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犯罪被害者等施策
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支援のための連携に関する検討会(第10回)議事録


日時:平成19年8月27日(月)10:00~11:31
場所:合同庁舎4号館 共用第4特別会議室
出席者:
座長長井 進常磐大学大学院被害者学研究科教授
奥村 正雄同志社大学大学院司法研究科教授
小西 聖子武蔵野大学人間関係学部教授
高井 康行弁護士
本村 洋全国犯罪被害者の会幹事
山上 皓国際医療福祉大学特任教授
荒木 二郎内閣府犯罪被害者等施策推進室長
小田部耕治警察庁犯罪被害者対策室長
代理足達 雅英総務省自治行政局自治政策課理事官
代理茂木 善樹法務省大臣官房司法法制部付
木岡 保雅文部科学省初等中等教育局児童生徒課長
代理城 克文厚生労働省大臣官房付(社会保障担当参事官室併任)
代理梅崎 昌彦国土交通省住宅局住宅政策課長補佐

(議事次第)

1.開会

2.最終取りまとめ(案)について

3.閉会


(配布資料)

資料1  支援のための連携に関する検討会 最終取りまとめ(案)  [PDF形式:323KB]
資料2-1  国民からの意見募集結果の概要  [PDF形式:15KB]
資料2-2  国民からの意見募集結果(中間取りまとめII関係)  [PDF形式:28KB]
資料2-3  国民からの意見募集結果(中間取りまとめIII関係)  [PDF形式:25KB]
資料2-4  国民からの意見一覧  [PDF形式:104KB]
参考資料  第3回基本計画推進専門委員等会議における岡村構成員提出資料  [PDF形式:13KB]


(議事内容)

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 皆さん、おはようございます。まだちょっと高井構成員は遅れておりますけれども、定刻になりましたので、ただいまから「支援のための連携に関する検討会」第10回を開催いたしたいと存じます。
 本日は、皆様方には、大変お暑い中、また早朝からお越しいただきまして、本当にありがとうございます。司会進行につきましては、いつものように長井座長にお願い申し上げます。

○長井座長 おはようございます。よろしくお願い申し上げます。それでは、司会を務めさせていただきます。
 まず、本日の議事について事務局から説明をお願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 本日は中間取りまとめについてパブリック・コメントを実施いたしましたので、そのパブコメの結果、それを受けてこの検討会の最終取りまとめの案を事務局でまとめさせていただきましたので、これについて御議論を賜りたいと考えております。

