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犯罪被害者等施策
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警察庁ホーム > 犯罪被害者等施策 > もっと詳しく知りたい:犯罪被害者等施策推進会議等 > 各検討会の開催状況 > 経済的支援に関する検討会 > 第17回議事要旨

経済的支援に関する検討会(第17回)


(開催要領)

日時:平成19年9月14日(金)14時00分~15時35分
場所:合同庁舎4号館共用第4特別会議室
出席者:
座長國松 孝次(財)犯罪被害救済基金常務理事
座長代理瀬川 晃同志社大学法学部教授
構成員飛鳥井 望(財)東京都医学研究機構東京都精神医学総合研究所参事研究員
岩村 正彦東京大学大学院法学政治学研究科教授
大久保 恵美子(社)被害者支援都民センター理事兼事務局長
佐々木 知子帝京大学教授、弁護士
白井 孝一弁護士
高橋 シズヱ地下鉄サリン事件被害者の会代表世話人
平井 紀夫元オムロン(株)特別顧問
荒木 二郎内閣府犯罪被害者等施策推進室長
巽 高英警察庁長官官房総括審議官
三浦 守法務省大臣官房審議官
代理出席振角 秀行金融庁総務企画局参事官
杉浦 信平厚生労働省政策評価審議官
安井 正也経済産業省商務情報政策局消費経済政策課長

(議事次第)

1.開会

2.最終取りまとめ(案)について

3.その他

4.閉会


(配布資料)

資料1 経済的支援に関する検討会
国民からの意見募集提出意見に対する対応方針(案)
  [PDF形式:26KB]
資料2 国民からの意見一覧  [PDF形式:57KB]
資料3 経済的支援に関する検討会最終取りまとめ(座長私案)  [PDF形式:13KB]
資料4 経済的支援に関する検討会中間取りまとめ  [PDF形式:43KB]
資料5 白井構成員資料  [PDF形式:21KB]
資料6 平井構成員資料  [PDF形式:13KB]


○最終取りまとめ(案)の検討について
 概略以下のような議論が行われた。
(事務局) 議事次第にあるように、本日は中間取りまとめに対する国民からの意見募集、いわゆるパブリックコメントを受けて、本検討会の最終取りまとめ(案)について御議論をいただきたい。
(構成員) それでは、そのように議事を進めてまいりたい。
 何点か資料があるようなので、事務局から説明をお願いする。
(事務局) 資料の御説明を申し上げる。
 まず資料1であるが、これは最終取りまとめを御議論いただくためにパブコメの概要と、それに対して事務局としてこういうふうにしたらどうだろうかという対応の案を、修文を要するか否かという観点から簡潔に取りまとめをさせていただいたものである。後ほど御説明申し上げる。
 また、資料2であるが、これは意見募集の結果、本検討会に関して寄せられた意見の一覧である。通常パブコメは要約のみで全文を示すということは余りないが、被害者施策に関する貴重な御意見であることから全文を掲載させていただいている。
 資料3であるが、公的弁護人の部分について大きな情勢の変化があったので、構成員において最終取りまとめの修文案ということでお示しになっているものである。
 資料4であるが、これは本検討会の中間取りまとめそのもので、最終取りまとめに向けて修文はどこに要するかということを御議論いただくために御参考として付けている。
 資料5、6であるが、これは両構成員からの意見を付けさせていただいている。
(構成員) それでは、本日の議事に入る。ただいま事務局から説明もあったように、本日の御議論は私どもの中間取りまとめを、パブリックコメントを踏まえて、修文する場所があればどのように修文して最終取りまとめ(案)に至るかということの御議論をいただくわけである。
 何人かの構成員から既に御意見を承っているが、それぞれの箇所、それぞれの項目で御意見をいただきたい。
 とりあえず、パブリックコメントに対する対処方針(案)について事務局でどのように考えているかということを承った上で、皆さんの御議論を承りたいので、事務局から資料1の説明をお願いしたい。
(事務局) それでは、資料1に基づいて、パブコメの概要と、それに対して事務局としてどう考えるかということについて御説明を申し上げたい。
 資料1の上の四角の中にあるように、6月20日から7月19日まで、1か月の間、3検討会合同で意見募集を実施した。本検討会の中間取りまとめに関しては、26の個人・団体から47件の御意見が寄せられた。これに対して、事務局としてこういうことでどうだろうかというものを、資料2はちょっと多過ぎるので、議論をしやすいようにということでまとめさせていただいたのが以下の資料である。
 なお、そこに書いてあるように、制度というよりは運用上こうしたらどうかというような御指摘もあるので、それらについてはまた関係省庁できちんと受け止めて対応してまいりたい。以下、提出意見の概要と、その意見に対する方針の案ということで御説明を申し上げる。
 まず、「取りまとめ全体に関するもの」ということで3件ほどあった。総合的な視点がないとか、あるいは見直しの姿勢が感じられないというような御意見である。これについては右の方にあるように、決してそのようなことはないわけであって、御指摘は当たらないものと考えている。
 また、その下に一般財源の具体的内容を詰めたらどうかというような御意見もあった。財源については、本検討会においても何度も検討が行われた。それで、一般財源でやろうという結論に至ったわけであるけれども、その財源の内容というか、具体的にどうしていくかということは、今後予算要求等を通じて具体化がなされていくのではないかと考えている。
 2つ目であるが、「経済的支援の理念に関するもの」が1件あった。経済支援の根拠について、連帯共助の精神だけではなくて「尊厳にふさわしい処遇を保障される権利」に由来するということを明確にするべきではないかという御意見である。
 なお、その下の米印にあるように、中間取りまとめを報告した際の専門委員等会議において「尊厳ある自立を支援する」という表現を改めて、「経済的支援を行い、尊厳を守る」というような表現にすべきではないかという御指摘もいただいた。この理念については、もう既にこの検討会において十分に時間を割いて議論がなされたところであり、その結果が中間取りまとめの中に盛り込んであると理解をしている。
 次のページであるが、支援の内容に関するものということで8件あった。
 最初の御意見は、重度障害者等を除いては、それ以外については余り給付金を上げてはいけない。それは、加害者を利することになってしまうので、その辺が一番問題だというような趣旨であるが、そういう御意見であった。
 そのほか、年金制度に特別のものが欲しいとか、あるいは自賠責並の内容に実質的になるようにすべきであるとか、あるいは精神的な治療の援助等についての御意見があった。
 これらについても右にあるように、支援の中身についてさまざまな御意見があり、御議論をいただいた上で、検討会として取り上げるべきものについてはこの中間取りまとめの給付の引上げ指針というようなところに盛り込まれていると考える。
 それから、その下の保健所の健康相談等と連携しつつ、地域の拠点に相談窓口を開設すべきではないかということであるが、地域のカウンセリングについては既に中間取りまとめの中に臨床心理士、被害相談員等に関するカウンセリング・相談という箇所で触れられている。また、相談窓口については、基本計画の中に地方公共団体にきちんと対応窓口を設置するということで、現在施策の窓口は全都道府県に及んでいるし、総合相談ができる都道府県も23ほど、約半分に達しているということで着々と進行しているところである。
