【要旨】
被害者は、一般対象者よりも高い割合で精神上の問題や悩みを抱えている。一般対象者も健康上・精神上の問題を抱えてはいるが、被害者とその状況を比較すると、被害者の方が重症精神障害相当の状態に達している比率、日常生活に支障を来す日数等が顕著に高く、犯罪被害による影響の大きさがうかがえる。
健康上・精神上の問題の解決方法としては、被害者は医療機関に通うケースが多くみられる。また、被害者は、休学・休職、長期入院、家族間不和等の生活の変化に遭遇しやすい。なお、経済状況に関する意識等については、若干、被害者の方が低い傾向が見受けられる。