○長井座長 それでは、これより議事に入ります。
 議事次第の「2.最終取りまとめ(案)について」事務局から説明をお願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 それでは、まず資料2-1をご覧いただけますでしょうか。パブリック・コメントの概要ということで、簡単な紙をまとめております。
 本検討会に関しましては、先般お送りしたメールでは13団体・個人となっていたかもしれませんけれども、ちょっと数え間違いがありまして、14団体・個人から計32件のパブリック・コメントが寄せられたところであります。大変貴重な御意見をいただきまして、ありがたく思っております。
 最終取りまとめに当たりましては、事務局としては、この取りまとめがよりよいものになるように、パブコメの中でできるだけ取り上げられるものは取り上げていこうということで、全部で6~7点ぐらいの改正、改善を考えているところでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
 パブコメは若干要約はしていますけれども、その14の団体・個人から意見そのものについては、一番後ろの方に付いている資料2-4に掲載をしてございます。これが大体生の意見に近いパブコメでございますので、適宜、御参照いただければと思っております。
 これは大変詳し過ぎますので、資料2-2と2-3で、このパブコメの内容とそれに対する事務局としての対応の案につきまして御説明をさせていただきたいと考えます。資料2-2が支援のための体制づくり、資料2-3の方が、いわゆる研修等に関するものと2つに分けさせていただいております。
 それでは、まず資料2-2をご覧いただきたいと存じます。「どの関係機関・団体等を起点としても、必要な情報提供・支援等を途切れなく受けることのできる体制作りに関する意見」ということで、まず資料2-2の1ページ目ですけれども、大きく○で書いていますように、適切な「橋渡し」で必要な支援を受けられるということが重要ではないかというようなことで、5点ほど意見をいただいております。
 窓口あるいは相談フローの作成が必要ですとか、あるいはネットワークづくりを早急に求めるとか、更に医者を紹介されなかったという連携の不備を指摘するもの、マニュアルづくりを望むもの、専門的な専門職の重要性を指摘するもの等々でございます。
 これらの事実関係等については、いずれも本検討会におきまして、まさにそういうことが必要であることから、ネットワークづくりについて検討が行われまして、御指摘の対人援助専門職も含めまして、その重要性あるいはハンドブックの作成等について中間取りまとめをしたところであります。特に、この意見に基づいて新たな修文は必要ではないのではないかと事務局としては考えております。
 2ページ目をお開きいただきたいと思います。
 上の方は、警察主導ではないネットワークが必要ではないかとか、あるいは現在の協議会が形骸化をしているというような御指摘をいただいております。これにつきましては、実は民間団体援助の検討会におきましても、警察だけではない民間団体との取組み、特に地方公共団体が大切だということが指摘をされておりまして、地方公共団体の取組み推進についての施策に言及をしているところであります。
 なお、警察が中心となるのがいいのか、それとも地方公共団体が中心がいいのかというのは、これは地域の実情、取組みの現状が異なるので、一律にこうすべきだというのはやるべきでもないし、実際難しいのではないかと考えております。
 いずれにしても、大事なことは、警察というのは引き続き被害者施策において重要な役割を有するのは当然でありまして、ただ、それに比べて、これまで地方公共団体等の取組みが弱かったという事実はあるわけですから、この連携の密度を上げるための施策を、この検討会においてもいろいろと検討をいただいたところでありまして、そういう警察でないところを主幹にすべきですとか、そこまでは書くべきではないのではないかと考えております。
 また、その下のところは、ハンドブックの作成について幾つか御意見をいただきました。
 1つは、ワーキンググループなどをつくって作成をしたらどうかという御意見。ただ単にハンドブックをつくって備え付けるだけではなくて、やはりきちんとダイジェスト版みたいなものをつくって、頒布できるようにしたらいいではないかという御意見もございました。
 これにつきましては、まずそこにございましたように、作成過程自体が連携促進にもつながりますので、そういうワーキンググループをつくるなどして作成をするということを最終取りまとめの中に盛り込んではどうかということで、この赤字で書いてあるところが、一応中間取りまとめの修文を行ったところでございます。
 ダイジェスト版の作成を始め、広くそういうものを配ったらどうかということで、これにつきましても、リーフレットみたいなものを広く頒布して、そのことによって周知を図るということについて修文をしています。修文の具体的な中身につきましては、後ほど、御説明を申し上げます。
 3ページをお開きいただきたいと思います。犯罪被害者等の視点を取り入れたハンドブックをつくることが必要ではないかということで、被害者や遺族の組織を連携の中に据える視点、あるいは被害者の声に耳を傾けて、被害者の視点から利用者本位のハンドブックにすべきだというような御意見がありました。いずれももっともな御意見であると思いますので、ハンドブックの内容につきまして、そういう被害者の視点からというようなことを盛り込んだらいかがかと考えております。
 また、ポンチ絵を参考3として中間取りまとめに付けておきましたけれども、その中に、いわゆる自助グループ、被害者、遺族の組織についても明示をしてはどうかと考えております。
 その下ですけれども、犯罪等被害申告票(仮称)ですけれども、この作成について2つほど御意見がございました。
 1つは、やはりカードの方がいいのではないかという御意見と、もう一つは、本当に被害者かどうかわからないではないかとか、あるいは自称被害者のときに、情報は共有されるんだろうか、信頼度をもっと高めることが必要ではないかみたいな話がございました。
 これについては、かなり時間を割いて本検討会で中間取りまとめにさせていただいたところでありまして、いろいろとカード化するということについてはなかなか難しいということで、既に議論がなされ、申告票という形で取りまとめたところであります。
 そういう自称被害者の問題というのは、確かに現場ではいろいろあると思うんですけれども、いずれにしても申告票自体が被害の証明をするものではないわけですから、多少の軽減にはなるとは言っても、やはりもう一回それぞれの団体で事情を聞いていただくということになりますので、その辺を1回やってみて、どういうふうになるかというのをやりとりする中で、信頼性を高めていくしかないのではないかということで、修文はなかなか難しいかなと考えております。
 4ページでございますけれども、倫理綱領につきましても、4件ほど御意見がございました。1つは、やはり倫理綱領はものすごく大事だとか、二次被害の軽減のために、作成と遵守をきちんとやるべきだとか、あるいは今の倫理綱領は大変簡単なので、もう少し充実させたらどうかとか、あるいは支援者による二次被害というのがあるので、そういうのを外部評価するような第三者機関をつくってはどうかというようなお話でございました。
 確かに支援に携わる者が二次被害を与えないということは大変大事な話でありますので、それはそのために研修をきちんとやって認定をやろう、あるいは倫理綱領もつくろうではないかということで中間取りまとめで提言をしている。そういう段階であります。
 第三者機関というのも、どういうことを想定されているのか必ずしも明確ではないのですけれども、やはりまずは今やろうとしていることをきちんとやって、どのぐらい支援の充実が図られるか、質の高い支援ができるかということをやっていくことがまず大事ではないかと考えます。
 ただ、倫理綱領の遵守ということについて、若干文言が欠けておりますので、そこにつきましては、御指摘を踏まえて倫理綱領をつくって遵守をしましょうということを書いてはどうかということで修文を考えております。
 ワンストップサービス化について、これはちょっと趣旨がいまいちわからないところがあるんですけれども、ワンストップサービスをやるには、コーディネーターがいないとうまくいかないという御指摘がございました。ワンストップサービスそのものは、今すぐにやるのはなかなか難しいということで、この検討会でも御議論いただいたところでありますけれども、コーディネーターの育成につきましても、きちんとやっていこうということで提言をしておりますので、その辺のところでコーディネーター育成をまず図っていこうということでいいのではないかと思います。
 以上が2-2の説明でございます。
 次に、資料2-3の方をご覧いただきたいと思います。支援活動を行う者の養成、あるいはコーディネーターの育成等に関する意見ということで、まず、研修カリキュラム等に関する意見ということでございます。
 まず、一貫したプログラムが必要であるとか、官民一体となって相談員を養成しないといけないとか、活動マニュアルを作成したり、あるいは公的機関を研修のために設立したらどうかというような御意見がございました。
 民間支援団体の研修につきましては、この検討会におきまして、全国ネットワークにやってもらおうではないか、それについて国等において研修カリキュラムの作成、あるいは研修の支援等をやっていこうではないかということで、中間取りまとめに記載をしているところでありまして、特に修文する必要性はないのではないかと考えております。
 2ページでございますけれども、被害者支援ネットワークと協調したモデル案づくりをやってほしいという御意見。これは実は被害者支援ネットワークの方から出てまいりまして、現在、研修検討委員会において、そういう具体的な議論を内部でなさっているということで、そうした動きと整合性のある取りまとめを行ってほしい、あるいはその浸透のためにいろいろ意見も聞いてほしいというようなお話がございましたので、この御指摘を踏まえまして、支援ネットワークと協力しながら研修カリキュラム・モデル案の作成をやりましょうということで、修文をしたいと考えております。
 実践に重きを置いた研修カリキュラムが大切である。この検討会でもそういう話が、たびたびヒアリング等のときに出ておりましたけれども、パブコメでも、ただ知識だけではなくて実践が大事なんだという話がありました。カリキュラムについても、実践に重きを置いてやってほしいというようなお話がございましたので、特に実践ということを否定しているわけではないんですけれども、余り書いていなかったので、実践に重きを置いた研修の必要性ということで中間取りまとめの案を修文して、最終取りまとめとしてはどうかと考えております。
 次は、これは実はパブコメではなくて、中間取りまとめのときの専門委員会議に報告したときに、岡村専門委員の方から御指摘があったものであります。これは、資料の一番最後のページの参考資料に、岡村構成員が提出された資料ということで、被害者支援者研修指導員の養成ということで、一定の被害者学の教育を学んだ人がボランティア養成講座等の指導員になれるようにしたらどうかという御指摘がございました。
 これも民間団体で支援活動を行う人のレベルを上げるために、質の高い研修を行うということは当然のことでありまして、既に基本計画におきましても、お医者さんとか法律家とか福祉関係者について、きちんと研修をやっていこうということがうたわれております。    ただ、ここにあるように、一定の被害者学を義務づけないと講師になれないみたいなことにすると、かえって現状からすると、なかなか民間団体の講師になれる人がほとんどいないということになりかねません。
 もう一つは、国がそういう形で、まさに全国被害者支援ネットワークさんがやられる研修ということになりますので、そういうところに、こういうところを出ていないとだめだみたいなことは、なかなか指定しづらいのではないかというようなこともございます。
 いずれにしても、質をきちんと高めた人が、別に大学教育だけに限らないと思うんですけれども、既に法律家になっている人、福祉の事務を担当している人、あるいはそういうお医者さんなどについてきちんと今やっている、あるいは今、始めたばかりのところも実はあるんですけれども、しっかりとした被害者関係の研修をより一層強化していくべきではなかろうかということを書くのが、大体ぎりぎりのところかなということでちょっと修文案を考えております。
 その次は、研修の修了、認定制度について厳格な運用が必要ではないかということで、要はこれも似たような話で、余りいい加減な人が指導員あるいは支援員になったりすると、やはり二次被害の可能性があるのではないか、認定制度についてチェックをすべきではないかというような御意見があります。
 当然、その修了、認定についていい加減にやっていると、自分の首を絞めることになるわけですから、被害者支援ネットワークさんにおいてきちんと運用されるということは期待もされるし、当然のことだと思うんですけれども、いずれにしても、その運用についてもきちんとやりますということで修文をしてはどうかと考えております。
 最後に、コーディネーターの育成ということで、コーディネーター、アドバイザーの整備について積極的にやってくれというようなお話がパブコメでございました。
 これについて、コーディネーターの育成で、そういう広い分野の知識を有する人を育成していこうということで、既に中間取りまとめに入っておりますので、特段の修文は必要ないのかなと考えております。
 以上が、パブコメとそれに対する一応の対応の案でございまして、それを受けて、資料1をご覧いただきたいんですけれども、一応、事務局の方でこういうふうに最終取りまとめをしてはどうだろうかという案を資料1でお示しをしております。
 最初の方は大体一緒ですけれども、3ページをご覧いただきまして、赤字のところが修正版ですけれども、まず(1)のところで、ワーキンググループを立ち上げるなどして作成しようではないかとか、あるいは地元の被害者の声に耳を傾けるなどして、視点を取り入れた内容にすべきではないかということを作成、運用に当たっての留意点に加えるということでどうでしょうかということでございます。
 4ページですけれども、そういうハンドブック等の周知について、広くリーフレット等を作成、配布しようではないかということで、(6)に記載を加えさせていただいております。
 5ページの後ろから6ページにかけまして、倫理綱領の話が出ておりますけれども、倫理綱領を作成して、その遵守を徹底することが望ましいということで、遵守の徹底について記載を加えたところでございます。
 8ページにまいりまして、研修カリキュラム・モデル案の作成のところで、ここで被害者ネットワークとの協力のことを書こうということで、我が国においては、被害者支援ネットワークにおいて、カリキュラムやテキスト等について検討が始められています。そこで、被害者支援ネットワークの検討状況を踏まえて、ネットワークと協力しながらモデル案をつくりましょうというようなことで、一応修文をいたしております。
 8ページの下の(2)、(3)ですけれども、(2)の方は、先ほど申しましたように、実践に重きを置いた内容にすべきであるということが1つ。(3)が講師の人選の話、質の確保ということで、講師の人選に当たっては、きちんと見識を持つ適切な者を選ぶよう配意すべきである、その見識を備えるために、大学等においてそういう教育の事実が図られることが望まれることから、心理職・精神科医・法律家等の養成に関する基本計画の取組みをより一層進めていくべきであると修文をしてはどうかと考えております。
 その下のところは、認定制度、研修制度の適切な運用についてということで検討を要請するということで、運用についても適切にやるということを加えさせていただいております。
 もう一つ、本文の方はそれで終わりですけれども、参考資料の参考3という例のポンチ絵が14ページに横になってありますので、ご覧いただきたいと思います。
 途切れない支援体制のスキームの中で、輪っかの左斜め上のところに「自助グループ等」というのを、被害者の方、遺族の方のグループということで入れまして、これについて被害者の方の位置づけ、きちんと連携を取るということをはっきりさせたということであります。
 最初、確かメールでお送りしたときは、上の支え合い、励まし合いというところが、これはグループがやる活動の例示を1つか2つということで、それぞれみんな挙げているんですけれども、最初、悲嘆の共有というような表現を使っていました。それよりはこちらの方がいいかなと思って、支え合い、励まし合いという言葉にしておりますけれども、またこれについてももうちょっといい言葉があれば、是非御議論を賜りたいと思っております。
 以上、7点ぐらい修文の案を考えておりますので、是非また御議論いただきまして、よりよい案にしてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○長井座長 御説明ありがとうございました。
 構成員の皆様から、御意見を頂戴する前に、寄せられた御意見の中で、全国被害者支援ネットワークと協調したモデル案作りが必要との御意見がございましたので、同ネットワーク理事長の山上構成員から、研修検討委員会の検討状況について簡単に御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山上構成員 ネットワークの現状について言いますと、まず、自ら今、体制の整備を急いでいるところで、具体的な目標としては、1つは全加盟団体を早期援助団体として公安委員会によって認定される、そういう指定団体とするということ。
 もう一つは、その支援のレベルに応じた4段階のテキストを作成し、これを研修に生かして支援員の資格認定につないでいくということであります。
 研修委員会の体制を充実させて、今、頻回に会議を開き、テキストとして犯罪被害者支援の基礎テキスト、中級、中級は直接支援に関わる人たちのスタッフ、上級テキストとして、その直接支援に関わる上で更にコーディネーターとして、あるいは指導員として育てていく人たちのための研修テキストと、もう一つ、そのコーディネーターの研修テキストと、4段階に分けて作成を準備しているところであります。
 ネットワークとしては、こういう研修が非常に重要なことで、テキスト作成も重要ですが、それに対して専従の職員が置けないものですから、今まではテキストをつくっても改訂がうまく進んでいなかったわけです。今回は体制を整えて、会議も頻回に開き進めているところです。
 特に基礎編のテキストについては、ある出版社が協力してくださって、基礎編というのは、私たちネットワークに関わる援助、支援に関わる方たちの導入の部分で、講義にすれば、3コマ程度のものであります。基礎編は一般の関連の支援に関わる団体でも利用できるものとすることを目指していたので、ある出版社がそれに協力するということになり、今年度中にそれを作り上げる予定で進めているところでございます。
 以上です。