 3ページであるが、手続・給付方法・管理・運営等に関するものが9件あった。損害賠償との併給調整をしない方がいいのではないかというような御意見があったが、これについては、やはり必要であるということで中間取りまとめに盛り込まれている。
 それから、「遡及適用」については、被害にさかのぼって補償すべきである。あるいは継続的に不法行為を行っている場合はやるべきであるとか、3つ目は遡及適用しないという結論だけを押し出すのではなくて、もう少し二次被害を出さないような書き方があるのではないかというような御意見であった。これについてもかなりの時間をかけて御議論いただき、まさに3つ目の、結論だけを前面に出さないということで前後を引っくり返して中間取りまとめの表現になったところである。
 それから「給付の迅速化」であるが、これについては手続を簡素化できないか、あるいはできるだけ早く給付金が支給されるようにしてほしいという御意見があった。これについても、検討会での内容、議論以上のものはないのではないかということである。
 それから「アドバイザー制度」である。これについては、早急に育成や資格制度の整備を進めてほしい。あるいは、市町村や社会福祉協議会に地域福祉の専門家のネットワークを従事させるべく予算投入すべきであるというような御意見があった。このアドバイザー制度についても、大きな項目として既に議論をしたところであり、支援のための連携に関する検討会のコーディネーター、アドバイザーの育成というところ、そこに書いてある施策を実施するということで盛り込まれている。
 それから、支給を受ける権利の順位であるが、これは、息子さんが殺されて両親がいらっしゃるわけであるが、離婚した先のお嫁さんの子どもの方に今の犯給法では給付金がいってしまう。これは何とかならないかという御意見であろうかと思う。これは実はこれまで検討したことがなく、貴重な御意見であるので事務局としてもいろいろと検討してみた。他の労災等の給付でも全く同様の順位ということになっており、根本をたどると現在の民法上の原則ということで、被害者の給付金についてだけ変更するというのはなかなか困難ではないかと考えている。
1ページめくっていただいて、次のページであるが、経済的支援の対象ということで、海外での被害者についても対象にしてはどうかという御意見があった。これについても種々議論をし、実態等を踏まえて一応の結論を得ているところである。    
次が「損害賠償に関するもの」が3件ということで、民事訴訟に勝訴しても実際には取れないことが多い、しっかり国で補償してくれとか、あるいは求償権の行使をきちんとやらないとだめではないかというような御意見があった。これらについて、立替払い及び求償の是非等の中に議論の結果が含まれているところである。
 それから、その下の障害のある児童について損害賠償を障害のない人と同等にすべきではないかという御意見があった。これは、実は自民党の会議などでも同様の議論がなされたことがあるが、損害賠償請求における逸失利益の算定ということで、裁判の問題であり、政府の施策としてはなかなかなじまないのではないかと考えている。
 それから、「弁護士費用に関するもの」が18件あった。被害直後から弁護士による無償支援が必要であるというものが5件、それから全国どこでも無料で弁護士相談ができないか、あるいは民事法律扶助とか現在の法律援助事業について償還を要しないようにできないか等々の御意見があった。多くの意見が出されたところであるが、これについても種々議論の上で、法テラスの活動の充実を期待しつつ、中間取りまとめのような表現とされたところである。
 それからその下であるが、被害者の方が刑事裁判に参加する制度の導入に伴い、公費による弁護士選任の制度を実現してほしいということで8件あった。それから、刑事裁判の成果を利用した損害賠償請求でも公的弁護人を選任できるようにしてほしいというような御意見もあった。
 これについては右にあるように、中間取りまとめ以降、法律が可決成立して、「資力の乏しい被害者参加人も弁護士の法的援助を受けられるようにするため、必要な施策を講ずるよう努めるものとする」というのが法律の附則に明確に規定されたところである。これを受けて、所要の修文を行うことが必要であると考えている。
 最後のページであるが、その他として4件ある。
 1つは、外国人の犯罪についてはODAを財源にしたらいかがかという御意見があった。これも、なかなか制度設計としては困難ではないかと考えている。
 次の2つは、アフターケアに関するものであるが、1つ目はアフターケアを受けていると生命保険に入れない。事件前に購入した場合は支払いがなされるのだろうか、はっきりさせてほしいということである。事件前に保険を購入した場合は、まさに支払事由に当たるかどうかということで、アフターケアと関係なく支払いは当然可能であると考えられている。また、基本計画において、既に、不適正な支払いがないように、支払いを渋ることがないように施策が盛り込まれている。
 次は、現在のアフターケア制度が不十分でもうちょっと抜本的に対策をしてほしいというものである。実は、このアフターケア制度については20ほど対象傷病があるが、その20ある対象傷病の1つにサリン中毒というものも明確に含まれている。したがって、個々の医師が診断する因果関係の問題と考えられる。基本計画においても、そういう医療関係者等について被害者問題に精通した人を育成するということが盛り込まれているところであり、そこで対応すべきではないかと考えている。
 それから、PTSDに理解のある医師を増やしてほしいという御意見もあった。これについても、既に基本計画において養成等の施策が盛り込まれており、厚労省において今、推進がなされているところと承知している。
 以上がパブリックコメントの概要と、事務局としての考えである。最終取りまとめ(案)について、よろしく御議論のほどをお願い申し上げる。以上である。
(事務局) ただいまパブリックコメントとして出された意見及びそれに対する事務局としての対処方針(案)というものの説明があった。この2つを踏まえて、この検討会ではこれからこの検討会としての最終取りまとめ(案)をどのようにするかということの御議論をいただきたい。
 順番としては、中間取りまとめ(案)の順序に従って、御議論を順次してまいりたい。
 最初は、第1の「はじめに」というところである。これについては、パブリックコメントは直接的にここに触れたというのはないが、やや概括的な話として出ているものがある。現在の時点において、この中間取りまとめ(案)でまとめられた文言を、パブリックコメントを聞いた上で若干修文する必要があるというような御意見があれば、順次、御発言をお願いしたい。
 これは事務局の整理だと、財源のところが最初に出ているが、財源のところはまた後で出てくるので、そちらはそのときに御発言をいただきたい。全体にこの「はじめに」というのは、当委員会としての基本的な対処方針(案)みたいなものが書いてあるわけであるが、この部分はこれでよろしいか。直接的なパブリックコメントというのはないわけであるが、何か修文意見はあるか。
 ないようであれば、第2の提言の具体的な中身に入ってまいりたい。1の「経済的支援の理念、目的、財源について」は、先ほど説明があったようなパブリックコメントが出ており、それに対する事務局としての対処方針(案)が示された。その2つを踏まえ、御意見があればお願いする。
