トピックス

トピックスII 女性・子供の安全を守るための警察の取組

警察では、女性・子供が安全で安心な生活を送ることができるよう、関係機関・団体等と連携しつつ、女性・子供を犯罪等から守るための取組を総合的に推進している。

(1)女性の安全を守るための取組

① 恋愛感情等のもつれに起因する暴力的事案への対応

警察では、恋愛感情等のもつれに起因する暴力的事案については、事態が急展開して重大事件に発展するおそれが大きいことから、加害者の検挙、被害者の保護等、組織による迅速・的確な対応を推進している(注)。このうち、ストーカー事案については、被害防止のための広報啓発、行為の再発防止のための加害者に関する取組等の各種対策を強力に推進している。

注:92頁参照
② 性犯罪等の未然防止のための教育啓発

警察では、学校、企業等と連携した防犯教室等を充実させることにより、女性を対象とする性犯罪等の未然防止を図っている。

 
護身術指導の様子
護身術指導の様子

事例

福岡県警察では、23年度から、女子高校生の防犯意識の向上等を図り、性犯罪被害を防止するため、県内の高等学校162校と協定を締結した上で、教員等を通じた防犯教育や護身術の指導のほか、学校との協働による防犯キャンペーン等を実施している。

コラム ストーカー行為に関する広報啓発の推進

警察では、若年層のストーカー被害を防止するため、高校生、大学生等を対象に、イラスト等を用いてストーカー被害の態様を説明した教材(パンフレット、DVD等)を作成し、当該教材を活用した防犯教室等を開催しているほか、ポータルサイトを作成し、ストーカー事案に関する情報を発信している。

 
DVDの教材
DVDの教材

コラム ストーカー加害者に対する精神医学的・心理学的アプローチ

警察では、平成26年度から、ストーカー加害者に対する精神医学的・心理学的アプローチに係る調査研究を実施してきたところ、その結果を踏まえて、28年度から、警察官が地域精神科医等に加害者への対応方法や治療・カウンセリングの必要性について助言を受け、加害者に受診を勧めるなど、地域精神科医等との連携を推進している。

 
連携のイメージ
連携のイメージ

(2)子供の安全を守るための取組

① 通学路の安全対策及び被害防止教育の推進

警察では、子供が安全に登下校することなどができるよう、信号機や横断歩道の設置等による道路交通環境の整備を推進するとともに、学校、防犯ボランティア等と連携しつつ、通学路等のパトロール、交通安全教室等を実施している。

また、子供に犯罪被害を回避する能力等を身に付けさせるため、小学校等において、危険な事案への対応要領等について子供が考えながら参加・体験できる防犯教室、地域安全マップ作成会等を関係機関・団体と連携して開催している。

事例

平成27年11月、愛知県警察では、保護者や有識者の意見を踏まえて作成したシナリオや通学路等を再現した施設等を用いた体験学習を通じて、通学路等で想定される危険な場面への対処方法等を子供が学ぶことができる「BO-KENあいち~子ども防犯体験学習プログラム~」を開催した。

 
体験学習の状況
体験学習の状況

事例

27年10月から11月にかけて、千葉県柏市立十余二小学校では、科学警察研究所、千葉県警察及び柏市教育委員会との連携の下、社会科授業の一環として、同研究所が開発した「聞き書きマップ」(注)を活用して通学路の安全マップを作成した。

注:GPS受信機、デジタルカメラ及びICレコーダーと併用することで、各地域の安全点検を行う際の歩行経路、写真の撮影地点及び録音した音声から「聞き書き」したメモを地図データ上に記録することができるソフトウェア
 
児童によるフィールドワーク
児童によるフィールドワーク
 
「聞き書きマップ」の作成画面
「聞き書きマップ」の作成画面
 
通学路の安全マップの作成
通学路の安全マップの作成
② 児童虐待への対策

警察では、児童の人権を著しく侵害し、その心身の成長等に重大な影響を与える児童虐待について、児童の安全確認及び安全確保を最優先とした対応を行っている。

コラム 児童からの事情聴取における配慮

被害者等が児童である事案においては、事情聴取に伴う児童の負担の軽減及び児童の供述の信用性担保に配慮する必要がある。警察では、検察、児童相談所等の関係機関との更なる連携強化を図り、情報共有を促進するとともに、代表者による聴取を含めた事情聴取方法についての検討・協議等を推進している。

 
連携のイメージ
連携のイメージ


前の項目に戻る     次の項目に進む