第5章 公安の維持と災害対策

警察活動の最前線

助けを求める人の為に


大分県警察本部警備部機動隊

尾園 芳樹(おぞの よしき) 巡査部長

 
ピンキー パンキー パット ロール
ピンキー パンキー パット ロール

私は、大規模災害発生時の被災者の救出救助活動や行方不明者の捜索を任務とする広域緊急援助隊員の指定を受け、機動隊員として日々の訓練に励んでいます。

平成28年4月14日深夜、「熊本県で大規模地震発生、倒壊家屋、生き埋め多数、熊本に向けて出動せよ」との指令を受け、私は広域緊急援助隊の一員として被災現場に急行しました。

私たちは直ちに行方不明者の捜索を開始し、不眠不休の活動を行う中、倒壊家屋の瓦礫(れき)の下で身動きができなくなっていた高齢の男性を発見しました。私は他の隊員と共に男性を励ましながら瓦礫を取り除き、4時間後、無事に男性を救出することができました。その際、男性の無事を祈っていた家族の方々からは、涙を浮かべながら「ありがとう」とお礼の言葉を掛けていただきました。

そのとき、私の両手の感覚は無くなり、男性を乗せた担架をしっかりと持つことができないほど体力が消耗していることに気付きましたが、休憩したいという気持ちには全くならず、別の行方不明者の捜索に向かいました。

災害現場で私たち機動隊員を突き動かしていたものは、助けを求める人を1分1秒でも早く助け出したい、国民の警察への期待に応えたいという強い気持ちでした。

私は、これからも、どんなに苦しくても諦めず最善を尽くし、助けを求める人に手を差し伸べ、救いの光となっていく所存です。

 
大分県警察本部警備部機動隊 尾園 芳樹(おぞの よしき) 巡査部長

期待が高まる機動警察通信活動


中国管区警察局広島県情報通信部機動通信課災害通信対策係

丸本 誠司(まるもと せいじ) 技官

 
警視庁ロゴマーク

私は、機動警察通信隊員として、災害や事故、重大事件、警衛・警護警備等の様々な現場において、警察通信を確保し、現場映像を伝送しています。平時の活動の多くは、事案発生時に現場に赴き、現場状況等を撮影して警察本部等に映像を伝送する業務です。映像は無線と違い、現場の状況が瞬時に伝わるという利点があります。捜査員等から「映像があると状況がよく分かる。非常に助かっている」などという声を聞くと、自分たちの活動が様々な警察活動に役立っていると感じます。

最近では、G7外務大臣会合及びオバマ・米国大統領(当時)の広島訪問に伴う警護警備等の大きな警備に携わりましたが、そのたびに、「機動警察通信隊なしでは警察活動は成り立たない」という声を聞くことがあり、機動警察通信隊の活動がますます重要になっていることを実感しました。プレッシャーもありますが、期待に応えられるよう日頃から各種事案を想定した実践的な訓練を継続的に行い、機動警察通信隊員としての知識・技能の向上を図っていきたいと考えています。

 
中国管区警察局広島県情報通信部機動通信課災害通信対策係 丸本 誠司(まるもと せいじ) 技官

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。



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