 財源については、もう少し具体的に本当に財源が確保できるということを書いたらどうだという御意見が出ているが、これについてはぎりぎりの表現として中間取りまとめの案になった経緯がある。したがって、一般財源でやるんだとだけ言っているだけではない。この検討会としての苦心は存するところであるわけではあるが、いかがか。この理念、目的、財源について、更に御意見があればと思う。
 構成員、何かあるか。
(構成員) 特にない。ただ、これは文章上の表現だけの問題であるが、「理念・目的」でも御指摘があり、私の意見書にも書いたが、もしあえてパブリックコメントで出していただいた意見を尊重する表現にするならば、「理念・目的」の「犯罪被害者等基本法第3条の基本理念を踏まえ、「社会連帯共助の精神に基づき、」」と書いてあるので、このパブリックコメントの意見を取り入れるならば「犯罪被害者等基本法第3条の」の前にかぎ括弧を付けるようにして全部を取り込むというのも一つの案かとは思いましたが、別にそれはこだわるわけではない。
(構成員) 構成員の御意見は事前に見せていただいているが、具体的にはかぎ括弧を付ける場所の問題になるか。
(構成員) パブリックコメントを出してくださった意見の趣旨を尊重しながら、かつ中間取りまとめの文章をなるべく変更しないようにしながらうまく解決するとしたら、かぎ括弧の最初の部分を「犯罪被害者等基本法第3条の」というところの前に持ってきて全部をこの中に入れる。そうするとその趣旨に合うのではないかと思ったが、それは別にこだわらない。
(構成員) かぎ括弧というのはわかりやすいということでつけているので、かぎ括弧を前に出したからといって別に全然内容が変わってくるわけではないが、おかしいか。かぎ括弧が後ろに付いていると、基本法3条の理念を踏まえというのが外に出てしまうという感じになるのか。
(構成員) 私自身は別にこの原案のままでもいいとは思うが、もしその意見を尊重するならばというだけのことである。
(構成員) わかった。その辺は最終的にもう一回検討する。
 ほかにこの点について何か御意見があるか。どちらでなくては困るという御意見があればまた別であるが、私はちょっといいかげんであるが、どちらでもいいのではないかという感じを持っているので、後ほど最終的な段階で詰めさせていただこうと思う。よろしいか。
 では、今のかぎ括弧の問題以外のところ、第2の1の部分。(4)までであるが、これについては修文はない、このままでいいのではないかという感じでよろしいか。
 それでは、1のところはただいま構成員の御指摘の部分だけちょっと詰めさせていただく。その処理の仕方は後でまた取りまとめて申し上げるが、とりあえず今の点はペンディングにして事後にまた検討するということにさせていただき、先に進めさせていただく。
 2の「経済的支援の内容について」である。この部分について、パブリックコメントはいろいろと出ているが、何か修文意見がごあればお願いする。
 構成員、ここの部分はカウンセリングについて意見が出ていて、事務局としてはそういう点を踏まえて議論をしているので、文章を直すまでの必要はないのではないかというのが事務局の案であるが、それで大体よろしいか。
(構成員) 結構である。
(構成員) ほかに何かこの部分について御意見はあるか。後ほどまたさかのぼって御意見があれば戻っていただくのは一向に構わないが、とりあえず今のところ御意見はないようであるので先に進ませていただく。
 3の「経済的支援の手続、給付方法、管理・運営、法形式について」という部分である。この部分については、パブリックコメントも出ているし、アドバイザー制度のことについては、構成員から御意見が出ているので、構成員から御意見を承りたい。
(構成員) 私の方から意見を出させていただいたのは、経済的支援に関するこの検討会でのアドバイザー制度についての提言というものを踏まえて、「支援のための連携に関する検討会」の提言を拝見すると、そのアドバイザーの重要性ということについては触れられているわけである。
 それでは、具体的にどういう形でそのアドバイザーを育成、体制を整えていくのかということに関しては、基本的には民間の支援団体へのコーディネーターの基盤を整備するために、当面この研修カリキュラム・モデル案に基づいた研修や、コーディネーター認定制度の実施を通じて、既に支援に携わっている者がコーディネーターとしての能力を身に付けることができるよう、育成していくことが重要である。
 このように提言されているわけであって、必ずしもこの検討会でその必要性と、その急務について議論した、具体的に早急に取り組むというような内容になっていない。こう私は理解したものであり、そこが少しあいまいであれば訂正する必要があるかと思うが、もしそうだとすれば具体的にこのアドバイザー制度というのは、経済的な支援に関して、いろいろな窓口があるわけで、現実的にも、支援団体で本当に戸惑っている、日常困惑しているという実情がある。
 そういう意味から、何も完璧なものでなくても徐々に充実していくという形でも、とにかくこの経済的アドバイザー制度というものを何らかの具体的な形でスタートする方が、私は望ましいのではないかと考えて、この基本計画で地方公共団体に対する総合的な対応窓口の設置ということを要請されているので、そこのところでのアドバイザーの役割というものが1つは考えられないか。
 もう一つは、この「支援のための連携に関する検討会」の中で、アドバイザーの育成というものを早急にしていただく。何らかのそういう具体的提言をする方が、これまでの議論の経緯からすると適切ではないかと思って意見を出させていただいた。
 もともとこのアドバイザー制度については、構成員からたしか最初にお出しいただいたと思うので、私がこういったことを申し上げるのもどうかと思うが、そのように思ったので意見を出させていただいた。以上である。
(構成員) ただいまの御意見については、先ほど事務局の方からの説明の中にも触れていたが、まず地方公共団体の行うことについての基本計画の中身と、それから支援のための連携に関する検討会での今までのやり取り、向こうの認識はどういうものなのかということについて、もう一度御説明いただけるか。
(事務局) アドバイザー制度については、まず1つの前提は、なぜこのアドバイザー制度を検討するようになったか、支援のための連携に関する検討会ではコーディネーターと呼んでいるが、検討するようになったか、である。民間団体においてそういう総合的な知識、単に福祉だけではなくて、給付金だけではなく、刑事司法手続だとか経済支援の概要についても皆、わかっている。いわゆる上級のさらに上のそういうマネジメントできる支援員が必要ではないかということで、連携に関する検討会において「コーディネーター」、括弧をしてアドボケーター、アドバイザーと書いてあるが、として検討を行ったものである。
 それで、この連携に関する検討会で議論をしたときに、本検討会でこういう議論が行われているということについても十分に逐次報告をして、それを踏まえてこういう表現でどうだろうかということで連携に関する検討会の中間取りまとめになっているところである。 
その中身であるが、先ほど構成員が言われたように、必要とされる知識が非常に高度かつ広範であるし、あるいはそれだけではなくて実践もきちんとやっていなければだめだということで、育成には相応の時間を要するということで、御指摘のようなきちんと養成カリキュラムをつくって、それを踏まえて資格の認定、コーディネーターと呼ぶか、アドバイザーと呼ぶかというのはあろうかと思うが、そういったものをきちんと民間支援団体に置けるように取り組んでいこうという検討がなされたところである。
