第6節 運転者施策
(1)運転者の危険性に応じた行政処分の実施
警察では、道路交通法違反を繰り返し犯す運転者や重大な交通事故を起こす運転者を、道路交通の場から早期に排除するため、行政処分の厳正かつ迅速な実施に努めている。
なお、一定の悪質・危険な行為をした運転者が運転免許を取り消された場合に、運転免許を受けることができない期間の上限を引き上げることなどを内容とする改正道路交通法が、平成21年6月に施行された。警察では、改正内容について周知を行い、悪質・危険な行為の防止を図っている。
表3-5 運転免許の行政処分件数の推移(平成16~20年)
(2)運転免許取得希望者等の利便性の向上
警察では、運転免許証の更新に係る国民の負担を軽減するため、更新免許証の即日交付、日曜日の申請受付、警察署への更新窓口の設置、申請書の写真添付の省略、住所地を管轄する公安委員会以外の公安委員会を経由した更新申請の受付(優良運転者に限る。)等の施策を推進している。
また、障害者の利便性向上のため、試験場施設の整備・改善、漢字に振り仮名を付けた学科試験の実施や字幕入り講習用ビデオの活用等を推進している。さらに、障害者や一定の病気にかかっている者が安全に運転できるか個別に判断するため、専門知識の豊富な職員を配置し、運転適性相談活動の充実を図っている。
(3)国際化への対応
外国等の行政庁等の運転免許を有する者については、一定の条件の下に運転免許試験の一部を免除できる制度があり、平成20年中の同制度による運転免許証の交付件数は、3万7,512件であった。また、警察では、外国人運転者のための安全教育ビデオを作成し、その活用を図るとともに、地域の実情に応じ、外国人運転者に対する安全教育の充実に努めている。
(4)運転免許証のICカード化
ICカード免許証は、平成19年1月に発行が開始され、38都道県で導入されている(20年度末現在)。ICカード免許証には、偽変造防止のほか、本籍の記載を運転免許証の券面から削除し、電磁的記録とすることにより、免許保有者のプライバシーが保護されるなどの利点がある。
ICカード免許証