警察活動の最前線

APEC 警備を終えて

警視庁東京湾岸警察署 水上安全課

小林 範子(こばやしのりこ) 主事

警視庁ピーポくん

警視庁ピーポくん

私は、警視庁で唯一の女性海技職員として東京湾岸警察署の水上安全課水路係で勤務しています。主な担当業務は、警備艇の安全な運行の確保のため、東京港内や各河川、運河の危険箇所の把握等、各種情報の収集や資料の作成です。

昨年のAPEC 警備では、男性海技職員に混じって当番非番の二部制勤務に就き、警備艇に乗って羽田空港周辺海域の警戒警備に従事しました。

その中でも、夜の東京港における警備においては、街の明かりが余りにまぶし過ぎて、昼間に目標としていた建物が分かりにくい、周囲の船の灯火やブイが見えにくい、暗い水面からは距離感がつかみにくいことなどから、警備艇の操縦には苦労しました。しかしながら緊張感を持って警備に臨み、無事、任務を果たすことができました。

私は、今後も、このような経験を活かして、海技職員として必要な技術を磨き、日々研鑽していきたいと考えています。

小林範子 主事

APEC 警備について

前 神奈川県警察本部警備部 APEC 対策課長(現 宮前警察署長)

長澤 嘉信(ながさわよしのぶ) 警視

神奈川県警察ピーガルくん

神奈川県警察ピーガルくん

2010年APEC 警備の最大の特徴は、都市機能が集中する大都市横浜で開催されたことであり、市民生活や社会経済活動への影響に十分配慮しながら各種警備措置や交通規制を講ずる必要があり、正に、最高難度の警備でありました。

平成21年7月、APEC 対策課が発足し、課員一丸となって、総合的諸対策の推進、部隊宿舎・拠点の確保、各種訓練の実施、関係機関・団体との連携、警備計画の策定等、膨大かつ困難な業務に積極果敢に立ち向かいました。

警備本番が近づくにつれ、不眠不休の作業が続き、課員の疲労の色が濃くなりましたが、私は、「この最高難度の警備に身を置くことができることを誇りに感じ、心を一つにして、絶対にやり遂げるんだという強い信念を持とう。」と課員を鼓舞しました。

首脳会議最終日が終了し、各国・地域の首脳が離日した時には、やり遂げた達成感と安堵感が一気に押し寄せ、熱いものが込み上げてきたのを覚えています。

2010年APEC 警備は、全国警察の応援を受け成功裏のうちに終了しましたが、この要因の一つに、県民、ボランティア、自治体、関係機関・団体等との官民一体の取組を推進したことが挙げられます。

今後、APEC 警備で得た経験、成果等を生かして、安全で安心して暮らせる地域社会の実現に全力を尽くしたいと考えています。

長澤嘉信 警視


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