 また、そういうコーディネーター、アドバイザーの育成とは別に、どの機関、団体を通じてもきちんと対応ができるようにネットワークを強化するためのハンドブックの作成、備え付け等の施策が行われているところである。
 そういうものがちょっと時間がかかるということで、地方公共団体にアドバイザーの設置をという御趣旨かと思うが、御指摘のように基本計画の中でまず知事部局の窓口をきちんと整備しようということで、何回か担当課長会議なども開催して呼び掛け、1年半前には窓口もなかった。それがきちんと今、全都道府県に先ほど申し上げたように被害者施策の窓口ができた。それから、23の都道府県では、被害者の方が見えたら総合的に相談を受け付けられる体制にもなっている。 これを更に強化すべく、実は20年度の予算要求においても地方公共団体の被害者支援施策を強化するためのいろいろな国費の事業、あるいは地方財政措置による支援といったことについて今、要求をしているところである。
 したがって、構成員の御指摘になっている趣旨は、この検討会のいわゆる経済的支援に関するアドバイザーが明確でないとおっしゃることかもしれないが、それは経済的支援だけではなくて全部のことを網羅した意味のコーディネーターが必要であるということで、連携に関する検討会の一応結論になっているということである。以上である。
(構成員) 実は、このアドバイザー制度ということを申したのは私からでもあったわけであるが、私自身の問題意識というのは、実際の被害者支援の現場において、制度としてできていないところからくる不都合というのももちろんあるわけであるが、どうも運用上の知識が足りなくてうまくいっていない。
 その運用上の知識の不足というのは、現場的にちょっとしたこと、マニュアル的なこともあろうし、結構その深い知識がないとわからないものとかいろいろグレードはあるんだろうと思うが、その辺のところの手当てがうまくいっていないのではないかということで、そういう経済的支援をめぐる社会福祉制度と社会保障制度全体について、ある程度知識のあるような人を民間支援団体のどこかに置いておいて、その方が単数になるのか、複数になるのか、グループになるのか。それはいろいろあると思うが、そういうものを置いておいてきちんと対応していく。そういうことがやはり必要ではないかという趣旨で申したわけである。
 それを受けて、民間団体の方のことについてはとりあえず今やってくれと言ってもそう簡単にそういう専門家、高度の広範な知識を持っている人はいないので、それをこれからきちんと養成をしていこうということが支援のための連携に関する検討会の方で出ているわけである。
 したがって、こちらの「経済的支援に関する検討会」としては、そちらでコーディネーターを育成していくカリキュラムがあるのであれば、その中に必ず経済的支援に関する側面というものを含めてカリキュラムを組み、きちんとレベルの高い知識のある人を養成していただきたいということを言えば、それで足りる。したがって、向こうの検討会でもその認識をお持ちいただければそれでいいと思っていた。「支援のための連携に関する検討会」の中間取りまとめ案のなかにコーディネーター等の育成等についてという項目があって、確かに経済的云々とか、社会福祉あるいは社会保障制度に詳しい云々というような具体的な文言はないが、「多種多様な分野について必要な知識が高度かつ広範に及ぶようなものに対応できるコーディネーターを養成していくべきである。ちょっと時間はかかるけれども、それが必要だ」ということが書かれているので、御認識を持って書いていただいているのであれば、それ以上言う必要はないのではないかというのが私の感じである。
 それからもう一つは、地方公共団体の方の総合窓口をもう少し充実すべきだというのはおっしゃるとおりである。ただ、これは私どもの指摘を待つまでもなく、既に基本計画に基づいて内閣府の方で予算措置をとってやっておられることであるので、御意見をこれから承るわけであるが、何か特に文章上きちんとそこを強調して当検討会として言うべきことがあるかどうか。
 私は、このアドバイザー制度の中間取りまとめの文章くらいでよいのではないかと思うのであるが、それをやはりどうしても何かもう一言修文する必要があるというのであればそれはまた検討しなければならないと思っているが、私の今の認識は事務局とほとんど変わらないわけで、あえて修文する必要はないし、連携に関する検討会の方もそれなりに認識をしてこの文章を書いていただいているというように考えている。
 構成員、何か御意見があればお願いする。
(構成員) 私も、支援のための連携に関する検討会のコーディネーターの説明の中に、経済的支援に関するアドバイザーというものが全く触れられていなかったので、そういう意味で申し上げたわけである。
 だから今、構成員がおっしゃるように、文章にはないが、十分そのことを踏まえて経済的な支援に関するアドバイザーを将来にわたって育成していくということが検討会の中で十分そういう認識の下で文章が書かれて、そして具体的に実行されていくということであれば、それはそれで特に異存のあるものではないが、ここでいろいろ議論したことが全く中間取りまとめの中に入っていないと思っていましたので申し上げたわけである。
(構成員) それはもう一回私の方で確認をするが、連携に関する検討会の方は当然それを踏まえてやるし、今後カリキュラムを組んでいく過程においてはそういった経済的支援の側面も入れたカリキュラムをつくっていくことになるのであると、私はそういうふうに理解をしているが、確認はさせていただく。
(構成員) 今、構成員の指摘されたことで、私の持っているものがちょっと古いのかもしれないが、連携に関する検討会の中間取りまとめのコーディネーター等の育成という部分を見ていて、確かに構成員がおっしゃるように経済的支援に関するアドバイザーのことについては特に記載されていない。
 構成員は、現実にコーディネーターとか上級の研修プログラムの検討でも、経済的支援のアドバイザーのことも含めた研修プログラムとなっているか。
(構成員) 実は、今こういう考え方で進むということ自体は、この9月末にある全国被害者支援ネットワークの理事会で決まることであるが、その前段階として、今討論をしている内容の中に、全国どこの支援センターでも被害直後から適切な支援がその時期に応じて受けられるような体制づくりということで初級、中級、上級、コーディネーター、大枠に分けるとそういうような形でのテキストは必要であるということを検討している。
 上級コーディネーター辺りのカリキュラムの中には現在のアドバイザー制度とか、そういう言葉自体は現段階では出ていないが、被害者の方を支援するということはただ単に精神的なケアだけではなくて日常生活、社会生活、職業生活すべてにおいて被害に遭う前の平穏な生活をなるべく早く取り戻すというところにあるので、当然上級であるとかコーディネーターの中には経済的アドバイザー制度がきちんと履行できるような人を育てていくということも入ってくる。私は、そのように現段階では話し合いを進めている途中である。
