第5章 安全かつ快適な交通の確保

第2節 交通安全意識の醸成

1 交通安全教育と交通安全活動

(1)交通安全教育

国家公安委員会では、地方公共団体、民間団体等が適切かつ効果的に交通安全教育を行うことができるようにするとともに、都道府県公安委員会が行う交通安全教育の基準とするため、交通安全教育指針を作成し、公表している。

警察では、関係機関・団体等と連携し、同指針を基準として、教育を受ける者の年齢、心身の発達段階や通行の態様に応じた体系的な交通安全教育を実施している。

(2)交通安全活動

① 全国交通安全運動

広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けるとともに、国民自身による道路交通環境の改善に向けた取組を推進することにより、交通事故防止の徹底を図ることを目的として、毎年春と秋の2回、全国交通安全運動を実施している。

② 歩行者の交通ルール遵守の徹底

警察では、歩行者に対し、横断歩道を渡ること、信号機のあるところではその信号に従うことなどの基本的な交通ルールの周知に加え、歩行者側に違反のない事故の防止にも資するよう、自らの安全を守るための交通行動として、「手を上げる・差し出す、運転者に顔を向けるなどして運転者に対して横断する意思を明確に伝えること」、「安全を確認してから横断を始めること」、「横断中も周りに気を付けること」等を促す交通安全教育等を推進している。

また、薄暮時・夜間に歩行者等が被害に遭う交通事故を防止するため、反射材用品等の視認効果、使用方法等について理解を深める参加・体験・実践型の交通安全教育や関係機関・団体等と連携した広報啓発活動を実施するなど、反射材用品等の着用促進を図っている。

③ 運転者の交通ルール遵守の徹底

警察では、運転者に対し、交通ルールの遵守のほか、歩行者や他の車両に対する「思いやり・譲り合い」の気持ちを持って通行するといった交通マナーの実践を呼び掛けている。また、横断歩道等における歩行者等の優先義務(注)を再認識させるための交通安全教育を推進している。

注:車両等が横断歩道等に接近する場合には、歩行者等がないことが明らかな場合を除き、直前で停止することができるような速度で進行するとともに、横断中又は横断しようとする歩行者等があるときは、一時停止等をしなければならない義務

④ 地方公共団体や民間団体等と連携した交通安全活動の推進

交通安全活動は、警察と地方公共団体や民間団体等が連携して行うことが重要であることから、警察では、交通安全キャンペーン等の広報啓発活動に協力するなど、地方公共団体や民間団体等による交通安全活動が、より効果的なものとなるよう連携を図っている。

MEMO 交通安全意識の醸成に資する交通安全協会の取組

全国の交通安全協会は、地域の実情に応じた様々な交通安全活動等を推進している。例えば、町田交通安全協会(東京)は、警視庁町田警察署等と連携し、反射材の普及や交通少年団の活性化に向けて、各種イベントやキャンペーンを推進しているほか、独自のスローガンとして、「管内交通死亡事故ゼロ」を目指す「町田署管内チャレンジアンダーワン」を掲げ、関係機関・団体に働き掛けることにより、交通安全意識の浸透を図っている。

 
児童厚生施設における交通安全イベント
児童厚生施設における交通安全イベント


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