<附属資料> ※資料のリストが別ウィンドウで開きます。
※ 犯罪被害者等施策推進会議(第2回)は、一部持ち回りとして開催された。
○細田会長(内閣官房長官) ただいまから犯罪被害者等施策推進会議の第2回会合を開催いたします。私からごあいさつを申し上げます。
犯罪被害者等施策推進会議の第2回会合に当たり、推進会議会長として一言ごあいさつ申し上げます。
有識者委員の皆様におかれましては、ご多忙のところご参会いただき、厚く御礼申し上げます。4月の第1回推進会議以降、7回の基本計画検討会が開催され、構成員の皆様に毎回長時間にわたって活発なご検討を積み重ねていただきました。改めて御礼申し上げます。
ご検討いただいた結果につきましては、後ほど山上座長代理からご報告をいただき、当会議において議論の上、犯罪被害者等基本計画案の骨子として取りまとめることとしております。各委員におかれましては、活発なご審議を賜りますようよろしくお願い申し上げます。また、関係大臣各位におかれましては、それぞれの所管の立場にとらわれず、国務大臣としての高い視点に立ったご審議をいただきますようお願い申し上げます。
皆様方のご議論の結果を踏まえ、犯罪被害者等の権利利益の保護が図られる社会が実現されるよう、全力で取り組むことを改めてお約束申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございます。
それでは、議事に入ります。冒頭の議題は、犯罪被害者等基本計画案の骨子案についてでございます。
本日は、山上皓犯罪被害者等基本計画検討会座長代理にお越しいただいております。まず、山上座長代理から、犯罪被害者等基本計画案骨子案の検討の取りまとめにつきまして、ご報告をお願い申し上げます。
○山上座長代理 基本計画検討会の検討結果については、お手元の資料2、犯罪被害者等基本計画案(骨子)(案)としてまとめております。推進会議においてご議論いただき、ご決定いただいた後、犯罪被害者等基本計画案(骨子)として公表して、広く国民から意見を求めていただくことを希望いたします。
○細田会長(内閣官房長官) ありがとうございました。それでは、ただいまのご報告を踏まえ、骨子案の取りまとめにつきましてご質問等がございましたら簡潔にお願い申し上げます。いかがでございますか。よろしゅうございますか。それでは、ありがとうございました。
基本計画案(骨子)につきまして、基本計画検討会ご報告の案のとおりとすること、これを公表して国民からの意見を募集すること、及び12月の基本計画案の作成に向け、基本計画検討会において引き続き検討を行っていただくことにつきまして、本日ご出席の委員の皆様方におかれましては、ご異議ありませんでしょうか。
それでは、本日、この場にお越しいただけなかったものの、既に持ち回りにより異議なしの旨を表明されている閣僚委員の分も合わせ、そのように決したことといたします。
申しわけございませんが、ちょっと会議が重なりまして中座いたしますが、この後の司会進行は、犯罪被害者等施策担当の村田大臣にお願い申し上げます。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) それでは、この後は私が司会を務めさせていただきます。
私は、基本計画検討会の招集者として、基本計画検討会に毎回出席し、議論を見守ってまいりました。その中で、基本法が具体的な事項にまで踏み込んで、犯罪被害者等のための施策を求めていることをよく踏まえ、各省庁とも原点に立ち返り、既存の枠組みを越えて考えていかなくてはならないことを申し上げました。有識者の方々にも、ご多忙の中、ご無理申し上げて、ハイペースで長時間かつ中身の濃い議論をしていただきました。こうした経緯を経て、骨子を策定するに至ったところであります。改めて感謝を申し上げます。
先ほど、骨子について推進会議の決定を見ましたが、まず、山上座長代理にこれまでの検討会における議論についてのご紹介をいただくとともに、今後の検討会の進め方につきまして、先週行われました第7回基本計画検討会において議論されたところでありますので、その概要をあわせてご報告いただきたいというふうに思います。
○山上座長代理 先ほどご決定いただいた骨子は、4月28日の第1回推進会議以降、約3か月の間に合計7回の検討会を開催して取りまとめたものです。検討会では白熱した議論が行われ、予定していた検討時間を大幅に超過し、5時間を超える検討がなされたことも度々ありました。
検討会では、犯罪被害者団体等からのご要望すべてについて、政府としてどのような施策が可能かを検討いたしました。検討に当たっては、犯罪被害者等からの要望に係る各施策について、その施策の実現がかえって犯罪被害者等のためにならなかったり、公共の福祉の理念に反したり、あるいは他により有用な施策があったりするものでない限り、骨子案に盛り込む方針で議論を進めました。そのような方針のもと、たいへん多くのご要望について一つ一つ議論した結果、今後、講じていく施策として200を超える施策を盛り込むことができたものでございます。