(構成員) この経済的支援のアドバイザー制度は、私としては経済的支援に特に専門的知識を有する民間支援団体の方というイメージがあったので、せっかくこの経済的支援のところでアドバイザー制度というものを提言して、コーディネーターの養成をするときにそういう経済的支援のアドバイザーということを専門にきちんと位置付けてやっていただきたいということを明確にする意味で言えば、構成員のおっしゃるように、何らかの形で連携の方できちんとやってくれというようなことを何か一言入れていただいた方が明確になるのではないかと思う。
(構成員) 今の点は、先方はもちろんわかっていると思うが、そういう趣旨を踏まえて現在の文言はとにかく経済的支援に関するアドバイザー制度が必要であるということをずっと書いた後で、最後にこれに対処するための施策の提言が向こうの検討会で検討されているので、その提言に基づく取り組みを着実に実施すべきであるという書き方になっているわけである。
 したがって、問題は向こうの検討会の方でちゃんとその辺を含めたカリキュラム設定というところまでフォローしてくれるのかという問題だろうと思う。そのことについては、私は、後ほど先方の座長に確認は取りたいと思うが、私の今の感じではそんなことを言われてもわかっていると言われそうな感じはするけれども、その辺は確認を取って、私どもの経済的支援に関するアドバイザーという機能が向こうの検討会で言うところのコーディネーター等というものの機能の中にきちんと入るようには確認を取りたい。
 ただし、これは文言を変えるという問題ではないのではないかという感じがするが、その点はいかがか。今の申入れはわかったので確認は取るが、最後の「これに対処するための施策の提言が検討されており、その提言に基づく取組を着実に実施すべきである」という当方としての意見、この書き方ではぴんとこないというのであればまた考えるが、この点はいかがか。
 今日まとめるのは最終取りまとめ(案)であるので、文言はどうするかが一番の問題であるが、それと別に私としてとるべきアクションは、現在承ったことはきちんととりたいと思うが、この修文についての御意見をとりあえずお伺いしたい。構成員、いかがか。
(構成員) 私としては今、構成員がおっしゃったように、実質的にこの経済的アドバイザーの重要性というものを認識されて、そういうカリキュラムをつくり、そして育成されるということが明確になれば、特にこの文章にこだわるつもりはない。
 しかし、連携に関する検討会の中間取りまとめの文章を見ると、コーディネーターのいろいろないわゆる精神的な面でのコーディネーションもあるし、法律的な面のコーディネーションもあるし、あるいは経済的な面のコーディネーションもある。そうすると非常に広い範囲なので、私が理解したのは経済的支援に関しては何かそういう役割を持つ人をコーディネーターとされるのかというイメージがあった。
 そうでなくて、構成員がおっしゃるような形できちんとコーディネーターの中の役割として明確にされ、それが育成され、取り組みが行われるということであれば、この文章を変えるということにこだわるものではない。
(構成員) 私も今、連携に関する検討会のコーディネーターの育成等についてというところの文章を見ているが、確かに何も書いていないのかもしれないが、逆に言うと経済的云々だけをここに書くのも先方としては難しいのかなと思う。
 要するに、連携に関するコーディネーター等、まさにそれこそ多種多様な分野にわたって高度かつ広範な知識を持ったというような言い方になるしかないのかなという感じがするので、具体的にその問題が出てくるのは研修カリキュラムとか、いろいろなモデル案をつくるときにどういう話になってくるのだろうかということになる。その点の念押しはしておくということで、文言的には特に変える必要はないということでよろしいか。ほかに御意見はあるか。
 それではそのようにさせていただき、私の方で連携に関する検討会の座長とちょっと話をして確認は取りたいと思う。
 ほかに「3.経済的支援の手続、給付方法、管理・運営、法形式等について」は、パブリックコメントもいろいろと出ているわけであるが、それを踏まえて修文意見等があればお願いする。よろしいか。
 それでは、この部分については格別な修文の意見はないというような理解で先に進ませていただく。
 4の「経済的支援の対象について」である。この件については、国外における被害者の取扱い等についてパブリックコメントが出ているわけであるが、この点については先ほど事務局からも説明があったとおり、いろいろ御意見もこの検討会で出た。それを踏まえて、中間取りまとめのような表現ぶりに落ち着いた経緯がある。この際、何か御意見があればお願いする。よろしいか。何か御意見があればお願いする。
 ないようであれば、次に進ませていただく。5は「テロ事件の被害等に関する特別措置について」というところである。この部分は、パブリックコメントは特に提出されてはいないようであるが、中間取りまとめのままでよろしいかどうか、修文の必要があるかどうかについての御意見を承りたいと思う。よろしいか。
 それでは、とりあえず次に進ませていただく。次は「6.併せて検討することとされているものについて」の項である。ここでは先ほど事務局から御説明があったとおり、(1)が「損害賠償債務の国による立替払及び求償等の是非」、(2)が「公費による弁護人選任、国による損害賠償費用の補償等の是非について」というところである。(1)の「公費による弁護人選任(被害直後から)、損害賠償費用の補償」というところに関しては先ほど御紹介のあったようなパブリックコメントが提出されている。この点を踏まえて、中間取りまとめの修文をする必要があるのかどうかの御意見をお願いする。
 構成員、何かあるか。訴訟参加の部分はまた後になるが、(1)の方についていかがか。
(構成員) 別に修文とか、そういうことではないが、ちょっと御説明しておく。
 このパブリックコメントの中で、1回目の相談料を無料にしてほしいということがあるが、現在の制度で静岡県弁護士会などもそうであるが、犯罪被害者支援の委員会を持っていて、そこで犯罪被害者相談をやっている委員会、弁護士会では1回目の相談は無料にするという制度を取っているところが多い。それは、最初に被疑者のための当番弁護士制度ができたときに1回目の接見は無料で行うというシステムをつくっていたために、被害者の方も無料にしようということで1回目の相談は無料でやっているので、そういうことをもっと広報すればいいかもしれない。
 それから、法テラスの方でも法律扶助の相談で来ていただければ、これは相談の法律扶助が使えるので、法テラスに精通弁護士として登録している弁護士で、そこで法テラスの法律扶助の相談を申し込んでいただければ無料で相談が受けられるというシステムも現状ではある。
(構成員) そうすると、ここにも一つの広報の問題というか、どういうサービスが受けられるか、あるいはどういう持っていき方をすればどういうサービスが受けられるかということについて知らない方もいて、それについての手当てがもうひとつできていないというところが実務的にあるということか。
(構成員) 現在、法テラスの本部の方から全国の地方事務所の方に、犯罪被害者の支援についてそういう法律扶助が受けられるという広報をもっときちんとやるようにというような文章も回っているし、犯罪被害者のための法律扶助があるというパンフレットも法テラスの方ではつくっているので、そういうものをもっと大々的に、きちんと広報すればもう少し違うと思う。
(構成員) 構成員の方でどれだけわかるかということもあり、法テラスの機能の問題にはなると思うが、広報をもう少しやればもう少しうまく利用が進むのではないかという点についてはどのような御認識か。