○長井座長 ありがとうございました。
 ただいまの山上構成員からの御説明も踏まえ、最終取りまとめ案全体につきまして御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
 どうぞ。

○奥村構成員 1点、ちょっとお伺いしたいんですけれども、犯罪被害者支援ハンドブックという名称になっていますけれども、これは「等」がないわけですけれども、それはどういう意味合いでしょうか。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 これは別に意識して「等」を落としたというわけではございませんで、基本法とか基本計画のときにも、やはり「等」を入れるかどうかでかなり御議論をいただいたところですので「等」を付けた方がよろしいということであれば、別に構いませんけれども、ただ、これは仮称でありますし、余り長いといけないかなということで、別に余り意識して落としたということでもないんですけれども、入れた方がよろしいですかね。やはり御遺族の方もいらっしゃいますからね。
 ただ、言うときに、被害者ハンドブックと言った方が早いかなと思ったものですから、そういう趣旨で、特に他意はございませんので、もしほかの構成員の方の御了解を得られれば、別に「等」を入れるのはやぶさかではないところです。

○長井座長 小西構成員、どうぞ。

○小西構成員 今の御意見について1つ質問ですが、このハンドブックの名称というのは、例えば各都道府県によって変わってくるというようなイメージで私は思っていたんですけれども、そうではないんですか。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 御指摘のとおりで、別にハンドブックでなくてもいいわけで、その地方地方で、いろいろ創意工夫をしてやっていただければいいのではないか。そういう意味での仮称でもあるわけでございます。

○小西構成員 位置づけがちょっとあいまいなので、今の奥村委員の御議論が出てきたかなと思います。だから、この名称が、法律上というか行政上の名称としてだったら「等」と当然入った方がいいと思いますけれども、一般の方に出るときにこの名前というのは、そもそも犯罪被害者等基本法とは何ですかと言われるのが、やはり普通の感覚だと思いますので、その辺を分けられるということがはっきりしていれば、奥村構成員の御議論に賛成です。
 ただ、これを読んでいるだけでは、その辺がいま一つはっきりしませんで、この名前で例えばそのまま出されてしまうと、都道府県のものがあるような感じになりますと、基本的には利用者の側を向いていない感じ、お役所が出された感じというのが強いと思いますので、それはちょっと避けた方がよろしいと思います。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 わかりました。例えば、地域によって、まさにそうやってワーキンググループなどを作ってやるときに、名称をどうするかについても、そういう被害者の方の御意見とか聞きながら、例えば被害者支援のしおりがいいとか、被害者等支援がいいとか、あるいはいろんな意見が出ると思うんです。だからそこは別にこちらの方で必ずこうでなければいけないということではないということを明示しながら「等」がなくでもよければないままでもという感じですけれども、いかがですか。

○長井座長 奥村構成員、いかがでしょうか。

○奥村構成員 別にこだわりはいたしませんけれども、要は、今ちょっと御議論ありましたように、この関係者は理解しても、一般の人があるいは被害者の方がすっと入ってくるものでないといけませんので、そこをちゃんと今、小西構成員がおっしゃったようにきちんと分けられておれば問題ないと思います。どちらでも構わないということです。

○長井座長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

○本村構成員 全国犯罪被害者支援ネットワークの研修カリキュラムについて御質問ですけれども、今、山上様の方からテキストの製作過程であるという御説明を受けたんですけれども、今そのテキスト等の検討をされているのは、支援ネットワークの方だけでやられているんですか。それともほかの大学の関係者の方とか、ほかの専門の方とかも含まれてやられているんでしょうか。

○山上構成員 これは、ネットワーク内部の研修資料で、それを外部の方にも使えるようにということです。その製作、編集に関わる者、あるいは著作に関わる者は、ネットワークに関わる、それは大学にいる者もたくさんおりますけれど、そういう支援活動に直接関わっている人たちに限られております。
 先ほどの報告で感じたことでありますけれども、民間団体というのはネットワークに限ることではありませんので、テキスト全体を論ずるときには、ネットワークの内容と完全に一致する必要は全くないのだと思います。ただし、矛盾するところがあるのは問題があると思います。それぞれの在り方でいいと思いますけれども、ネットワークとしては、やはりまず自分の内部で最も適切と思われるものをつくることを心がけているところであります。

○本村構成員 ということは、いったん、全国被害者支援ネットワークの方で、研修カリキュラムをつくられて、それと協調して国から提示をするというのは、それをまた持ち帰って、内閣府やそういった専門の機関で議論をして、この国全体としての支援の研修のカリキュラムをまた別をつくるということの理解でよろしいのですか。

○長井座長 事務局、いかがでしょうか。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 これは、ネットワークの方とも実はお話をしまして、テキストがまだ基本法以前のテキストなんです。ですから、それは早急に改定したいということでしたので、それはもうやっていただいて、ただ例えば、研修カリキュラムで、この時間を何コマとか、この時間を何コマとか、中級はどうだ、上級はどうだ。そこは、実は来年度の予算要求で、研修カリキュラムのモデル案をつくる予算を要求しておりまして、それは広くいろんな人の意見、あるいは海外、この間、海外出張も行きましたけれども、その研修のカリキュラムの関係は特に詳しく聞いているわけではありませんので、その辺も含めて、やはり特にコマ数とか機関とか段階とかという話になってくると、多分予算と深く関わってきますので、そのネットワークだけではなかなかできないというところもあります。
 だから、まずテキストを多分変えておられて、それはそれで早急にやってもらうのはいいことだけれども、具体的に何コマとかいうので、それがずっと未来永劫こうなるよというのは、それはちょっと違うのではないですかとお話をさせていただいて、いずれにしても、テキストの案とか、あるいはネットワークさんの考えておられるこういうことが是非やりたいとかそういう意見も参考にしながら、モデル案を作成していこう、国としてそういうモデル案を作成して、それをまたお示ししていこうということで、一応、協力しながらというのはそういう意味で考えておりますので、よろしくお願いします。

○本村構成員 それで1つの研修のカリキュラムができたとして、次は認定制度のことについて質問ですけれども、これは今、認定をする機関というのは、支援ネットワークさんをイメージされているということでよろしいんでしょうか。

