警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当) 佐野 裕子
こんにちは。警察庁で犯罪被害者等支援を担当しております審議官の佐野でございます。閉会にあたりまして一言ご挨拶申し上げます。本日はお忙しい中、ご来場いただきまして、またオンラインでご視聴いただきまして大変ありがとうございます。
また、基調講演をしてくださった栗原一二三様、穂瑞様、そしてコーディネーターを務めてくださった藤森先生、そして安永様、小木曽様、本当にありがとうございました。そして、この会に向けて準備を重ねてくださったスタッフの皆様方にも心から感謝申し上げます。
本日の基調講演、栗原一二三様、穂瑞様、本当におつらいご経験を共有していただきました。お話を聞いていても、私自身が胸の張り裂けるような思いになったところでございます。 しかし、栗原様ご兄妹のお話を聞くことによって、被害者の方々が直面する様々な困難、そして苦しい心情、どのようなお気持ちになるのかということを1人1人が受け止めて、そして何ができるのか、どのように接すればいいのか、ということへの一つの気づきに繋がったものというふうに思います。
また、パネルディスカッションにおいては、こどもが被害者となるケースについて議論が展開されました。虐待やいじめ、そして性犯罪といったこどもが声を上げにくいケース、それに加えてSNSを通じて騙されて被害に遭ってしまうといった、そういった最近のケースについても議論が展開されたところでございます。私自身、小学校の高学年の娘がおりまして、こどもを被害からどのように守るのか。そして、どのように気づいて、そして守ってあげられるのか。被害に遭ってしまったこどもにどうしていくのかということを、自分そして自分のこどもに置き換えて考えた、そういう点がございました。皆様も自分ごととして考える一つの気づきのきっかけになったのではないかというふうに思います。非常に意義あるディスカッションになったと思います。
この11月25日から12月1日までの犯罪被害者週間は、より多くの人に犯罪の被害に遭うということがどういうことなのか、そして周りの人々がどのように手を差し伸べて、そしてどのように声を掛け、どのように接することができるのかということを考えるきっかけ作りをコンセプトとしているものでございます。
平成16年に基本法が制定されて以来、一歩一歩着実に前進してきたというふうに思っておりますけれども、まだまだ道半ばでございます。苦しみ続けている犯罪被害者の方がいらっしゃるという現実がございます。我々としましても、より一層手厚い被害者の方々への支援ができるように、途切れのない終わりのない、そして取り残すことのない支援を差し上げることができるように、全力を尽くしてまいりたいと考えておりますし、より多くの方々が被害者の方々に対して、大丈夫、あなたは悪くない、独りぼっちじゃないという言葉をかけてあげるような社会になるように、それを心から祈念いたしまして、閉会の挨拶とさせていただきます。本日は皆様、本当にありがとうございました。