(構成員) 確かに、広報というのは、ここの分野に限らず被害者支援に関するいろいろな分野で必要であるし、実態としてもっと努力すべき余地というものがそれぞれあると思うので、日本司法支援センターの関係でもそういった広報の問題については私どもの方でできることをやっていくことが必要と感じている。
(構成員) ここは中間取りまとめのところをご覧いただければ、その部分の表現については下の方から6、7行目であるが、「これら日本司法支援センターや日本弁護士会連合会による各事業が果たす役割の重要性に鑑み、これらの事業が適切に運用され、犯罪被害者等の支援のためにさらに充実が図られるよう努めるべきである」という本文になっているのであるが、適切に運用されるという意味には、広報がしっかり行われていて、どのようなサービスが受けられるかということについて利用者も含めてわかっているということを前提にする文言だと思うが、ここをもう少し広報の重要性をかんがみる、広報をもう少し適切にやるというような形に若干修文することが可能であると思う。
 確かにおっしゃるように、先ほどのアドバイザー制度ではないが、どういうサービスがあるんだということを知らないものだから受けられない。それがあたかも制度上の欠陥であるかのような形で話が挙がってきてしまうということが間々あるので、運用上の問題は運用上の問題としてきちんと処理をされる。その前提としては、やはり適切な広報というものがあってしかるべきだと思うので、今の御指摘を受けて、これは後ほど処理の仕方はあるが、若干の修文はあり得るということは含みを持って、事務局と検討させていただきたい。どういう文言になるかについては、後ほどその処理の仕方は御説明をしたいと思う。
 この(1)の「公費による弁護士選任(被害直後から)」の項目について、何かその他の修文意見というものはあるか。
 では、今の点はちょっと留保させていただいて、修文を検討するということにさせていただく。6の(2)の(2)の「新たな制度導入に伴う公費による弁護士選任(公的弁護人制度)」というところである。この点については、御案内のとおり中間取りまとめの時点においては、まだ国会において法案の審議が行われているところであるので、若干宙ぶらりんになったような表現になっているが、これは法律の成立を受けて当然修文を行わなければならないと認識をしている。これについては、私の案をお示しをしているのが資料3である。これについては、事務局から読み上げていただく。
(事務局) 
「(2)公費による弁護士選任、国による損害賠償費用の補償等の是非
 (2)新たな制度導入に伴う公費による弁護士選任
 「犯罪被害者等が刑事裁判に参加する制度」、「損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用する制度」を導入する法律が成立し、同法の附則において、「政府は被害者参加人の委託を受けた弁護士の役割の重要性にかんがみ、資力の乏しい被害者参加人も弁護士の法的援助を受けられるようにするため、必要な施策を講ずるよう努めるものとする」とされたことから、「犯罪被害者等が刑事裁判に参加する制度」に伴う公費による弁護士選任について、できるだけ早期の制度導入に向けた検討を行うべきである。
 なお、上記制度の運用の際、民事法律扶助ないし犯罪被害者等法律援助事業との適切な連携が図られるよう配意すべきである。
 「損害賠償請求に関し刑事手続の成果を利用する制度」に伴う公費による弁護士選任については、基本的に民事に係る問題であり、法律扶助の枠組みの中で対応すべきである」。(構成員) そういう修文になるわけである。
 この点、構成員から何か御意見があればお願いする。
(構成員) 今お話のあったように、先の国会で被害者参加の制度を定めた法律が成立して、附則でそのような被害者参加人に対する弁護士の法的援助が受けられるようにするための必要な施策を講ずるよう努めるという規定が盛り込まれたところであるので、私どもとしては今後もこの検討会での御議論等も踏まえて、関係機関とも協議しながら、この公費による弁護士選任制度について必要な検討を進めてまいりたい。
(構成員) それぞれ御意見があればお願いする。
 構成員、この表現でよろしいか。
(構成員) 結構である。
(構成員) ほかに御意見があればお願いする。
 ないようであれば、このような修文で最終取りまとめ(案)とさせていただきたいと思う。もう既にこの件については構成員の方においていろいろな手は打たれていることであるので、この案文で構成員の方もこれに従った動きをとっていただけるものと思っている。
 それでは、この部分はこの程度にして、あとはその他という部分がある。先ほどの意見で言うと、資料1の最後のページになる。この部分はODA云々とか4点ほど出ているが、何かこの部分についての修文意見があればお願いする。また、これでひと当たり終わるわけであるが、この際、最終取りまとめ(案)の文章の在り方というものについて、全般を通して何か御意見があれば御発言をいただきたい。
(構成員) その他でサリン被害者の方のお話を聞いたが、現在もPTSDで苦しんでおられる方々がいて、それに対してボランティアで、お医者さんたちが検診をしているという団体が無料でやっているわけである。
 仮にその因果関係云々という問題があるのかもしれないし、そしてまたサリン事件ということで一つの特定されたものになってしまうかもしれないが、そういうことについてこの修文とか、そういう意味ではなくて、現実に困っている被害者の方がおられるのであれば、やはり国として何らかの対応をしていただきたい。
(構成員) 構成員、この点はいかがか。
(構成員) 先ほど御回答をしてもらった中で、個別の案件についての回答はこんな形になろうかと思うが、労災ならば労災の制度の枠組みで申し上げると一定のそういった範囲、対象者、それから症状といったところでの基準に当てはまるところでの補償なりケアというようなところで、確かに限られてしまっているところはあろうかと思う。
 だから、そういう意味でこの基本計画の中でいろいろなPTSDの関係の専門家の養成であるとか、そういったようなところの今後の検討といったような中で、そこはまた考えさせていただきたい。確かに、個別の事案になるとそこはなかなか手の行き届かない部分もあろうかと思うが、こういった報告なり、全体の中での議論ということであるならば、そういった方向で検討させていただきたい。 (構成員) あと残るのは個別の当てはめの問題だということになる。その点、構成員、何か特に手を打たれていることはあるか。
(構成員) 私の方は、特に詳しい実情は把握していない。
(構成員) 構成員、何かその点で実態のお話として、今サリン被害というのは一応基本計画の中に入って手は打てるが、個別にそれが因果関係があるのかどうかということで時々はねられてしまうようなケースが若干あるのか。そういう点も何か問題意識を持っておられるか。
(構成員) 因果関係ということであれば、確かにある。それは、構成員がお詳しいと思うけれども、もう10年以上たってしまうと何が原因でということはあると思うが、特に大きいのは薬の副作用ということがある。PTSDのために飲んでいる薬の副作用でまた違う症状が出てきてしまうということに悩まされている被害者もいる。
(構成員) 構成員、何か補足の御意見はあるか。
 いずれにしても、そこは修文という意見にはちょっとならないのではないかと思う。実態の問題である。