○長井座長 これはどちらがお答えになりますでしょうか。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 それは、この取りまとめにあるとおりで、ネットワークさんにおいて認定をやると書いてありますので、要請をするので、ネットワークさんがお受けされるかどうかというのはあります。

○本村構成員 今後、支援に携わる人というのは、その初級レベルから4段階あるということですけれども、その認定証を持っている方が支援に携わることができるというようなものなのか、それとも、実際に被害者の方に私はこの認定をしましたという安心をしていただくためのものであって、その過程でも、認定を受けていない方でも経験がある方とか支援に携わることはできるという理解でよろしいでしょうか。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 その4段階とかそういうのも、仮に例えばという話で書いているだけであって、まさにそこをまず議論して、そういう研修あるいは認定を適切にやれるようにして、おっしゃったように、では持っていないとできないのかどうかということも、それを持っていないと絶対できないとなるとしばらく停止しなければいけないようになりますので、それも変なので、ちょっと経過規定をつくるとかそういうこともあり得ます。
 いずれにしても、とにかく質を上げて、被害者の方に二次被害を与えずに、かつ民間団体としての支援がより強力に行えるようになるように、そういう意味では、ちょっとこれからのスキームのつくり方次第というところはありますけれども、いずれは、原則的には資格を持っている、信頼を置ける人に支援をやってもらおうとかという目標があるわけですから、そこに向けてやっていきたい。こういう感じでございます。

○本村構成員 わかりました。ありがとうございました。

○長井座長 小西構成員、どうぞ。

○小西構成員 すみません。今のことで続けてちょっと聞きたいんですが、その4段階のレベルとか、そのスキルアップを目指すということは、基本的に早期支援に向けての方向性でのレベルアップと考えていらっしゃるんでしょうか。
 1つは、山上先生のところでどう思っていらっしゃるかというのは勿論ありますけれども、もう一つは、やはり国としてどう思っていらっしゃるかが聞きたいと思います。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 早期支援という言葉自体が給付法の中で使われているだけでの話ですので、私どもは必ずしも早期支援に限ってということは考えておりません。勿論、早期支援が大変重要な部分を占めるということはありますが、その他の部分についても、今もう実はあるわけですね。普通の相談員の人と直接支援できる人と両方たしか資格が分けられていると思うんですけれども、その辺との整合性も考えつつ、決して早期支援以後というか中長期の支援に携わる人とか、そういうのも当然あり得ますので、その辺のことも別に排除して考えているわけではございません。

○小西構成員 むしろ、その早期支援に関わることであれば一定のレベルをつくり、かつ国が、要するに多分早期支援というのはかなり特殊なことですね。警察と連携がなくてはできないことですから、これについては被害者支援ネットワークが専らなさる。しかもそちらの方向に行く。これはそれでよろしいのではないかと私は思います。
 むしろ、そういうタイプではない支援もたくさんあるわけですから、いろいろな支援に関して、勿論、こういうもので業務独占があるわけではありませんけれども、余りその方向が国の方として一方に固まってしまうことというのは望ましくないのではないかと考えます。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 被害者支援ネットワークさんの参加団体も別に早期支援だけをやっているわけではございませんし、おっしゃるように、被害者支援ネットワークというか、いわゆる早期支援以外のところが重要だというのは認識していますので、その辺を、だから研修のカリキュラムとか、モデル案作りとか、そういうときにいろいろまた御意見を伺いながら、おっしゃるように特殊な面が早期支援はありますし、中長期支援は中長期支援でまた違う面もあるでしょうから、その辺でまたカリキュラムを分けるのか分けないのかとか、段階をどうするのかとかいろいろお考えがあろうと思いますから、その辺を踏まえていろいろモデル案の作成に取り組んでいきたいと思っています。

○小西構成員 ただ、これまで、例えば民間団体支援のところで決まったことなども含めまして、被害者支援ネットワークは、今、山上先生が言われたように、全体が早期支援ができる団体を目指されるということは、もうほとんどはっきりしているわけですね。
 私は、実際に支援しているボランティアの方たちを、ある意味では実際に知っていますので、余り行政の方が職員の方を研修するみたいにお考えになるとやはり違うのではないかと思います。例えば、月に2回来られるボランティアの方というのは、やはり大切な支援ですけれども、そういう方が研修が充実したからといって、全員のレベルが上がっていくわけではありませんね。
 民間団体でおやりになるのは、すごく苦労してやっていらしていいものをと思っていらっしゃるのは非常によくわかるので、支援が入ってくることはとてもいいことだと思っていますけれども、例えば、児童虐待における事象の在り方とか、DVにおける配偶者暴力相談支援センターや、国のいろんな相談機関の在り方の研修のアップの方法とは、やはりかなり違っている側面が多いと思うんです。
 恐らく、ボランティアの方のレベルのばらつきというのは常にあって、それはもうどうやっても解消されることがないのが、こういう支援の仕方の宿命と思った方がいいのではないかと思うんですね。そうすると、勿論、同じものを重ねてつくる必要はありませんから、一緒に協調されることはすごく大事なことだと思います。
 特に私は、そういう早期支援などに関しては、是非協調してやっていただきたいと思うんですけれども、余りはっきりそういうことを限定せずに、国が協調してやると書くことは、少し支援の方向が見えない段階で、具体的にどうなっていくかが見えない段階で、実際にその文言を見たときにいろんな方向を閉ざすようにも見える。その点では、もし協調とこういうふうに書くのであれば、そのほかのやり方もあり得る。第三者機関がほしいと書いている人、二次被害があるという人も実際かなりあるわけですね。こういうものをどういうふうに拾っていくかということも何かもう一つ入れておいていただきたい。やはり両側面について補強するなら補強した方がいいのではないかと思います。長くなってしまってすみません。

○長井座長 御意見ありがとうございます。小西先生の方で具体的にどの部分をどのようにという文言を何か御用意されているようなものはございますか。

○小西構成員 今、具体的には用意していませんが、もしこういうふうに入るのであれば、例えば、犯罪被害者支援全体に関して、何らかの二次被害とか改善に関して、いつもオープンになっているチャンネルを何か持つとか、そういうことをこの基本計画に書くとか、現実的に第三者機関をつくるというのは、もう絶対これは無理な話だと思いますので、そういうことも両輪として明記しておいた方が、いつも違うチャンネルからのお話も入ってくるのではないかと思います。
 もし何か書いた方がいいのならば書きますが、ちょっと今は難しいです。

○長井座長 ありがとうございました。この点につきまして、ほかの構成員からの御意見等はございますでしょうか。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 ちょっとよろしいですか。今の二次被害云々というのと、最初先生が言われたのとは何かちょっと違う問題のような気がするんです。二次被害をどうやるかというのは先ほどちょっとおっしゃったように、第三者団体はどうか等と、むしろこういうことを検討することになるのではないかと思うんです。
 現に、今でも、内閣府でもホームページはいつでもオープンでそういう苦情とかそういうのをどんどん受け付けていますから、そういう意味では、余り必要性はないとは思うんですけれども、ただ、苦情相談を受け付けるとかの前に、やはりどうやってこの研修をやっていくかとか、どうやってモデル案をつくっていくかということで、私の理解は、全国被害者支援ネットワークというのは早期援助団体もやっているけれども、それ以外のもの、DVとか、言われた児童虐待とかを排除しているわけでは全然ないわけですから、当然、早期援助のところが中心になるとは思いますけれども、それも含めて、当然DV、児童虐待等も含めて、その辺の研修のカリキュラムというものを作っていくということで、その被害者ネットワークの検討状況を踏まえて協力するということは別に否定なさらないわけでしょうから、それ以上に、何かもうちょっと被害者支援ネットワークだけではないということは別に書かなくても、当然民間の団体で支援活動を行う者に対する研修への活用を促すと書いているわけですから、特に意見に差異があるようには思えないんです。二次被害云々というのはまたちょっと別の話かなという感じはします。

