第2章 生活安全の確保と犯罪捜査活動

警察活動の最前線

安全安心のための厳正な銃砲行政


熊本県警察本部生活安全部生活環境課許可等事務担当室第二係

宮﨑 義隆(みやざき よしたか)

 
ゆっぴー

日本では、猟銃等の銃砲所持は原則禁止されていますが、都道府県公安委員会から許可を受けた人については、猟銃等を所持することが許されています。

私は、現在、県内の猟銃等所持許可等の担当者として日々仕事に励んでいます。

以前、県内で猟銃所持者が元妻を監禁した上、猟銃を使用した殺人未遂事件が発生しました。私は現場で対応に当たりましたが、銃口を向けてくる猟銃所持者の姿を目の当たりにして猟銃の危険性を直接肌で感じました。猟銃が危険物となるのか、イノシシ等の有害鳥獣の駆除に有用な道具となるのかは、その銃を取り扱う人次第です。

銃砲所持許可に関する申請を受理した後、警察では様々な調査を行いますが、人の生命・身体を害するおそれがあれば、危害予防のため所持許可は与えられません。申請者のほとんどは善良な方ですが、中には実際に事件や事故を起こしかねない適格性に欠ける方が申請することもあります。猟銃等の使用による悲惨な事件や事故を起こさせないための重要な仕事ですので、今後も猟銃等の所持を希望される方には危険性をしっかりと伝えるとともに、その適格性に欠ける方については猟銃等を持たせないよう厳正に対応して、県民の安全と安心を守っていきたいと思います。

 
熊本県警察本部生活安全部生活環境課許可等事務担当室第二係 宮﨑 義隆

「犯人と闘う 被害者と共にある分析」


京都府警察本部刑事部刑事企画課捜査支援分析センター情報分析係

河原 美由紀(かわはら みゆき)

 
ポリスまろん・ポリスみやこ

今から約10年前、捜査第一課性犯罪担当の刑事として勤務していた頃、通常の捜査では犯人に辿り着けない性犯罪事件が発生し、とても悔しい思いをしました。

その時、犯行現場の状況や犯行手段、被害者等の情報を、統計データや心理学的手法を用いて分析し、犯人の人物像や次の犯行がいつどこで起こるのかを予測し犯人を追い込んでいく「犯罪者プロファイリング」という手法を知り、その技術・手法の習得に努めてきました。

現在、私は、犯罪者プロファイリングを専門的に行う部署で、京都府警独自の分析システム「犯罪防御システム」等を活用し、性犯罪のほか、窃盗や強盗等様々な事件の分析を行っています。

京都府警が犯人検挙に一丸となった連続コンビニ強盗事件では、犯人の人物像・居住地・次回犯行日時等の推定を行いました。捜査会議で情報共有した分析結果に基づいて張込警戒中の機動捜査隊員が犯人を発見・逮捕し、事件解決につながりました。

現場の刑事だった頃とは違い、直接、犯人を取り調べたり、被害者の方と関わることはなくなりましたが、これからも引き続き、犯人と闘い、被害者と共にある分析を行うことを念頭に、高度な分析結果を現場警察官に提供することで犯人の検挙につなげ、被害者の無念を晴らしていきたいと思います。

 
京都府警察本部刑事部刑事企画課捜査支援分析センター情報分析係 河原 美由紀


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