(構成員) そうである。この検討会の趣旨とはちょっとずれてしまうと思うが、サリンの被害者で現実にまだいろいろ訴えを持っておられる方はいて、1つはPTSD関連の訴えがあるが、もう一つは慢性の一見不定愁訴のような全身倦怠感とか、ここに書いてあるような頭痛であるとかしびれとか、そういう非特異的な訴えになると、なかなか直接のサリン暴露との因果関係は難しい問題がある。有機リン中毒などもそういう問題はあるが、医学的に証明するのに難しいということがあって、またいろいろな制度に乗せるのは判断が困難ということもあるのではないかと思う。
 ただ、実際はいろいろな団体での救済活動があり、そこに相談に来られた方はそれぞれ医療機関などの紹介は受けていると思うが、全体としてそう組織立ったものでなかったということは確かだと思う。
(構成員) ただいま構成員の方からも今後の因果関係、いろいろな当てはめの問題もあるけれども、検討してもらいたいというような御意見があったので、その程度で、いずれにしてもここの部分を何か我々が中間取りまとめの中に取り込んでいくというような問題ではないのではないかと思う。
 特に私の方から申し出ていてそこで問題意識を持っておられるので、これは特別な措置をとらなくてもよろしいのではないかと思う。何かその他あるいは全般について、中間取りまとめ(案)についてはもう少し文章を変えた方がいいという点があれば御発言いただきたい。
(構成員) 資料3の新しく書き直された部分であるが、ちょっと確認させていただきたいことがあるのは、刑事裁判に参加する制度という中で、下の赤で書かれている部分で民事法律扶助の援助というふうになっているが、刑事裁判は新しくこういうところに参加できるようになって、そこで民事の援助を得られるということか。
(構成員) これはこのとおりの文言だと思うが、あくまでもこの上記制度というのは今の参加制度であり、それを運用する際に、民事法律扶助ないし法律犯罪被害者等援助事業との適切な連携、つまり民事扶助を与えられるというのはそちらをやっているところと連携が図られるように配慮しながらこの運用を図るべきだという趣旨でまとめてある。
(構成員) 趣旨として私どもで理解しているのは、パブリックコメントの中の意見を見ていると、刑事の裁判への参加制度に関して公費による弁護士選任の制度を実現してほしいという意見とともに、その弁護士は損害賠償請求における民事法律扶助の弁護士と同じ人になるようにしてほしいという御意見がある。
 そうすると、刑事の参加に関する弁護士の制度の運用と、それから民事法律扶助の運用等をやっていく上で、同一の弁護士が選任されるような運用上の連携というものが図れるように配意すべきであるというのがここの趣旨ではないかと理解している。
(構成員) いかがか。
(構成員) 刑事裁判に参加する制度というところで私の理解が少し足りないと思うが、同法の附則においてというふうに書かれていることを私は見落としていたので、刑事裁判において被害者にも公的弁護人が付くということは無料としか思っていなかった。
 というのは、刑事裁判において加害者に国選弁護人が付くのであれば被害者にも無料の弁護人が付くのは当然ではないかと思っていたので、そこは私が誤解していた部分かもしれない。それで、その弁護士が民事のことも当然賠償命令がその中で出されるのであれば、それは被害者にとっては願ったりかなったりということであるが、ただ、それが刑事裁判の中で、いわゆる附帯私訴の中でまだ決まらなければそれが民事裁判に移行する。そのときには、その弁護士が対応してほしい。
 そのときには、この法律扶助ということになるかもしれないけれども、刑事裁判の中においては公的弁護人は公的弁護人であって、被告人と同等の権利を得られるという意味で民事法律扶助のお世話にもならず、当然無料で付けられるというふうに私は思っていた。
(構成員) もちろん制度設計に関わる部分があるわけであるが、刑事裁判に参加する制度の部分と、それからいわゆる附帯私訴と呼ばれている刑事裁判につながって損害賠償請求をする手続と、制度としては別個のものとして組み立てられている。被告人に国選弁護人が付く場合も全く同様で、国選弁護人は刑事裁判の部分は仕事をするわけであるが、その手続が終わった後、いわゆる附帯私訴の民事の損害賠償請求の手続の部分は国選弁護人も基本的にはそこは関わりを外れることになる。そこは民事の世界の問題として民事法律扶助で支援が行われるという仕組みになるのではないかということである。
(構成員) 現実に、例えばあるお宅で御主人が殺された。そうすると、早速新聞記者が来たりしてお葬式もできなくなってしまうというときから弁護士が付いたとする。そうすると、そこのところから刑事裁判で被害者が参加できるようになるまでは時間がある。刑事裁判で被害者が参加できるようになるのは、刑事裁判が始まってからである。
 そうすると、殺されて新聞記者が来て警察が来てという間、ずっと弁護士が付くとしたらその弁護士費用はどこから出すのか。それは、ここに書いてある法律援助事業というところで法テラスに申請してもらう。それで、もし構成員が、私は刑事裁判で参加人になりたいと言ったら、そこの部分は今度は新しくつくる公的費用で私が弁護士費用をもらうことになるわけである。それで、加害者に損害賠償を請求したいというふうに構成員が考えたら、その部分は民事法律扶助で弁護士費用をもらうことになるので、私は3か所から弁護士費用をもらうというシステムである。
 そうすると、すごく面倒臭い。だから、被害者に余り負担にならないようにうまく連携してスムーズにやってくださいという意味である。だから、一人の弁護士が弁護を全部やるというのは同じである。
(構成員) 明快な現場の実務を踏まえた御解説である。ちょっとややこしいが、そういう趣旨であるということで、なお書きとかいろいろなところで書き分けてはいるが。
(構成員) 文言の表現ではなくて、今のことに関連して教えていただきたいが、犯罪被害者等法律援助事業は、今、構成員がおっしゃったように事件直後、本当に必要な情報をいただいたり、何らかのメディアへの対応等をお願いするときに被害者が使える制度である。
 ただ、これは日本財団から資金が出ているということを聞いている。これがずっと続くようになるためには他の財団に依存するのではなくて、やはりこの経済的支援は一般財源からというのがこの検討会の意見でもあるので、それがずっと続いてずっと使える。資金は心配ない。そういうような何かがここに、どのようにすればそれが入るのかはわからないが、その点も踏まえて少し御検討いただければと思う。
(構成員) その御意見は検討会の過程でも出て、結局法テラスの運用、財政基盤に関する問題であるので、ここの検討会で入れるというのはある程度限界がある。
 したがって、むしろ先ほど申しあげた(1)のところで法テラスのことがいろいろ書いてあるわけであるが、この程度の表現でということで収まった経緯があるように私は記憶をしている。今後確かに法テラスの活動が更に活発になってくると、その活発になる前提としての財源というものは当然出てくるわけである。
 これは日本財団からある程度出れば、ここの財布から出ればというのは余り問題ないわけであるが、むしろ本当に日本財団がきちんと出していただけるような活動ができるのかどうかということにもなってくるのではないかと思う。そこは法テラスの今後の活動をある程度見ていくしかないのではないか。当検討会として法テラスの財政基盤の問題について発言するのはなかなか切り分けとして難しいのではないかという感じがする。
 その関連で御発言があればどうぞ。