次に、お手元にある資料3、犯罪被害者等基本計画案の検討スケジュールをごらんください。先ほど、骨子について国民から意見を募集する、いわゆるパブリック・コメントに付するご決定をいただきました。検討会としては、パブリック・コメントと並行して、全国9か所で基本計画案の骨子に関して犯罪被害者団体等からご意見をお聞きする会を開催したいと考えております。詳細につきましては、資料4をごらんください。
検討会では、国民からの意見募集と犯罪被害者団体等からの意見募集の結果を踏まえて検討を行い、12月までに犯罪被害者等基本計画案の原案を取りまとめ、第3回推進会議に報告することとしたいと考えております。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) ありがとうございました。それでは、これまでの検討会での検討について感想や、今後、基本計画案の策定に向けてどのように取り組んでいくのか、有識者委員からのご発言があればお願いいたします。では、まず初めに、井上委員からお願いいたします。
○井上委員 ただいま山上座長代理からご報告がありましたように、検討会では、回数は限られていましたものの、ほぼ毎回、予定の時間を大幅に超過して、白熱した熱心な議論が行われました。関係省庁等におかれましても、すぐに措置できるものは直ちに実施していただくとともに、さらに検討を重ねないといけないものにつきましても、その方向性を確認し、年限を切って、結論を出して実施していくということが盛り込まれましたので、犯罪被害者等の方々の権利を適正に保護し、救済が必要なところは適切な救済の措置をとっていくということに向けて、大きな前進であり、たいへん意義のあることだというふうに受けとめております。
ただ、犯罪被害者の方々あるいはその関係者の方々からのご要望があまねく、ストレートに、あるいは直ちに、この骨子案に盛り込まれているというわけでは必ずしもない。そういうふうに恐らく受けとめられるであろうと思われますけれども、特に大きな制度改革を伴ったり、人的、財政的な手当が必要な事柄につきましては、申すまでもないことですが、他の配慮を要する事柄との関係についても慎重に検討した上で、バランスのとれた安定した制度を構築していくということこそ、真に犯罪被害者等の方々の利益にかなうように思います。その方向で、今後、精力的に具体案づくりに努めていただきたいと思いますし、私も一委員として、力の及ぶ限りそれに協力し、努力させていただきたい。そういうふうに覚悟を新たにしているところです。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) 次は、大久保委員、お願いします。
○大久保委員 よろしくお願いいたします。本当に、4月28日に第1回の推進会議が開催されましてから3か月少しで、今日、このような短期間の中で基本計画の骨子案を会長にお出しすることができたということをたいへんうれしく思っています。これもひとえに寝食を忘れて取り組んでくださいました内閣府の犯罪被害者等施策推進室の皆様と関係省庁の皆様、そして見守り続けてくださいました超党派の国会議員の皆様のおかげだと、心から感謝をしております。
とはいいましても、今、井上委員からも発言をしてくださいましたように、具体的な施策はこれからになりますので、基本法の前文にありますように、犯罪被害者の視点に立った新たな一歩を踏み出し、ということで、世界に誇れる犯罪被害者等基本計画にしていただけるよう、今後ともぜひお力を貸していただきたいと思いますし、また、私たちも精いっぱいの努力を今後ともしていきたいと思っております。
本当に皆様には心からの感謝を申し上げたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) どうもありがとうございました。それでは、小西委員、お願いします。
○小西委員 本当にハイペースで、しかもこれだけたくさんのことを話す会合というのは本当に初めてでありましたけれども、推進室の皆様も、それからずっと出ていただいた村田大臣にも、本当に感謝しております。関係省庁の方でも、私にとっては思ったように答えてくださらなかったことも実際にありましたが、随分準備されるのにご苦労されたというふうに聞いておりますので、感謝申し上げたいと思います。
ただ、皆様と同じになりますが、やはり財政的な措置を伴う一番大きな問題について、これからです。もちろん、具体的な施策が一つ一つ決まっていくことは大変意義のあることだと思いますけれども、ここで緩めず、私どもも、それから関係者の皆様も、またやっていかなくてはいけないというふうに思っています。