○小西構成員 そうですね。すみません。それはわかりました。先ほど、これを見ながら、協調ということが入ってくるならば、何かバランスを現実的に取るならこの中でなんだろうと思って考えていたので、ちょっと論理的ではない言い方になってしまいましたが、それはおっしゃるとおりです。
 私の危惧は、要するにその協調ということが方向性を示さずにここで述べられているのに、被害者支援ネットワークの方では、ある一定の方向性があるのであれば、国としてはもう少し違う在り方で、勿論、協調された中身は使われるとしてもやられるべきで、書いてあるとおっしゃいましたけれども、新しいことを入れたからには、そちらも1つ強調するべきではないかと、まとめさせていただきます。
 二次被害の点については、これはもう被害者支援ネットワークだけではなくて、ほとんどの支援の場でこういうことはたくさん起こっているわけですけれども、やはり吸い上げないと、中のどこかにありましたとおり、やっている者の自己満足ではと、これは自分たちも含めて本当にそうですが、そこのところも書いてあるとおっしゃるけれども、両方入れるのであれば、何か少し明記していくということがあった方がいいのではないかとそちらも意見を変更します。

○長井座長 事務局も何か御意見ありますか。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 最初のところのネットワークとの協力だけが余りにも強調されるというのであれば、ネットワークなどと、要するに内閣府がいろんな各省の協力を得て検討状況を踏まえて協力して作ると言っているわけですから、そこにネットワーク「等」とかを入れて、ネットワークだけではないというのと民間団体の協力も得てとか、そういうふうにするのは全然やぶさかではないです。そういうことでよければ、そういうふうに修文をさせていただきたいと思います。
 二次被害を受ける専門の機関というのはどうかなと、民間団体の行っている支援について、行政機関であれば、苦情などの相談機関は山ほどあるわけですけれども、そこをまずどこに書くのがいいのかというのと、どういう表現ぶりで入れたらいいのかというのが実は余り考えられないなのと、今の時点で、もっと言えば、別にそういう苦情被害を吸い上げるのが必要だと言ったところで、それを書いたからといって被害がなくなるわけでもない、二次被害をとにかく与えないようにするというのが大事だという大前提でこの全体のネットワーク作り、研修カリキュラム作りを示しているわけですから、そこは二次被害を与えてはいけないよということをきちんと倫理綱領などのところでも書いてあるわけですから、そこら辺で強調すればいいことではないか。もしもっと強調したいとおっしゃるのであれば、ですね。
 ただ余り、支援団体に今から仲良くやっていこうよというときに、現実にそういう被害があり、それに対してきちんとレベルを上げる必要があるというのは御指摘のとおりだと思うんですけれども、今から始めようというときに、余りこういう団体が多いとかというのを書くのも何か変なので、どこかその辺で二次被害を与えないことが大事であると、一番最初の前提のところでは結構書いてはあるんですけれども、その辺をもう少し強調するか、その辺で何かいい案があれば、取り入れるのは全然やぶさかではないです。
 1ページ目の初めのところでも、二次被害を与えることになりかねないとか、かなり強調して書いたつもりではあるんですけれども、まさにこの検討会そのものがそういう二次被害を与えないための、より二次被害を与えないでもっともっと支援していこうというための検討会ですから、余り書かなくてもいいのかなという気がしたんで、一応修文なしということにしているんですけれども、どこかもう少しいい書き方で、しかも支援団体の士気も上がるようなものがあればいいんですけれども、現時点で余り要らないような気もします。ただ、そういう御懸念があるのはよくわかっています。

○小西構成員 わかりました。前者の、協調してやっていくのについては「等」で結構です。後者については、要するにバランスの問題で、しかも余り中身を変えてはいけないし、最初はちょっと私、支援ネットワークでそういうのを積極的に受け付けるとかというのを入れてもらったらと思ったけれども、それはちょっと現実的に考えて、民間でボランティアでやられる方にそこまで言うのは無理だろうと心の中で思ってしまって、それで懸念だけを言うということになってしまったんですけれども、わかりました。今のところ、自分でうまく積極的なことができないので、今ので了解いたします。

○長井座長 ありがとうございました。
 山上構成員、どうぞ。

○山上構成員 今の問題についてですけれども、これは倫理綱領のところでは、その倫理に反するようなことで被害者に二次被害を及ぼすようなところについては、きちっとそれが把握されたときには援助者の資格を剥奪するとか、そういうものも含まれているものでありますから、だから倫理綱領のところでそういう被害者の方の相談を受けた結果についての評価とかを受け付けて、それをフィードバックできるような何かそのことを一言入れていただけると、それで倫理綱領を厳しく遵守するということではなくて、それを破った場合にはそういった措置も若干含めるような形で一言触れられるといいかなとちょっと思ったわけです。
 私は、全国被害者ネットワークと協力してというのは、やはり私も先ほども言いましたけれども、民間団体というのはネットワークだけではありません。そういうことも幅広く含めるので、むしろ「等」というのを入れていただいて、いろんなニーズの違いがありますから、そういうことも含められるような形にしておいた方がいいのではないかと思います。

○長井座長 事務局、いかがでしょうか。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 倫理綱領のところは、5ページの真ん中の外国の話のところで、資格認定制度を導入しということで、この資格認定が剥奪されるというのは当然、前提として書いているんですけれども、倫理綱領というのは、多岐にわたっていますから、倫理綱領の遵守の徹底がもう少し弱ければ、もう少し強くしてもいいですけれども、その遵守を徹底し、守らない者について厳しく何とかですね。その程度のことでよろしいですか。もしそれでよければ、若干その辺のところを強調して、修文するということで、また後ほどメールででも御了解を賜ればと思いますけれども、小西先生いかがですか。そのようなことでよろしいですか。

○小西構成員 山上先生がおっしゃったのは、その倫理綱領に何か遵守違反みたいなことも多少述べるということですか。それは大丈夫ですか。

○山上構成員 それは通常入っておりまして、被害者に対してむしろ個人の情報を外に出したりとか、いろんな被害者に不利になること、あるいは被害者を傷つけるようなことがあれば、それをフィードバックして、資格を剥奪するとかそういうのはむしろ倫理綱領の中に普通に入っていることでございます。

○小西構成員 では、結構です。

○長井座長 御意見いろいろとありがとうございました。ほかにはいかがでしょう。
 どうぞ、奥村構成員。

○奥村構成員 先ほど、パブリック・コメントで、この第三者機関や何かのチェック体制みたいなものが必要ではないかという御意見があったかと思うんですが、これはこの中には、中間取りまとめ案にはないような感じがするんです。
 昨年、イギリスの内務省に行きましたときに、Victim Supportの活動がきちんと行われているかどうかを、従来はお金を出しているだけだったんですけれども、それをチェックする必要があるというふうに、実効性がちゃんとあるのか、担保されているのかということで見ていくとおっしゃっていましたが、これは第3検討会の方との絡みがあって、イギリスの場合はお金を出しているからということもあるんですが、それは置いておきまして別としましても、やはりきちんと適正な支援が行われているのかというのを検証する必要があると思うんですが、その当たりについての文言を何か入れる必要はないのでしょうか。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 おっしゃるように、そういう二次被害対応をどうするかということで、そういうパブコメもありましたので、かなり検討したんですけれども、1つは今おっしゃったように、やはり国でできることは、お金を出しているからできるのであって、民間団体援助検討会の中に、援助対象事業について被害者等の視点に立った適切な評価が行われることが重要であるというのを、実は最終とりまとめのところに入れることにしておりまして、むしろそちらの方で、きちんと評価、チェックをできる。それ以外で、この連携のネットワークをつくるというところで、支援団体は何するかわからないからとか、それはちょっと適切ではないのではないか。むしろそちらの方で適切に記載をすれば、また勿論、予算を通じてもできますし、先ほど申し上げたように、内閣府のホームページでも、いつでもオープンで被害者の方、お困りの方であれば、何でも受け付けるようになっていますから、その辺の広報も徹底しながらやっていけば、そう問題はないのではないかなと思っていますけれども、そのようなことでよろしいですか。

