川崎イベント:主催者挨拶1

警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当)佐野 裕子

 警察庁の犯罪被害者支援を担当している審議官の佐野でございます。どうぞよろしくお願いします。この場をお借りしまして、一言ご挨拶申し上げます。

 本日はご多忙の中ご来場いただきまして誠にありがとうございます。また、基調講演をしてくださる渡邉治重様、そしてパネルディスカッションにご参加くださるパネリストの方々、そしてこのイベントに向けて着々と準備を進めてこられました担当者の皆様方に心からお礼申し上げます。

 11月25日から12月1日までの犯罪被害者週間に伴って行われる本イベントは、より多くの方に、犯罪被害に遭われた方やそのご家族が直面する様々な困難、そしてその心情に理解を深め、一人一人が、何ができるのかということを考えるきっかけを作ることをコンセプトとするものでございます。

 本日の基調講演をお願いしております渡邉治重様は、大学生でいらした最愛の息子さんを交通事故というよりは、まさに犯罪と言った方がいい、卑劣な行為によって失われたその悲しみを、我々に共有していただくとともに、犯罪被害者の方々に対してどのように接するのか、どのように声をかけるのかということを、思い切ってお話をしてくださるということに、心から感謝申し上げます。本日は渡邉治重様のお話を通じて、我々一人一人がどのように犯罪被害者の方々に接し、そして声をかけ、受け止めなければならないのかという気づきになればというふうに考えております。

 それに続くパネルディスカッションにおいては、地域における被害者支援というものについて議論が展開されるというふうに承知しております。犯罪被害者の方々を取り巻く様々な機関や団体、そして周囲の人が、犯罪被害者の方々の置かれた状況や心情に対して、どのように手を差し伸べるのか。途切れのない終わりのない、そして取り残すことのない支援をどのようにしていくことができるのかということを考える上で極めて重要なものになると考えております。

 平成16年に犯罪被害者に関する基本法ができてしばらく経ちます。一歩一歩着実に前進をしてきたところでございますが、まだまだ道半ばでございます。苦しみ続けている犯罪被害者の方はたくさんいらっしゃいます。私を含め、一人一人が犯罪被害者の方々の思いに身を馳せ、取り残さない、そして大丈夫、あなたは一人ぼっちじゃない、あなたは悪くないということを、しっかりと胸に抱えながら、どのように支えていけるかということを考えていける、そういう温かい社会になることが必要だと思っております。

 我々政府も、全力で頑張っていきたいと思っておりますし、皆様も今日の大会を一つのきっかけとして、犯罪被害者の方々の存在、そして一人一人何ができるかということを考えていただければというふうに思うところでございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

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