今までずっと見ていまして、私は大臣に「既存の枠を超えてやるんだ」と言っていただいたこととか、やはりそれがとても大きかったと思っているので、ぜひこれからも、強力なリーダーシップでもって、ぜひこの問題にかかわっていただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) 山田委員、お願いします。
○山田委員 大変充実した3か月の会議であったと思います。当初、スケジュールとテーマを拝見したときは、これは大丈夫かと、消化できるかなと正直思いましたが、本当に見事な会議であったと思います。
それにしましても、長い間、顧みられなかった犯罪被害者の方々、理解を得られなかった犯罪被害者の方々のために、今ようやく春が来つつあるということを実感いたしまして、本当によかったなと思います。それにつけましても、岡村先生ほか皆様方がどれほどご苦労されたことだろうなとつくづくと思いました。ぜひとも実現できていったらいいなと思います。
そうした中にありまして、日弁連は公訴手続参加、附帯私訴のこの2点につきましては、ブレーキをかけさせていただいたわけでございますが、それと申しますのも、一言で言うならば、長い歴史の産物として、人類の知恵として現在構築されておりますこの制度を相当程度に揺るがすようなことが、簡単に、短期間に取り入れられ、行われるということに対する危惧を持つからでございます。よほど慎重に検討してみなくてはならない。そして、こういったことを法律家団体で申し述べられるのは日弁連かなと思うわけでございます。導入する、しないは別としまして、ぜひとも真剣に検討をしていきたいなと、私も思う次第でございます。
これから具体的な検討に入りますが、非力ながら一生懸命協力させていただきたいと思っております。また、政府の方々には、ただいまもお話ございましたように、予算面、財政面での何とぞのお力添えをお願いを申し上げたいと思います。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) ありがとうございました。ただいまの有識者委員からのご発言も踏まえまして、今後の基本計画の策定におきまして、各省庁の取組方針などについて関係閣僚からご発言を賜ればと存じます。まず、法務大臣からお願いいたします。
○南野委員(法務大臣) ありがとうございます。今回、ご報告いただきました犯罪被害者等基本計画案の骨子につきましては、短期間で取りまとめることを求められていた中で、検討会の構成員の方々が、毎回、長時間にわたりご熱心に議論を重ねられた成果であります。まず、そのことについて、この場をお借りいたしまして感謝申し上げます。
この基本計画案の骨子には、法務省におきまして検討すべき事項や実施すべき施策等が多数盛り込まれており、その責任の重さを感じております。法務省といたしましては、これまでも犯罪被害者や、そのご家族の方々の立場に配慮して、様々な保護や支援を図っていくことの重要性を強く認識し、検討会に積極的に参加させていただき、犯罪被害者等の方々のご要望にどのような形でお答えすることができるか、真剣に検討してまいりましたが、引き続き年末に予定されております基本計画の策定に向けて努力してまいりたいと思っております。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) ありがとうございました。それでは、厚生労働省大臣政務官、お願いします。
○藤井厚生労働省大臣政務官 厚生労働大臣政務官の藤井基之でございます。本日は、大臣の尾辻が長崎の被爆者の式典に出席しておりまして、私がかわって出席させていただきました。
本当に委員の先生方には、精力的なご審議、ありがとうございました。今年の4月から開催された基本計画検討会においては、犯罪被害者の方々のご要望について、その方々の視点に立って活発な議論が交わされて、極めて精力的に、また極めて細かな検討がなされたというふうに承知しております。
ご案内のとおり、厚生労働省の業務所掌は幅広くございまして、いろいろな分野で責任を持つ立場にありますが、本件に関しても同様でございまして、犯罪被害者の方々に対しまして、例えば心のケアが必要な方々への相談支援でありますとか、虐待などの被害者を受けている子どもさんであるとか、女性の保護といった保健医療であるとか、福祉サービスなどの必要な施策、この骨子にも盛り込まれたところでございます。
厚生労働省としましては、引き続きまして、この会議に寄せられた犯罪被害者等の実情やご要望を十分踏まえつつ、12月の犯罪被害者等基本計画策定に向けまして、積極的に取り組んでまいりたいと考えます。引き続き、よろしくご指導いただきたいと思います。ありがとうございました。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) それでは、次に総務省でございますが、荒木総務省大臣官房総括審議官、お願いします。