○奥村構成員 それと、若干関連するんですが、あるいはもっと前の会議で申し上げるべきだったのかもしれませんが、あるいはまたこの第2検討会になじまないのかもしれません。むしろ第3検討会なのかもしれませんが、この取りまとめ案の10ページの民間団体の支援活動を助長する仕組みについての中の第3段落目に、支援活動に係る費用の弁償や災害補償という一文がありますので、それにちょっと関連して御質問したいんですが、こういう民間ボランティアの人たちが、支援活動に伴っていろんな費用が発生したり、災害に遭ったりということの補償を手当するというようなことの御趣旨だと思うんですが、先ほどから二次被害の問題が出ていますけれども、二次被害はちょっと置いたとしても、善意に基づく支援ではあったんですけれども、その支援活動が不備なために、かえって被害者の権利が侵害されたというような場合に、イギリスのVictim Supportでは今、問題が出ているということがあって、それを訴えられるケースが出てくることがしばしばあるというようなことを聞いております。
 通常の行政機関などの場合は、法律でも国賠の対象にならないとして、不服申立はできますけれども、それによって被った損害については国賠の対象にならないということにしているんですけれども、民間団体ですのでそれはちょっと対象外になってくる。例えば、訴えられた場合にどうするかというようなことがある。そのようなこともここに含めて見ていいのかというようなことをちょっとお伺いしたいと思いますが、ちょっと今まで、日本で余りまだその点は議論されていないところがあると思うんですが、いかがでしょう。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 確かに、今おっしゃったようなことについては、今まで念頭に置いていないものですから、多分通常の民事の損害賠償という話になると思うんですね。ですから、その分までこの援助検討会で実際に直接支援したときに要する経費、あるいは例えばボランティア保険代とか、ああいうものは多分面倒見れる感じにはなっていると思うんですけれども、特に不法行為による損害賠償までは、なかなか援助の対象には法制上はしにくいのかなと思います。まさにそういうことがないためにも、今、予防手段としてこういった認定制度をつくっているという感じではあるんです。

○奥村構成員 申し訳ございません。私もまだ検討はしていないんですが、Victim Supportの人に聞きますと、そういうもののために保険制度がある。あちらは特に余り専門家を入れると、保険金が高くなるのでなかなか入れにくい。専門家というのは臨床心理士とか、あるいは精神科医とかそういった人たちを入れるとかなり高くなる。だから、民間の一般の人を入れているんだとか、それが1つの理由だとか言っておられました。ちょっと御参考です。

○長井座長 ありがとうございました。この件に関しまして何か追加はありますか。どうぞ。

○本村構成員 今、いろいろ御議論を聞いていたんですけれども、二次被害の問題とちょっと訴えられるのではないかとお話が出たと思うんですけれども、小西先生も言われたんですけれども、ある程度善意のボランティアでやってもらうことが大半を占めることなので、ある程度は仕方はないというのは本音としてはいいと思うんですけれども、やはり支援をしますといった以上は、ボランティアであれ有償であれ、責任は発生するものだと私は思います。被害者としても、わらをもつかむ思いで相談に行って、その期待を裏切られるというのはその衝撃が大きいと思うので、やはりある一定のカリキュラムや研修制度を設けて底上げするということは大事だと思います。
 資料2-2の3ページ目の頭のパブリック・コメントの中で、犯罪被害者の視点を取り入れることが重要ですということがパブコメから寄せられて、被害者遺族の自助組織、耳を傾けることが大事であるということを受けられて、参考資料3にネットワーキングの中に自助組織を入れましたというお話がありましたけれども、これは大変いいことだと思います。
 この自助組織をネットワークに入れた以上、何の役割をするのか。当然、その被害者同士で支え合って情報交換するのもあると思うんですけれども、今、言われたように、例えば、どこどこの支援機関でこんなことがあったとか、ここに相談に行ってこういう被害があったとか、そういう情報の吸い上げというところがこのネットワークに自助組織を入れる以上は、第三者機関まではいきませんけれども、役割を示すのではないかなと思うんですね。この自助組織と民間支援団体とがこの青い太いラインで結ばれていますので、例えば、定期的にここに名を連ねる自助組織とその支援団体とは情報連絡をして二次被害があるかないかとか、そういったことを情報交換するとかということもここに盛り込めばいいのではないかと、私は聞いていて、ジャストアイデアですけれども思いました。
 以上です。

○長井座長 ありがとうございます。事務局いかがですか。何か御発言はありますか。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 実は、民間支援団体援助の検討会では、自助グループに対する財政援助は、直接はなかなか難しいということで、民間の支援団体を通じて、兵庫県などでやっているんですけれども、そういう支援をしようではないかとこういうことで一応中間取りまとめを行っております。今、言われたように、そういうことでつながりが深くなれば、おっしゃるように被害者の方からの声も支援団体に届けやすくなるので非常にいいことだと思います。今、先生が言われたことはどこに入れればいいですか。本文の中がいいですか。

○本村構成員 私は参考3の図の中に。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 情報交換のところぐらいですか。

○本村構成員 あまり二次被害を前面に出す必要はないと思いますので、その自助組織というグループが、ネットワークの中に入るのであれば何をするのかといえば、そういった実際に支援を受けた者として、感想とか情報とか、そういう改善提案をできる意見を提示できるものになればいいなと思いますので、この情報交換。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 情報交換をもう少し詳しく。

○本村構成員 支援を受けた結果の報告とか、何かそういう位置づけを与えればいいのではないか。ただ、ここに入る自助組織がどんなグループで、どのぐらい人がいてというのがちょっとわからないので言えないのですけれども、そういったことを期待していますということにすれば、明文化する必要はないと私は思っております。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 被害や支援等に関する情報交換とでもすればよろしいですか。そのようなものだったら、大体わかりますね。自分の被害のことも情報交換するし、支援等に関しても、当然情報交換というのは全部入っているんですけれども、そこをわかりやすくしますか。そんなことでよければ、被害支援等に関する情報交換とすれば、何となくイメージができます。もしよろしければそのようにさせていただきます。

○長井座長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。
 どうぞ。

○小西構成員 これは、今、本村委員が言われたことですけれども、私が言いたいのは、ボランティア組織だから無責任でいいということは勿論なくて、それはむしろ国にわかってもらいたいということです。要するに、ある意味では安上がりなわけです。そういうところでボランティアの力を借りてやるということでできることに、今回出している基本計画検討会から始まる全体の流れの中で、あたかも全部が網羅されているような、あるいは完璧に何かができるような形で書いてほしくないということを私は言いたいので、そこは御理解ください。
 それは、今の世の中でDV法に関しても、例えば、相談員が非常勤でしか入っていないということが、やはり非常にレベルの問題には影響があると私は思っているわけです。そういう意味で、システムをどうつくるかによって、当然できる支援は変わってくるし、その現実は見なくてはいけないので、ここの段階でそんな否定的なことを入れるべきではないということは大変よくわかりますけれども、やはりそれはわかっていていただきたいという気持ちが非常にするので、そういうふうに言いました。
 もう一つ、これはすごく賛成の意見ですけれども、ハンドブックに関して、いろんな形でダイジェスト版とかリーフレットで、できたら10ページぐらいのものなどもつくっていただいて、この輪っかになっている支援機関全体にお配りいただくのは大変よろしいと思います。それは是非、明記してください。
 実際に、例えば、私は臨床をやっているんですけれども、先週、暴力の被害者の方が来まして、全然まだ震えている状態で、全然話ができないんですね。だけれども、もう15分しか時間がないんです。私は話したいことも紹介したいこともたくさんあるんですけれども、時間が全然取れない。そういう状況にあることはたくさんありますので、やはり配れるものがふんだんにあるということはとても大事なことです。
 例えば、医療でやっていますと、最近はそういうリーフレットなどがいっぱい出ていまして、うつとか自殺予防とかそういうものに関しては、手元にたくさんないとできないんですね。ですから、是非それはたくさん作って配っていただきたいと思います。

○長井座長 ありがとうございました。本村構成員、何か付け加えて御発言はありますか。

○本村構成員 特にございません。ただ私、小西さんが言われたことは大賛成ですけれども、まとめの3ページの下の「(5)作成及び運用上の留意点」で、まさに今、言われた各地に配布するハンドブックを、実際にネットワークをしている者たちで実際にワーキンググループをつくることも本当に大変いいことだと思います。
 これが将来的にどういう具体的なワーキンググループになって、どこか多分中心となるところがないと進まないと思いますので、今後どうするかということがちょっと私、非常に今後、関心があるところでして、今日の検討会ではまだあれだと思いますけれども、今後、大事なことではないかなと思います。みんなで作ったハンドブックをみんなで運用する以上は当然責任も生じますし、人から与えられたものではないわけですから、責任は持ってできると思いますので、是非、このハンドブックをうまく運用できるような体制になればと思っております。

○長井座長 ありがとうございました。ほかの側面についてはいかがでしょうか。御発言がないようでしたら、まだ御発言いただいていない構成員の方に順次述べていただきたいと思いますが、そういう形でもよろしいでしょうか。高井構成員、いかがでしょうか。