(構成員) せっかく構成員が御指摘いただいたので、確かに、今年の10月から法テラスの方へ委託されて、今、法テラスの方でも準備をしているところであるが、日本弁護士連合会の方から委託の形式を取っているので、それでは日本弁護士連合会の方に委託のお金がいつまでも潤沢に集まるかと言えば、そこはなかなか先行きの見通しは定まらないところもあり、では日本財団にいつまでも全部おぶさっていけるのかと言えば、それもなかなかずっとというわけにはいかないということではないかと思う。将来的には法テラスでの運用が定着していった段階でどういうふうにするかはやはり考えていただいた方がいいとは思う。
(構成員) その点については、この検討会で出た議論としてテイクノートされるということだと思うが、私の感じでは文章を直してどうというのはなかなか難しいんじゃないかという感じがする。
(構成員) 今この時点で文章を直してということではない。そういう期待も持っているし、そのように制度が恒久的に使えるようなものでなければいけないということで聞いていただきたいと思い、お話をさせていただいた。
(構成員) 実は法テラスの問題に関連するわけであるが、先ほど構成員からまさに法テラスのいろいろな活動について広報をもう少しきちんとやるということが趣旨としてわかるように修文をした方がいいのではないかという御発言があった。それについて、今ここで例えばということで御提言をするわけであるが、6の(2)の(1)の上から15行目のところで「これら日本司法支援センターや日本弁護士会による各事業が果たす役割の重要性にかんがみ、これらの事業が適切に運用され、犯罪被害者等の支援のために更に充実が図られるよう努めるべきである」というワンフレーズのところを、広報をもう少ししっかりするという趣旨を入れるのであれば、例えば「これらの事業が適切に運用され」というところをもう少し説明をして、「これらの事業について十分な周知を図る等、適切に運用され、犯罪被害者等の支援のために更に充実が図られるよう努めるべきである」と、「十分な周知を図る等、適切に運用する」。適切に運用することの中身になるんだろうと思いますが、特に取り上げて「十分な周知」というような文言を補うのも一つの手かと思うが、いかがか。
(構成員) 結構である。
(構成員) それでは、今、申したような趣旨で修文を行うということにしたいと思う。最終案文は後ほどまた提示したい。
 この最後の部分で何かほかに御発言があれば、あるいは全体についてあればお願いする。よろしいか。
 今日、パブリックコメントを踏まえた中間取りまとめ(案)の修文の必要性ということについての御意見をいただき、とりあえず全体について終わったわけである。
 出た御意見で、直接文章の変更に関する部分については、1つは理念のところのかぎ括弧の付け方ということがあった。これは、実は今、私は即答していないのは、それでよろしいのではないかと思うが、そもそもこのかぎ括弧の付け方はほかにもいろいろ、例えば基金のところにかぎ括弧が付いているとか、付いていないとか、若干あるので、全般を見てかぎ括弧の付け方にそんなに意味があるのかどうかを含めてもう一回検討してみて、おっしゃるとおり前にした方がよければそうするという処理にさせていただくが、いずれにしてもその部分についてはそういうことでちょっとペンディングにさせていただきたい。
 それから、法テラスの活動に関する周知徹底の部分については、ただいま私が御提案申し上げたような形での修文を行うということにしたいと思うのと、それから公費による弁護士選任の部分については先ほど事務局から読み上げていただいたような案に修文をさせていただくことにする。
 それから、これは修文という必要はないのであるが、構成員からの御発言もあったので、連携に関する検討会の方でどの程度この経済的支援に関するアドバイザー制度を念頭に置いたカリキュラムをつくっていただけるものかどうか、私の方で確認を取ってみたいと思っている。
 そして、本日出た御意見があるが、もう一回この会議を開いて検討しなければならないというような問題はないのではないかと理解をしている。したがって、今ペンディングにした点、それから先ほどの法テラスの広報に関する部分について修文をして、その案をもう一度構成員の皆さんにそれぞれメールの形でそれをフィードバックさせていただくので、それを受けて最終的な御意見を承った上、最終取りまとめ(案)ということで確定をしたい。もう一回会議を行うことなく、個別のやり取りにおいて同意が得られたということに多分、今日の御議論の推移を見るとそのように理解されるので、そういう形で最終の取りまとめをさせていただきたい。それでよろしいか。
(「異議なし」と声あり)
(構成員) そういう措置を取らせていただく。
 最後に事務局から何かあるか。
(事務局) ただいま構成員からあったように、本検討会の最終取りまとめの案についてはもう一回メール等で確認をさせていただくのでよろしくお願いする。その上で最終取りまとめ(案)、本検討会としての案が確定したら、他の2つの検討会の最終取りまとめ(案)は実はもうまとまっているので、この3つの検討会を合わせて、10月か11月には専門委員等会議、推進会議にそれぞれ御報告をして、その決定に基づいて施策を更に強力に推進してまいりたいと考えている。
 それから、議事録についてはその都度チェックをいただいているが、今回のこの検討会についても議事録のチェックをお願いして、その上でホームページ上に公開することになるのでよろしくお願いする。以上である。
(構成員) それでは、本日の会議は終了するわけであるが、先ほども申したとおり、各構成員の皆様に一堂に会していただくのは今回が最後になるわけであるので、一言ごあいさつしたいと思う。
 昨年の4月に始まり今日まで17回、期間にすると1年5か月ほどになるわけであるが、長期にわたりいろいろな御議論をいただいたわけである。その間、終始大変活発な御意見を承り、何とかこの最終取りまとめ(案)の取りまとめに入れるという状況になったわけである。この間の皆様のいろいろな熱心な御討論、あるいは御協力について心から御礼を申し上げる。途中、いろいろとつたない議事運びもあって御迷惑をかけたこともあるかと思うが、その点は御容赦をいただきたい。
 この最終取りまとめ(案)ができても、その中身というのはやはりまだ道半ばという感じが当然するわけである。基本法ができ、あるいは基本計画が策定されたわけであるが、その具体的な中身として経済的支援をどうしていくのかということはこの検討会の結果、ようやく具体的な姿を表すことになるわけである。
 取りまとめをした内容を見ても、これが100点満点であるとか、これで大体山に上ってしまったというような感じはしないわけであり、こういう問題は一歩一歩前進をしていく問題だろうという感じが深くしている。
 ただ、皆様の熱心な御討論のお陰で、経済的支援についても給付水準については大体自賠責並というような水準を明確に示すことができたというのは一里塚にはなっているのではないかという感じは持っているところである。今後、それが具体的にどういう形で給付の引上げになって出てくるかということについては、これは行政当局の御努力に待たなければならないところが多々あると思うが、そういう行政当局の努力にも期待をしながら、この検討会は以上でもって終了させていただきたいと思う。
 重ねて長期間にわたる熱心な御討論に敬意を表し、また御礼を申し上げて、私の終わりに当たりましてのごあいさつにさせていただく。


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