日時：	平成１８年１２月２０日（水）１０時００分～１２時５０分
場所：	合同庁舎４号館共用第２特別会議室
出席者：
座長	國松　孝次	(財)犯罪被害救済基金常務理事
座長代理	瀬川　晃	同志社大学法学部教授
構成員	飛鳥井　望	（財）東京都医学研究機構東京都精神医学総合研究所参事研究員
同	岩村　正彦	東京大学大学院法学政治学研究科教授
同	大久保　恵美子	(社）被害者支援都民センター理事兼事務局長
同	佐々木　知子	帝京大学教授、弁護士
同	白井　孝一	弁護士
同	高橋　シズヱ	地下鉄サリン事件被害者の会代表世話人
同	平井　紀夫	元オムロン(株)特別顧問
同	荒木　二郎	内閣府犯罪被害者等施策推進室長
同	片桐　裕	警察庁長官官房総括審議官
同	三浦　守	法務省大臣官房審議官
代理出席	振角　秀行	金融庁総務企画局参事官
同	中野　雅之	厚生労働省政策評価審議官
同	安井　正也	経済産業省商務情報政策局消費経済政策課長
説明者	三井　秀範	金融庁総務企画局市場課長

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（議事概要）

○経済的支援制度のあるべき姿の検討について

• 前回構成員から質問のあった課徴金制度について、金融庁から説明があった。
• 続いて、経済的支援制度のあるべき姿の検討について、國松構成員提出資料に基づき、議論が行われ、主に以下のような意見が出された。

（理念・目的はいかにあるべきか）

• 基本法に基づく補償は、恩恵的なものではなく、犯罪被害者等が国から補償を受ける権利に基づくものであるということを明確にすべきである。
• 目的を「補償」としても「自立支援」としても、給付内容に大差はないのではないか。
• 「権利」か「恩恵」かという給付の性格は、目的規定というよりは給付全体の手続きなどによって決まるものであり、国と被害者という二者対立の権利義務関係で捉えるは好ましくないのではないか。
• 「補償」という言葉は、法的には定義があいまいな用語である。
• 基本法に定められた、「受けた被害を回復・軽減し、犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるよう支援する」という基本理念を明記すべきではないか。
• 理念・目的は、「社会の連帯共助の精神に基づき、被害者の尊厳ある自立支援を権利として保障する」としてはどうか。

（給付水準の引き上げ方針）

• 犯罪被害者への給付は、現行の２倍ではなく、自賠責制度の政府保障事業の補償のあり方と同様、必要額を踏まえた上での上限と考えるべきである。
• 財源には限りがあり、最も苦しんでいるのは重度後遺障害者であるというのはよく知られているので、制度設計ではそういう要素を踏まえ、どのような被害者に手厚い支援をすべきかというウエイトづけが必要ではないか。そうでなければ一律に広く薄くということになってしまう。
• 外国において遺族より被害者本人を手厚く支援する考え方があるのは承知しているが、自立のために経済的な支援が必要ないという考えで、死亡する方の補償金額が少なくなるのはいかがなものか。
• 引き上げを行うには財源が必要であり、財源の確保についても検討会においてある程度の見通しをもっておく必要がある。
• 犯罪被害者給付金の引き上げだけではなく、生活保護などの他の被害者支援の拡大に結びつく制度の適切かつ柔軟な運用なども盛り込むべきではないか。
• 給付水準については、実質的に自賠責並みの引き上げを目指すという方向性で検討を進めていくことで合意が図られたが、実質的という言葉が形骸化しないように、必要な人が手厚い支援を受けられるという視点を踏まえ、財源の問題も含めて、さらに議論を詰めていくこととなった。

（財源は何に求めるべきか）

• 罰金は一般財源であるというのは分かるが、何か方策は検討できないか。
• 一省庁のシーリングの枠内で財源を確保するのは困難ではないか。
• 財源として挙げられている課徴金は、現在ある他の課徴金とはかなり性格が異なるため、より具体的な検討が必要ではないか。
• 財源については、どの程度の追加財源が必要なのかを把握するために、シミュレーションする必要があるのではないか。

○その他

• 次回検討会は、１月２４日（水）に開催する予定。

（以上）