○高井構成員 皆さんの御意見を伺っていて、そのとおりだなと思う部分が結構あるんですが、単なる感想になりますけれども、今、私は、被害者支援というのは本来アマチュアがやる、日本に昔あった隣近所、向こう3軒両隣が困ったときは助け合って生活していくというのが本来の被害者支援ではないかなというイメージでいたんですね。多分、今日の議論などを聞いていると、私のイメージの支援とかなり違う支援体制ができ上がりつつある。だから、支援というのはアマチュアが善意でやることではなくて、それなりのプロがやるべきことだというような方向なのかなと感じています。
 それはそれで正しい方向なのかもしれないけれども、例えば、本村さんがおっしゃったように、支援すると宣言した以上は責任あるよと言われると、では私は支援するのをやめますよという人は出てくるのではないか。確かに、専門的に非常に支援をする力を持った人をつくる。これは非常に大事なことですし、支援の質を上げていく、これも非常に大切なことなんだけれども、余りそればかり考えていると、支援の裾野が広がらない。極端な言い方をすると、支援をする人は特殊な人がやること、普通な人はやらないこと、やると危険なこと、そういうようなイメージがこの被害者支援活動について定着してしまうと、それは本質なところで被害者支援に反するし、被害者の方にとってもマイナスだろうと思うんですね。
 例えば、我々が日弁連の中で被害者支援というものを始めたときに、多くの弁護士は反対するんです。あるいは消極的になる。今でも消極的な人が多いんですが、それは、そういうことをやって、法律家ですから、すぐに失敗したときの損害賠償だとか責任というのを考えるわけです。そうすると、今まで、それほど被害者支援というのを考えていないし、経験もしていない。そういうところでいきなり被害者支援しました、失敗しました、損害賠償請求されました、あるいは懲戒申立をくらいましたとなったらたまらない、そんなことをやるぐらいだったら手なれた被疑者の支援、被疑者弁護をやっている方がよほどいいという雰囲気が当時非常に強くあったんですね。
 私たちは被害者支援をやりませんかと弁護士さんに言っても、いやいやそれはちょっと危険ですから、リスクがありますからと言うわけですね。そのリスクは何だと聞いていくと、先ほどのような話になるわけですね。
 ところが、一般の民間の人たちは、いい意味か悪い意味か知りませんが、権利意識はあまりないですから、あるいは義務意識がないから、リスクを余り考えない。その結果、善意でやっても力のない人は力がないし、ミスはあるわけで、結果的に支援した被害者の方が怒ってしまう場合がある。そういう場合に、そこであなたは損害賠償請求だみたいなことを言っていると、やはりそれはちょっと方向としておかしくないかな。
 ここはやはり、今、本村さんがおられますけれども、被害者の方にも考えてもらわなければいけないのではないか。基本的に被害者は自立していくというのは基本なので、ただそれも確かにそれはできない。だれがなっても、その立場になったら自立などはできないから、みんなで応援しましょうということなわけです。でも基本はやはり自立にあるわけで、厳しい言い方になるかもしれませんが、被害者の方の覚悟みたいな、意志みたいなものも基本にないと被害者支援というのは成り立たないですね。被害者の方が、いつまで経っても、支援をする側に寄りかかっているというような雰囲気では、私は本当の被害者支援というのは成り立たないのではないかと思うんです。
 小西先生などの感覚とまた違うかもしれませんが、ただ私も法律家ですからそうなってしまうんですね。
 ですから、例えば、先ほどの話でも、ミスったときどうするのか。ではそれは免責できないのか。例えば、故意でひどいことをやったらそれはけしからん、だれでもそんなミスをしないよというような重過失で被害者の方に嫌な思いをさせた。あるいは損害を発生させた。これはもう弁償しないといかんでしょう。でも、軽過失で、そういう事態があったというときに、あなたその分弁償しなさいというのはいかがなものかと思うんですね。
 ですから、そういう支援する側の責任も軽減するというような側面も是非考えなければいけないし、どうすれば、今まで被害者支援に余り関心のなかった国民が、関心を持って被害者の支援の輪の範囲の中に入って来れるようにするかというようなことも考えていかなければいけないのではないかと考えながら、皆さんの御意見を聞いていました。

○長井座長 ありがとうございました。ただいまの高井構成員の御発言を契機に、どうぞ。

○奥村構成員 今、高井構成員がおっしゃったので、私も先ほど申し上げたことですが、やはり私も京都の被害者支援センターの関係をしていることもありますので、先ほどの善意に基づく支援活動においてミスがあって、被害者の方が損害を被ったという場合に、今まで余りそんな危機意識もありませんし、そういう実例はないんですけれども、先ほど申し上げたように、イギリスのVictim Supportではあって、それはHelen Reevesさんが、この春に来られたときも気をつけた方がいい、いずれ、そういう問題が我が国でも起こる可能性も出てくるかもしれませんということで、現実に、イギリスの場合でも、向こうの被害者補償制度の申請について、ボランティアのVictim Supportの人のいろいろな情報とか指導に基づいていたら取れるものが取れなくなってしまったというようなことで訴えられたというケースがあったりしているというようなことです。
 これから積極的な支援活動を展開していくという中で、もしそういう事態が、つまり被害者の方が何か訴えられるような事態が出てきたら、それは個人の責任ですよと持ってきた場合、これは萎縮してしまうという問題があって、やはり確かに高井構成員がおっしゃるように故意であったり重過失であったような場合は、それはちょっと個人の問題が出てくるかもしれませんけれども、何だかその受け皿ですね。萎縮しないような支援活動、そういったようなシステムづくり。これは今回の検討会の課題ではないのかもしれませんけれども、ちょっと考えておく必要があるかなと思いました。

○長井座長 ありがとうございました。
 山上構成員、どうぞ。

○山上構成員 私は、この問題の解決の方向というのは、やはり支援サービスを提供するのであるから、それが被害者のニーズに応えるものとなっているかどうかを常に自分で点検する組織の責任があると思うのです。ですから、個々のボランティアの方のミスあるいは不適切な対応があったとしたら、それが早くフィードバックされてその修正ができる、あるいはその組織の目的に沿うようなものに変えられるような体制を、同時につくっていく必要があるのだろうと思います。
 ですから、被害を受けられている被害者の方の不満であるとか心配であるとかそういうことが全部くみ取れるような組織の運営がされなければいけないし、組織に問題があるときには、全体としてそれを受け付けることができて、適正にフィードバックし修正していくということができるような組織に育っていく必要があるのだと私は思っております。

○長井座長 小西構成員、どうぞ。

○小西構成員 私は、やはり役に立たない支援なら要らないと被害者の方には言われてしまうのではないかと思っている立場です。役に立つことをだんだんパワフルにしていきますと、やはりナイフと一緒ですね。よく切れるものは一方で非常にけがをすることも多くなるわけで、そういう点では、パワフルな支援、レベルの高い支援というのが入っていけばいくほど、やはり奥村構成員が言われるようなこともあり得るかもしれないと思います。
 ただ、専門家のレベルでは、医師とか臨床心理士はそれぞれ保険を持っていて、常にそういうことにさらされているわけですので、むしろ、ではボランティア団体がそういうことを施行するときには、この問題が大きいのだと思っています。すみません、もうこちらの話と少し離れてしまいますけれども、私の意見としてはそういうふうに思っております。

○長井座長 ありがとうございました。では、まだ御発言いただいていない関係省庁の構成員に御発言いただきたいと思います。まず、厚生労働省、いかがでしょうか。

○厚生労働省大臣官房付 厚生労働省といたしましては、今のお話を聞いていて、このような形で特段よいのではないかと考えております。

○長井座長 ありがとうございました。法務省、いかがでしょうか。

○法務省大臣官房司法法制部付 法務省としても、今回のお話をいただいた御議論の結果について特段の意見はございません。パブコメを見させていただいて、法テラスの関係でございますが、法テラスの業務について、法テラスのコールセンターが使いにくい、コーディネーターの役割を果たすのは難しいんだというような御意見が記載されておりました。これにつきましては、法テラスの犯罪被害者支援業務が情報提供業務の1つである関係上、そういう限界があるのかなというところがあります。このパブコメに寄せられているような地域のコーディネーターとしての役割というのは、これはかなり積極的な活動を内容とするものであって、法テラスの犯罪被害者支援業務の情報提供業務としての側面の限界というものがあるのかなと。そこは法テラスの犯罪被害者支援業務として地方事務所にも犯罪被害者対応の情報提供担当職員を置いておりますので、各地の民間の支援団体等におけるコーディネーター的な役割の方と密接な連携と協力をもっていくことによって、このパブコメの御意見にも応えていけるようにしていきたいと考えているところでございます。

