課題が大変重いんだというふうに申し上げたのは、その1つは、今国土交通省さんの方からお話ありました公営住宅優先入居の問題。実は昨年、京都の方でまちづくり条例の関係で被害者問題にもちょっと関わって検討したんですけれども。なかなか社会的原資といいますか、公営住宅の犯罪被害者のためだけのものではないわけで、もともとは自治体レベルで公営住宅というのは社会的に生活の困難者というような人たちが優先的に入るというようなところを被害者の人たちを優先するということについての合理的な説明がなかなかつかないというような話も自治体レベルではされていたんですね。今回こういう基本計画ができて国土交通省の指導といいますか、そういう形でだんだん広がっていくんでしょうけれども、ほかにDV被害者の方のための婦人相談所の活用とかいいましても、なかなか駆け込み寺の中身が貧弱でそういういろいろな社会的な現象を活用するという場合に、かなり今本来の対象者であった人たちのための施設とかそういう制度自体がまだまだ不十分なところがありますので、これを犯罪被害者の人たちの有効な活用ということになっていくと、そちらの本体の方をまずかなりいじらないといけないのではないかなと。そういう意味でもネットワークをつくるということは非常にいいことでありますし、当然必要なことでありますけれども、課題がかなりあるなというのは、自治体レベルでそういう感じをいたしました。

○長井座長 ありがとうございます。
 本村構成員にお尋ねします。他の構成員の方々のご発言を聞かれてうなづいてメモをとっておられたようでしたので、いろいろお考えになるところはあるのかなと思いますが、何かございましたらどうぞ。

○本村構成員 まだ私もまとまりきれないところがあって話している中で、各省庁さんから大変頼もしいお言葉をいただきまして非常にうれしく思っていますし、また私のつたない資料の中でも1つ2つでも皆様の頭の中に残ることがあったみたいでしたので、その点は大変ありがたく思っています。
 あと、今、奥村構成員が言われたように、私も常に思うことなんですけれども、なぜ犯罪被害者だけがと言われたときになかなか難しいことはあると思います。ただ、それぞれ社会的弱者というのは存在すると思いますので、そこは当然それはそれの分野でまたどういうふうに支援するかということを考えなきゃいけないので、今はこの犯罪被害者支援をどうするかということを主眼を置いてやっていければなというふうに思っております。
 それと、今の質問に対してはちょっと蛇足になるんですが、実は私もこういった自分が被害に遭ってここまで仕事もしてきちんとこういった場に席を置くに当たって、実はいろいろな弁護士の方に個人的にご支援をしていただいています。いわゆるここで言えば将来的には本当に被害者支援という相談役とかそういったことになるのかなと思っておりますが。その方ほとんどが実は本当は弁護士資格というちゃんと有償の資格を持っていながら、無償でやっていただいています。今も私の後ろにいろいろ知恵を出してくださる方がいらして、今後このネットワーキングの中に、法テラスの中でやるのか弁護士会かわかりませんけれども、民事訴訟を起こすとかそういったことでなくて、いわゆる法律相談として専門職としてやはり弁護士さんだと思うんですけれども、そういった方たちが民間支援団体で働く方にどう被害弁償するかということございましたけれども、その中にできれば弁護士という法のプロの方に被害者が相談するときにどうその被害弁償するのかということも入れていただきたいなと。
 ちょっと浅はかな勉強ですけれども、ドイツの「白い輪」では支援センターというところが小切手、チケットというものを被害者に渡して、これをもって弁護士さんのところに相談に行きなさいというと、そのチケットを渡すとそのチケットで弁護士さんが自分でお金に換金できるようなシステムがあるということで、財源がどうかということは調べなきゃいけませんけれども。
 そういった意味も込めて、基本的にネットワークの中で各省庁さんは公務員という役柄ですけれども、弁護士さんだけがやはり独立、個人ですので、その方たちの今後支援を仰ぐことになりますけれども、そのときの被害弁償も民間の団体と同じようなレベルですね、この中で考えていければなというふうにちょっと思いました。
 以上です。

○長井座長 ありがとうございました。
 活発なご発言ありがとうございます。いろいろな連想が湧いた方もほかにおられるかもしれませんが、更に何かご発言があればよろしくお願い申し上げます。

○山上構成員 時間があるようですので思うところを少し述べさせてもらいますが。この連携の中で欧米の被害者支援の先進国というのはみんなボランティア、民間団体を中心としたしっかりとしたネットワークをつくっているわけで、民間の援助団体の支援内容のレベルでいいますとやはり日本は相当遅れています。それは今検討している国による財政的な援助が基本的になければまだ欧米レベルにはとてもいけないということがありますけれども。やはり私たちはできればそういうレベルに達したいと思って、そこを目指して全国被害者支援ネットワークに属する民間団体は努力をしているわけです。
 ただ、先ほど本村構成員のご指摘されたように、現状ではとてもそれに耐えられない、被害者のニーズに十分に応えているとはとても言えないようなところがまだまだありますので、それを引き上げるために今努力しているところであります。それができればこの被害者支援の連携のネットワークの中で非常に大きな役割を果たせるはずだと、そう私たち組織を運営している者たちは皆思っておりますので、そういう視点でいるということを理解していただきたいと思います。よろしく。

○長井座長 ありがとうございました。
 ほかには何かございますでしょうか。
 それでは、少し時間は残っておりますが、十分活発にご議論いただいたと存じます。それでは、事務局の方から連絡事項等があればよろしくお願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 次回ですけれども、第3回の6月30日の合同ヒアリングにつきましては、別途正式にご案内が行くかと思いますけれども、午後3時からおおよそ3時間の予定で、この場所で予定をいたしております。また、次々回の第4回の会合、7月24日につきましては、午後1時から2時間の予定で、場所はやはりここで予定をいたしておりますので、どうかクールビズでお越しいただけますようによろしくお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。

○長井座長 本日は活発なご議論にご協力くださいましてありがとうございました。私の側で運営上幾つか不手際ございましたけれども、お詫び申し上げます。
 それでは、これをもちまして、第2回支援のための連携に関する検討会を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。

午後4時46分 閉会


▲ このページの上へ

-

警察庁ホーム > 犯罪被害者等施策 > もっと詳しく知りたい:犯罪被害者等施策推進会議等 > 各検討会の開催状況 > 支援のための連携に関する検討会の開催状況 > 第2回議事録