第7章 警察活動の支え

6 皇宮警察本部の活動

警察庁に附置されている皇宮警察本部は、天皇皇后両陛下及び上皇上皇后両陛下並びに皇族殿下方の護衛、皇居、赤坂御用地等の警備等を行っている。

① 天皇及び上皇並びに皇族の護衛

天皇皇后両陛下及び上皇上皇后両陛下並びに皇族殿下方の安全を確保するため、皇宮護衛官のうち、側衛官が、皇居、御所等はもとより、国内外において御身辺の直近で護衛に当たっている。

令和3年中は、2020年東京大会の開催に伴い、天皇陛下が開会式に、皇嗣殿下が天皇陛下の御名代として閉会式にそれぞれ御臨席になった際等に、側衛官を派遣し、御身辺の安全を確保した。

 
図表7-15 皇宮警察本部の活動地
図表7-15 皇宮警察本部の活動地
② 皇居、御所等の警備

皇居、赤坂御用地、各御用邸、京都御所、正倉院等の安全を確保するため、主に6都府県(注)において警戒警備活動を行っている。

令和3年中は、天皇皇后両陛下並びに愛子内親王殿下の、赤坂御所から皇居への御移転に伴い、所要の体制を確立し、警備の万全を期した。

注:栃木、東京、神奈川、静岡、京都及び奈良

③ 国賓等の護衛

国賓として来日した外国要人の皇居参内や、信任状の捧呈に伴う特命全権大使の皇居参内に際して、騎馬、サイドカー(注)等で護衛に当たっている。

注:側車付大型自動二輪車

MEMO 特別警備隊

皇宮警察本部警備部警備第一課に設置されている特別警備隊は、皇居正門や国賓の皇居参内等の行事における儀仗(じょう)勤務や、事案発生時の警備出動を主たる任務として活動するほか、銃器等使用事案への対処能力を有し、皇居等における事案対処の中核を担っている。

令和4年度からは、各種事案対処能力を更に強化するため、皇宮護衛官の中でも爆発物や銃器対策、NBCテロ(注)対策等の技能に優れた者を改めて隊員に選抜するなど、体制と機能の充実を図っている。

注:182頁参照(第6章)

 
特別警備隊における銃器等使用事案対処訓練
特別警備隊における銃器等使用事案対処訓練


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