○長井座長 ありがとうございました。警察庁、いかがでしょうか。

○警察庁犯罪被害者対策室長 特段の意見はございません。今回、パブコメを踏まえていろいろと修文がなされているわけですけれども、特に、このハンドブックの作成過程でいろいろな関係機関と連携して作っていくでありますとか、被害者の方の声に耳を傾けながらリーフレットを作ってこういった内容を周知していくという形で、よりよい方向になっていっていくのではないかと思います。

○長井座長 ありがとうございました。総務省、いかがでしょうか。

○総務省自治行政局自治政策課理事官 特に内容についての意見はございませんが、やはりパブリック・コメントの中でもネットワークの構築が必要ということで、公共団体の役割に期待されているということがございますので、そういったネットワークづくりについてできるだけこれからこの結果を踏まえてやっていきたいと思います。

○長井座長 ありがとうございました。文部科学省、いかがでしょうか。

○文部科学省初等中等教育局児童生徒課長 私の方も、内容的には特に御意見ございませんけれども、警察庁さん、総務省さんが言われたことと同じでありますけれども、文科省の方は、学校のモデルでできること、この報告書が実際の動きになったときにできる協力をしてまいりたいと考えております。
 以上です。

○長井座長 ありがとうございました。国土交通省、いかがでしょうか。

○国土交通省住宅局住宅政策課長補佐 国土交通省としても内容については特に意見はございません。ありがとうございます。

○長井座長 ありがとうございました。本日いただきました御意見を基に、これは事務局の方はいかがでしょうか。今日の文言調整だけで。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 確認をちょっとよろしいでしょうか。
 1つ目の私どもの案から変える点としては、まず8ページの真ん中辺りの「同ネットワーク等と協力して」ということで「等」を入れるということ。
 14ページのポンチ絵の「自助グループ等」のところで、情報交換の前に「被害・支援等についての情報交換」という形で変えさせていただきたいと思いますけれども、そういうことでよろしゅうございましょうか。
 貴重な御意見、ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

○長井座長 ありがとうございました。
 本日の議題は以上です。最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。

○内閣府犯罪被害者等施策推進室長 本当にありがとうございました。お陰様で一応最終取りまとめということで文案が固まりましたので、これにつきましては、ほかの2つの検討会が来週、再来週と行われますので、それが全部終わった段階で、もめるところもあるかもしれませんけれども、また専門委員会議、官房長官を長とする推進会議にかけまして、最終取りまとめということで報告されまして、それに基づいて先ほど各省庁からありましたように施策を推進してまいりたいと考えております。
 本当に長い間、ありがとうございました。お世話になりました。ありがとうございました。

○長井座長 構成員の皆様には、大変長きにわたりまして精力的な御議論を頂戴し、誠にありがとうございました。私からも御礼申し上げます。
 関係各府省庁、団体の皆様には、本最終取りまとめの施策が着実に実施されますよう御尽力いただきたいと思います。
 若干時間がございますので、各構成員からコメントをかなりお述べいただきましたが、何か御発言がございましたら、今日の出席者名簿の順で、奥村構成員の方から、ほんの簡単に感想等、何か特にもう一巡する必要はございませんか。

○奥村構成員 では一言だけ。こういう案でこれからが問題なわけでありますけれども、国の支援のための連携の概要が大体見えてきたわけでありますが、具体的に実際に行っていくのは、各自治体などの行政機関等が行っていくわけでありますけれども、私も、大阪のある自治体の被害者支援条例の策定に今、関わっているんですが、なかなか自治体には、こういう継ぎ目のない支援体制の構築というのは、言うは易くというところがありますので、しかし、そこを本当にこの基本計画にも基づいてやっていかなければいけないところですが、これからいよいよ各論的な議論が高まっていくということでありますので、今後とも是非御支援をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○長井座長 ありがとうございました。小西構成員、いかがですか。

○小西構成員 この場で議論されたり、あるいは推進会議に際したときに係る案が、地方に行ったときにやはり変質しないようにということは非常に大きいと思います。地方に行きますと、専門家の数もほとんどなく、ボランティアの数もほとんどなく、本当にそういう状況でやられているのがよくわかるので、どうしても東京にいると少し進んでいるような気がしますけれども、なかなか実際に地方に行ってお話を聞くと、これは大変なことだなと思いますので、是非その辺を目配りしてやっていかないといけないと思っています。

○長井座長 ありがとうございました。高井構成員、いかがでしょうか。

○高井構成員 まず、日本の国というのは、行政がしっかりしていただかないと何も動いていかないという国民性がある。被害者支援についても、行政が本腰を入れてやっていただけると大変うれしく思っております。今後ともひとつよろしくお願いしたいと思います。

○長井座長 ありがとうございました。本村構成員、いかがでしょうか。

○本村構成員 まず最初に、私のような一被害者で決して行政や法律やそういった関係機関のプロでない者が、大変ぶしつけな質問や生意気な質問をしまして、本当に関係各位皆様、大変失礼いたしました。最後になりますけれども、お詫びいたします。
 最後、高井先生が言われたように、私もいろいろなところで講演をさせてもらっておりますけれども、最後に言うことは、被害者は自立しなければいけません。ただ、自立するためにこの社会にもし障壁があるのであれば、それを1つでも2つでも取り除くことができればなと思って声を上げて、こういった大きな動きのあったことに対して耳を傾けてくださった国民の皆様とか、こういった関係省庁の皆様に大変に感謝しております。本当にありがとうございました。
 今回、この国の形のおおまかなところを各検討会でつくっていただいていますので、後はこれが実際の社会できちっと生かされるように、この考え方や取組みが理解されて更に増進されて、最後には1つでも犯罪被害の深刻さを知っていただいて、犯罪が少なくなるような国を築くことが最終目的だと思いますので、そうなるような国民意識が高まることを期待して最後の言葉とさせてもらいます。本当に長き間、お世話になりました。ありがとうございました。

○長井座長 ありがとうございました。山上構成員、お願いいたします。

○山上構成員 ネットワークに所属する団体で、これから国の援助も受けられる可能性も考え、自ら体制をしっかり整えられるように全力で努力しているところでございますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
 また、地域のネットワークに関して、パブリック・コメントの中に警察を中心とした連絡協議会の形骸化というコメントがありました。私は最初からその活動に関わっていたことで感じるのですが、あれはむしろ形骸化ではなくて、形から入っていって、だんだんとその内容を付けていった、そういうプロセスなのですね。ですから、その協議会で初めてその地域の弁護士さんとかあるいは葬儀屋さんとか私たちが交流を持ちながら、被害者に協力できる絆を広げていったということで、それが余りまだうまくいっていないところを形骸化と批判するのは、多分当たっていないのです。これから地域、公共団体、民間援助団体そういうところで協力しながら、それをもっと実効性のあるものに育てていくという姿勢が必要なのだろうと感じます。
 以上です。

○長井座長 ありがとうございました。関係府省庁の方には、特に御発言はないと思います。私の方から、ほんの一言、最後に申し述べたいと思います。
 現実の日常の世界におきましては、私たちの示す言動の一つひとつによって、犯罪被害者等の心情が大きく変化し、また社会全体への信頼が回復したり、大きく揺らいだりするというのが実情だと思います。
 ところで「21世紀日本の構想報告書」に示されているように、今世紀におきましては、自由で自発的に活動し、主体的に社会に参画していく、個の確立が求められています。また、いわゆる垂直型の統治というより、むしろ水平型といいますか自己責任で行動する個人と、さまざまな主体が協同して新しい公を創出するガバナンス、協治、これが重視されています。この協治は被害者支援のための連携においても求められるものです。
 私も、自分の置かれた立場で個人としまして、これに沿った行動を心がけるよう努力してまいりたいと思いますが、関係府省庁を始め、全国の関係機関、団体等に所属し、犯罪被害者等に接する方々には、常に全体状況を見失うことなく、自らの立場や責任を深く認識し、自らの立場で行うべきことを、他者としっかり協力、連携しながら主体的に行っていただきたいと思う次第です。
 皆様、御協力くださいまして、本当にありがとうございました。これをもちまして、第10回「支援のための連携に関する検討会」を終了いたします。
 なお、これまでの検討会の議事録を近日中に事務局より公表させますので、構成員の皆様におかれましては、御承知おきくださいますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

午前11時31分 閉会


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