○荒木専門委員(総務省大臣官房総括審議官) 総務省におきましては、住民基本台帳の閲覧制度のあり方につきまして、犯罪被害者保護の観点も含めまして、現在、検討を進めているところでありまして、この秋をめどに検討結果を取りまとめることとしたいと考えております。また、地方公共団体におきましては、被害者支援制度に係る情報の提供や相談窓口の設置など、犯罪被害者等のための施策を講じているところが増えてきておりますが、さらに今後、関係省間の窓口の連携、ネットワーク化などの取組が重要でありますので、総務省としても、これにできるだけの協力をしてまいりたいと考えております。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) それでは、次に国土交通省ですが、平山国土交通省総合政策局次長、お願いします。
○平山専門委員(国土交通省総合政策局次長) 今日、北側国土交通大臣、都合によりどうしても出席できませんので、大臣のあいさつを私がかわりまして読み上げさせていただきたいと思います。
春以降の7回にわたる基本計画検討会におきましては、犯罪被害者団体等からの要望を真摯に受けとめ、大変活発な議論が行われたと聞いております。基本計画骨子案の取りまとめに当たられました宮澤座長、山上座長代理を初め、検討会の構成員の皆様方のご労苦に敬意を表する次第であります。
基本計画骨子には、国土交通省が取り組んでいく施策といたしまして、交通事故被害者に対する自賠責保険の適正な支払いを通じた支援や、現在、住居に住むことが困難となっておられます被害者等の公営住宅への単身入居や優先入居などが盛り込まれております。また、関係省庁と連携・協力して、犯罪被害者の方々への情報提供等のあり方の検討なども行っていくことになっております。
国土交通省といたしましては、これまで同様、12月の閣議決定に向けまして、犯罪被害者等基本計画の策定に積極的に取り組むとともに、これら施策の活用、充実を図り、犯罪被害者の方々の期待にこたえてまいる所存であります。
以上でございます。今後ともよろしくご指導のほどお願いいたします。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) どうもありがとうございました。
○村田委員(国家公安委員会委員長) それでは、最後に私が国家公安委員会委員長の立場から一言申し上げたいと思います。
現段階で取りまとめられた基本計画の骨子案の中には、犯罪被害給付制度における重傷病給付金の支給範囲等の拡大など、新たに取り組むべきことが求められているもののほか、警察がこれまで取り組んできた施策をより一層充実強化していくこととされているものも多数ございます。
警察におきましては、今後、これらについて必要な検討を速やかに行っていくものと考えますが、骨子案策定の過程における様々な議論や、犯罪被害者等の方々のご要望を踏まえまして、警察における被害者支援がより一層充実したものとなるよう、私としても、警察を督励してまいりたいと考えております。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) 委員の方々から何か追加的にご意見ございますか。
○大久保委員 実は、基本計画の検討会の案の中では、その施策検討を例えば1年以内に、あるいは2年以内をめどに結論を出して当該施策を実施するという言葉も多いかと思いますので、ぜひとも被害者支援のことを十分理解している方もその検討会の中に入っていただいて、被害者の視点を取り入れたものにぜひつくり上げていっていただきたいと、そのように願っております。
○村田委員(犯罪被害者等施策担当大臣) ご意見ありがとうございました。ほかにございますか。
ただいま大久保委員からもご発言ございましたので、山上座長代理におかれましても、今ご要望のご趣旨を踏まえて、今後ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
それでは、ありがとうございました。ほかにご意見もないということでございましたので、時間となりましたので、自由討議を終了させていただきたいと思います。本日の議論を踏まえまして、事務局において骨子の公表と国民から意見を求める手続を開始させていただきたいと思います。この結果を踏まえまして、秋以降、骨子に肉付けをして、基本計画の案を固めていく作業に取りかかることになります。犯罪被害者等の視点に立った施策が講じられ、犯罪被害者等の権利・利益の保護が図られる社会の実現に向けまして、引き続き皆様方のご協力をお願い申し上げまして、犯罪被害者等施策推進会議の第2回会合を終了いたします。本日は本当にありがとうございました。
(以上)
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