特集II 子供・女性・高齢者と警察活動

特集II 子供・女性・高齢者と警察活動

第1節 子供・女性・高齢者と治安

1 治安に対する不安とその要因

内閣府(注1)及び警察庁(注2)が実施した調査の結果を基に、国民の治安に対する不安の程度及びその要因を分析する。

注1:内閣府が平成24年7月に、全国20歳以上の日本国籍を有する者3,000人に対して実施(「治安に関する特別世論調査」)。
注2:警察庁では、25年1月から同年2月までの間に、各都道府県の運転免許試験場等に運転免許証の更新を受けるために来場した一般国民3,745人(性別は、男性43.0%、女性56.7%、無回答0.3%。年齢層は、24歳以下7.7%、25~29歳5.8%、30~34歳8.7%、35~39歳10.0%、40~44歳9.7%、45~49歳8.2%、50~54歳6.5%、55~59歳6.4%、60~64歳7.6%、65~69歳13.6%、70歳以上15.3%、無回答0.3%)に対して調査(以下「警察庁意識調査」という。)を実施した。

(1)治安に対する不安

刑法犯認知件数が10年連続で減少するなど、統計上、治安情勢が改善傾向を示す(注)一方で、過去10年の日本の治安の変化に関し、「悪くなったと思う」又は「どちらかといえば悪くなったと思う」と回答した者の割合が全体の8割以上を占めるなど、国民の治安に対する不安は依然として払拭されたとは言い難い状況にある。

注:78頁参照
 
図II-1 過去10年で治安はどう変わったか
図II-1 過去10年で治安はどう変わったか
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(2)不安の要因

① 社会情勢

治安が悪くなったと思う原因としての社会情勢として、地域の連帯意識の希薄化、景気の悪化、情報の氾濫等、不十分な青少年教育、国民の規範意識の低下を挙げる回答が多かった。

 
図II-2 治安が悪くなったと思う原因
図II-2 治安が悪くなったと思う原因
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② 犯罪の種類

治安に対する不安を強く感じさせる犯罪の種類として、「殺人・強盗などの凶悪犯罪」「暴行・傷害などの暴力的犯罪」「住宅へ侵入して物を盗む犯罪」のほか、「子供を対象とした誘拐・連れ去りなどの犯罪」「強姦・痴漢などの性犯罪」「携行品を盗む犯罪(ひったくり等)」(注)といった子供・女性・高齢者を主要な被害者層とする犯罪を挙げる回答が多かった。

注:42、50頁参照
 
図II-3 治安に対する不安を強く感じさせる犯罪の種類
図II-3 治安に対する不安を強く感じさせる犯罪の種類
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