警察活動の最前線
メロディーパトロールに願いを込めて
群馬県警察本部地域部機動警ら隊兼警務部広報広聴課警察音楽隊
髙澤 麻衣子(たかざわ まいこ) 巡査長

上州くん・みやまちゃん
「素晴らしい演奏をありがとう」
演奏を終えた私の手を、涙ぐみながら握ってくれたおばあちゃん。伴奏も和音もない、単音の演奏を涙して喜んでくれた被災者の方の言葉に、私は逆に励まされました。
平成23年5月、東日本大震災に伴う群馬県警察女性派遣部隊「ミズバショウ隊」の一員として、福島県に応援派遣されたときのことです。県内の避難所を訪問し、困りごと相談等を行う中、防犯イベントでサックス演奏をさせていただくことになりました。
私は、16年から警察音楽隊を兼務し、アルトサックスを担当していますが、たった一人で人前で演奏するということは初めてでした。震災や原発事故の被害に遭い、自宅に戻ることすらできない被災者の方々に、「少しでも、笑顔を取り戻してほしい」という精一杯の願いを込めて演奏しました。
プロ演奏者のような高い技術はなくとも、私の演奏で、被災者の方々の心を少しでも癒すことができたのだと思うと、音楽隊員としての自分に少しだけ誇りを持つことができました。これからも、県民と警察を結ぶ音の架け橋として、人々の心の支えとなるような演奏に努めていきたいと思います。

騎馬護衛隊員として
皇宮警察本部護衛部護衛第一課
森岡 裕子(もりおか ゆうこ) 皇宮巡査長

五三の桐
昼下がりの東京丸の内ビル街に、蹄(ひづめ)の音が軽やかに響きます。
煌(きら)びやかに装飾された儀装馬車に揺られて参内するのは、信任状捧呈式に臨む外国からの新任の特命全権大使。私は今、騎馬護衛隊の一員として、大使の乗った馬車の直近で護衛に従事しています。
皇宮警察は、天皇及び皇族の護衛、皇居、御所等の警備のほか、特命全権大使が信任状捧呈式のために皇居に参内する際の護衛も任務としています。
馬車列を護衛するに当たっては、全方向に対する注意力や不測の事態に対応する冷静さと判断力も必要であり、約1キロメートルの行程は、一瞬たりとも気を抜くことができません。
また、馬車列の安全確保だけでなく、儀式の品位や格調高い雰囲気を維持することも大切な任務です。周囲を警戒しながらも、常に自らの姿勢に注意し「格好良く」騎乗することを心掛けています。
騎馬護衛という特殊な任務のためには、訓練による技術の向上はもとより、パートナーである馬と心を通わせることも大切です。今後も、国家行事に直接携わるという誇りを胸に、しっかり務めていきたいと思います。

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。