第4章 安全かつ快適な交通の確保 

2 道路交通環境の整備による歩行者等の安全通行の確保

 我が国では、全交通事故死者のうち、歩行中・自転車乗用中の死者の占める割合が欧米諸国と比べて著しく高くなっており、歩行者・自転車利用者の交通事故防止対策が重要な課題となっている。

(1)「ゾーン30」の推進

 警察では、市街地等における生活道路の安全を確保するため、道路管理者と連携して、通過交通の抑制等が必要な地区に対して、最高速度30km/hの区域規制や路側帯の設置・拡幅等の対策をとりつつ、地区の状況に応じ一方通行・大型自動車等通行禁止等の交通規制やハンプ(注)の設置等の道路整備等を実施するゾーン30を推進している。

注:車両の低速走行等を促すための道路に設ける盛り上がり(凸部)をいう。
 
図4-19 ゾーン30の実施例(埼玉県川口市)
図4-19 ゾーン30の実施例(埼玉県川口市)

(2)バリアフリー対応型信号機等の整備の推進

 警察では、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づき、高齢者、障害者等が道路を安全に横断できるように、次の対策を講じている。
 
図4-20 警察による交通安全施設等のバリアフリー化の実施例
図4-20 警察による交通安全施設のバリアフリー化の実施例

① バリアフリー対応型信号機の整備

 音響により信号表示の状況を知らせる音響式信号機、信号表示面に青時間までの待ち時間及び青時間の残り時間を表示する経過時間表示機能付き歩行者用灯器、歩行者・自転車と車両が通行する時間を分離して交通事故を防止する歩車分離式信号等を整備している。

② 見やすく分かりやすい道路標識・道路標示の整備等

 標示板を大きくする、自動車の前照灯の光に反射しやすい素材を用いるなどして見やすく分かりやすい道路標識・道路標示を整備するとともに、横断歩道上における視覚障害者の安全性及び利便性を向上させるエスコートゾーンを整備している。

 第4節 交通環境の整備

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